なぜか無限に勘違いされるんだが   作:雷電双丘の狭間

15 / 21
ナヒーダを救っていました


第十五話 喪失なんだが

 

 

「くっ、殺せ!」

 

「イレイザーキャノンッ!」

「雷王鋼斬波ァ!」

 

熱線が敵を焼き、雷の斬撃が敵を討つ。

私とヤルプァは背中合わせで戦っているのだが、ヤルプァはヒルチャール・雷冠の王としては珍しく巨大な斧を持っている。

 

「グランマルシアス様ァ!やつら強すぎます!」

「馬鹿者、元素シールドを貼り引き撃ちで対応せよ!」

 

「フレアッ!」

 

「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

 

「くそっ、埒があかない!イレイザーキャノン!」

 

「ディ!後ろだ!」

 

慌てて横に飛ぶと、私が元いた場所が大爆発する。過負荷反応が起きて連鎖爆発しているようだ。

私の手数は少なく、また一度に技を連発するとオーバーヒートを起こして気絶してしまう。それだけは避けないと。

 

「『王子』様の邪魔をさせるな!」

「聖なる恩顧を抱け…!」

「アビスよ、私に新生を!」

 

「グォァァアアアアアッ!雷光、一閃斬りィ!!!」

 

稲妻と共に一閃された斧がアビス達を砕く。私も加勢しなければと思いイレイザーキャノンをチャージする。一気に吹き飛ばすため10秒以上のチャージだ。

 

「ヤルプァ!10秒だけ持ち堪えてくれ!」

 

「誰に物を言っている!?オレはァ!丘丘人のォ!雷の王だァァァァ!!!!」

 

恐らく、このイレイザーキャノンを撃ったら私は気絶寸前にまでなるだろう。しかし残る敵残存兵力は多い。

ここで倒れるわけにはいかない。私は必ず、世界の末路を見届けて安住の地を見つけるんだ。その為に私はこの命以外のどんな犠牲でも惜しみはしない。

 

「どけっヤルプァ!イレイザァァァッ!キャノォオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!」

 

直線上に放たれる超極太の爆熱光線。それは遺跡を悉く破壊し地平線の向こうの山を粉砕して更にその向こうへと進んでいった。

攻撃範囲内にいたアビスは全員消滅し、薄暗い洞窟には夜の月明かりが差し込んでいた。

 

「はぁ……はぁ……っ!やった、のか…?」

 

「ああ、どうやら終わったみたいだな。ガハハッ!やるではないか友よ!あのような攻撃、まるで世界を滅ぼす破滅の黎明のようでは無かったか!?」

 

「あぁ、はは…確かに」

 

私達はすっかり戦勝ムードでいた。しかし、この油断が危機を呼び寄せた。

 

「さて、オレたちも帰るとしよ───グ!?なん、だ…これは!」

 

「ヤルプァ…どうしたヤルプァ!」

 

 

「ククク…油断したな!このヒルチャールの王は、アビスの手先になってもらおう…!」

 

「隠れていたのか…!」

 

マズい。このままだとヤルプァがアビスになってしまう。アビスになったが最後、死ぬまで戦わされこき使われゴミのように棄てられるのだろう。

そんな事許されていいはずがない。

 

「やめろ…ヤルプァに手を出すな」

 

僅かでも神の目を使えば私は気絶するだろう。

だから、“前借り“をする。

これは契約だ、私の大切なものをくれてやるから力をくれよ神の目!願いを叶える為にあるのだろう!?

 

「私の友達に!手を出すなァァァ!!!!」

 

私の神の目が太陽のように輝き、その力は奔流となってアビスに突き刺さる。すると直後、頭の中から何かが抜けていく感覚を覚える。

しかしそんな事はどうでも良い。今は友達の心配をしなくては。

 

 

何かがひび割れる音がした。

 

 

 ─────────☆─────────

 

 

ヤルプァがアビスの呪縛から逃れた時、真っ先に目に入ったのがいつも以上に虚な目をしているDISASTERだった。

DISASTERの様子を見ると、その肉体には影響が無いように思われた。しかし決定的に違うものがある。

 

「神の目が…割れている……」

 

DISASTERの真紅の神の目はひび割れ、その色を薄めていた。そして物言わぬ岩のように固まっている友人を見て、ヤルプァは静かに涙した。

全て己が弱かったからだ、という悔恨の念がヤルプァを襲う。それと同時にヤルプァの思考にノイズが走る。

 

『───████様、お助けを…』

 

「煩い…静かに……」

 

『何故助けてくれないのですか、████様』

 

「やめろ…」

 

