Vtuber短編   作:剣 紅夜

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宇宙艦隊のクルーたちは今日も任務や調査に追われている。
宇宙に流れるゴミや未確認生物の撃退。
意外と危険と隣り合わせ、なので医療班がいるのも当然のこと。

これは医療班とある1人のクルーの話。





 

 

「お疲れ様です、怪我はないですか?」

 

「コイツらがありまーす…」

 

 

宇宙艦隊の艦内にある第二処置室。

白衣を気だるげに着ている医療班、星科静はやって来たボロボロの男性戦闘員を2人担ぎ上げている女性クルーが疲労困憊の顔でそういうと、静はくすくす笑う。

 

彼女は元囮役として上官に酷い仕打ちを受けていたクルーだ。現在では指導官となって新人をしばき上げている様子。

 

 

「なーに?また訓練でしばいたの?」

 

「まあ、はい」

 

 

打撲傷ばかりのクルーたちの手当てをした後、デスクの上に置いてある小さな置き型デジタル時計を見た。

静が出した指示のもと手当てをする女性クルーを見る。

 

これなら大丈夫だな、そう判断した。

テーピングを終えて白衣を脱ぎ始める。

 

 

「はい、終わり。私も任務終了だから、気をつけて自室に帰りなさい」

 

 

そう言いながら壁のウォールハンガーに白衣をかける。

 

 

「はーい。あ、星科さん」

 

「んー?」

 

「あの子なら今資料室にいるのを見かけましたよ。多分まだ仕事してると思います」

 

 

そのまま彼女はへばって動けないでいる男性クルーを再度担ぎ上げて処置室を後にした。

 

 

「……見ない間にホントに逞しい子になっちゃったわねあの子」

 

 

 

 

 

※ 【勇気に救われて】のオリキャラです

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

静は資料室のロック付きの自動ドアを開けて中に入る。

いつもと変わらない、整理整頓されたきれいな部屋だ。

 

いつもは慌てて資料を探すクルーや確認だけして資料をしまい忘れるクルーが多いのだが、作業机は綺麗、床も見える。

資料が置かれた棚はちゃんと種別のアイウエオ順に整理されていた。

 

コツコツと静が履いているヒールの音が部屋に響くと、その音を聞いてなのか、パタパタと足音がこちらにやってくる。

 

 

『星科さま?また何か資料をお探しですか』

 

 

両手に整理していたであろうファイルを抱えて彼女がやってきた。

両目は閉じていて静より頭1つ小柄、制服の上着を着ていたが、動きやすい作業服を着た女性がやってきた。

 

 

「特にこれと言って探し物はないけど、もう任務の業務時間過ぎてるわよ?」

 

『え……あ、わたしまたやっちゃいましたか!?アラームつけてたのに…』

 

 

彼女に近づいて「貸して」と静は彼女が持っていたファイルを取り上げて近くの机に置き、彼女の右手を取る。

右手首に付けられたアラーム付きのデジタル腕時計。

静が自分の携帯端末を取り出してアラームの設定を直し始める。

 

おそらく誰かが意図的にいじったのか…ただの設定ミスなのか。

深くは考えず、慣れた動作で端末を操作した。

 

 

「はい、おわり」

 

『ありがとうございます。あ、あとコレと他の資料片付けたらあがりますね』

 

「こらこら、仕事しないの」

 

『はい…すみません…』

 

 

彼女は目が見えない。

たまたま立ち寄った星の貧民街でうずくまっているところを静に発見されて保護された。

 

この宇宙艦隊のクルーたちのほとんどは出身の星バラバラで、クルーの誰かからか拾われ保護されたことによってやって来たケースが多い。

自分達が助けられたように出来るだけ助けてあげたいから。

 

彼女が発見された時、目はすでに見えていなかった。

ドクターに相談したところ簡単な手術でどうにかできると聞かされて手術をしてもらったが……。

 

彼女はずっと目を閉じている。

今まで視界のない世界にいたからこそなのか、それとも世界を見るのが怖いのか…治っても目を開こうとはしなかった。

 

 

「このファイルは私がしまっておくわ。えっと」

 

