クソマゾ提督の逆襲   作:uncle_kappa

17 / 40
提督かく戦えり

第一遊撃部隊・第三部隊の諸君、聴こえているな。

 

私が提督である。

私は、人類の代表として、あなた方艦娘と共にあることを誇りに思う。

 

比島作戦の大局については朝礼で説明した通りだ。

 

本作戦により、深海棲艦との対等講和条約を締結せしめること。

つまり、我々人類の意地をもって、彼女たちを震撼せしめることが本作戦の絶対目的である。

 

 

各艦、一層、奮励努力せよ。

私も努力する。

 

「共に戦おう。」

 

今、貴艦に捧げよう。

 

「頑張ろう。頑張れは良い事がある。」

 

「今は大雨だが、止まない雨は無い。」

 

本官からは以上である。

 

各戦隊は作戦行動を開始せよ。

 

※※※

 

提督はいつもやさしい。

私達は胸が温かくなる。

長い絶望の中、私たちは、いとも簡単に強くなれる気がするのだ。

 

妹もこの点については同意見だった。

もちろん、「もがみん」もだ。

 

私は、私たちは、絶対に、勝つ。

 

不幸を希望に変えて見せる。

 

※※※

 

偵察妖精A「電探に感あり」

偵察妖精B「10時の方向、距離20000、不明機・多数!」

 

扶桑「提督、如何なされますか?」

 

提督「不明機の数は。」

参謀「およそ300!」

提督「三式弾で迎え撃て、その後に、航空戦隊は戦闘機を射出せよ。」

 

扶桑「航空戦隊、扶桑了解、三式弾で迎え撃つ、その後に航空戦隊は戦闘機を射出」

 

山城「山城了解、三式弾で迎え撃つ、その後に航空戦隊は戦闘機を射出」

最上「最上了解、三式弾で迎え撃つ、その後に航空戦隊は戦闘機を射出」

 

提督「駆逐隊は周辺警戒、後、輪形陣」

駆逐隊「駆逐隊了解、周辺警戒に入る、電子戦闘開始」

 

※※※

 

提督「参謀、第二遊撃部隊はまだか。」

参謀「はっ、第二遊撃部隊とは、未だ確認とれていません。」

 

提督「那智め…。」

参謀「すみませんでしたっ!」

 

提督「参謀、君の責任ではないっ、濫りに謝るな。」

参謀「はっ!」

 

※※※

 

扶桑「行きますよ。皆さん。」

 

各艦はうなづく。

 

艦隊主力たる航空戦隊の誇りにかけて。

 

扶桑「扶桑、諸元入力用意」

 

山城「了解、山城、諸元入力用意」

最上「同最上、諸元入力用意」

 

扶桑「電子諸元獲得よし。諸元にゅーりょーく」

扶桑妖精「諸元にゅーりょーく」

山城妖精「諸元にゅーりょーく」

最上妖精「諸元にゅーりょーく」

 

扶桑「各艦諸元入力、よろし。」

 

扶桑「三式弾で迎え撃つ、撃ち方用意」

扶桑妖精「用意完了」

山城妖精「用意完了」

最上妖精「用意完了」

 

扶桑「妖精各員は耐衝撃用意」

妖精各員「了解、耐衝撃用意完了」

 

提督「対空戦開始。」

 

三人「対空戦開始。」

 

妖精「交互打ち方用意。」

妖精「交互打ち方、始め。」

ダァアアアン

 

雷が空気を貫いた。

三式弾を打ち抜く艦隊主砲塔から放たれた響きであった。

 

ダ・ダァアアアン

 

航空戦隊の各艦が「くらり」と揺れる。

 

「弾撃つ響きは雷の」と、詩にある、それである。

 

扶桑「水観。弾着確認は」

水観001「敵損害、およそ三機。」

 

提督「弾着はどうか、参謀」

参謀「よろしくありません。」

 

提督「あれは信管の調整が難しいんだよ。」

 

扶桑「今、調整してます。」

提督「扶桑、たのむ。各艦もだ。」

 

ダ・ダァアアアン

 

提督「弾着観測は待つな、まにあわん。戦闘機隊の射出急げ。」

 

扶桑「了解、扶桑、射出機準備よし。各艦はどうか。」

山城「よし。」

最上「ボクもいいよ。」

 

