インフィニット・ストラトス Dark Knight Story 作:DASH君
セシリアside
現在、一夏さんから第4世代のレクチャーを受けている最中で
鈴さんから聞いた通りやる事が非常に多いですわ。
今までのIS操作が生易しく感じ、一夏さんの苦労が大変よくわかりました。
今磨いているスタイルはガンスリンガースタイル一択で
その理由はブルー・ティアーズのBT兵器にあります。
ブルー・ティアーズは元々BT兵器のデータをサンプリングの為に開発された機体で
射撃に特化しています。
その為、元々ブルー・ティアーズに搭載されている兵器は全てこのガンスリンガーに
登録されている可能性が高く、レベルを上げなければ発現する事が出来ないからですわ。
本来なら機密事項ですが、第4世代を知り尽くしている一夏さんに事情を説明して
ご教授してもらっていますわ。
試練の間に居る間は
その為、可能な限り訓練を行い続けました。その甲斐あって・・・・
『ガンスリンガーのレベルが2になりました。以下の兵器を使用する事が出来ます。』
「やっとだなセシリア、早速確認してみてくれ。」
「わかりましたわ。」
更新されたデータを閲覧してみると案の定目的の兵器の覧が見えました。
『
「良かった、ありましたわ。」
「そうか、これでイギリス政府にどやされずに済むな。」
とりあえず必要最低限の工程を終わらせる事が出来ました。
あとはわたくしが
かなりの時間を使いましたが、ようやく試練を続行する事が出来ます。
「セシリア、少し休んでから行くか?」
「お気遣いありがとうございます。しかし、これ以上時間を使う訳にはいきませんわ。」
わたくしはそう言いましたが、一夏さんはわたくしに近づき肩を掴んでこう言いました。
「セシリア、お前今の自分の状態をわかっていないだろ?」
「はっ、はい?」
「まず、顔色が大丈夫じゃない。“疲れている”って言っている様な顔色だ。
それにISの方も休ませなきゃいけない。」
「でっ、ですが・・・・」
「いいから休め、次は試練の中で一番厳しい所だからな。」
一夏さんがそう言うと半ば強制的にISを解除して休まされました。
しかも、今の態勢は・・・・
「いっ、一夏さん・・・・どうしてこの様な姿勢なのです?」
「こうしないとセシリアは無理しようとするからな、拘束を兼ねている。
ISスーツのままだからちょっと硬いのが欠点だけど・・・・」
「いっ、いえ!!十分ですわ!!」
今のわたくしの姿勢は頭の下に一夏さんの膝があって寝ている状態。
そう、膝枕されていますの。
上を向くとそこには一夏さんの顔が見えて休みにならない気がしますわ。
「セシリア、少しくらい弱い所を見せても良いと思うぞ。」
「どうしてですの?」
「俺だけじゃなくみんなが思っている事だけど、お前は倒れそうなくらい努力して無理をする。
それを見ていると俺たちは辛いんだ。」
「・・・・・・・。」
「だから、少しくらい弱い所を見せても良いし、頼って欲しいと思っている訳だ。
自分1人で抱え込まずにさ。」
一夏さんだけではなく、皆さんもわたくしを見ている事に驚きを感じましたが
思えば、一夏さんの言う通りでした。
ドッペルゲンガーとの闘いでも弱い部分を見たばかり
わたくしは何を考えているのでしょう?知ったばかりなのにもう忘れている。
猛省しなければならないと言う気持ちと、皆さんに対する申し訳なさを感じましたわ。
「まあ、人は誰だって失敗するさ。だから今はゆっくり休みな。」
「はっ、ハイ・・・・」
こうしてわたくしは休憩と言う名目で一夏さんの膝を堪能しました。
とても暖かく、今まで思い詰めていたことが嘘の様に
氷の様に凍り付いた心がゆっくりと溶けていく様な感覚をわたくしは感じました。
本当ならわたくしが・・・・いえ、わたくしたちが一夏さんを
癒してあげなければならないのに一夏さんの優しさに甘えてしまっています。
一夏さんの心の闇はわたくし1人だけでは太刀打ちできません。
皆さんの力を借り、一丸となって一夏さんを救わなければならないと
この場でわたくしは深く誓いましたわ。
しばらくして休憩が終わり次の部屋へと進みます。
鈴さんや一夏さんの話通りならば、次は試練最後の敵で
勝てば一夏さんへ武具が得られます。
それも『The Legendary Dark Knight』に登場する強力な敵と武具が・・・・
いざ、部屋に入ってみるとそこは真っ暗闇かつ殺風景極まりない場所で
周りを見ると家があったであろう跡が多くありました。
特に気になったのはこの場所は火災等で発生する焼け焦げた臭いが充満しており
