6月も残すところあと僅か……季節も次第に暑さが増し夏を迎えようとするなか、とある会議室に木ノ葉隠れの里を支える上忍、中忍達が集められていた。
「さて…では正式に発表する」
その中には、新米下忍小隊第9班の担当上忍はたけカカシなどもおり、錚々たる顔触れだ。これだけの面子を集めたのは里のトップである三代目火影・猿飛ヒルゼンである。その三代目火影が、目の前に並ぶ上忍他中忍達をゆっくりと見渡し、今回の議題について発表し始めた。
「今日より7日後…7の月1日をもって中忍選抜試験を木ノ葉で開催する」
今日、三代目火影が中忍以上の忍達を一同に集めたのは、1週間後に木ノ葉隠れの里で開催される中忍選抜試験の説明の為だ。
「まず、新人の下忍を担当している者から前に出ろ」
中忍選抜試験は、担当上忍の推薦と本人の志願によりエントリーできるようになっている。そして、これは下忍を受け持つ担当上忍が自分の部下を推薦するのかどうか……その意志を確かめる為の会議でもあった。
そして、三代目火影の言葉に従い、
「カカシに紅にアスマか。どうだ? お前達の教え子で今回の中忍選抜試験に推したい下忍はおるか?」
第八班担当上忍の夕日紅は、木ノ葉屈指の幻術使いと称される才色兼備のくノ一。第十班担当上忍である猿飛アスマは三代目火影の実子である。
第9班担当上忍はたけカカシに至っては言うまでもないだろう。
「三代目…
ただ、新人の下忍を担当する者はもう1人いる。本来ならこの場所に同席しているはずだが、その1人はこの場所にはいない。もっとも、尋ねたカカシはその1人が何故この場所に同席していないのか薄々気付いているようではある。
「はあ…そうじゃな。
「新人の下忍とは思えない躍動ぶりですね」
その1人とは、
全世界にその名を轟かせた木ノ葉隠れの里の第7班には、新人の下忍でありながら、片や"木ノ葉の白い悪魔"と恐れられ、片や"黄色い閃光の再来"と強く警戒される2人の逸材がいる。
ヤマトはそんな2人を教え子に持つ木ノ葉屈指の上忍だ。
現在、第7班は数日前からBランク任務に就いており、里を離れているらしい。第7班はここのところ新人の下忍には本来なら与えられぬ任務を連続して与えられているようで、風雲姫シリーズ完結編の影響もあるのか、第7班を指定しての任務依頼が殺到しているのだそうだ。
「ちなみに第7班の2人は出るんですか?」
「出さないという選択肢がない…これがヤマトの言葉じゃ」
そんな第7班の下忍を中忍試験に推薦しないという選択肢はヤマトにはなく、里側からしても里の為に出てもらわねば困るといったところだろう。三代目火影は第7班を出場させてもいいものかと悩みに悩んでいるようだが…。実力はともかく、素行に難がありすぎるが故にである。
一方、暗部時代の
とはいえ、カカシに第7班の担当上忍が務まるかどうか……カカシはそう考えたところで、逆に食われてしまいそうだと、自身には制御できないと考え至っていた。
ちなみに、蚊帳の外状態になっている夕日紅と猿飛アスマは、推薦する意向のようだったが、第7班の2人が出場するなら1年先送りにした方がいいのではないかと悩んでいるようである。同じ里の仲間であることが唯一の救いだが、強大な力は頼られる一方で恐れられるものなのである。その強大な力を目の当たりにすることで、自信を失ってしまう可能性は高い。同期であることがそれにより拍車をかけてしまいかねない。
「新人の下忍が中忍試験に出るのは5年ぶりのことじゃが…あの2人はもはや新人枠ではない。他の新人達には悪いがのォ」
「でしょうね。
(やれやれ…あの2人が出るならサスケが奮起するかと思ったけど、空回りしちゃう可能性もあるな。ウチはどうしたもんかな…同じ
カカシも似たような考えなのか思案中だ。
どうやら、今年の中忍試験は第7班が出場することで盛り上がる一方で、騒がしくなりそうである。
数日後…。
氷也とうずまきナルトが下忍になり、早いことで3ヶ月ほど……彼らは現在、次の段階へと進むところである。
「君達を中忍試験に推薦することにした」
Bランク任務を終えて木ノ葉に帰還した氷也とナルトは、その旨を担当上忍であるヤマトから突如告げられた。帰還して早々の急な知らせに、氷也とナルトは大層驚いるだろう。
「ふーん」
「わかったってばよ」
そう思いきや、2人の反応は無関心に近しいものである。寧ろ、ヤマトの方が冷めた反応に少し驚いているくらいだ。
氷也はともかくとし、意外にもまったく喜ぶ素振りも見せないナルトに、喜びはしゃぐと思っていたヤマトは怪訝な表情まで向けている。
ただ、これは仕方がないことなのである。
氷也とナルトは、新米下忍でありながらもすでにAランク任務を2回も経験している。その他にもBランク任務を6回。Cランク任務を4回。Dランク任務に至っては10回以上。
中忍試験の形式上では、最低8任務以上をこなしている必要があるのだが、すでに倍以上の任務数をこなし、高難度の任務も複数回。氷也とナルトは実力もさることながら、経歴も並の中忍を凌駕している。