扶桑「射出、開始いーーー。」

各艦妖精「開始いーーー。」

 

バァアン

 

炸薬による射出により、航空甲板から、戦闘機隊を発艦せしめている。

これは提督と明石の工廠による最新式の射出機であった。

 

扶桑「第一戦闘機隊、射出完了。」

 

提督「第二の用意をせよ。波状攻撃時の訓練を忘れるな。」

各艦「了解」

 

 

提督「駆逐隊、現況報告せよ。」

 

 

第四駆逐隊「15時の方向、PT群発見。およそ5」

 

提督「けちらせ!」

 

第四駆逐隊「了解。けちらします。諸元入力」

 

山雲「山雲、25粍機銃、電探諸元入力完了。」

 

満潮「同、満潮、諸元入力完了。」

朝雲「同、朝雲、諸元入力完了。」

時雨「時雨も完了したよ。」

 

山雲「うちーかた、はじめっ。」

三人「はじめっ。」

 

ダッダッダッダッ。

 

バキャ。(血しぶき)

 

ドキャ。(悲鳴)

 

ズギャ。(涙)

 

 

深海棲PT群の放つ恨み節は時空を切り裂き、船体は真っ二つに倒れていく。

 

ダッダッダッダッ。

ダッダッダッダッ。

 

山雲「打ちー方、やめ。」

三人「打ちー方、やめ。」

 

 

山雲「駆逐隊より報告、現在時刻を持って、PT群の駆逐を完了しました。」

 

参謀「水偵001号、ただちに確認せよ。」

水偵001号「我ただちに確認す、残PTなしと認む。」

 

参謀「確認完了しました。提督」

提督「よろしい。山雲たち、よくやった。」

山雲「はっ。」

 

提督「参謀。」

参謀「はっ。」

 

参謀「駆逐隊は続けて輪形陣。対空戦闘を用意せよ。」

 

提督「参謀。戦闘機隊の様子は?」

参謀「扶桑、報告せよ。」

 

扶桑「こちら扶桑、射出後の稼働率7割5分にて、対空戦闘用意完了」

提督「すまない。私の力不足だ。妖精さんとの連携が取れない。」

 

扶桑「そんなことないです。(あやまらないで。)」

 

山城「…接敵までおよそ5分。(私が頑張らなければ。)」

最上「…接敵。」

 

提督「参謀、俺の妖精さんとの連携力は、あと幾許だろうか。」

参謀「…」

 

提督「参謀!」

参謀「…今会戦で提督の力は、つきます。」

提督「…そうか。…ありがとう。」

 

提督「扶桑、聴いたか。」

提督「今日までの力だそうだ。悔いなくやる。だから、許せ。」

 

山城「…具申します。」

提督「許可」

 

山城「提督、私の姉の力を信頼してください。」

提督「信頼している。」

 

最上「山城さん、ボク、伝わってるよ。提督の心。」

山城「…私も分かってますっ。」

 

扶桑「戦闘機隊、不幸をふきとばせ。」

 

妖精A「了解、不幸をふきとばす。」

 

妖精A「(やってるっての)隊長より各機へ、重力戦の後で反転上昇。巴戦に入るぞ。」

 

重力戦とは、文字通り、地球の重力加速度による急降下戦闘である。

先手により20粍機銃による打撃の効果を狙っているのだ。

 

妖精A「よし、上出来だ貴様ら。反転上昇」

 

妖精B「中隊長、前。」

妖精A「わかってるっての。」

 

ダーン!

ばこん。

 

深海戦闘機は真っ二つに割れて悲鳴を轟かせた。

 

妖精B「さすが中隊長」

妖精A「うるさい。」

 

中隊は急速反転上昇。

敵機編隊の高度へ向け、機関砲をカラになるまで発射する。

その後、敵編隊の占めるまで自らの高度を等しくし、7粍7を使うのだ。

 

妖精A「いいか、ここからが本番だ、巴戦、かかれっ!」

妖精B「巴戦、開始っ」

 

巴戦、ドグ・ファイトと訳されるそれは、帝国海軍航空隊の伝家の宝刀であった。

 

蝶のように舞う機体。

蜂の様に刺す機体。

 

