リオンとブレイブ   作:駿州山県

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ちょっと忙しくて書き溜めが出てきていない状態です。焦り焦り。


11話

 

「相棒の話って本当だったんだなー」

 

隣にいるブレイブが間の抜けたような声を発した。

世界破滅の危機の話だったと言うのに、どうしたらこんな気の抜けた声でそんなことが言えるんだろうと思う。

 

「俺のことを相棒って言う割に、俺の言うことを信用しなさすぎだろ」

 

「だってよー。相棒は癖が強いからなー。

 トマスが相棒だったなら間違いなく信じてたって」

 

俺はブレイブの持ち主だと言うのにひどいものだ。まあトマスと比べれば俺の性格がねじ曲がっているのは仕方ないと思う。

俺はブレイブを無視して皇帝と話したことを思いだした。

皇帝は俺が上級騎士になれるように配慮をすると言っていた。その配慮とは一体……。

 

翌日から俺は騎士としての訓練に参加した。

騎士と言っても常に仕事があるわけではない。騎士として仕事があてがわれるのは中級騎士以上であり、その中級騎士の中でも約10人ほどが一週間交代で仕事をするそうだ。

もっと大勢の騎士が呼ばれることもあるらしいが、そういうことは儀式であったり皇族の移動だったりとめったにないので、ほとんどの騎士は基本的に訓練をしている。

俺も大勢の騎士の一人として訓練をしているのだけど、はっきりいって上級騎士以外は騎士としてのレベルはそれほど高いとは思えなかった。

その理由については大きく分けて2つあった。

1つは鎧としてのブレイブの実力にある。騎士とは鎧を着て戦うものだ。この世界で言う鎧と言うのは、別の国であればロボットのような物であったりするのだが、帝国ではロストアイテムの改良品のことを言う。

ブレイブに言わせれば、俺様の劣化品と言うことである。

ブレイブのように意志を持つわけではなく、ただ単に騎士に着られるだけの鎧を帝国は研究の末作り出した。

騎士となった者達はその鎧を与えられている。

つまりブレイブを持っている俺とブレイブの劣化品を持っている他の騎士とでは持っている鎧の強さで圧倒的に差があった。

もう一つは魔力の容量だ。

ブレイブ曰く、俺は新人類の遺伝子を継いでいると言う。

新人類と言うのはこの世界の人類のうち魔素に適応した人類の事を言うらしい。

つまりモンスターを退治して発生した魔素を自身の力として吸収することで成長することができる。

モンスターを退治すれば退治するほど強くなれるのだ。

実際には魔素は一旦ブレイブが吸収しを纏った俺に分け与えると言う形をとっているわけだが、それでも新人類であることには違いないらしい。

よって成長の仕方にもかなりの差があると言う話をブレイブは言っていた。

 

俺は自身の強さを示し、訓練を行う度に下級騎士の中でも頭角を示していった。

だが、

 

「おべっか使いが」

 

ある時横を通り過ぎた名も知らぬ騎士から言われた。

おべっか使いと言うのは、皇帝と仲良くしていることを揶揄した言葉らしい。

たまに貴族だと言うだけで騎士になった者がいるそうだが、昔はそういう者がそこそこの数いて、そいつらのことをおべっか使いと揶揄したそうだ。

実際に実力のある俺とは比べなれない話なわけだが、日が経つに連れてどんどん俺を馬鹿にする者たちが増えて行った。

明らかにおかしい。帝国の騎士とは立派な者が多いと言う話ではなかったのか。

 

「相棒の陰口を叩いているやつらは、どうやら下級騎士ばかりのようだ。

 帝国では下級騎士は騎士に非ず、なんて言葉もあるらしいなー」

 

相棒の俺が陰口を言われていると言うのに、楽しそうで何よりである。

だがブレイブの言う言葉は下級騎士になってから嫌と言うほど聞くことになった。

実際に下級騎士と中級騎士では、人間的に比べることができないほどの差があった。

ここ一週間ほど訓練した際に、俺はもう下級騎士の中では相手になる者がいないと言う実力を見せたのだが、その結果俺に嫉妬したのだと言う結論に達した。

そしてその嫉妬はある日、問題となった。

 

「おい、口だけ野郎。

 いつまでも調子に乗ってんじゃねえよ」

 

模擬戦で俺に負けた何人かが、わざわざご丁寧に俺の近くに集まって来ていた。

1対1では勝てないとわかって、わざわざ複数人で言いに来るとはご苦労だと思う。

 

「調子に乗ってるわけじゃない、俺は実際に強く、その実力を示しているだけだ」

 

俺はわざわざ丁寧に教えてやる。彼らは俺に実力があるのをわかっていないようだからな。

 

「なんだと!」

 

「大人しくして言えば付け上がりやがって!」

 

「貴様は最初から気にくわなかったんだ!」

 

自分たちから絡んできておいて……と思わざるを得ない。確かに模擬戦の時に態度が悪いやつにはちょっと煽ったりしたこともあったが、そこまでのことではないはずだきっと。

煽ってきたやつを俺が煽り返した結果、そいつらが逆上した。まさに一色触発、そんな状態になった時、

 

「待て! 騎士同士の私闘は禁じられていることを知らないのか!」

 

中級騎士の一人が仲介に入るべく俺たちの前にやってきた。

実際ことあるごとに俺は他の下級騎士に絡まれていたので、いつかは私闘に発展すると思われていたのかもしれない。

 

「いや! しかしこの者は実力がないのに上に口で取り入ろうとしていたのです!

 騎士としての風上におけない!」

 

「そうです。帝国騎士としての誇りさえない人間に、帝国騎士としての正しい姿を見せてやろうとしていただけです!」

 

言い訳を述べさせたら右に立つ者はいなさそうだな。そんな風に思って、中級騎士と俺に絡んできた下級騎士達のやりとりを見ていたのだけど、

 

「ふむ……そこまら言うなら、私闘ではなく決闘ではどうだ?

 決闘は帝国では正式に認められている。騎士リオン、君も騎士ならちゃんとした場で決着をつけたいだろう。

 君の噂は私も聞いている、模擬戦での評価は中級騎士以上と言う話だったな。

 もし君たちのその大層な言い分の通り、決闘で実力を見せることが出来た時は私が君たちを中級騎士に推薦しよう。それくらいの実力があると言うことだからね。

 で、だ。君たち5人と彼の決闘でいいのかね?」

 

この中級騎士の話はきな臭い。

一対一でなく、一対五の決闘を堂々と薦めてくるのはなぜだ。

俺はこの中級騎士を怪しんだが、下級騎士たちは中級騎士に推薦されると聞いて大喜びだ。

もはや俺に勝った気でいると思えるくらいだった。

 




一応次も三日後の予定です。
次は8月7日(日)の19時更新です!
本音:土日挟めて良かったー
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