鬼人・桃地再不斬や、氷遁使いの白といった強敵達との戦いを経験した氷也とナルトにとって、試験ではあるが下忍と争うなどDランク任務に等しいだろう。その反面、高難度任務を経験したことによって生まれた余裕は弊害にもなりかねない。
「氷也の反応はわかりきってたことだけど、ナルトは嬉しくないのかい?」
「俺の夢は火影…中忍になるのなんて当然だってばよ」
しかし、自信こそあれど慢心はない。男子三日会わざれば刮目して見よ……この数ヶ月でナルトは精神的にも成長したのだ。高難度任務の経験は、決して悪いことばかりではない。それに、成長したのは精神だけではない。よく見ると、ナルトは下忍になったばかりの頃と比べても、身長がかなり伸びている。
「(成長したんだね)
そういえば…ナルトは身長もかなり伸びて忍服がかなり小さくなったね」
「そうなんだってばよ。
それで、氷也が新しい忍服買ってくれたから、今日受け取りに行くんだってばよ」
顔つきも幼さが少しずつ抜け始め精悍さが増しており、手練れの忍らしくなりつつあるだけではなく、
もっとも、風雲姫シリーズ完結編が社会現象を起こすほど大ヒットしたのもあるだろう。そして、気付く者は気付いているはずだ。
「中忍試験受けるんなら、丁度良いタイミングだったな。
未来の火影様がつんつるてんの格好じゃあ…里の品位が落ちちまう」
心身共に、氷也とナルトは木ノ葉隠れ里の看板を背負うほどの忍にまで成長した。
「とりあえず、受けるってことでいいね。
まあ、僕から言えることは一つ…
そんな成長した2人を眺めながらヤマトは思う。
今回の中忍試験に参加する下忍達が可哀想だと…。
❄️
そして──中忍試験当日。
木ノ葉隠れ里の
試験開始前ということもあり、教室内の張り詰めた緊張感が漂っている。
ただ、そんな雰囲気のなかでいつも通りといった様子……それどころか、歴戦の猛者が醸し出すような雰囲気を纏った木ノ葉隠れの里の下忍が2人いる。
「お、おい…あれって…木ノ葉の
「う、うそ…だろ!?
あ、あんなのが中忍試験受けるのかよ!!」
「い、いや…けど、
風雲姫シリーズ完結編にて、その勇名を世界に轟かせた木ノ葉隠れの里の新時代を担う下忍──氷也とうずまきナルトだ。
木ノ葉で開催される今回の中忍試験には、近隣小国の隠れ里の下忍達の他、木ノ葉と同盟国でもある五大国の一つ、風の国の隠れ里"砂隠れの里"も参加する合同中忍試験となっているのだが、完結編が大ヒット
どうやら、ほとんどの下忍達がノンフィクション大作を観賞し、2人の実力をスクリーン越しとはいえ目の当たりにしたことで恐怖心を抱いている。
「スゲェ見られてるけど何でだってばよ?」
「だなァ。男からの熱視線なんて遠慮願いたいんだが…お、あそこに将来有望な躾がいのありそうな女2人発見。草隠れと音隠れか…しかも、どちらも
もっとも、当の本人達はまったく気にした様子もない。そもそも、現在も上映中の完結編で2人が見せた実力は全力ではない。ナルトは敵の
氷也に関しても同じく……いや、ナルト以上に真の実力を隠しているだろう。
今の2人からしたら、あの程度で驚く程度の忍など底が知れているはずだ。
「私という女がいながら…他の女に手を出そうとするなんて相変わらずね。まったく、氷也の女好きは筋金入りで困ったものだわ。ナルトも大変ね…氷也に付き合わされて」
そんな2人に臆せず話しかけるのは、短い丈のチャイナドレス風の忍服を身に纏ったエロい美少女──テンテンである。
「俺は本能に忠実なんでね」
「知ってる…ッて、ちょッ、こ、こんなところでいきなり抱きしめ…やぁん、も、揉まないで」
氷也の唯一無二のお気に入りであり、現在進行中でエロく美しく進化し続けるくノ一だ。氷也は今、テンテンを後ろから抱き締め、数週間ぶりのテンテンを堪能しているようである。しかも、テンテンがこの中忍試験に合わせて忍服を新調していたのが、大変お気に召した氷也はお触りモードに入ってしまったようだ。
「も、もう…本当にエッチなんだから…せめて外から見えない結界くらい張ってからにしてよ」
結界さえ張ればナニをされてもいいのか……さすがは、氷也が見初めた女だけはある。
「なら、試験が始まるまであと5分…数週間ぶりのテンテンを堪能させてもらうとしよう」
「ほ、本気なの!?」
すると、教室内から忽然と姿を消す2人。
氷也が結界を張ったことで、2人はチャクラだけではなく、匂い、音、気配すらも完全に消してしまった。
これは、氷也が覗き目的の為に考案し、完成させた結界術による透遁術の極意である。
「安心しろ。
俺達の姿どころか、声、匂い、チャクラすら感知することはできない。こちら側からは見え放題。あちら側からは一切見えない。スリル、解放感、羞恥心…そしてエロス、全てに於いて満点だ」
その結界術をこのように使用するとはさすがの一言に尽きる。
見えてないのに見られてるような感覚になり、羞恥心を昂らされるエロ。氷也はまた新たなエロスを開拓していた。
「だ、だからってッ、ほ、本当にッ──!?
