それでは…どうぞ!
強烈な光がようやく収まり、目を開けるとそこは見知らぬ広間にいた。
そこには2つの巨大な壁画があり、一つは後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。
背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。
…でも何故かそれが不気味…というか寒気を覚えた。
そしてもう一つを巨大な壁画は……
レイ「っ!!」
その壁画には最悪なものが書かれてあった。
レイ(
その壁画に激しい怒りを覚えたが、今はそんなことをしてる暇はない。ちらりと後ろを振り向く。
レイ(よかった…雫と恵理は無事なようだ…)
2人はこの状況に戸惑っている様だが、どうやら何事もないようなのでホッとした。
イシュタル「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
すると老人が現れ、皆の注目の的となった。
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現在、レイ達は場所を移り、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。
すると美少女メイドが現われ、男子たちは美少女メイドに釘付けになっていた。その様子に女子たちは引いていた。
レイ「・・・・・・・・」
しかしレイは美少女メイドには目もくれず只々黙っていた。
イシュタル「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」
そう言って始めたイシュタルの話は実にファンタジーでテンプレで、どうしようもないくらい勝手なものだった。
要約するとこうだ。
まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。
人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしい。
この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。
魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。
それが、魔人族による魔物の使役だ。
魔物とはその昔、エヒト様がこの世界を創り平和を守ってきた。
しかし、ある
それをエヒト様がそれを止める為に戦い、そのリーダー格の魔物を倒し、見事勝利を収めた。
しかし、たくさんの魔物は全滅されることが出来ず、今もこうして増え続けている。
魔人族はそのリーダー格の魔物を再び復活させようとし魔物を使役化し、復活を待っていることらしい
今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。
これの意味するところは、人間族側の数というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。
イシュタル「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という救いを送ると。あなた方には是非その力を発揮し、エヒト様の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
イシュタルはどこか恍惚とした表情を浮かべている。おそらく神託を聞いた時のことでも思い出しているのだろう。
イシュタルによれば人間族の九割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の信徒らしく、度々降りる神託を聞いた者は例外なく聖教教会の高位の地位につくらしい。
神の意思を疑いなく、それどころか嬉々として従うのであろうこの世界の歪さに言い知れぬ危機感を覚えていると、突然立ち上がり猛然と抗議する人が現れた。
愛子先生だ。
愛子「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」
イシュタル「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」
愛子「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
イシュタル「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
愛子「そ、そんな……」
愛子先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。
一同「うそだろ? 帰れないってなんだよ!」
「いやよ! なんでもいいから帰してよ!」
「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」
「なんで、なんで、なんで……」
パニックになる生徒達。
パニックが収まらない中、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。
光輝「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
イシュタル「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
光輝「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
イシュタル「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
光輝「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。
同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。光輝を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。
