挿絵は瞬さん(@Shundayo_5703 )が描いてくれました!!
あー!好き!!
お疲れ様です。
怪我はないですか?
1階にある第二処置室で彼女はまたクルーたちを出迎える。
今日も最後の1人の処置を終えて1日任務を終えた。
「はぁ〜…」
診察を終えたクルーが退室したのを見届け、彼女…星科 静は座っているワークチェアの背もたれに身体を委ね腕を天井に伸ばしストレッチをする。
軽く首を捻らせればコキリと音が鳴る。
「……あ、明日は休みか」
不意にデスクに置いてある卓上カレンダーを見て静は呟いた。
「え?休みなの?」
後ろから聞こえた声に「ひゃい!?」と声をあげて静は振り返ると、そこにはクスクス笑うクルーではない1人の女性。
騎士にふさわしい武装をした紫色の髪の人物の名前を呼びながら静は怒鳴る。
「ロゼッタ!!また私の処置室に転移魔法陣置いたの!?他のクルーたちが怪しい薬作ってるんじゃないかって疑われてるんだけど!?」
「え、静様薬作れるの!作って作って!」
「ロゼ、そうじゃないから。あとあなたの所と同じことを私出来ないから」
ニコニコ笑うロゼッタ・ドラガリオン。
彼女に対してビシッとツッコミの素振りをする静は内心で(あー、もう可愛いなこの子は!)と呟いていたのは誰も知らない。
「ロゼ、もう転移魔法陣設置するのは本当にやめて……言ってくれればいつでも通信繋ぐよ?」
脱力して静はワークチェアに座り、片手で顔を覆った。
「いきなり来たってことは、何か要件があるの?それとも怪我でもした?」
「ううん?静様に会いに来たの」
「はぁ……ロゼちゃん可愛い、嫁天使(通信越しでも会えるでしょう…)」
「静様多分それ逆だよー?」
ワークチェアに座ってゲンドウポーズで言う静に冷静にニコニコしながらロゼッタはツッコミを入れた。
「でもね、本当の目的は」
「きゃあ!?」
突然近づいたと思えばロゼッタは静を横抱き、いわゆるお姫様抱っこで抱き上げる。
「お疲れな静様を癒しに来たんだよ♪」
ウィンクしながらそう言うロゼッタに静は顔を真っ赤にして両手で顔を覆う。
「……ロゼ、降ろして」
「なんで?」
「その、だって……お、重くない?」
ロゼッタから視線を逸らしながら、そう言う静に対してロゼッタはニパーと笑う。
「静様かわいい!」
「ロゼの方が可愛いよ……私は可愛いって柄じゃないし」
「かわいい〜♪」
ロゼッタは機嫌良くそう言い、静をベットの上に座らせる様に降ろす。
するとロゼッタは静の前で跪いて右手を取り普段のニコニコした笑顔ではなく、柔らかい優しい笑みを見せ。
「可愛いよ、静様」
「っ……」
普段見せないドラゴン騎士としての彼女の微笑みに顔に熱が集中する。
「もう。ロゼ、それはズルいよ」
「えー、ときめかない?」
「さあ、どうだろうね」
クスクス笑う静にロゼッタは文句を言いたげに頬を膨らませる。そんな彼女の顔が面白いのか静は吹き出し笑った。
毎日任務に追われていても、この楽しい時間を静は噛み締める。
頼りになる兄たち
自分の配信を見守ってくれているクルーたち
自分にとって、とても可愛く一緒に遊んでくれる愛しのドラゴン騎士。
今日も、明日も、その先も。
彼女たちは笑って日々を過ごすのだ。
ここは宇宙飛行艦隊内の第二処置室
お疲れ様です。
怪我はないですか?
今日も星科 静は微笑み見せ、クルーたちにそう言うのだ。
Fin…