インフィニット・ストラトス Dark Knight Story   作:DASH君

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MISSION 14 タッグマッチバトル!!

一夏side

 

開幕戦が終了してからと言うもの、周りの1年生が箒に尊敬の眼差しを送り

箒は慣れない様子でタジタジと言った感じだ。

それもその筈、量産機を使用していたのにも関わらず専用機持ち2人と互角に渡り合ったからで

箒本人の実力が周りに認められた証でもあった。

俺個人としての評価も勿論高く、これなら束さんが造っている“アレ”を渡しても

振り回される心配はないだろう。

一方、春斗は気絶から回復してからピット内で試合を観戦している。

最初はいちゃもんを付けるか、敗北による鬱憤を箒に当たるのではないかと警戒はしたが

じっと試合を観戦している。

まあ、箒の様子を見れば箒に怒りを当てたら自分の立場を悪くするだろうし

セシリアと鈴にいちゃもんを付けても言い負かされるのがオチと言った所だろう。

そう言う点で春斗はその辺のバカと違って引き際をしっかりしている奴だから

引く時はしっかり引いている。

しかし、箒に「本当によくやった。」と褒めてあげたいくらいだ。

本人の顔が真っ赤になるだろうけど・・・・

そんなタジタジになっている箒を見ながらだが、簪が俺に話しかけてきた。

 

「箒は本当によく頑張ったね。」

 

「そうだな、これで“量産機でも専用機を落とせる”ことがよくわかるからな。」

 

「特に気になった事があるとすれば、箒は高機動パックを“初めて”使ったんだよね?」

 

「ああ、高機動パック関連はまだ教えていない筈なんだがな・・・・」

 

「装備を一瞬で理解していると言う事は箒のIS適性が上がっているって事なのかな?」

 

「かもな。そうだとしても急激過ぎると思うが、ISはよくわかっていない点が多いからな。」

 

「これも可能性の1つって事だね。」

 

「だな、俺たちも今の内にシャルとボーデヴィッヒの対策をしておくか。」

 

そう言って俺と簪はシャルとボーデヴィッヒの対策を考える。

今日までの訓練で簪と打鉄弐式は成長し、トリックスターがレベル2

ガンスリンガーがレベル2まで上昇し、ソードマスターももうすぐレベル2と言った感じ。

本来なら一点特化で磨くべきだが、簪本人は思いのほか万能型だったのでこの結果になった。

さらには荒削りではあるものの、現時点である欠点をある程度は解消する事に成功している。

こちら側は今日までに出来る事は全て終わった所、あとは対策だけだ。

シャルは高速切替(ラピッド・スイッチ)による高速武装変更の奇襲。

ボーデヴィッヒは慣性停止結界(AIC)と軍人としての技量だろう。

どちらにしても強敵である事には変わらない、一度対戦したから俺に対する対策を個人個人で

考えている事だろう。

俺個人の考えでボーデヴィッヒはチームワークを知らないと見ている。

確かにボーデヴィッヒ個人の力量は高い。

だが、それは“個人戦”での話、今回は“タッグマッチ”だから

俺たち2人のチームワークにかかっていると見ていいだろう。

俺たちには俺たちの秘密兵器があるのだから(鈴には一部見せちまったけどな)。

話し合いを続けている内に俺たちが出る時間が迫って来る。

 

「いよいよだな、簪。」

 

「うん、緊張するよ。」

 

「周りやお前の姉ちゃんに簪の凄さを見せつけてやるのも一興かな?」

 

「それもそうかも。」

 

この時俺は言葉を間違えたと思ってしまったが簪からは笑みがこぼれていた。

満更でもない様子で少しは緊張がほぐれたみたいだ。

そうしたやり取りをする内にアリーナに入場する時間になった。

 

「よし、勝ちに行くぞ簪!!」

 

「うん!!」

 

こうして俺たちはお互いの“1歩”の為にアリーナに入場した。

 

 

簪side

 

「うわ~、凄い数の人が見ている。」

 

「これも俺目当てなのか?」

 

アリーナの観客席を見ると満員御礼、あまりの人の数に私は驚いてしまう。

最初は対戦カードが全員専用機持ちと言う理由だと思ったけど

一夏が言った事を考えると納得してしまう自分がいる。

何度も話したかもしれないけど一夏は世界第2位の選手を打ち砕き

セシリア&鈴との闘いでも勝ち抜いた程の実力者、直に見に来ない方がおかしい。

最近では一夏と闘う相手がどんな手を使って一夏を倒すのかが話題になる位だ。

話しが逸れたので私は対戦相手を見る事にする。

シャルルはいつもの笑顔+どこか強気な表情をしてこちらを見ていて

ボーデヴィッヒさんは・・・・何を考えているか分からない、そんな表情をしていた。

そんな中、一夏は相手チームに話しかけた。

 