溶けた石や岩が所々ありました。
かなりの熱量を持つ“何か”がここに居た事を意味しており
わたくしが得た知識でその力を持つ敵はただ1つ・・・・
思案をしている最中、『The Legendary Dark Knight』に登場する『地獄門』に酷似した
黒い板から真っ赤な炎に包まれた“何か”がわたくしの前に現れ
咆哮と共に爆発しました。
「炎獄の覇者・・・・ベリアル!!」
「うぬ?儂の名を知っている者が居るとは、しかし居るのは小娘1人か・・・・」
「えっ?あら!?一夏さん!?」
周りを見ると一夏さんが何故か居ません。
何処へ行ったのか、辺りを見回しても一夏さんが居ません。
そんな事をお構いなしにベリアルが近づいてきます。
「小娘1人、すぐに打ち倒してくれるわ。」
「実は1人じゃないんだな~・・・・あちぃ~・・・・」
「むっ?貴様!!」
「うおっ!?」
なんと、一夏さんはベリアルの尻尾に堂々と座っていましたの。
気づいたベリアルは尻尾を振り回して一夏さんを振り落とそうとします。
それに対して一夏さんは尻尾の勢いを利用して地面に叩きつけ
その勢いを利用してわたくしのもとへ戻ってきました。
「全く、早く気付けよ。装甲が燃えただろうが。」
「逆賊スパーダの力を持つ小僧か、あの時の借りは返させてもらおう!!」
ベリアルの言葉が正しければ、以前一夏さんと闘い敗れたみたいです。
そんな中一夏さんはわたくしに話しかけましたわ。
「よりによってベリアルか、セシリアにとっては分が悪いかもな。」
「何故ですの?」
「アイツから出す熱でレーザーが湾曲して照準がブレるし、ミサイル系統の兵器は
至近距離じゃないと途中で爆発して効果が無いからだ。接近戦は問題無いけど・・・・」
「ではどうすれば!?」
「そこは自分で考えな、ベリアルは待っちゃくれないからな!!」
そう言って闘いが始まりました。
わたくしは対抗手段を思いつかないままですが、闘うしかありませんでした。
一夏side
ベリアルとの再戦、俺はいつも通りに闘うが先に言った様にセシリアにとっては
非常に分が悪い相手だ。
さっきからスターライトmkIIIを連射するが・・・・
「くっ!?湾曲して命中しませんわ!!」
熱でレーザーが湾曲して全て明後日の方向に行ってしまう。
レーザーが無理ならミサイルビットを撃ち出すが・・・・
“ドンッドンッ!!”
直撃せず熱で爆発してしまう、これにはセシリアも焦りの顔を隠せない。
「焦るな、セシリア!!」
「しかし、攻撃が・・・・」
「やり方を変えるんだ!!そうすれば道は開く筈だ!!」
俺が前衛で攻撃し続けているがベリアルは思っていた以上にパワーアップをしていた。
だが、基本モーションは変わっていない為、俺は難なく攻撃を繰り返していく。
ある程度攻撃を加え続けていると、ベリアルを纏っていた炎を消え攻撃チャンスとなる。
「撃ってみろ、セシリア!!」
「はっ、ハイ!!」
俺の指示でセシリアは再度スターライトmkIIIを連射する。
「グオッ!?」
「有効打になりましたわ・・・・」
「みたいだな、俺も行くぜ!!」
追撃を加えるため、バスターでベリアルの頭を掴む。
「
ベリアルの頭を掴んでそのまま地面に叩きつける。
その一撃はベリアルをグロッキーにしてしまう、俺は更なる追撃を仕掛ける為に
今度は腹にバスターを決める。
「
ベリアルをすくい上げ、落下してくる時に俺はタイミングを合わせて
痛恨の一撃を叩き込んだ。
2つのバスターを決める時、セシリアは唖然としている様子だ。
それもその筈、ベリアルは俺たちから見ると巨大な敵でその巨体をフルに活かした攻撃を
俺たちに仕掛けてくる。
そんな巨体を俺は持ち上げたり、すくい上げたりするものだからセシリアの反応は
間違いではないのだ。
「セシリア、退け!!」
「はっ、ハイ!!」
「グオオオオオオオッ!!!!」
ベリアルは咆哮と共に爆発して再び炎を纏う、勝負はここからと言った様子だな。
セシリアside
再び炎を纏ったべリアルにわたくしはどうすれば良いかわからなくなりました。
ブルー・ティアーズの兵器が一切通用せず、一夏さんの援護が出来ない状態。
そこで考えたのは一夏さんの言葉、確か・・・・
『やり方を変えるんだ!!そうすれば道は開く筈だ!!』
既にある兵器を試しましたが、ここに来てから入手した兵器を試していませんでした。
わたくしは今までのやり方とは違う行動をしてみる事にしました。
その方法はスターライトmkIIIを『チャージショット』で撃ってみる事!!
