思えば、NARUTOが連載終了してから、もうすぐかれこれ10年経つんですね…。
とりあえず、祝二十章だのォ!!
大きく、高く盛り上がった水が媒体となり、十を超え、百を超え、千匹の鮫へと姿を変える。
干柿鬼鮫が操る圧倒的な水量。それは、彼が〝尾のない尾獣〟と称される所以でもある。
「水鮫弾を相殺する灼遁には驚かされましたが、これはどうですかねェ?
〝水遁・千食鮫〟!!」
押し寄せる千匹の鮫はもはや大津波だ。
この術は本来、下忍に向けて放つようなものではない。
「なら、もっと驚かせてやる。
言っておくが、俺は
だが、尾のない尾獣と称される程のチャクラ量を持つ干柿鬼鮫に匹敵するであろうチャクラ量を持つ下忍ならば……そして、そのチャクラ量を宝の持ち腐れになることなく使いこなせる下忍なら話は別だ。
〝木ノ葉の白い悪魔〟──氷也はただの下忍ではない。
「そっちが量ならこっちは質だ。
いでよ水神!」
水を媒体に1つの身体に9つの頭を持つ超巨大の水龍が出現し、千匹の鮫と衝突する。
「!
(
巨大な水龍と大量の水鮫の衝突で水が宙へと舞い上がり、舞い上がった水が大雨の如く降り注ぐ。
「なるほど…再不斬の小僧と白が勝てないはずです。
白い悪魔。その異名も伊達ではないようですね」
どうやら、干柿鬼鮫は
「ではお次は…剣術の腕前を試させてもらうとしましょう。
墓に行ったら
とはいえ、干柿鬼鮫は最初から氷也を狙っていたわけではない。たまたま偶然、氷也と遭遇してしまったのである。
そして、大人気映画シリーズ"風雲姫"の完結編の公開を機に、その名を世界に知らしめた氷也の実力が本物なのかどうか……己が認めた後輩を倒したという噂の真意を確かめる為に、干柿鬼鮫は氷也に仕掛けたのだ。
「御名答。
けど、男に対してお望み通りにってのが俺的に納得できない。だから、これで相手をしよう」
ただ、結果は大当たりであると同時に大外れでもあった。
映画では、〝血継限界〟を二つも扱えることを氷也は見せていないのである。
氷遁と灼遁。
対となる血継限界を扱えるこなせる忍など、現代の忍界には氷也しかいない。
「まさか…灼遁だけではなく氷遁まで扱えるとは。
映画の情報など、やはりまったく当てになりませんね」
氷遁で身の丈程の大太刀を作り上げた氷也に、干柿鬼鮫は驚愕の眼差しを向けている。それと同時に、鋭利に尖った歯を覗かせながら口角を上げる。
「そりゃそうだ。
あの時戦った雪の忍なんて再不斬と白と比べたら…いや、比べるまでもないな。寧ろ比べることすら2人に失礼だ」
「ふふ…そこまで再不斬の小僧を評価してくれてるとは。これは先輩として情けない姿は見せられませんねェ」
氷也の言葉に好戦的な笑みを浮かべながら、背負っていた大刀を下ろす干柿鬼鮫の姿は、まさに狙った獲物を決して逃さない獰猛な鮫そのものだ。
次の瞬間、氷遁の大太刀と晒に巻かれた大刀が衝突し、辺り一帯に衝撃が発生し水面が大きく荒れる。
「ぐッ…!
(見た目通りッ、な、なんて力してんだ!!)」
どうやら、忍術による戦いでは灼遁だけではなく氷遁まで扱え、手札の多さからも氷也に軍配が上がりかけていたが、剣術による戦いでは、忍刀使いとしての経験値の違いや、単純な力の差もあり干柿鬼鮫が圧倒的に有利にあるようだ。
「ほォ…即席で作った刀のわりに頑丈ですね。今ので折れないとは…」
余裕のある干柿鬼鮫と対し、氷也は辛うじて一太刀を防いだといった様子が見られる。
そもそも、氷也はその歳のわりには身長も高いが、まだまだ成長期真っ只中にある。身体も出来上がってはいない。才能と修練によってそれをどうにか補っているが、やはり単純な力比べでは部が悪いのである。
とはいえ、剣術はただの力比べだけではない。
「どういう形状になってるかまでは知らないが、晒巻いたままで相手するなんて…随分とナメてるな!」
力に対して、氷也は速さで挑む。
まるで凍てつく極寒の地の寒さのような……目にも止まらぬ速さで氷の大太刀を振るい、干柿鬼鮫へ猛攻を仕掛ける。
「さすがは白い悪魔。
剣術の腕前もなかなかなものですね。ですが、〝忍刀七人衆〟の一角に数えられた私の腕前を甘く見てもらっては困りますねェ」
「これはさすがに想定外だ」
しかし、相手は忍界最高峰の剣術の使い手だ。
決して力任せの剣術だけで、その異名を忍界に轟かせてはいない。
太刀筋全てを防がれ鍔迫り合いとなり、力で大きく劣る氷也は簡単に弾き飛ばされてしまう。
「うおらァァァ!!」
「うおッ!?」
強さと速さ、両方を兼ね備えた〝怪人〟干柿鬼鮫の剣術は、氷也の剣術を凌駕していた。
「さて、あなたの
そして、〝大刀・鮫肌〟の真の姿が開放される。
上空に弾き飛ばした氷也の背後へと先回りした干柿鬼鮫は、晒が外れたことで顕になった棘状の刃が幾重にも重なった刃を氷也目掛けて振り下ろす。
「な…なんだそりゃあ…」
迫りくる異形の忍刀に、さすがの氷也も驚くと同時に焦りを見せている。
形状からして、大刀・鮫肌は斬る刀ではない。干柿鬼鮫の言葉通りならば、斬られるのではなく削られる。その痛みは想像するだけ恐ろしく、氷也が焦りを見せるのも無理はない。
その上、氷也は空中に弾き飛ばされ、身動きが取れない状態なのだ。おまけに、弾き飛ばされた際に氷の大太刀を手放してしまっている。
防ぐ術も逃れられる術もない。
「ったく、削るなんて行為は頂けないな。
そんなまどろっこしいことせずに…女を一本槍でガツンと貫きイカせる!それが男だ!」
もっとも、それはあくまで
氷也は並の忍ではない。身動きがとれない空中だろうと、
「この状況で余ッ────な!?
