ド根性(ドスケベ)忍伝   作:身勝手の極意

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今作のナルトは、風遁を使えるのは原作通りですが、火遁も使えます。ミナトパパは風遁の他に火遁と雷遁と使えたみたいですし。



ド根性(ドスケベ) 波の国編
ド根性(ドスケベ)忍伝 第五章


 

 

 木ノ葉隠れの里に、また新しい戦力(下忍)が加わり数週間が経過したある日のこと……木ノ葉屈指の実力者(上忍)2人がたまたま居合わせ軽く挨拶を交わす。

 

 ただ、里内外で有名すぎる2人故に、この2人が顔を合わせている光景を目にした者は変な憶測を立ててしまう可能性がある。もっとも、この2人が顔を合わせるのは久しぶりのようだが…。

 

()()()()じゃないの」

 

「お久しぶりですね…()()()()()

 ちなみに、今は"ヤマト"と名乗ってますので、そこのところ気を付けてください」

 

 この2人は顔見知り──それも、かなりの知己のようだ。"コピー忍者(はたけカカシ)"と"木遁のテンゾウ(ヤマト)"は、暗部時代に先輩と後輩の間柄だったようである。

 

 もっとも、暗部時代に先輩と後輩の間柄だった2人だが、今はお互いに新米下忍を受け持つ担当上忍であり同僚。

 

「はいはい。

 それにしても、まさかお前が担当上忍になるとはね。しかも──()()()の担当上忍だなんて…」

 

「まあ、ナルトの担当上忍に選ばれるとしたら、僕かカカシ先輩の可能性が元々高かったですから」

 

 ヤマトは第7班の担当上忍を務め、カカシは第9班の担当上忍を務めており、お互いにこれから里を担う若者達を育て上げなければならない責任ある立場だ。

 

「確かにな」

 

「それよりも、カカシ先輩はこれから任務じゃないんですか?担当上忍なのにまさか…遅刻したりしてませんよね?」

 

 久しぶりに顔を合わせたヤマトとカカシだが、彼らが優先すべきは教え子達であり、己のことは二の次。久しぶりの再会の余韻に浸ってる暇などない。

 

「では、僕は行きます」

 

 ヤマトはそれ以上、油を売ることなくカカシのもとから去って行く。

 

 そんなヤマトの背中を眺めながら、カカシはため息を吐きながら言葉を漏らすのである。

 

「はあ…しばらく会わない間に、可愛げがなくなっちゃってまあ…。

(まあ、テンゾウは俺よりも大変ってことかな?

 ナルトだけじゃなく、()()()()()()()まで担当してるんじゃ仕方ないか)」

 

 しかし、カカシはこの数時間後にヤマトの大変さを身に染みて理解することになるだろう。

 

 

 ❄️

 

 

 ほんの少し時間は進み…。

 

 第7班の片割れであるうずまきナルトは現在、忍者学校(アカデミー)の同期の1人と修業していた。

 

 師であり、親友でもある氷也以外とナルトが修業するのは珍しいことだが、ナルトにとってそれだけ大切な相手なのだろう。その相手……ナルトが共に修業するのは、同期の新米下忍(くノ一)の1人であり、木ノ葉の忍一族の名門──"日向一族"の日向ヒナタである。

 

 もっとも、ナルトがその相手と修業するようになったのは氷也がきっかけであり、氷也のおかげだ。

 

「ナ、ナルトくん…す、凄い。

(は、速い。まるで…()()()()()()()()()みたいな…)」

 

「氷也に比べたらまだまだだってばよ」

 

 ナルトが氷也と親睦を深め、弟子となり、鍛え始められてからしばらく経った時のことなのだそうだが、氷也はナルトとの修業の際に、常に誰かからの視線を感じていたのだそうだ。内容からして、その視線の主が誰なのか明白だと思うが、その視線の主とは日向ヒナタである。

 

 日向ヒナタは、ナルトが氷也と出会い弟子入りするよりも前から、ナルトのことを一途に想い続け、ナルトが修業している姿を影から眺めていたのだそうだ。時には、一族の能力(血継限界)まで使い…。

 

 ただ、ヒナタはあと一歩を踏み出すことができず、ナルトが修業する姿を眺めていることしかできずにいた。

 

 彼女はこう思っていたそうだ……眺めているだけでも十分。これ以上を望むなど、自分如きには烏滸がましいと…。

 

「そうだね。 氷也くんは本当に凄い」

 

 そんなもどかしい日々をヒナタが送り続けていたある日、彼女は短い人生のなかで生まれて初めて嫉妬を覚えたそうだ。彼女が嫉妬した相手はもちろん氷也である。

 

 いつもは1人で修業しているはずのナルトの隣に、出会って間もないはずの氷也が居り、共に修業していたそうだ。

 

