教官指導のトレーニングはそれなりの人数をまとめて行われるため基礎的なことのみであり、その負荷も怪我等に配慮した軽めのものになっている。そのため物足りなく感じるウマ娘が多くいるのも事実で、実際多くのウマ娘が終了後に自主トレをこなすようになっていく。
「ごめん、お待たせ!」
「ベルちゃん、お疲れー!」
今日も私はベルちゃんと自主トレの約束をしており、先に練習場所についた私はチームの体験入部に行っているベルちゃんを待っていた。
「ごめんねー!遅れちゃって!」
「いやいや全然待ってないから大丈夫だよ!それより・・・」
走ってきたベルちゃんの後から二人の鹿毛のウマ娘がやってきた。一人は爽やかな雰囲気のある短髪のウマ娘で、細身ながらしっかりとした筋肉を備えているのがパッと見ただけでも分かった。もう一人は対照的に綺麗な長髪のウマ娘で、優雅な雰囲気がありつつも目元からは勝気な性格が感じられた。
「も、もしかしてディープブリランテさんとジェンティルドンナさん・・・?」
「ええ。そうよ。」
「はじめまして、かな?」
ひ、ひょえぇええええええ〜〜〜〜〜〜〜?!!!!
ディープブリランテさんとジェンティルドンナさんといえばベルちゃんと同じ英雄門下生、そのエリート集団の中でも特に優秀と言われているウマ娘だ。世代の中心になると言われているくらいの実力者で、同期では知らない者はいないだろうというくらいの有名人だ。
「ちょうどこっちに向かう途中で二人にあったんだ〜」
「ベルがこれから自主トレするって聞いてね。ちょうどドンナといたところだし、ちょっと参加させてもらえないかと思ってついてきたんだ。」
「ご迷惑じゃなかったらご一緒してもいいかしら?」
「い、いえいえ!迷惑だなんてとんでもない・・・!」
「じゃあ決まりね。」
「ベルとトレーニングなんて久しぶりだなぁ。先生のところにいた頃を思い出すよ。」
「あはは。懐かしいね〜。」
「そうだ、ベルも体験入部してきたんだろ?どんなトレーニングしてたのか情報交換しないかい?」
「いいわね、それ。」
「いいよ〜!」
・・・なんだか大変なことになってしまった。教官のトレーニングでは物足りないと思っていたところだけど、果たしてこのスーパーウマ娘たちについていけるだろうか・・・。
・・・・・・・・
「うっへぇ〜、キッツ〜〜。」
やり遂げると同時に地面へ倒れ込む。初めて体験する高さの負荷に私の体は悲鳴をあげていた。
「みんなお疲れ様。これ結構効くね!」
「確かに。いいトレーニングだわ。」
「さすが二人は余裕あるな〜。」
「これ、この前ドンナとやったトレーニングと併用するといいんじゃない?」
「・・・なるほど、いい考えね。」
「あとこんなのもやったよ〜。これも混ぜるといいんじゃない?」
・・・・
・・・こいつらはバケモノか。いまだ立ち上がる元気もない私を尻目にトレーニング談義に花を咲かせていやがる。力を入れて走った際の瞬発力といい、天性の才能を目の当たりにして改めて自分がモブであることを噛み締める。
「ーおっと、日も落ちてきたしそろそろ切り上げようか。」
「そうね、いいトレーニングができたわ。」
「いつも2人だったけど4人だとまた違うねー。」
「いい情報交換もできたし、ぜひまた一緒にやらせてもらえないかな?」
「そうね、一人だと情報収集にも限界があるから私からもお願いしたいわ。」
「よろしくお願いします・・!がんばってついていくので・・・!」
こうして唐突にエリートたちに必死に食らいつく日常がスタートしたのだった。
ディープブリランテ・・・なんとなくライアン+ビターグラッセにフジキセキをほんのちょっと足した感じのイメージです。
ジェンティルドンナ・・・見た目はドーベルに近くて、中身はダスカ+キングみたいなイメージです。