「まさか、こうも早く2人と再戦できるとはな。」

 

「僕も同じ気持ちだよ、この前の僕と思わない方が良いからね。」

 

「勿論だ、俺も油断するつもりはねえ。」

 

この様子を見ると一夏はちょっとした戦闘狂(バトルマニア)かもしれない。

一夏は闘いを勝ち負けよりも楽しむか楽しめないかで価値を求めているみたいで

再戦するとなると楽しみで仕方がないと言った感じだった。

 

「簪にも言うけど、僕は強いよ。」

 

「私だって強い・・・・と思う筈。」

 

「そこは断言した方が良いぜ、簪。」

 

「そうだよね。私だって強いから覚悟してね、シャルル。」

 

「うん、僕も負けるつもりはないよ。」

 

お互いの気持ちを昂り今にも試合開始のブザーが鳴る前に激突しそうだった。

そんな中、ボーデヴィッヒさんは静かに口を開く。

 

「織斑 一夏。」

 

「何だ、ボーデヴィッヒ?」

 

「貴様は何者なのだ?」

 

「どう言う意味でなんだ?それによって答えが変わる。」

 

「今日と言う日が来るまで私は貴様について考えてみたが答えは見つからない。

それ故貴様に問う、貴様は何者なのだ?」

 

ボーデヴィッヒさんの質問に考える一夏。

きっとこの質問はボーデヴィッヒさんにとって重要な何かだと私は感じ取った。

しばらくして一夏はボーデヴィッヒさんに答えを言う。

 

「強いて言うなら人間、それもちっぽけな人間さ。出来る事だって限られているし

力を得ても救える人は手に届く範囲が限界だ。俺はそんなちっぽけな人間だ。」

 

「そうか・・・・」

 

一夏の答えに対してボーデヴィッヒさんはどこか納得できていない反応だった。

すぐに付け加える形で一夏は再び言う。

 

「だが、そんなちっぽけな俺はお前と同じ規範(ミーム)を持っていると信じている。」

 

「私と同じ規範(ミーム)だと?そんな事はあり得ん!!」

 

「本当に千冬姉を惚れ込んでいるのなら同じ規範(ミーム)の筈なんだな、これが!!」

 

その言葉と同時に試合開始のブザーが高らかに鳴り響き、私は一夏に声をかけて前へ進む。

 

「一夏!!行くよ!!」

 

「ああ!!派手にいくぜ、ベイビー(Let's rock, baby)!!」

 

一夏はその台詞と同時に対戦車ライフル『スパイラル』を2人に向けて発砲した。

スパイラルの着弾地点は爆発によってシャルルとボーデヴィッヒさんは離れる。

私は一夏との打ち合わせ通りにシャルルに向かってブーストで接近し、夢現を構えた。

 

「ソードマスター!!はあ!!」

 

「くうっ!?」

 

私はシャルルに最接近する直前にソードマスターに切り替えて夢現を振るう。

対するシャルルも近接ブレードで迎撃し、鍔迫り合いによって火花が散る。

 

「驚いた、鈴だけだと思っていたけど簪も第4世代相当の力を・・・・」

 

「正確には私が最初で鈴が2番目なの!!」

 

「でも、これはどうかな?」

 

「っ!?ロイヤルガード!!」

 

シャルルは突然近接ブレードからアサルトライフルに持ち変えて攻撃を仕掛けてきた。

私はすぐにロイヤルガードにスタイルチェンジしたけれど

タイミングが遅れてダメージを受けてしまう。

 

砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)の被害を最小限なんて簪は凄いね。」

 

「強襲技だったみたいだね、警戒していて正解だったみたい。」

 

「まだまだこれk“ズガガガガガガガッ!!!!”うわっ!?」

 

「余所見は厳禁だぜ、シャル。」

 

「貴様もな!!」

 

「ガンスリンガー!!それを言うならボーデヴィッヒさんもだよ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

「ふっ!!」

 

一夏は『トゥーサムタイム』でシャルルに不意打ちを行い。

ボーデヴィッヒさんは隙をついたつもりでも一夏に攻撃をするけど

今度は私がガンスリンガーに切り替えて春雷を使って『トゥーサムタイム』で

2人に攻撃を行う。

ボーデヴィッヒさんには命中したけどシャルルは回避されてしまった。

まだまだ闘いは始まったばかりだけど、私たちは激戦を行っていた。

 

 

一夏side

 

簪の援護でボーデヴィッヒにダメージを与える事に成功し、態勢を大きく崩す。

俺はそのままデビルブリンガーを解放してスナッチでボーデヴィッヒの頭を掴んで引き寄せて

バスターを叩き込む。

 

それで本気か?なら地獄に落ちろ!(Is that all you've got? Then down to hell you go!)