(あの状態で
「ここだよ」
形勢逆転。
身動きの取れない空中で、今度は氷也が干柿鬼鮫の背後を取った。その手には、
「ま、まさか……ッ!
(時空間忍術も扱える!?)」
「さすがにこれは弾き返せないだろう?」
優位にあった状況が〝飛雷神の術〟によって一気に形勢逆転されたことで、干柿鬼鮫は身動きの取れない空中で驚きのあまり無防備に固まってしまう。
その様はさながら、雄大な滝すらも凍結してしまうかのような…。
繰り出された一太刀は重力落下も相まって強力なものだ。
「ぐうッ!!」
ただ、相手はS級犯罪者。あの大蛇丸と並ぶ大罪人である。驚いたのはほんの一瞬で、氷也の強烈な一太刀を大刀・鮫肌で防ぐ。それでも、氷也に与えた一瞬の隙はあまりにも大きかった。強者達の戦いでは、その一瞬の隙が命取りなのだ。
致命傷は免れるも、今度は干柿鬼鮫が吹き飛ばされる番で、真下へと勢いよく吹き飛ばされ、水の中へと消えてゆく。
「ふぅ…飛雷神の術がなかったら多分殺されてたな」
そして、〝鬼人〟桃地再不斬と氷遁使いの白や大蛇丸との死闘を経験したことで、一瞬の隙が命取りとなることを身に沁みて理解している氷也は、安堵の声を洩らしながらも警戒心をまったく緩めることなく水面に降り立ち、この機を逃すことなく次の一手を打つのである。
「鮫を捕らえるとするか」
氷の大太刀が水中に突き刺さられると、そこから一気に凍りついていく。まさに、大自然の氷の牢屋である。
水遁使いにとって、水がある場所は絶対的優位に立てる。だが、氷也の前ではそれも無意味。
氷也はその優位にすらも凍結させるのだから…。
ただ、これで終わる……など、事はそう簡単に運ばない。
「!?」
突如、迫りくる
氷也と干柿鬼鮫の戦いに横槍を入れる輩によるものだ。
「誰かこの場所に近づいているのは感知していたが、この火遁…
氷也は
すると、凍結した氷面に降り立つ1人の青年。
干柿鬼鮫と同じ外套を身に纏ったその青年は、氷也と同期の下忍……
「やはり、うちは…いや、似ているが別人か。
けど、アンタがうちは一族ってのは間違いないようだな」
その青年の瞳は深紅に染まり、三つ巴の紋様が浮かんでいる。
それは紛うことなき、うちは一族の証である〝写輪眼〟だ。
「鬼鮫、いつまで水遊びしているつもりだ。
いい加減、出てこい」
その青年がようやく口を開く。ただ、その言葉は氷也に向けてのものではなく、氷の牢獄に閉じ込められた干柿鬼鮫に向けてであった。身なりからして、そうであろうと氷也も思っていただろうが、この青年と干柿鬼鮫が仲間であることが決定付けられた。
そして、青年の言葉に応えるように干柿鬼鮫が〝口寄せ〟した鮫に乗って、氷を割って牢獄から脱出する。
「言ってくれますねェ──
まァ、水遊びは水遊びでも、極寒の地で行う寒中水泳になりかけてしまいましたが…」
脱出した干柿鬼鮫がイタチと呼ばれた青年の隣に降り立つ。
そんななか、氷也は青年の名前に大きな興味を持っているようだ。普段、男の名前は親しい間柄の相手しか覚えようとしない氷也なのだが、珍しいこともあるものである。
「なるほど。
まさかこんな場所で遭遇するとは思ってもいなかったが…お前達が〝
だがそれは、それだけの理由がうちはイタチという青年にはあるという裏返しでもあり、その理由を氷也自身がたった今、口にした。
その理由……〝暁〟とはいったい何なのか…。
お前達と指したことから、何らかの組織であることは明白だ。
ただ、氷也が暁の名を口にした瞬間、うちはイタチの表情が僅かばかり変わった。醸し出される
「鬼鮫…この子は危険だ。
生け捕りはオレ達でも困難だろう。ここで始末する」
干柿鬼鮫も、先程以上に真剣な様相だ。
「驚きましたね。
木ノ葉の白い悪魔。強さもさることながら、その情報力もまた厄介だ。いったいどこまで我々について知ってるのか、どうやって知ったのか、洗い浚い吐いてもらう必要があるのですが…イタチさんの言う通り、ここで殺すのが賢明ですねェ」
それどころか、S級犯罪者が2人して殺しにかかるという異常極まりない事態である。
つまりそれは、暁という組織には触れてはならないそれだけの何かがあるということなのだろう。
「さてどうしたものか…。
さすがにこの2人相手に勝つのは不可能。とはいえ大人しく逃げるってのもな。
それに……もう少しだけここにいれば、
しかし、そんな危険な状況であろうとも、氷也は逃げるどころかエロスを優先してしまった。
氷也の
「それに、お前ら暁は〝
それはちょっと見過ごせないからな!