 ヒナタはその光景を目の当たりにし、後悔もしたそうだ。もし、勇気を出してナルトに声をかけていたら、自分も一緒に修業できていたのではないだろうかと…。

 

 だが、引っ込み思案なヒナタは、あと一歩を踏み出す勇気が出せずにいた。

 

 そんな状況で、ヒナタに声をかけてきたのが氷也だったのである。ヒナタにとって、それはまさに青天の霹靂だっただろう。嫉妬していた相手から声をかけられるなど…。

 

 しかも、氷也はすぐにヒナタがナルトに恋をしていることに気付いたのだそうだ。彼女にとって一生の不覚だそうだが、氷也からしたら気付かぬのは本人達のみで丸分かりである。

 

 ともかく、それをきっかけにヒナタも修業に加わることとなり、氷也のおかげもあってヒナタはナルトと接点を築き、修業できるようになったというわけだ。

 

 その結果、最初こそヒナタは修業に加わることにも消極的で、自身を卑下するあまり場違いだとまで思っていたそうだが、教え上手な氷也に導かれ、彼女も次第に自信を持つことができるようになり、ナルトが好きすぎるあまりナルト限定で発症していた"あがり症"も改善され、今では問題なくナルトと2人きりで修業できるようにまで進歩したようである。

 

「けど、ナルトくんならいつか絶対に氷也くんを超えられると私は思う。そう信じてる」

 

「ヒナタ…へへ、ヒナタにそう言われっと、本当に超えられる気がするってばよ!

 ありがとな、ヒナタ」

 

 そして、ヒナタのナルトへの想いはどんどん増していく。昨日よりも、ヒナタはナルトのことが大好きだ。

 

「ナ、ナルトくん…」

 

「ヒナタ? 顔が赤いけど大丈夫か? もしかして熱でも…」

 

 もっとも、ナルトはヒナタの想いにはまったく気付いていない。これほど分かりやすい少女はいないだろうに……鈍感にも程がある。しかも、ナルトはヒナタに対しての距離感が無意識的に近いこともあって質が悪い。

 

「ひゃ!」

 

 ヒナタを心配し、熱がないか確かめる為とはいえ、普通は額に額を当てて熱を確かめたりはしないだろう。

 

 うずまきナルトは生粋の天然無自覚の持ち主のようだ。

 

「はうぅぅ…」

 

「ヒ、ヒナタ!?

 ちょッ、え!? ど、どうしたんだってばよォ!?」

 

 修業から一転。

 

 ナルトとヒナタは甘酸っぱい青春を送っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねェ…あれってわざと? 狙って? それとも本当に無意識的に?」

 

「無意識的だな。

 ナルトはヒナタに対してとにかく距離が近い。無意識だが、本能が求めてんだろうな。それに多分…アイツらメチャクチャ相性イイぞ。互いにフェロモン垂れ流しまくってる」

 

 そんな甘酸っぱい青春を送るナルトとヒナタを隠れて観察する美男子と美少女がいた。

 

 黒い忍装束に雪模様の入った白い羽織を羽織った氷也と、裾が短くスカート風になった着物を着せられたテンテンである。ちなみに、今回はエロい花魁をイメージしているらしい。甘酸っぱさとは無縁の2人である。

 

「ヒナタも大変ね。

 まあ、相思相愛? みたいだから安心ね」

 

「ナルトにはヒナタがお似合いだ。というより、それ以外は認めん」

 

 どうやら、氷也とテンテンはナルトとヒナタの恋路を見守り、応援しているようだ。

 

 師としてだけではなく、親友としても氷也はナルトの幸せを願っている。だからこそ、ナルトを一途に想い続けているヒナタに、ナルトを支えてほしいのだろう。

 

 ナルトを支え続けることはきっと氷也ですらできない。ヒナタにしかできないことなのだ。

 

 適材適所。男にできて女にはできず、男にできず女にはできる。そういうことだ。

 

 ただ、そんな2人を眺めながらテンテンは2人を羨ましく思っているようだ。己達はナルトとヒナタのように対等な存在ではなく、一生かかっても対等になれず、支えになれないと思っているのかもしれない。

 

「ね、ねェ…なら、氷也には誰がお似合いなの?」

 

 だからこそ、少し弱気になり、このように聞いてしまうのだろう。

 

「ふ…エロくて美しい女だ」

 

 もっとも、氷也の答えは決まっている。一生変わることはないのだろう。氷也のドスケベは一生治ることはないのだ。

 

「氷也…わ、私は…エロい?」

 

 その答えに、テンテンは元気を取り戻し、氷也へと迫る。

 

 それはさながら、狙った獲物()を絶対に逃がさない狩人──女豹のようだ。

 