(あ、やだ…まったく見えてないのに…私達からは丸見えだから見られてるみたいに思えちゃう! けど、恥ずかしいのに…や、やだッ、ゾクゾクしてきちゃった! わ、私って、もしかしてMなの!? ってそうじゃなくって! これから中忍試験なのにィ!)」
そして、そのエロを誰よりも真っ先に体験するのは、やはりテンテンなのである。これから先も決して変わることはない……これは、テンテンの特権かもしれない。
テンテンには、氷也から逃れる術がない。そもそも、本気で逃れたいとは思っていない。中忍試験が始まるという理性が、辛うじて彼女の雌の本能を抑えている。でなければ、テンテンは雌の本能に忠実になっていたはずだ。
しかし、いったいいつまで抗えるか…。
「テンテンがいない……どこに行った?」
「会いたい人がいると言ってましたが…」
これもまたこの術の恐ろしさの一つで、結界の内側の音は一切漏れることがないが、外側の声は氷也とテンテンに筒抜けという点だ。
「ネ…ジ…リー」
「ほォ、俺の前で別の男の名を口にするとは…イケナイ女だな、テンテン」
さらに、透視能力に優れている瞳術"白眼"ですら、この結界は視認することができない。
「や…あん…
(ネジとリーがチームメイトなの知ってるくせに…イジワル…でも…もうこのまま…)」
テンテンの班員である日向ネジとロック・リーが探しており、ネジは白眼を発動しているも本当に視認できていない。
白眼ですら視認できないことは、すでに日向ヒナタの白眼で実証済みなのだ。エロの為ならば抜かりなく、氷也は何だってする。ちなみに、最初こそこの結界術に対して怪訝そうにしていたヒナタだったが、ナルトの為……その一言でヒナタは氷也の実験に付き合ってくれたらしく、ヒナタの協力もあって白眼ですら視認できない結界術が完成したのである。
ヒナタは気付いていない。彼女の行動は、猿に大量の起爆札を与えてしまったに等しきことであることを…。
そしてこれこそが、三代目火影が危惧していることでもある。木ノ葉の白い悪魔は存在が卑猥なのだ。
「あ、ヒナタ!」
「ナ、ナルトくん!
に、忍服…新しくしたんだね。 と、とっても似合ってて…カ、カッコいい…です」
「へへ! ヒナタにそう言われっとメチャクチャ嬉しいってばよ!!」
もっとも、危惧されるべきは一部から狂気の再来とも恐れられる氷也のみ。かつて木ノ葉最悪のイタズラ小僧と蔑まれたナルトは、落ち着きを覚え緩和材になっている。ヒナタも一緒にいるのもあるが…。
緊張感が漂うこの場所を、ほのぼのとした陽だまりへと変化させている。
「お、ナルトとヒナタは順調に
なら、こっちは負けじと
中忍試験開始まで残り……
最新作 イチャイチャティーチング"レッド"
別にFILM RED に触発されたわけじゃないんだからね!ww
中忍試験編といえば、実は香燐が参加していたり、何よりもボクの…じゃなくて、我らが多由也ちゃんだよね。気の強い女の子をベッドの上では従順に躾……そんな作品です。
それから最新作は、口は悪いけどベットの上では従順ドMな笛吹少女と、エロに興味津々なインテル系ムッツリドスケベメガネッ娘のダブルヒロインである!!
ナルトくん、中忍試験編で第二部の忍服にイメチェンだってばよ。
氷也の影響もあり、ここのナルトくんは落ち着きを覚えた。超えたい師匠が反面教師。けど、その師匠のおかげでヒナタとイイ具合になり、ミナトとクシナに近しいような関係を築けている。