『だからまた失うのですよ。私と同じようにね』

 

「やめろォッ!」

 

怒りと混乱でヤルプァは頭がおかしくなりそうだった。しかし、ヤルプァは理性を働かせDISASTERの懐にあった転送プリズムを起動する。

 

「っ、その人を離して!」

「おお、お前なんか、怖くないぞ!」

 

「……断る。此奴はオレのだ」

 

「待っ…!」

 

蛍とパイモンの静止の声を無視してヤルプァは転移し、稲妻へと帰還した。その背中はとても小さかった。

稲妻へ帰還したヤルプァが初めにしたのは、友人を抵抗軍に匿わせる事だった。

 

「ヤルプァ殿、事情は相分かった。ディザスター殿は必ず我らがお守りしよう」

 

「助かる」

 

それから数週間が経った。

抵抗軍はヤルプァの参戦により一時巻き返したが、先見の明が足りずに結局後退を余儀なくさせられていた。

どこからかDISASTERが未来予知できるという噂を聞いた兵士複数名が救護所に詰め行った。

 

「おい!どうやったら俺たちは勝てるんだ!言え!言わなければ追い出すぞ!」

「そうだ、意識喪失だか知らないがタダ飯を食らいやがって!」

「気持ち悪いんだよ!」

 

口々に罵る兵士たち。彼らも度重なる敗戦でボロボロだった。

 

「…………………」

 

しかしDISASTERは何も言わない。

言うことができない。理解ができないのだ。

彼の中にあるのは、ただ漠然とした未来だけだった。

 

「ケッ、ダンマリかよ!」

「コイツを追い出すぞ。どうせ何も言わねえんだ、幕府軍に捕まっちまえばいい」

 

そのまま腕を引かれ、名椎の浜に置き去りにされるDISASTER。しかしその足取りは軽かった。

自身の目に映る『景色』を探し、彷徨うだけで良いのだから。

 

「おい兄ちゃん!海を泳いで渡ろうってか!?あぶねえからやめとけ!俺が船に乗せてってやるよ!」

 

「………………」

 

「な、なんでぇ不気味だな…しかし顔が良い分、迫力もある。あんた神の目取られたんだろ。俺には分かるぜ、そんな顔してる」

 

「…………かみ、の…め…」

 

「おっ、反応したな。そうだ、神の目だ。大方幕府軍に取られたんだろう。それでそんなに腑抜けちまったんだな?」

 

「………とも、だち…」

 

「友達を探してんのか?それなら社奉行まで連れてってやる。あそこは何でも頼めばやってくれるからなぁ。さ、乗れよ」

 

DISASTERは男の船に乗せられ、海へ出る。

道中、会話はほとんどなかったが男の小気味良い話がDISASTERの無くした心を温めていた。

男とDISASTERが社奉行に着くと、家令のトーマが迎えにきていた。

 

「仁さん!来たんだね。おや?その人は知り合いかな?」

 

「あぁ、コイツはどうやら神の目を奪われちまったらしくてな。意識がハッキリしてねえんだ。恐らく小さい時にもらった神の目だったんだろ。記憶が巻き戻ってんだ多分」

 

「また被害者が増えてしまったのか…分かった。この人はオレの方で預かろう。君、名前は言えるかい?」

 

「………………」

 

「分かった。それじゃあ君の事は『名無し』の権兵衛って呼ぼうか。権兵衛、君はどこから来たかわかるかい?見たところモンド人のようだけど。」

 

「モンド……」

 

ピクリと反応し、モンド、モンドと繰り返すDISASTER。そして何かを思い出したかのように語り出す。

 

「……かつての幼子、氷の意志に染まりし者、稲光舞う国にて滅国の罪を問われん。運命なる死は逃れ得ぬものと知れ」

 

不吉な文言を語るDISASTERの瞳は朱に染まり、金の毛先が紅に染まりゆく。その目の輝きは狂乱に満ちていた。

 

「────何だって?運命の死?不吉だな…まさか君、何か覚えているんじゃないか?何でも良い、何か覚えていることを全て教えてくれ」

 

「いずれ彼女らは再会し、諸人は知りうるだろう。雷光は永遠では無いことを。思い知るが良い、世界は我々の手には─────」

 

ぼうっと突っ立っていたDISASTERは捲し立てるように言うと、疲れたようで座り込んでしまった。そして再び静寂が訪れる。

朱に染まった瞳は元の空虚な黄金に戻り、何事も無かったかのように燻んだ金髪が戻ってくる。表情は以前と変わらず何かを失ったような表情だ。

 