“バァンッ!!”
「グオッ!?グアアッ!!」
「少し照準がブレてしまいますが、思った通りですわ!!」
多少照準がブレてしまいますが高エネルギーなら熱による湾曲を防ぐ事ができ
攻撃する事に問題ありませんでした。
そうなると、わたくしが使用する兵器はただ1つ。
「初陣ですわよ、『ナイトメアβ』!!」
左腕を包む様に出現した異形の銃器は今にも獲物の血肉を求めている様に見えました。
わたくしはベリアルの周りを旋回しつつ、ナイトメアβを連射し続けます。
ナイトメアβは撃つ度にエネルギーを多く消費してしまいますが
発射すると撃った場所と命中箇所を何度も往復し攻撃し続ける兵器。
その結果消費したエネルギー以上の働きを見せ続けました。
「グオオッ!?小癪な真似を!!」
ナイトメアβの連続攻撃にベリアルは纏い直した炎を引き剥がす事に成功しました。
一夏さんも追撃を仕掛けます。
「ナイスだ、セシリア!!一気に行くぜ!!」
「舐めるな!!」
「何っ!?」
「一夏さん!!」
何とベリアルはカウンターで一夏さんに向けて大剣を振りかざしたのです。
わたくしの射撃で大剣を弾こうとしても射線上に一夏さんが居ます。
このまま撃てば一夏さんに命中し、ベリアルのカウンターを受けてしまいます。
この時にわたくしの脳裏に浮かんだ手段は『
レーザーを曲げて一夏さんを避けて大剣に当てるしかありませんでした。
しかし、
このままだと一夏さんの身が危険、ならば賭けるしかありません。
ブルー・ティアーズ・・・・力を貸してください!!
「お願い・・・・曲がってください!!」
“バンッ!!”
スターライトmkIIIから放たれた一閃は一夏さんのすぐ隣を掠める様に進みました。
そして僅かですがレーザーが湾曲し、ベリアルの大剣に命中して弾く事が出来ました。
これには一夏さんは驚きの表情をしましたが、そのままリベリオンを振り抜きました。
一夏さんはベリアルを蹴ってわたくしの元に戻ってきます。
そして、わたくしはもう1つの銃器を構えておりました。
「『カリーナ=アン』・・・・フルチャージショット!!」
カリーナ=アンから放たれたミサイルはそのままベリアルに命中し
その爆発によって壁に叩きつけました。
この攻撃でベリアルは満身創痍となり大剣を杖の様にして地面に付けておりました。
「こっ、これほどの力とは――――無念なり・・・・」
「汚いケツ見せてお家に帰りな、許してやる。」
「一度は退いた身、二度は退かぬ!!ヌオオオオッ!!」
ベリアルは最後の力を振り絞り、爆発と共に火の玉となってこちらに突っ込んできました。
しかし、一夏さんは・・・・
“バンッ!!”
