次の回は皇帝閣下への謁見です。
翌日から俺とブレイブは欠片を集めまくった。
日帰りで集めることができない欠片は今まで後回しにしていたのだけど、そういうものを中心に近くにあるものを全て集めた。
モンスターもかなりの量を退治した。おかげで俺のレベルもかなり上がったし、ブレイブの姿も重装の騎士と言った風体から悪魔が鎧を形どったんじゃないかと思うほど凶悪な姿に変わった。
俺が前世で手に入れたブレイブの姿そのままだった。
翼も生えたことで空も飛べるし、魔素を大量に取り込んだことで魔法も多少使えるようになった。
ただそれでもまだ完成形ではないらしいと言うことだから、本当にチート染みているなと思う。ブレイブ曰く俺もまだまだ成長できるとのこと。
朝早く起きることは辛いけど、成長できる余地があるならもう少しくらいは頑張ろうと思える。
そしてそのまま同じことを続けて、入団の前日。
帝都に向かう飛行船の出発1時間前に俺はトマスと会っていた。
トマスの顔は元に戻っていた。本当に良かったと思う。
「とうとうリオンが行っちゃうのかあ。
はは、寂しいね」
トマスが感情を正直に伝えてくる。
もしトマスが強がったら、俺はそれをからかってから出航しようとしていたのに台無しだ。
「俺も寂しいさ。
だけどこの街で俺の友達はお前だけだった。
俺が帝都に行ってもずっと友達だよ。手紙も書くからさ、そうしょげるなよ」
俺が泣きそうなトマスをあやしていると、横にいたブレイブが調子に乗って話しかけてきた。
「何言ってんだ相棒。
相棒だって昨日トマスと離れることをあれだけ悲しがってたじゃねえか。
トマスー! 離れたくないよーって」
「な、なに言ってんだ……そんなわけあるわけないだろ! 誇張だ誇張!
お前だって新しく欠片を手に入れたら、新しい服を手に入れた女みたいに浮かれやがって!
デートにどの服を着ているか迷っている貴族令嬢にしか見えなかったぞ!」
「相棒こそ何言ってんだ!
俺様がそ、そんな……ことあるわけないだろう……?」
「あはははは! あははは!」
俺とブレイブのやり取りを見て、トマスが笑った。笑うも笑う、大爆笑だ。
「トマス?」
「おい、どうした? あの騎士に殴られて頭でも壊れたか?」
「はぁ……違うよ。単に二人のやりとりがおかしくて笑っただけだよ。
リオンのことを心配してたんだけど、ブレイブがいるならリオンはきっと平気だね。
ブレイブ、リオンのこと頼むね」
「おう、安心しとけ。
相棒は俺が何があっても守ってやるぜ!」
「いやいや、ブレイブは楽観的すぎるからな。
それこそ俺と一緒にいるほうが安心するだろ」
「そうだね、リオンとブレイブはすごい気が合ってるよ。
二人とも、お互いを大事にしてね。
後手紙も絶対に書いてよ?」
「ああ、一か月に一回は絶対に書く。
トマスも元気でな」
そんなやりとりをして別れを告げた。
飛行船の窓から外を見ると、トマスは飛行船が見えなくなるまでこちらに手を振ってくれていた。
果たして外から飛行船内の俺の姿が見えたかはわからないけど。
飛行船の速度はとても速い。あっという間に街の姿が見えなくなったので、俺は窓から離れ自身に当てがわれた部屋のベッドに座って、先日届いた案内状に改めて目を通す。
案内状に書いてあるのは、騎士団へ入る流れだ。
まず今日、騎士団に到着次第寮へと案内される。
翌日、騎士団にあてがわれた儀礼用の服を着て皇帝陛下への謁見。
そこで皇帝陛下から騎士として任命される。帝国の騎士はナンバリングされているらしく、俺は一番下のナンバー100とのことだ。
ナンバリングは1~10が上級騎士と呼ばれ、上級貴族同等の位らしい。
続いて11~40は中級騎士と呼ばれて貴族同等、41~100は下級騎士で基本的に貴族とは扱われないらしい。騎士にも色々あるもんだ。
「ふぅん……相棒はナンバー100なのか」
俺と一緒に案内状を読んでいたブレイブは、俺が最下位のナンバリングだったことに不満そうだった。
「騎士に成りたてだしな。
どうやって序列を上げて行くのかはわからないが、俺とブレイブなら上級騎士になるのもそう先の話でもないんじゃないか」
「もちろんだぜ相棒。
だが前にも言った通り俺様はまだ完全体じゃないんだ。
騎士として働きつつ俺様の欠片集めやモンスター退治も行ってもらうぜ」
「そうだな。ブレイブが完全体になる頃には、帝国も俺とお前をナンバリング一位として認めざるを得ないようにしてやろう」
二人しかいない部屋の中、俺とブレイブは野望を共有するように未来の話をした。
またまた三日後更新です。
やる気アップしような感想待ってます!