「(権兵衛の正体について調べる必要がありそうだな…)裕香さん、オレの指定した書物を持ってきてくれるかな?」

 

トーマは近くにいた女性に幾つか指定した書物を持って来させると、読み耽り始めた。

タイトルはどれも難解で、『魔神大戰之游俠』だの『危險即旧神瞳概説』などの1000年以上前の書物だ。

 

「さっき彼が語り始めた時、髪が赤くなり瞳も赤くなった。これに合致する現象は………あった。魔神ディザスター。厄災の神。この眷属は時折万民にとって幸せな未来を予見し、それを破壊するために行動した…見た目は赤い髪に赤い目。ピッタリだ」

 

しかし、とトーマは考える。権兵衛が本当に『厄災』の眷属なのだとしたらなぜ神の目を奪われるような失態を犯したのだろうと。

何か理由があったのか。もしくは別の要因か。

 

「若の手を煩わせるのは気が引けるけど…意見を貰うか。それと、これはお嬢に知らせるべきではないな」

 

トーマが神里屋敷の神里綾人の部屋へ赴く。中では何やら神里綾人が一人でブツブツ言っている様子だった。

トーマが緊急連絡用のノックをすると、すぐに神里綾人が出てきた。

 

「何事かな?」

 

「旧き魔神の眷属と思わしき人物を仁さんが見つけました。現在はこの屋敷で匿っています。様子をみたところ、意識を失っているようでしたので危険は少ないかと」

 

「もしや魔神ディザスターの事かな?最近稲妻近海で不穏な動きがあると聞く。恐らくアビス教団による企みだろうね。私もかの魔神について調べていたんだ」

 

「御慧眼、心底脱帽致します。して眷属と思わしき人物の処遇ですが…」

 

「一先ずは経過を見よう。彼は意識を喪失している…つまり、私たち人間の手で不可能とされていた未来予知をさせることが出来るということだ」

 

「しかしそれは───」

 

「アレは魔神の眷属…人間じゃない。私たちが守るべき稲妻の民でも無い。ヒルチャールのようなものと考えて良いでしょう」

 

「御意のままに」

 

「解っていると思うけど、妹には知らせないように。もし聞かれたらただの客人として扱うように」

 

「御意のままに」

 

トーマは退室し、DISASTERの元へ戻る。相変わらずDISASTERは空を見上げ呆けている。その様子から「オレ達の会話は聞かれて無いな」と判断した。

 

「権兵衛、教えてくれないか。この稲妻にこれから何が起こるのか。待てよ…?さっき彼は単語に反応した。だったら、単語を言いまくれば反応があるんじゃないか?」

 

「………………」

 

「モンドで反応したから…璃月とかはどうだ?」

 

「りー、ゆえ…」

 

再び瞳と毛先が紅く染まり、その口は再び預言を語り始める。かに思われたが、出てきたのは意味をなさない言葉の羅列であった。

トーマは「仕方ないな」と一旦諦め、何か見ればもっとハッキリ話してくれるだろうと考え神櫻を見せにDISASTERと出かけた。

 

「八重宮司様なら何かご存知だろう。しかし権兵衛の髪は長いな」

 

アビスとの戦いによって結んでいた髪が解けてしまい、DISASTERはその長髪を風に靡かせていた。

DISASTERの容姿は元々空に似ている。さらに意識喪失中で無機質な表情をしているため、まるで精巧な人形のような出立だった。

 

「八重宮司様は居られますか?」

 

トーマが鳴神大社へ着きいの一番に八重神子のことを聞き出そうとすると、巫女達から「お引き取り願います」とだけ言われ取り合わせてもらえない。

 

「弱ったな…頼む、緊急事態なんだ!将軍様と親しい間柄の八重宮司様なら何か知っていてもおかしくはないはずなんだ」

 

「──────緊急事態とな?妾を呼ぶという事は相当の事でなければならんぞ?」

 

トーマが事情を説明すると、社から八重神子が嗜虐的な笑みを浮かべながら降りてきた。しかし、その笑みの中に愉快さは無くDISASTERを見て何かを察した様子でもあった。

 

「この人は魔神ディザスターの眷属で未来を見通す力を持っています。名前がわからないから便宜上権兵衛とよんでいます」

 

「何故殺さぬのじゃ?其奴はかつて俗世の七執政らによって封印され族滅された筈の魔神の民。血と悲鳴を好み、他人の不幸でしか満足することの出来ぬ穢れたものどもじゃぞ?」

 

「権兵衛の意識は喪失していて、その残虐性は失われています。上手くいけば我々に有利な未来を指し示させる事が出来るかもしれません。無論、殺せというのなら今この場で」

 