敵機の機体にじわじわと刺さる小さな穴、それは虫歯の様に新海戦闘機を侵食してゆく。

 

水偵「残敵20、うち戦闘機5、雷撃機15と認む」

 

提督「戦闘機隊、さがれ。」

提督「これより残敵掃討に移る」

 

提督「航空戦隊各機、よくやった。」

 

各機「(こくり。)」

 

 

提督「駆逐隊、輪形陣は適ったな。」

山雲「我、輪形陣完了す。」

 

提督「今だ、参謀。」

 

参謀「各艦、対空砲火用意。」

扶桑「了解、各艦、対空砲火用意」

 

提督「参謀、【暁の水平線】の様子はどうか?」

参謀「はっ、小職は【未だ勝機は来たらず】と認識してます。」

 

提督「よろしい。油断するなよ。」

参謀「はっ!」

 

 

提督「対空砲火うて」

扶桑「うちます。対空砲火てー。」

山城「対空砲火てー。」

 

駆逐隊「駆逐隊、てー。」

 

だっだっだっだっ

だっだっだっだっ

 

ばんっ

 

だっだっだっだっ

だっだっだっだっ

 

ばんっ

 

山城「噴進弾、用意よし。」

最上「用意よし。」

 

扶桑「噴進弾うて。」

二人「てー。」

 

しゅんしゅんしゅんしゅんしゅん

 

ばんっ

ばんっ

ばんっ

 

水偵「命中5」

最上「次発、よし。」

扶桑「噴進弾うて。」

最上「次発てー。」

 

水偵「敵機撃墜3」

 

山雲「報告します。電探に感あり。」

山雲「10時の方向、第二次攻撃隊を確認。雷撃機多数」

 

水偵「敵機撃墜5」

 

扶桑「噴進弾、次次発用意」

扶桑「てーっ」

 

かちん。

 

 

最上「提督、機器不調だよ。どうしたの。」

 

かちん。

かちん。

 

扶桑「(提督さん、疲れているの?)各艦は通常機器で対応」

山城「了解、25粍機銃対空砲火用意」

 

最上「用意完了。」

扶桑「対空砲火開始っ、不幸をふきとばせっ。」

 

だんだんだんだん

だんだんだんだん

 

ぶぅーーーーーーーーーーーーーん

 

だんだんだんだん

だんだんだんだん

 

ばっぎゃああん。

 

最上「最上被弾」

 

だんだんだんだん

だんだんだんだん

 

ばっぎゃああん。

 

最上「最上被弾」

 

最上「くっそうっ。」

 

 

駆逐隊「最上さん、ライセキっ!」

 

最上「えっ、どうしたのさっ!」

 

扶桑「最上さん、回避してっ!」

 

しゅるしゅるしゅる…

すいーん。

 

最上「最上、回避完了するも、被害は小破相当。」

 

最上「それより、扶桑さんっライセキだよっ」

 

扶桑「しまったッ!」

 

提督「(がたん)聴音機に感はなかったのかッ。」

 

参謀「ありませんでしたッ!」

提督「再度確認せよ。」

 

扶桑「扶桑、中波、このライセキは、フネからのものです。」

 

提督「(くそっ。フネかっ)基地航空隊にて、対空戦闘を担当させる。各艦、退避しつつ敵さんのフネを索敵するぞ。」

 

提督「よし、みんなへ、輪形陣は解除だ。」

参謀「各艦は複縦陣で、之字。」

 

扶桑「了解、各艦は複縦陣で、之字。」

 

提督「参謀、私もでる。」

参謀「いけません提督。」

 

提督「妖精さん、瑞雲をたのむ。」

 

提督「遅いな、参謀。今は合流するまで残存させる時だ。」

 

提督「妖精さん、だしてください。」

妖精「瑞雲、今発進する。」

 

大淀参謀「だめですっ。無茶しないでくださいっ」

提督「瑞雲飛行隊、出る。」

 

大淀参謀「馬鹿提督、自らでるバカがいますか。」

提督「人材不足だ、許せ大淀。」

 

 

 

 




この物語はフィクションです。
実在するいかなる存在とも関係ありません。

私の脳内の物語を記しただけのもので、実在するいかなる存在からの苦情は、これを受け付けません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。