龍太郎「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
光輝「龍太郎……ありがとう」
この2人がやる気を出し、クラスのほとんどが戦争に参加することをやる気を出し始めた。雫と恵理は光輝の行動に頭を抱えていた。
愛子(どうしましょう…このままだとみんなが戦争に参加してしまう…そうだ!チャンピオンであるレイさんならなんとかしてくれるかもしれない!)
そう思い、レイの所へ向かう…
愛子「レイさん…お願いが………ヒィ!」
愛子がレイを見た瞬間小さな悲鳴をあげた。
それもその筈、あの優しそうな人が今は睨め付ける様な顔になり、激しい怒りによって怒りのオーラがあったのだ。
光輝「みんな!この世界を救うために魔人族と戦おう!そして…『バァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!!!』」
誰かが机を思いっきり叩いた……その音に空気が止まった。
雫「…………師匠?」
机を叩いた正体は………レイだった。
レイ「…………何勝手に決めてんだよ青二才。ちょっとは冷静に考えてみろよ…」
レイはもう我慢の限界だった…その怒りが周りクラス全員がわかるほどに…
レイの怒りによって、怖がる生徒もいた。
光輝「これはクラス全体が決めたことだ!部外者は黙ってて下さい!」
光輝が話したところで、クラスのほとんどが光輝に賛同し、「そうだそうだ!」とか「光輝くんの言う通りよ!」とか「部外者は引っ込んでろ!」
と罵詈雑言を言ってきた。
レイ「…………そうだな…俺は確かに部外者だ。ただこれだけは言っておくぞ、戦争なんてくだらない正義と正義のぶつかりあいだ。それに魔人族ってことは一応人間だ。お前らに
そう言われて皆がようやくハッ!となった。
光輝「デタラメだ!みんなを怖がらせることを言うな!」
レイ「デタラメならなんだ?お前まさか魔人族は人じゃないって言いたいのか?お前…最低だな…」
光輝「そんな事みんなにさせない!俺がなんとかする!」
レイ「じゃあお前がみんなの代わりに人を殺すのか?」
光輝「殺しはしない!話あえばなんとかなるさ!」
レイ「それが出来ないから戦争なんてもんが起きてんだろうが。ちっとはよく考えてろ青二才。
それに…」
レイ「
一同『っ!!!!!』
一同が驚きを隠せなかった。
レイ「お前らは人だけじゃなくポケモンまでも殺すのか?ふざけるのも大概にしろよ!!!」
光輝「違う…違う!みんなこの人の言葉を聞くな!全部全部デタラメだ!」
レイ「お前いい加減しろ!ちょっとは目を覚せ!」
そう言って光輝に殴り掛ろうと走り出す。
雫「師匠!ダメ!」
恵理「レイ兄ぃ!落ち着いて!」
雫や恵理が言葉で止めるももう遅い、レイは光輝に掴みかかり殴ろうとしていた。やがてその拳は光輝の頬に当たって……
チコリータ「チコ!」
レイ「ブッ!」
らなかった。フードの中からチコリータが飛び出し、チコリータはレイの顔に体当たりした。
レイ「イテテ…チコリータ?」
チコリータ「チコ!」
チコリータの目からは少しは冷静になれと伝わってきた。
レイ「………悪い…感情的になってたのは俺の方だったみたいだ…目を覚まさせてくれてありがとなチコリータ」
チコリータ「チコ〜」
とチコリータを優しくなでる。チコリータは嬉しそうな顔になった。
イシュタル「魔物!?貴様!魔人族か!」
イシュタルがそう言うと兵士達がレイの周りを囲み剣を向けた。
レイは立ち上がり、チコリータはフードの中に戻る。
レイ「や め ろ」
レイが威圧感を出し、その威圧により兵士たちは剣を落としてしまう。イシュタルもその威圧感には驚きを隠せなかった。
レイ「僕たちの世界ではこれが普通です。こっちの世界では魔物…ポケモンは皆仲良く暮らしてます。そっちではポケモンにとってどう思ってるか知りませんが…勝手に召喚しといてそっちの都合を押し付けるのはやめて頂きたい」
と威圧感を出したままイシュタルを睨めつけた。
レイ「
レイは優しそうな顔に戻りそう伝えた。
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結果戦争はやることとなったのだが、参加制という事で話がついた。
一応光輝の件については、光輝は先程のことを謝れ!と言ってきたのだが、雫と恵理はそれは光輝が悪いと言ったので結局の所うやむやとなってしまった。
今は俺の部屋にハジメ、雫、恵理の3人が来ていた。
レイ「南雲…イシュタルの話どう思う?」
ハジメ「ハジメでいいですよ。正直…胡散臭いですね」
レイ「だよな…ハジメもそう思うか…」
雫「それより…師匠があんなブチ切れるとは思わなかったわよ…ヒヤヒヤしたじゃない」
レイ「うっ…スマン…つい頭に血が登っちゃって…」
恵理「よっぽどあのバカ(笑)にストレスを感じたんだね。レイ兄ぃあんな奴殴る価値ないよ」
レイ「流石にちょっと暴力はヤバかった…止めてくれてありがとな、チコリータ」
チコリータ「チコ!」
チコリータはフードから飛び出し嬉しそうな顔をした。
ハジメ「レイさん…怒ってた理由それだけじゃないでしょ?おそらくですけど…壁画を見たあたりから」
レイ「っ!よく気がついたな…」
雫「壁画って…あの2つあった大きな壁画のやつ?」
恵理「ああ…あの人のやつ?でもそれだけだとレイ兄ぃが怒る理由にはならないか…となればもう一つの壁画のほうか」
ハジメ「あのエヒトとかいう神とポケモンが争っている壁画か…レイさんよくあれがポケモンだってわかりましたね。そういえばイシュタルさんの話によるとある1匹の魔物がおり全てを滅ぼすためにたくさんの魔物を生み出したって言っていたっけ?」
雫「師匠…もしかしてあのポケモン知っているの」
レイ「…………あのポケモンの名は…」
レイ「
次回もポケモンバトルまだありません。ポケモンなのにポケモンバトルのシーンがまだないって教えはどうなってんだ教えは!
次回も楽しみに
タイトルどれがいいですか?
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ありふれた職業と携帯獣
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ありふれた携帯獣と絶対王者