「やめよ。社を穢れた血で汚しては敵わん。そうじゃのう、妾がそこな眷属を監視してやろう。どうせ暇な身じゃ、それぐらい付きおうてやるわ」

 

「(権兵衛を取られるのはあまり好ましくはないが…下手に意識を覚醒させてお嬢を傷付けるよりはマシか)感謝します、八重宮司様」

 

「お主の黒い顔がダダ漏れじゃぞ?もう少し隠す努力をせよ。ではな」

 

バレてたのか、とトーマは苦笑すると一礼して去っていった。

後に残された八重神子とDISASTERは互いに見つめ合う。八重神子がDISASTERの割れた神の目を手に取り観察する。

八重神子が「ほう」と一言呟き、微笑む。

 

「おもしろい事になっておるのう───ああそれと、もう痴呆の真似事はせずとも良いぞ」

 

「────了承。謝罪、私、現在、言語野、異常発生。隙、見せる、私の口、少々、変」

 

「分かりにくいわ。紙を渡してやる。書け」

 

DISASTERは八重神子から紙を受け取ると、素早い速度で文章を書き始めた。

 

「ふむ、どれどれ…『元素力の使いすぎで脳機能が一時期低下していた。完全に治ったわけでは無く、言語に関する機能がまだ戻りきっていない。それと、紙をありがとう』…か。礼を言えるのは好感度が高いぞ?」

 

DISASTERはひと頷きし、紙にまたも書き連ねる。

 

『意識がはっきりしたのがつい先ほどで、鳴神大社に着いたあたりから困惑してばかりだった。私が魔神の眷属という話は聞いたこともないし、私の起源的に魔神というより天理に近いと思うのだが』

 

「天理に…それは今の段階で話せる内容か?」

 

『随分と変わった言い方をするな』

 

「ここ稲妻では娯楽小説が流行っていてのう。やれ未来予知ものだの、転生性転換高飛車お嬢様ものだのが流行っておるのじゃ。ゆえに、今回の件はそれに類推するものと見た」

 

『思考のレベルが1000年ほど進んでいる人がいるんだな。まずは八重宮司さんの知る天理について教えてほしい』

 

「そうじゃの…雷電将軍が知ること以上は知らぬな。逆に汝はどの程度知っておるのじゃ?」

 

『今はまだ言うべき時じゃないから言えない。いずれ時が来たら全てを明かして私も隠居するつもりだ』

 

「隠居…のう。皆の知らぬ事を知れる汝が楽に隠居出来るとは思わぬが…」

 

八重神子は「ほう」とため息をつくと腰に手を当て呆れた口調で言い、「いつ頃普通に喋れるようになるのじゃ?」と聞いた。

DISASTERは疑問に対して肩をすくめて答える。

 

「そう言えば汝には名があるじゃろう?汝が望むのなら権兵衛のままでも良いのじゃが…妾が娯楽小説作家達に頼みつけさせようかの。どうじゃ?」

 

『元から名前に執着は無い。好きに呼んでくれ』

 

「名と体を表わす…本当に良いのか?妾が面白いと思うた名にしてしまうぞ?先んじて言うのもなんじゃが、後悔する事になるぞ」

 

『何、璃月で“泣き飯“なんてアホらしい名前で呼ばれていた事もある。元の名も覚えていないし、立場や名前は多い方がいいからな』

 

「泣き飯…フッ、大方涙でも流しながら飯でも食ろうたか?良かろう、それに劣らずとも勝る名をつけてやろうではないか」

 

鳴神大社で男女が談笑する。

DISASTERの名前決めは後に熾烈な戦いを生んだのであった。

 

 ─────────☆─────────

 

気絶して目が覚めたら口が災の元になっていた。

どうやら今の私の状態は、神の目が割れて脳の機能が一部エラーを起こしている状態らしい。

それ故、私の口からは私の知りうる情報全てが漏れ出てしまうらしい。

 

辛うじて単語だけなら発話出来るため、いざという時は単語会話をすれば良い…のだが伝わりにくい。

それと、脳機能のエラーは元素力の暴走も引き起こしており、喋っていると身体の一部から元素エネルギーが放出される。

そのため一度話すと目は炎のように赤く、髪の先端は元の金髪が赤みがかるようになっているようだ。

 

「八重堂、作家一門!ここに見参しました!」

 

「うむ、よくぞ集まってくれたのう。今回汝らに頼みたいのは、そこな金髪の男の名をつけてやって欲しいのじゃ。此奴には名前が無くての、困っておるのじゃ」

 

「その…我々の感覚でつけて良いのですか?」

 