 

「ぐああああっ!?」

 

バスターによってボーデヴィッヒを地面に叩きつけ、そのまま両手を大きく広げて挑発を行う。

 

ヘイ!ヘイ!ヘイ!来いよ!(Hey! hey! hey! Come on!)

 

「くぅ・・・・舐めるな!!」

 

ボーデヴィッヒはプラズマ手刀を展開して突撃を敢行するが・・・・

 

「甘いぜ!!」

 

「何っ!?」

 

俺はカウンターでバスターを再び行い上に飛ばす。

 

燃えてきたぜ(Things're really beginning to heat up)!!」

 

「あああああっ!?」

 

「えっ?うわっ!?」

 

ボーデヴィッヒは突然のカウンターに対応出来ずパッシブ・イナーシャル・キャンセラー(PIC)

制御が効かない。

自由落下で降りてきたボーデヴィッヒにデビルブリンガーの右拳で豪快に吹っ飛ばすが

吹っ飛んだ先に偶然シャルが居た。

シャルは突然の出来事に対応出来ず俺の攻撃に巻き込まれてボーデヴィッヒと一緒に吹っ飛ぶ。

 

「ラッキーだぜ!!」

 

「一夏って鬼?」

 

「よくある事故だろ。まあとにかく、来いよ!マヌケ共!ハッハー!来い!フー!(C'mon! Babes! Ha-ha-ha! C'mon! hoo!)

 

タッグマッチでよくある事故だと思うが簪から非難の声がする。

しかし俺は気にしない事にして2人に対しエアギターでの挑発をする事にした。

エアギターをし始めると会場は『ワッ!!』と歓声に包み込まれる。

イタリア代表との闘いでやった挑発と同じだからなのか拍手喝采だった。

挑発が効いたのかゆっくりとだがシャルとボーデヴィッヒが起き上がる。

 

「直に挑発を見ると“イラッ”って来るね、挑発を見たイタリア代表の気分がわかるよ。」

 

「貴様・・・・いい加減にしないか!!!!」

 

2人を見ると流石に堪忍袋の緒が切れたのか、怒り心頭だった。

 

「さてとやるか、簪。」

 

「面倒な事になったよ。」

 

簪は渋々と言った感じで2人に対峙する、まだまだ闘いは終わりそうにない。

 

 

簪side

 

一夏が2人を怒らせてしまい、とばっちりを受けている気がするけど私は闘う。

再びシャルルと交戦状態になるけど、どこか様子がおかしい。

模索している中、シャルルから突然動いた!!

 

「これでどうかな!!」

 

盾殺し(シールド・ピアース)!?」

 

完全な不意打ちのタイミングで切り札を仕掛けられた。

今の状態は夢現を持っている状態での硬直姿勢で

ロイヤルガードに切り替えても盾殺し(シールド・ピアース)の攻撃はひとたまりもない。

それに春雷のチャージショットも間に合わない、ならば残された手は・・・・

 

「トリックスター!!くぅっ!!」

 

“ガキンッ!!ドンッ!!”

私は夢現を盾代わりにして手放し、トリックスターに切り替えて後方に『ダッシュ』を行う。

その結果、夢現は盾殺し(シールド・ピアース)の攻撃により粉々になってしまった。

武装を破壊された場合はシールドエネルギーにダメージが入る。

隙ありと見たのか、シャルルはそのまま私に突貫して来る。

 

「当たれ~~~!!!!」

 

もう一度、盾殺し(シールド・ピアース)を叩き込む為の姿勢にして迫って来るシャルル。

回避は間に合わない。私が残された手はたった1つだけあり、それに全てを賭けた。

 

「ソードマスター!!レッドクイーン!!」

 

「データに無い武器!?それでも僕は!!」

 

“ガキンッ!!ガガガガガガガガガガガガガッ!!!!”

レッドクイーンを展開して盾殺し(シールド・ピアース)とぶつけ合う。

『ストリーク』でぶつけるがこの時点で互角と言った様子で異常な量の火花が散る。

 

「はああああああああああ!!!!」

 

「負けるものかあああああ!!!!」

 

最初こそ互角かと思ったけどシャルルの勢いが強過ぎるせいで私が打ち負けてしまう。

大事な場面に突然私の目の前にパネルが表示された。

 

『ソードマスターのレベルが2になりました。以下の兵器を使用する事が出来ます。』

 

その内容を見て私は最後の賭けにレッドクイーンのイクシードを回した。

“ブルンッ!!”

