少女たちは駅前のスーパーで食料を調達した後は住宅街の方へ向かう。
「とりあえずよさげな家があったら入ってみない?」
「確かに。もう不法侵入とかそういう概念無いもんね。」
少女たちは適当な家に入る。ガラスが割れていたので案外簡単に侵入することが出来た...が、
「...何もないね。」
「ホントだね~。」
驚くほど何もなく、ミネラルウォーターのペットボトルが数本くらいしかなかった。
「...あの家よさげじゃない?」
「ホントだ。かなり大きい。行ってみよう!」
少女たちは道の突き当りにある屋敷に入る。この辺の住宅より二回りくらい大きい住宅のため期待が持てる。
「...この家、電気が付くよ?」
「ソーラーパネルとかあるんじゃない?これだけ広ければ電力は持つんじゃない?」
少女たちは屋敷を探検する。電気がつくようなので足元が不自由なく探索できるのはいい事だ。
「冷蔵庫は...あぁ...。」
あくまでも照明だけなのか、冷蔵庫の中は地獄絵図が広がっていた。臭い。
「コーヒー豆とかそれを挽く道具はあるから美味しいコーヒーが飲めそうだね。」
「いいね。また後で淹れてみようよ。」
この屋敷の人はコーヒーが好きなのだろうか。コーヒー豆の袋とコーヒーミルが置いてある。更には紅茶の茶葉も多数おいてあった。更にはプレミアムココアも。この家の人の好みがわからない。
「...暫く朝のブレイクタイムには困らなさそうだね。」
「...そうだね。」
少女たちはさらに屋敷を探索する。その中で、気になる部屋を見つける。
「...ここは理科室かな?なんか実験器具とかがたくさん置いてあるけど。」
「なんか研究でもやってたのかな。」
薬とかよく分からない機械が乱雑に置かれてある。更にこの部屋の冷蔵庫は未だに動いているのか、音が聞こえる。扉を開くと薬品が大量に入ってある。怖い。
「...この薬を飲む勇気はある?」
「...さすがにない。」
壁に貼ってある論文は意味が分からないし、気味が悪いので部屋を出ようとしたところ、とあるものを見つける。
「...これ!」
「...ボイスレコーダーか。なんか入ってる?」
「入ってるみたいだね。リビングに行って聞いてみない?」
「そうだね。何か分かるかもしれない。」
少女たちはリビングに行ってボイスレコーダーを再生する。
20xx0729 xx:xx:xx
『...聞こえるかい?私はDr.ラプラス・フォトン。科学者だ。今私は俗にいう世紀末というものを体験している。始まりは六月にxxというところに隕石が落ちたという話さ。あの時はニュースになったよ。小さな町とはいえ人口10万都市の中心に落ちたからね。落下地点から半径5kmはどうやらほぼ即死らしい。人口の7割が亡くなったそうだ。更には全国各地で大雨、竜巻、落雷などの異常気象まで来たようだ。現に●●市は完全に冠水したらしい。今思えばそれが悪夢の始まりだった。それから立て続けにxx、xx、xxに隕石が落ちた。いずれも人口が10万は居る所だ。しかもそれで終わりではない。宇宙人と思われるアメーバ状の奴らが次々と私達人間を捕食し始めたのさ。しかもそのあたりから諸外国にも次々にそいつらがやってきたらしい。そいつらにはミサイルも銃弾も刀も効かない。だから人間たちは次々と死んでいった。私は今そいつらに対抗するための兵器を作っているが到底間に合うとは思えない。まだこの辺には来ていないようだがいつ来るかは分からない。これを聞いた人たちよ。健闘を祈る。』
20xx0820 xx:xx:xx
『...聞こえるかい?ラプラス・フォトンだ。遂にこのあたりにも例の奴らが来たそうだ。私の友人達にはこの家の地下にあるシェルターに入るように伝えてある。そう簡単にはあいつらも入ってこれないだろう。幸い、対抗策の武器がかろうじて間に合った。現在一つしかないがこれがあれば一泡吹かせることが出来る。私もシェルターにいる。助けが来たら開けてほしい。行き方は私の研究室の赤いファイルに書いてある。よろしく頼むよ。』
20xx0827 xx:xx:xx
『ラプラスだ。流石に備蓄が減ってきたので友人たちはシェルターの中にある機械でコールド・スリープで眠らせてある。まだ医療用には正式に採用されていないが、私の力によって3つも生み出した傑作さ。とりあえず電気が切れてしまっても、この家全体の非常用システムによりその機械だけは100年近く動くはずさ。私もそろそろ眠るとしよう。新たなる怪物がこの地に文明を築かないことを祈るのみさ。それではおやすみ。』
「...つまり、宇宙人の侵略によりこの世界は滅びたって事?」
「...それが宇宙人かはともかく、異常気象、隕石、そして怪物。そりゃあ滅びるよねぇ。」
「とりあえずさ、シェルターに行ってみない?本当にコールド・スリープというものがあるなら少なくとも3人は生きているって事でしょ?」
「そうだね。もしかしたら何か分かるかもしれない。」
少女たちは先程の研究室から赤いファイルを探し、その手順通りに地下シェルターへもぐる。
「...しかしただの屋敷かと思ったらまさかこんなものがあるなんてね。」
「しかもちょっとだけ深いとこにあるのがまた...。」
少女たちは地下シェルターにたどり着くが、空かない。
「...なんて書いてあったっけ。」
「扉の前にキーパッドがあります。そこに20桁の数字"84501827594077561249"を打ち込んで、音声認証により、ピー音の後に音声パスワード"ねむりや ねむり じんせいの たびじは ながい だから やすみを きゅうそくを たいじに するんだね"を丁寧にってくださいだってさ。」
「...長くない?」
「そうじゃない限りは外側から開かないようだし仕方ない。」
少女は手順に従い、扉を開錠する。
「...そこには割と広めの部屋があり、あたかも最近まで人がいたかのような形跡があった。」
「...読みかけの本、片付けてないトランプの後、まさに生活があったんだね。」
少女たちは奥へと進む。そこには扉が4つあり、そのうち一つはトイレのようだ。
「見てミホ...。これ...!」
そこにはコールドスリープの機械があり、どうやら電源は入っているようだ。
「"このボタンを押したら蘇生モードに切り替わります。誰か来たら押してください。"だってさ。」
「じゃあ押すか。」」
少女は迷わずボタンを押す。他の二部屋も見るが...、
「...あ、この部屋の電源切れてる。」
「...ってことは中の人は...。」
嫌な想像がするので一応ボタンだけ押して放置する。どうやら丸一日かかるようなので今日はここで一夜を明かす。
少女たちの旅はまだまだ続く。
【日記】
×月●日 木曜日
今日は××ニュータウンに来た。とある屋敷に入ったら、この世界が滅びた原因と、Dr.ラプラスって人とその友人が眠っている機会を見つけた。明日目覚めると思うから、どんな人かが楽しみです。