「無論じゃ。稲妻有数の文化人たる汝らの付けた名じゃ、きっと此奴も喜ぶに違いない」

 

八重神子との話の流れで私の名前を決める事になったらしい。所詮今の私は喋れないし身体も思うように動かせない木偶人形と変わらない。

それ故に何の意味も成さない名前など好きに付けさせようと言う事だ。

 

因みに意思を伝えるための紙は取り上げられた。

 

「うーん、無難に【邪王心眼を持つ狂王】とかは?」

 

「いやいや、ここは【五月雨を喰らう者ダークヴェルゼ】だろう!」

 

「分かってないな。【三神勇太】に決まっている。私の『転生したらヒルチャールだった件について』の主人公の名前だ!彼は人間形態の時金髪金眼の美少女だ!」

 

「何を…それなら私の『転生悪役令嬢様の復活記-農業ばかりしていたらいつの間にか雷電将軍の側近に!?-』の主役のアンネリーゼに彼はそっくりだ!アンネリーゼこそ相応しい!」

 

「ぶち殺すぞ貴様!彼は俺の『武闘神殿-レベル1だけど最強になって成り上がる!-』のロベスピエールに似ている!可愛げを増してロビンで決まりだろうが!」

 

「何だと!?この馬鹿量産型作家が!けつあな確定させんぞ!」

「うるせぇ!テメー璃月に余計なモン広めやがって!誰が男同士の恋愛なんて見るんだよ!」

「あー!お前言っちゃいけない事言った!この差別主義者がァ!」

「黙れ!小説に政治を持ち込むな馬鹿野郎どもが!」

 

「「「すみませんでした」」」

 

議論は白熱し、やがて取っ組み合いの喧嘩になる。彼らの感性は実に現代日本人らしいから、見ていて楽しい。

八時間ほど経っただろうか。心身共にズタボロの作家達が名前を提出して来た。

 

「ふむ……プッ、クク…!権兵衛、汝の名が決まったぞ…フフッ、ハハハハッ…」

 

私の名前が書かれた紙を見ると、そこにはとんでもない物が書いてあった。

 

「読み上げてやろう…汝の名はこれより、過ぎ去りし時を背負いし英雄《クロノス》の紋章を継ぎし者ダークインフェルノブリザードハイドラグーンラムセス8世、別名“刹那“…じゃ!」

 

は?長すぎだろ。意味わからなくなってるじゃないか。

 

「紙」

 

「何か言いたいんじゃな?ほれ、感想を述べよ」

 

『長すぎる。せめて七文字で抑えろ』

 

「じゃ、じゃあ…代案の【永遠の守護者†卍《刹那》卍†最強破壊神】でどうですか?呼ぶ時は『刹那』とだけ呼べば良いので…」

 

『形容詞多過ぎだろ、叙事詩じゃないんだぞ』

 

「な、なら!【英雄を継ぎし者“刹那“】…短過ぎませんかね」

 

『悪くない。今までよりはマシ。形容詞込みで名乗れば良いのか?』

 

「そうなりますね」

 

正直アホらしいが、拒まなかった私が悪い。甘んじてこれを受け入れよう。

八重神子は「刹那か…懐かしいのう」と言っているが、何かあったのだろうか?筆談で聞いてみると、「汝には関係の無い事じゃ」と言う。

 

『八重宮司、私はこれからどこへ滞在したら良い?』

 

「そうじゃのう。お主、刀は握れるか?」

 

『身体が動かしにくいが、戦闘は出来ると思う』

 

「であれば、浪人として稲妻を彷徨うが良い。旅装と刀はくれてやる。それと、誰かに会ったら挨拶を忘れるでないぞ。英雄を継ぎし者“刹那"?」

 

それが狙いか。大方、八重神子は私がアホみたいな名前を名乗らせその反応を楽しむつもりだろう。

まぁ良いか。稲妻観光も十分じゃなかったし、蛍ちゃん達が稲妻へ来るのもまだまだ掛かるはずだ。ゆっくり稲妻を楽しもう。

 

『楽しみだ』

 

「記録係として巫女を一人連れて行け。姫乃、ついて行ってやれ…刹那、決して手を出すでないぞ?」

 

『興味ないね…(クラウド)』

 

「くらう…分からん、その事についても今後話してもらうとしよう。さ、早う行け。行って妾を楽しませよ」

 

私と姫乃と呼ばれた巫女は鳴神大社を追い出された。まぁ良いか、とにかく今後しばらくは稲妻旅行を楽しむとするか!

 




次回は一週間後かタルタリヤのえっちベルトがはち切れたら投稿します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。