イクシードが反応し、噴射剤の影響でレッドクイーンは紅く染まりながら炎を出していた。

 

「なっ、何!?」

 

「これが『EXストリーク』だあああああ!!!!」

 

らしくない声を出しながら私は炎を纏ったレッドクイーンをブン回した。

『EXストリーク』はイクシードゲージの量によって攻撃力が決定し、回転数が増える技だ。

現時点ではレベル1しか出せないけど十分過ぎる威力で盾殺し(シールド・ピアース)を破壊し、残った攻撃回数を全てシャルルに当てる事で大ダメージを与える事に成功した。

 

「うわあああああっ!!!!」

 

EXストリークを受けたシャルルはそのまま吹き飛んでしまう。

そして私はパッシブ・イナーシャル・キャンセラー(PIC)を全て機体支持に回してブルーローズを構えてチャージをする。

そしてブルーローズのチャージが完了して吹き飛んだシャルルに向けた。

 

「チェックメイト!!」

 

“ドゴンッ!!”

ブルーローズから放たれた銃弾はシャルルに命中し爆発した。

これでシャルルのシールドエネルギーは0になり行動不能になる。

私は機体支持をした為、ブルーローズの反動を軽減して立っている。

そしてそのままの足で一夏の方を向いて援護に向かった。

 

 

一夏side

 

俺はアグニとルドラを持ってボーデヴィッヒをボロボロにしていた。

その後、簪がやって来て2対1の構図になるがボーデヴィッヒは諦める様子が無い。

 

「私は負ける訳にはいかない。教官の為にも私は負けない!!」

 

「一夏・・・・」

 

「わかっている、先に仕掛けるぜ!!」

 

俺はそのままの足でボーデヴィッヒに向かって突貫する。

だが、ボーデヴィッヒは慣性停止結界(AIC)で俺の動きを止める。

 

「バカめ、私にはこの停止結果がある事を忘れたか!!」

 

「忘れているのはどっちだ。」

 

「ハアッ!!」

 

「何っ!?」

 

「俺たちは・・・・2人なんだぜ。」

 

俺たちが止まっている間、簪はボーデヴィッヒのレールカノンを斬る。

簪の行動によってボーデヴィッヒは動揺して俺への拘束は解かれ、追撃を加える。

慣性停止結界(AIC)の欠点は集中しなければならず、一対多では効力を発揮しない点だ。

簪と変わる様に追撃を繰り返し、俺はギルガメスに切り替えて締めの行動に出た。

 

「簪!!」

 

「うん!!やあっ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

くらいやがれ・・・リアルインパクト(Kiss this. Real Impact)!!」

 

「ぐああああっ!?」

 

簪がボーデヴィッヒをこちらに吹っ飛ばして俺は真・昇竜拳:『リアルインパクト』を叩き込む。

ギルガメスが誇る最強技にボーデヴィッヒとその機体は悲鳴をあげ続けていた。

そして限界まで上昇してトドメの蹴り技『フルハウス』を叩き込んで壁に叩きつけた。

 

 

ラウラside

 

(こんな所で・・・・こんな所で負けるのか、私は・・・・!!力が欲しい・・・・奴らを打倒せる力が欲しい!!)

 

『――――願うか…?汝、自らの変革を望むか…?より強い力を欲するか…?』

 

(言うまでもない!!力があるなら、それを得られるなら、私など!!)

 

Damage Level・・・・・・・D.

Mind Control・・・・・・・Uplift.

Certifcation・・・・・・・Clear.

 

 

《Valkyrie Trace System》・・・・・・・boot.

 

 

一夏side

 

「うわあああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

 

「何っ!?うおっ!!」

 

ボーデヴィッヒは壁に叩きつけられてから突然、悲鳴を超えた声を出した。

突然発生したエネルギーに俺は成す術も無く吹き飛んでしまう。

 

「一夏!!」

 

「大丈夫だ、しかしあれは・・・・」

 

ボーデヴィッヒのシュヴァルツェア・レーゲンは搭乗者を飲み込みながら姿を変えていく。

そして変化が終わった頃には俺たちは驚愕した。

 

「あれ・・・・織斑先生!?」

 

「そしてあの刀は・・・・『雪片』か!!」

 

そう、今対峙している相手はボーデヴィッヒではなく、千冬姉の形をした闇だったのだ。

 

≪To be continued…≫

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