 だが悲しいかな…。

 

 テンテンが氷也の前で少しでも行動を起こそうとすると、氷也のラッキースケベトリガーが発動してしまう。

 

「ひゃ!?」

 

 一歩ずつ女豹のように迫るテンテンは落ち葉で手が滑り、顔から氷也の大切な部分へと突っ込んでしまうのである。そして、氷也のラッキースケベトリガーによる逆ラッキースケベ誘発現象は日に日に進化しており、テンテンは氷也の忍装束の下をパンツごと脱がし、氷也の大切な部分を露にさせ、露になったそれを頬にすり寄せた状態になってしまう。

 

 今日もまた、神がかっている。

 

「あ…あ…

(う、う…そ…初めて…生で…こ、この硬くて大きいのが氷也の…はわわわわ…)」

 

「生暖かいがアイスキャンディでも舐めるつもりで…遠慮せずどうぞ」

 

 とはいえ、氷也とテンテンはここから先になかなか進めない焦れったい2人だ。

 

「君達…公然わいせつ罪で牢屋にぶち込むよ」

━━木遁・四柱牢の術━━

 

 この2人も、何だかんだであと一歩を踏み出せずにいる。この2人の場合はヒナタとは違い、踏み出す気満々な気がしないでもないが…。

 

「チッ…ヤマト先生、また邪魔を」

 

「担当上忍に舌打ちしない。

 まったく…これから至急、()()()()に向かう。その無駄にデカい有害物質をしまって、さっさと行くよ」

 

 お楽しみはまたの機会…。

 

 

 ❄️

 

 

 深い霧の中、木ノ葉隠れの里の忍が1人……絶体絶命の窮地に立たされていた。

 

 水の牢に捕らえられ身動きが取れず、部下達は忍との戦闘経験がない新米下忍で明らかに実力に不釣り合いな任務だ。自ら殺してくださいと言っているようなものだろう。

 

「! ()()か…ふん、片手が封じられているとはいえ、手裏剣などオレに通用しな──ッ、こ、これは"影手裏剣"! …だが、甘いな…ッ!?」

 

 ただ、部下達が敵の殺気に怯え、何もできない危機的状況のなかで、一筋の光が差し込んだ。

 

 影手裏剣の術とは、手裏剣を二枚重ねて投げ、敵の死角……つまりは手裏剣による影から二枚目の手裏剣で攻撃する手裏剣術だ。その二枚目の手裏剣を敵は飛び上がり躱したが、躱された手裏剣が背後で白煙をあげて()()()()()()()へと姿を変える。

 

「なん…だと!?」

 

 二枚目の手裏剣は変化の術で化けていたものであり、空中で身動きが取れない状態の敵へと向けて金髪碧眼の少年が"風遁チャクラ"を纏わせることで斬れ味を上げたクナイを投擲した。

 

 これを躱すには、体の一部を触れさせておかなければ維持できない水牢から腕を放すしかないだろう。そして、躱さなければ風遁チャクラを纏ったクナイは体を貫通し、重傷は免れない。

 

「くッ!」

 

 当然、体に風穴を開けたくない敵は水牢から腕を放しクナイを躱す選択をした。

 

「よっしゃあァァァ!

 あとは任せたってばよ()()!!」

 

「よくやった()()()

 それにしても…だらしないですよ()()()()()

 

「テ、()()()()!?」

 

 すると、クナイを躱わされるのも作戦の内だったのか、このタイミングでヤマトが姿を現し、水牢から解放されたカカシをヤマトが抱え、ナルトと共にその場から退散する。危機的状況から救出されたカカシが急展開に驚いているのもお構い無しに、次の手が放たれる。

 

「作戦通り…よくやった相棒!

 ド派手に行くぜ!」

━━火遁・蝦蟇油火龍炎弾━━

 

 同じく新米下忍でも、彼らならこの任務は見合っている。だからこそ、彼ら──第7班が増援にやって来た。

 

 ここに、木ノ葉の狂気の再来が参上。

 

 






波の国編の始まりである。

氷也にはどんなエロが待ってる?波の国編といえば、氷也と同じ雪一族…NARUTO界の元祖男の娘!ただ、わたくしは原作改変はしてもTSはしないです!

なら何処にエロ要素が!?そこはお待ちくださいな!

さてはて、第7班の担当上忍になったことで、早くからカカシが先輩に『だらしのない先輩』と言えるようになったヤマト先生ちょっと愉悦?

そしてナルトくん。
ヒナタとラブコメしてた。ヒナタは氷也とナルトの修業に参加し実力向上&二人きりの修業であがり症改善気味。けど、ナルトはヒナタに対してのみ天然無自覚行動を習得。

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