アイボリーの銃弾でベリアルを粉砕してしまいましたわ。
「ショボイな・・・・ハデな花火を期待したんだが。」
「そうなると、わたくしたちはただじゃ済まない気がしますわ。」
「それもそうか。にしてもレーザーを曲げるなんてスゲェんだな。」
「あっ、あれは頭の中が真っ白になってしまいまして・・・・」
「まあ、良い。とにかく助かったぜ、ありがとう。」
一夏さんのお礼にわたくしは恥ずかしさでいっぱいでした。
地獄門の方を見ると光の球体がそこにあり、一夏さんはその球体を得る為に行きました。
光の球体を持った一夏さんは光に包まれ、光が治まったら左肩に何かを装備し
漆黒の翼の様な物を展開していました。
「『無尽剣ルシフェル』か・・・・ちょっと遊んでみよう。」
「遊ぶってどうやって・・・・」
わたくしの言葉を無視して一夏さんは地獄門に向きました。
すると、いきなり高く飛び上がりましたわ。
「コイツを!!突き刺す!!力をこめて!!角度を変え!!刺す!!」
その台詞と共に真紅の剣を地獄門へどんどん突き刺していきました。
よく見ると一夏さんは何かを作っているみたいですわ。
「さらに・・・・もっと強く!!ブチこんでやる!!」
どんどん剣を突き刺していき、その全貌がわかりつつありました。
そして、最後の1本を勢いよく投げ込み地上に降りました。
わたくしの方を向く一夏さんは口に薔薇を加えてポーズをとっていました。
“パンパン!!”と手拍子をして最後の1本を除く真紅の剣を起爆しました。
地獄門の方を見ると、とても見事はハートが完成していましたわ。
「最後に・・・・絶頂を迎えた後は――――君は自由だ。」
そう言って一夏さんは薔薇を最後の1本に向けて投げて最後の起爆をしました。
すると、作り上げたハートは真っ二つに割れました。
まさに失恋をした時の心の様に・・・・
「恋は駆け引きが重要だろ?」
「そっ、そうですわね。駆け引きによっては失恋することがありますわね。」
「闘いも駆け引きによっちゃあ、負けるわな。」
「しかし、どうしてこの様な事を?」
「俺も恋愛出来るならまともな方が良いからな、お前等と同じ様にな。」
その言葉を言う一夏さんは寂しそうな表情をしていて
わたくしは何とも言えない気持ちになりましたわ。
地獄門があった場所から次の部屋への扉が開きわたくしたちは進みます。
最後の部屋は篠ノ之流の言葉で締めくくられ、わたくしたちは試練を終えました。
「うっ、うん・・・・」
「あっ!!起きたみたい!!」
「本当に1分もかからないみたいだな。」
目を覚ますと一夏さんの部屋で皆さんがわたくしたちを見ていましたわ。
「どうやら、試練を終えたみたいね。」
「どうだった?」
「とても不思議な感じですわ。」
鈴さんと簪さんの問いかけに素直に言うわたくし
その答えに皆さんは安心していました。
「一夏さん。」
「どうした?」
「少し、皆さんに言いたい事がありますので席を外していただけると・・・・」
「あっ、ああ。わかった。冷蔵庫の中の飲み物が無いからついでに買って来る。」
そう言って一夏さんは部屋を退室しました。
わたくしは皆さんに言わなければならない事があって
一夏さんを部屋から出てもらったのです。
そんな中、ラウラさんがわたくしに問いかけます。
「それで話と言うのはなんだ?」
「試練の間に知った事を全てですわ。」
わたくしがそう言うと皆さんは身構えました。
一夏さんがわたくしたちの気持ちに気づいている事を・・・・
そして一夏さんの心の闇を言える事は全て話しました。
その事に対して皆さんは驚きを隠せず動揺していました。
そして最後にわたくしは皆さんに頼みました。
「わたくしは皆さんの力を借りたいのです。」
「一夏の心を救う事をか?」
「ハイ、1人だけでは不可能な事。わたくしたちの力が一丸とならなければ
駄目である事に気づきましたわ。だから・・・・」
「私は賛成だよ。一夏のおかげでみんなに会えて、独りじゃないって実感出来たから。」
「あたしもやるわよ。一夏のおかげで勇気をくれたからね。」
「僕は心を救われたよ、一夏の為だったら何だって出来るつもりだよ!!」
「私も嫁に救われた、だから今度は私が嫁を救う番だ。」
皆さんは賛同していく中、箒さんは・・・・
「私は・・・・」
「箒さん?」
「私も救いたいのは確かだ。だが、私も一夏の事を好きになって良いのか・・・・」
「良いに決まってるでしょ?」
「鈴。」
「箒に何があったのかわからない。でも同じ気持ちを持っているなら
好きになっても良いと思う。」
「簪・・・・そうか、そうだと良いな。」
恋敵ではありますが、同じ気持ちを持っていて助けたい気持ちを確認出来た事。
そして、箒さん自身にも一夏さんに対しての気持ちに迷いがある事。
今回の件で2つの問題に直面出来ました。
箒さんも一夏さんと同様に心の闇があるなら・・・・わたくしたちは友として救いたい。
その気持ちは皆さんと同じになれましたと思います。
≪To be continued…≫