(ナルトには手を出させん!)」
何より、唯一無二の相棒の為に、S級犯罪者が2人相手であろうと氷也は立ち向かう。
それに、S級犯罪者の相手は慣れたものであろう。
巨大な氷の龍を形成し、その頭の上に乗った氷也はうちはイタチと干柿鬼鮫を見下ろしている。
「!」
無論、対〝写輪眼〟対策も完璧だ。
「イタチさん!?
(まさかイタチさんが〝幻術返し〟で金縛りの術を食らうとは!!)」
「木ノ葉に
なんせ、氷也の相棒は写輪眼の開眼者だ。幻術に関しては苦手としているが、その相棒には
この氷遁結界忍術は〝氷眼の術〟の派生忍術でもあり、瞳に氷遁で形成した無色透明の眼鏡のレンズのようなものを施すことによってあらゆる幻術を跳ね返すのである。
「くッ…!
(
もっとも、氷也の言う写輪眼使いが誰なのか、この2人は知る由もなく、勘違いしているだろう。
「どんどん行くぞ!」
巨大な氷龍に乗って迫ると同時に、対となる灼遁による広範囲の攻撃。絶対零度の冷気と灼熱の炎による一斉
「ッ…!
(まさかあの鮫肌が嫌がるチャクラが存在するとは!これではチャクラを削れない!
氷遁と灼遁…本当に厄介極まりないクソガキですね!!)
〝水遁・水陣柱〟!!」
本来なら、チャクラを削り吸い取る〝大刀・鮫肌〟にとって、氷也のチャクラはなかなかお目にかかれない程のご馳走のはず。しかし、その鮫肌が氷也のチャクラを拒絶しており、初めて見せる反応に干柿鬼鮫も驚きを隠せずにいる。
これだけの忍術を使用して尚も平然としていられる膨大なチャクラもまた氷也の恐ろしいところで、これまで多くのチャクラを削り吸い取った大刀・鮫肌が拒絶する対となる忍術を扱えるのも、氷也が白い悪魔と恐れられる所以でもある。
とはいえ、咄嗟に巨大な水の柱で防いだ干柿鬼鮫もまた、さすがは忍界に名を轟かせるS級犯罪者といったところか…。水遁忍術に於いて、彼は間違いなく忍界随一の使い手のはずだ。
「干柿鬼鮫…さすがだ」
「嫌味にしか聞こえませんねェ!」
今ここに、奇妙な因縁が生まれる。
因縁が生まれたと同時に、氷也は運命の出会いも果たす。
そもそも、エロい美女との出会いは全てが氷也にとって運命だろうが…。
「あなた…どこかで会ったことあるかしら?」
「
干柿鬼鮫との激闘。
そこに、うちはイタチを交えての激闘。
そして更にそこに、大量の起爆札による襲撃と美女の登場。
青紫色の髪に紙で作り上げられたコサージュを付けた美女もまた、干柿鬼鮫やうちはイタチと同じ外套を身に着けていることから〝暁〟の一員だろう。
「あなたまさか…
(この雰囲気と女に対する態度…まさか
「俺は氷也」
氷也は今、一対三の危機的状況に陥っていることを理解しているのだろうか…。
「ぜひ、あなたのお名前をお聞かせ願いたい」
「間違いない。
(絶対に先生の子だわ…)」
間違いなく、美女に夢中だ。
鮫肌の拒絶反応。
チャクラが嫌というより、原作でイタチの火遁をキラービーが鮫肌で斬った時に熱くて怒って?嫌がってたし、その火遁以上の灼遁だったり、真逆の氷遁だったり、極限の熱い!寒い!は嫌なのかもしれない。
対写輪眼用の氷遁結界瞳術。
▪氷遁結界・氷眼の術〝
実はこの結界術、完成させるのに九喇嘛も一役買っている。経験者の言葉は何よりも重い。