とりあえず仕事も始まりましたし、土日の趣味のカフェでのかきかきもはかどりそうなんで、これからはできるだけまた3日毎に戻していきたいと思います。
皇帝陛下がリオンの提案を面白いと言った、このことは帝国丈夫ではかなりの噂になったが、結果的に上級騎士だけの選抜模擬戦の話は一旦ストップとなった。
いくら皇帝陛下が興味を持ったとしても、皇帝陛下にたかだか一騎士が出過ぎた真似をと言う声が大きかったのも言うまでもない。
軍務派閥ではない者は、上級騎士だけの選抜模擬戦をやることで軍部は忙しくなるし、さらに上級騎士が総動員されるためその間は彼らが動けなくなるので是非やってやれと盛り上がっていたと言う。けれどさすがに対立意見も多くお蔵入りとなった。
俺は提案した身だけどどうせ案が通るとは思っていなかったし、軍務派閥と敵対することを示すために言っただけのことであるため、気にもしていない。
そんなことより事件が起きた。
皇帝との茶会も終わり、週に一度しかない休息を城下町を歩くことで堪能していた時だ。
「討伐失敗だ! 討伐が失敗したぞ!」
そう騒ぎ立てる人間の一人を見た。
どうも悪い噂を流そうとしているのではなく、本心から慌ててみんなに触れ回っているだけのようだ。
「昨日上級騎士が中級騎士を伴って討伐に出ていたけど。
騎士が負けるようなモンスターなんていたか?」
「もしかすると俺様の欠片かもしれないな。
欠片同士が集まって大きくなり、それが他の魔装やモンスターの魔素を食って成長したら……」
ブレイブはおそらく考えうる最悪の案を話してくれたんだと思う。だが大いにありえる話だ。
何しろ今もブレイブの欠片は集まりきっていないのだ。その欠片が悪用されているとすればこのようなことにもなりかねない。
だからと言って今からブレイブと駆けつけようにも、どこで起きた問題かわからない。
どうせ明日になればわかる。無理に今日焦ることはないとブレイブを納得させ、俺は今日と言う休日を楽しんだ。
翌日朝食を終えて訓練場に集まると、案の定騎士全員に呼び出しがかかった。
いつもであればこのような呼び出しは下級騎士と中級騎士に限られるわけだが、今回に限っては上級騎士も多分に漏れず全員が集まっていた。
呼び出したのは騎士ではなく軍部の人物あった。
軍部の人物の隣にはボロボロの上級騎士に中級騎士が数人だけいた。
討伐隊を組むなら最低でも中級騎士は10人いるはずだが……モンスターに倒されてしまったのか。
もしそうだとするとブレイブの欠片が取り込んだモンスターは、魔装も複数取り込んでいることになる。
「1つや2つならともかく、相棒これは本気で取り掛からないと不味いかもだぜ」
もし今後も討伐隊の魔装が取り込まれることがあるとすれば、もっと強くなる。
ブレイブの言う通り、間違いなく相当不味い問題だった。
「もう知っている者も多いと思うが、先日編成した討伐隊がモンスターの討伐に失敗した。
だが間違わないで欲しい。彼らは彼らの実力がないせいで失敗したのではない。
敵が想定より強すぎたためだ。
なので、次の討伐隊を編成する前に騎士の皆は彼らの話を真摯に聞いて欲しい」
軍部の者はそう言うと下がる。
皇帝陛下と敵対派閥と言うから、てっきり自分たちの非を一切認めないのかと思ったがそうではないらしい。
今回のことはしっかりと、騎士のせいではないと言っている。つまり、想定を間違えた軍部のせいだと暗に言っているようなものだ。
それからは、ボロボロの騎士達が戦いの様子を話し出した。
「最初はただのモンスターの群れだった。
だが倒しても倒しても数が減らない。おかしい……そう思った時には中級騎士がすでに一人いなくなっていた!
気づけばモンスターたちが集まり出して、種別も全く異なるモンスターだったのに、合体と言うより、もう見境なく溶け込みあって……。
俺たちの目の前にいたのは超大型のモンスターだったんだ!
ただでかいだけならと、皆で攻撃を開始したのだが……無限にも思える程多くの触手が生えてきて……。
それでほとんどの騎士が捉えられてしまった。
捉えられた騎士達は、そのまま触手に掴まれたままモンスターの内部に取り込まれて……。
なんとか助けれないかと無理やり突撃をしたのだが、触手での攻撃はあれはやばい! 俺たちの魔装を軽く壊してくる!
いや、あれは壊してくると言うより……溶かしてくるんだ!
それでこの様さ。
負けておいてすまないが……是非俺たちの仇を取ってくれ!」
すでにボロボロだった上級騎士は話し終えると泣き崩れてしまった。
話を聞く限り、どうやら魔装を取り込むためにわざとおびき出されたのではないかと感じる。
「ブレイブ、どう思う?」
「間違いなく俺様の欠片だ。
多少は知能が芽生えてやがるようだ。
早く吸収しないとまずいことになりそうだ」
「ああ、俺もそう思う。
だが新規に編成される討伐隊に呼ばれるか……呼ばれなかったら、訓練さぼってでも取りに行くか?」
「だが話を聞く限りかなり強いぜ。
できれば多くの的……味方がいたほうが良いと思うぜ相棒」
的から味方と言い換えたことで、ブレイブが俺以外の他の騎士をどう持っているかがわかる。
まあでも、的か餌だろうなとは思っていたのであまり気にしないことにした。
とりあえず……きっと皇帝陛下が俺を今回の討伐隊にねじ込んでくれるだろう。
ボロボロの上級騎士と中級騎士が下げられる。
彼らは今後騎士としての活動さえ難しいだろう。とりあえず今日のところは入院と言ったところだろうか……。
下がった彼らと反対に先ほどの軍部の者が前に出て来る。
「先ほどの話を聞いてわかっただろうが、上級騎士と言えども一人では倒すことは敵わない。
ここは上級騎士を5名一気に編成する。
中級騎士も20名を予定している。
多くの騎士が帝都からいなくなってしまうわけだが、それほど重要な討伐だと言うことをわかってほしい。
では、これから呼ぶ者はこの後の討伐隊に編成される者だ。
呼ばれたらこちらにきて、各上級騎士から話を聞いてくれ」
軍部の者は一人ずつ名前を読み上げていく。
俺は仲間の中級騎士のことははっきり言ってほとんど覚えていない。だから名前を読み上げられても誰だかわからなかった。
唯一覚えているのはトレヴァーさんだが、どうやら彼女は今回の討伐隊には編成されていないようだ。
だがその方が良い。今回の討伐隊では、間違いなく一人も死なないと言うことはありえない。
万が一でもその中には入らないほうがいいと思った。
そして俺は名前を呼ばれた。きっと皇帝陛下が無理やりねじこんだのだろう、とそう思ったのだが向かった先にいたのはトレヴァーさんだった。
「騎士トレヴァー? なんでここに……もしかして上級騎士に?」
「やあ騎士リオン。
どうやら上級騎士不足の事態により、臨時の上級騎士になることになったよ。
今回の討伐隊は、各上級騎士が中級騎士を選んで編成しているようでね。
それで私は君を編成することに決めたってわけさ。
もしかして皇帝陛下が推薦してくれたかと思ったかな?」
とても大人びた顔をしているくせに子供っぽい真似をする。
だけど俺はそんなふざけた顔も好きだった。
当初の予定より遅れているので時間を待たずに投稿します。
次の投稿は三日待たずにできるだけ早くする予定です。