リオンとブレイブ   作:駿州山県

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三日毎の更新が厳しくなってきた・・・
おそらく今後は一週間毎になると思います。


20話

 

あの選抜模擬戦から、約3カ月が過ぎた。

俺は圧倒的強さで優勝し上級騎士序列一位となった。たった一度の優勝で序列一位になれたのは強さこそが全てとしていた騎士団のルールのおかげであった。

今までは上級騎士による具体的な強さの順位付けはされておらず、そのため上級騎士に序列はあっても皆権威は横一列と言う考えだったが、俺と言う圧倒的強者が存在したことでその考えが変わり、新たに騎士団長と言う役職が設定されることとなり、俺は初代帝国騎士団長としてその役を背負うことになった。

確かに俺には前世の知識もあるし勉強は一応真面目にやってきたから書類仕事もできるけど、15歳に騎士団長をやらせるってどうなんだと思う。

だが個人的にも腐りきった騎士団は改革したかったので、仕方なくやっている。

 

「騎士団長、書類仕事があまり進んでいませんよ。もっと働いてください」

 

俺の執務机の向かいに副騎士団長の執務机がある。そこで俺の何倍もの書類仕事をこなしている騎士トレヴァーからお叱りの声が飛んできた。

俺が騎士団長になって最初にやったことは、騎士団の悪しき風習を改正することだった。

騎士団員の序列は強さだけで決まることではない。書類仕事や騎士の統率を行える者が必要だったので、正直騎士トレヴァーを上級騎士にあげるためにこの改正を行った。

結果、騎士トレヴァーは上級騎士の序列3位になった。他にも下級騎士でくすぶっていたものや中級騎士で序列が下位だった者の中にも、書類仕事に特化していた騎士もいたようで、これにより少しずつ順位をあげて騎士団としての業務が滞りなく行えるようになった。

序列2位は現剣聖のリーンハルトだ。こいつ、完全に戦う実力しかないと思っていたのだけど思っていたより書類仕事などもできた。

訓練と称して普段はこうして書類仕事をさぼっているのだけど、やるときはやるみたいな感じで役に立つのが無性に癪にさわる。

次にやったことは汚職をしていたやつらの一掃だ。

間違いなくあると思っていたし、騎士トレヴァーもいくつかを知っていたらしいので、見つけるのはしごく簡単だった。

上級騎士のほとんどは自分たちで実務を行わず、軍務派閥の貴族が出してきた文官に書類仕事をなどをやらせていたようだ。

その文官……実際は軍務派閥の貴族たちだが、騎士団に回される軍費を横領していた。

それが何十年分とあり、その整理をしていくとどうも騎士団とは分けられていた軍費の方にも手を出していることがわかり騎士トレヴァーの指示の元、軍務派閥の貴族の取り締まりを行った。

当然皇帝にはあのメイドを経由して全て連絡済であり、騎士団員全員を動員する帝国始まって以来とも言える大規模な取り締まりだ。

騎士団員だけでは人数が足りないため、皇帝直属の兵士を出したり、兵士の中でも親皇帝派が確定しているものたちをも動員した結果、軍務派閥は政務に意見を通すことさえできないくらい数を、力を失った。

そして今はそれらの問題の書類仕事を片付けていると言うことである。

騎士団は今回の問題の一番根付いている部分と言う扱いだったので、書類の量が多いのだ。

俺に来ている分は、他の文官肌の騎士に比べたら量は少ないがそれでも毎日机に向かわないといけないほどだった。

 

「なあ相棒。

 そろそろ魔素集めに行こうぜ。こんなんつまらなくて仕方ないぞ」

 

俺だけに伝わる念話でブレイブが文句を言うが、俺だって好きで書類仕事ばかりやっているわけではない。

たまには体を動かしたい!

 

「どうも騎士団長は集中が続かないようですね」

 

俺の机に積まれた書類がさほど減ってないのを確認して、騎士トレヴァーが深くため息をついた。

 

「それは仕方ないって言うものだろう?

 この書類の多さは俺のせいじゃない。軍務派閥の貴族や、前の上級騎士のせいなんだから」

 

「まあそれはそうなんですが、だからと言って騎士団長が見ないといけない書類は、私たちが見るわけにはいきませんからね」

 

「……よし、皇帝に直訴しよう」

 

「はっ?! 何を急に言ってるんですか? そんなことができるわけ……」

 

「おい、いるんだろ?」

 

俺は執務部屋のドアを開けると、すぐ廊下にいつものメイドを見つけた。

 

「よくわかりましたね」

 

「俺としてはいてくれないほうが良いんだけどね……」

 

「そんなつれない言葉を」

 

「そんなことより、皇帝陛下に言伝を頼んだよ。

 今は騎士団員もかなり人数が不足しているから、文官肌のやつをよこしてって。

 騎士団を今の内に反軍務派閥で占有するチャンスだって」

 

「わかりました。

 早ければ明日にも対応の話が来ると思います」

 

いつものメイドは美しい所作でおじぎをすると、これまら美しい所作で去って行った。

 

「これで、近々書類仕事が楽になるはずだな」

 

「はあ……本当に騎士団長は仕方ないですね。

 では、今日頑張りすぎても意味はないでしょう。今日の執務はこれくらいにして、今日はこの後は自由時間にしましょう。

 私も、他の手伝ってくれている中級騎士たちも、そろそろ休みが必要ですし」

 

「それがいいな、じゃあ今日は早いが騎士としての仕事は終わり」

 

俺はそう言うと、動かしたかった体を動かすためブレイブとモンスター退治に出かけた。

 




今回は文字数少なくて申し訳ない。
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