翌日、三人は周辺の探索に出かける。カレンさんの意向で外の様子を見たいというのと、この辺の探索がしたいからだ。
「...この辺は変わっていませんね。寂れたとはいえ、面影は十分にあります。」
少女たちはカレンさんの車に乗って移動をする。幸いにもエンジンは動いたため十分に市内を案内することはできるようだ。
「...ガソリンスタンドがありますね。ちょっと確認してもいいですか?」
「いいですよ?」
少女はガソリンスタンドに車を止める。
「...どうやらガソリンはまだあるようですね。地下のタンクに溜まっているので耐えたのでしょう。」
「因みにその車ってどれくらい走れるんですか?」
「...リッター12とか14だった気がします...。」
「...よく分からないけど軽とかと比べたらあんまりよくない?」
「ですね...。」
少女は再び車を走らせる。
「...っと、学校ですね。確か×●高等学校。」
「私知ってる!吹奏楽が強い所でしょ?」
「そうですね。私もよく耳にします。地元として誇らしいですね。」
「ちょっと降りていい?」
「いいですよ。」
少女は車を止め、学校内部へ足を入れる。
「...やはり暗いですね。足元には気を付けてください...。」
「大丈夫ですよ。むしろ明るいくらいです。」
実際かなり前にいた駅ビルとかの方が暗いため、足元が見える分まだ歩きやすいのである。
少女は彷徨ううちにとある教室に入る。
「これは...。」
「...。」
そこには、生き延びた生徒たちがここに集まったと思われる跡があった。教室の寄せ書き、席順シートには赤い×のマークが、一人を除いてすべてに着けられていた。更に、その席と対応するように、花瓶が一個ずつ置かれていた。そして、造花が添えられているものと、本物の花を添えていたのだろう、何もない花瓶があった。
「...ここにいた3-1の人たちは皆この教室で耐えていたのでしょうね。」
「...可哀想に。」
「...寄せ書き的に親が死んで逃げてきた人が多いみたいですね。とてもつらかった事でしょう。」
少女たちは手を合わせ、別の教室へ向かう。
「...他の教室も荒んでますね。」
「そうだね。」
3-1みたいに花瓶が添えられていた教室もあれば、精神がおかしくなったのか黒板や壁、床、窓に無数の殴り書きがある教室、更には明らかに首を吊ったであろうロープがたくさんある教室まであるという始末だ。死体がないという事は食べられたのだろうが。
「...出ましょうか。精神がおかしくなりそうです。」
「そうだね。この様子だと校内の物資は子供たちが軒並み食べてそうですし。」
少女たちは再び車を走らせる。
「この先のショッピングモールに向かいましょう。そこなら物資とかがいろいろあるはずです。」
少女たちはショッピングモールへ向かう。
「...ここです。とりあえず食品売り場から見てみましょう。」
「分かりました。」
少女は食料品売り場で缶詰やお菓子などを取る。
「...。」ペリッ パクッ
「...この感じだと終末を迎えてから50年どころかまだ10年くらいでしょうか?」
「...分かるものなんですか?」
「...缶詰の賞味期限は3年くらいですが、食べられないことは無いのでおそらくこのくらいだろうって感じです。50年、しいては100年とかになってくるともう食べられるものではないと思いますよ。それに建物の感じも朽ちてるとはいえまだ形を保っているので...。」
「...なるほど。」
続いて上の本屋と日用品店でカレンさんの着替えや本を調達する。
「...このくらいでいいでしょう。さぁ、そろそろ日が暮れてきます。帰りましょうか。」
少女たちは屋敷へと戻り、休憩をする。
少女たちの旅はまだまだ続く。
【日記】
学校に行った。そこにはいろんなクラスの人々が耐えてた痕跡があった。そこにいた人が何をしていたかまで手に取るように分かる気がする。
暫くはこの街にいてもいいなと思った。カレンさんも良い人だし良かったから。