『あ、その質感のファイルなら医療項目です。タ行の2番目の棚に開いてるところがあるのでそこに』

 

「相変わらず、すごい記憶力ね」

 

 

頭を撫でた後、静は指示通りの場所に資料を片付ける。

この時間に医療項目の資料を読む人はまずいない。恐らく読んでいたのはあの子だろう。

 

くるりと彼女の方を向いて静はポツンと立っている彼女の手を引く。

 

 

『部屋に帰るんですか?』

 

「んー、まだ人工太陽が出てる時間だから……そうね。ちょっとこっちに来て」

 

 

宇宙船の中には人工的に作られた中庭がある。

地上と変わらない青空をホログラムで再現し、太陽も人工太陽を浮かばせてクルーたちのリラックスルームとして置かれている。

この資料室は窓からそのリラックスルームが見える位置あるのだ。

 

向かった場所は資料室にある壁際の長椅子。

長椅子には夕焼け空になった人工太陽の日差しが窓から差し込まれていた。

 

静が座った後、椅子を軽く叩きそれを合図に彼女も座る。

 

 

「こらこら、もう少しこっちに来なさい」

 

『ふえ?』

 

 

言われた通りに近づくも、やや距離がある。

 

 

「もっと」

 

 

少し隣にきた彼女を見てくすくす笑う。

 

 

『あの、これ以上近くは』

 

「んー、もう少し来て欲しいんだけどね」

 

『でも』

 

 

あまり近すぎるのも。

と、考えたのだろう。

 

遠慮しがちな彼女に対して静から近づいた。

 

そのあと彼女が感じたのは…左肩にやってくる重量感と、陽の光とは違う別な暖かさと……落ち着くあの人の匂いと……。

 

 

「ん、これでよし」

 

 

落ち着く、優しい[声]。

 

 

『あの、星科…さま』

 

「んー?」

 

『近すぎる…のでは』

 

「ふふ、離れるのはダメ。このまま…少し寝かせて」

 

 

ゆっくり語る静の声。

顔に熱が集中する、陽の光の熱によって熱くなったわけじゃない。

 

あなたの声は、とても落ち着きがあって、優しくて…甘えたくなって…。

 

小さな寝息に似た呼吸音が聞こえて…

ゆっくり、目を開ける。

 

自分の目で見る世界。

怖くてたまらない、でもあなたが隣にいてくれるからこそこの目を開けることができる。

 

夕焼けの日差しが資料室を照らす。

左の方を見る。

 

目を閉じて、目を閉じて呼吸する。

髪を解いていたのかウェーブがついたセミロングの赤い髪が夕焼けの日差しに照らされてキラキラと光っているような見えた。

 

閉じられた瞼の奥に見えるだろう目の色が気になり少し動くと、パチリと静が目を開ける。

 

 

「なに?逃げようとしてるの?」

 

 

深い海色に似た青、月に似た金色が混じった目が捉えてきた。

ヒュッ…と息を飲み込み、ドキリと心臓が跳ね上がるような感覚。

反射的にすぐ目を閉じて『なんでもないです』と彼女はおとなしくなる。

 

 

「そう、ならよし」

 

 

そう言い、まるで逃がさないとでも言いたいのか彼女の手を静は捕らえて、互いの指を絡ませる。

 

 

「じゃあ、少し…このままでね……」

 

 

だんだん小さくなる声。

もっと聞いていたかった。

 

起きたら…いっぱいお話がしたい。

 

顔は熱いまま、目をゆっくり開け…あなたを[見て]話せない自分が嫌になる。

きっと、あなたの姿を見ている様子を見られたら、こんなものじゃ済まないから。

 

 

だって、わたしは、あなたの[声]を聞いているだけで……あなたのそばにいるだけで、胸が締め付けられそうなくらい、幸せだから。

 

 

 




恋愛ゲームかな?
書いてて恥ずかしすぎて糖吐したぜ…。
( ・∇・)ゴフッ


遅くなりましたが、星科静様!
ch登録者数1000人&収益化、おめでとうございます!
記念にこのSSを受け取りください!
本当におめでとうございます!!

2022.10.13
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