あのあと、夏美の家に行った俺たち。家の外で夏美と話していた。
夏美「なんですの?いきなり家にまで。帰りの電車逃しても知らないですのよ……?」
奏「………俺たちも協力します」
夏美「っ!」
奏「今の2人の関係、上手く行ってません…!」
夏美「要らぬお節介ですの!このくらい私一人で何とかして見せますの!!」
メイ「でも、あたしたちは友達だろ!!」
夏美「っ!」
夏美は「ハッ!」と息を呑む。
夏美「皆……」
四季「2人の言う通り。冬毬ちゃんは、夏美ちゃんが悲しむ姿をもう見たくないだけ。夏美ちゃんに傷ついてほしくないだけ。本当は優しい子……。それは夏美ちゃんが1番よく分かってるはず」
夏美「それは………」
奏「……笑ってください」
夏美「え?」
奏「夏美先輩は、いつも明るい笑顔で悪巧みしててくれたほうがみんな安心します」
夏美「悪巧みは余計ですの!!」
「奏、そこでおふざけするなよ……でも、同感だ」
夏美「ナギくん……」
奏「夏美先輩が笑顔で笑ってた方が、冬毬さんも安心して心を開いてくれますよ。冬毬さん、言ってたでしょ?『去年ラブライブ!で優勝して、初めて目標を叶えて喜んでた夏美先輩の笑顔が嬉しかった』って」
夏美「笑顔………」
――すると、
メイ「奏の言う通りだぞ夏美!冬毬は、夏美の笑顔が好きなだけ。暗い顔しないで笑えよ」
きな子「スマ〜イル!っすよ!!」
夏美「っ!」
四季「大好きだから、見たくない。傷つく所も、悲しむ所も……」
メイ「"姉者"っ!!」
夏美「!!」
メイ「頑張れ!!」
夏美は、冬毬ちゃんと話す決心を固めた。
――家に上げてもらい、冬毬ちゃんの部屋に向かう途中、
メイ「奏、お前スゲェな……」
奏「え?」
四季「うん。奏くんは信頼できるってハッキリと分かった」
――すると、
メイ「なぁ、奏……。この間の返事、学園祭が終わったら…していいか?」
奏「っ!はい!!」
「返事?」
奏「ええ、まあ」
四季「っ!そう言うこと……奏くんなら、私は安心してメイを任せられる」
「あ〜、そういう事か……」
奏・メイ「「……………///」」
きな子「何の話っすか?」
夏美「着きましたの」
コンコン!
冬毬『しつこいですよ。今は忙しいと伝えたでしょ?お引取りください』
すると、夏美は静止も聞かずにドアを開け放った。
冬毬「っ!?」
夏美「冬毬!!」
冬毬「っ……ロスした分は、後でマニーを請求しますよ?」
夏美「……聞いて?私は冬毬と話がしたい……曲を作るなら、最高の形で冬毬と……、みんなと一つになって作り上げたいんですの!!」
「マルガレーテもそうしたいってさ?」
俺の背後から、マルガレーテが入って来る。
「さっき連絡しといた。タイミングピッタリだな」
マルガレーテ「空気ぐらい読むわよ……」
「さすが……」
マルガレーテ「まったく、わざわざ来てあげたんだから、感謝してよね?」
冬毬「っ!話したではないですか。曲は持ち寄ってと……」
夏美「それだと意味がない……」
四季「二つのグループ。どちらも心躍る曲を、私たちが作る」
マルガレーテ「それぞれ別の考えや好みでも、お互いに意見を出し合えば、いい曲はできるはず……」
冬毬「……マルガレーテも、Liella!側に寄り添うと?」
マルガレーテ「賛成はしてないわよ?ただ、持ち寄りで選ばれたのが私の曲じゃなかったら納得できないから……」
「コイツが素直に賛成すると思うか……?」
マルガレーテ「うっさいわよ!!」
怒るマルガレーテ。俺はふいっ、と顔を背けて素知らぬ顔。
冬毬「………Agreeできません」
メイ「でもさ……」
冬毬「そういう事でしたら、曲作りはお任せします。この部屋から出ていってください!!」
冬毬ちゃんが怒鳴る。
――すると、
夏美「……冬毬のバカ!!!」
冬毬「っ!? 姉……じゃ…?」
振り返る冬毬ちゃんが夏美を見ると、夏美はボロボロと涙を零していた。誰が見ても分かる。悲しくて出す涙だ。
冬毬「っ!!」
冬毬ちゃんは、傷ついて欲しくないと思ってた姉を自分が傷付けた事に気付く。
急いで夏美に駆け寄り、夏美を抱きしめる。
冬毬「すみません……言い過ぎました……ごめんなさい」
夏美「っ!!」
すると、夏美は思い切り冬毬ちゃんを床に押し倒した。
冬毬「っ!!何!?」
ポチャッ!
冬毬「っ!」
夏美の涙が、冬毬の服に落ちる。
夏美「冬毬のこと、全部受け止めるから……心を開いて欲しい」
冬毬「姉者……」
夏美は倒れてる冬毬ちゃんに抱きつく。
夏美「私に何でも話して!!冬毬と話ができるなら、何時間でも、何日でも、スクールアイドルと全然関係ないはなしでも構わない!ずっとずっと、ずっと冬毬と話がしたい……」
冬毬「姉者………っ!」
冬毬ちゃんは、自分が夏美との間に壁を作っていたせいで夏美を傷つけていたことにようやく気づいた。
冬毬(姉者が傷つくところを見たくなかったはずなのに……よりによって、私が……!)
夏美「冬毬の事が……大好きなんだから!!」
冬毬「っ!姉者はいつも……ズルいです!私が、どれだけ姉者を心配してきたと思ってるんですかぁっ!!」
冬毬ちゃんも涙を零す。
夏美「私だって辛かったんだからぁっ!!」
二人して泣き叫ぶ鬼塚姉妹。だが、お互いのホンネをぶつけ合い、恐らくすぐにまた仲良しの姉妹に戻れるだろう。
それを見ていた俺たちも思わずもらい泣き。
メイ「うう〜っ!! なんて変わり者で不器用で、素敵な姉妹なんだ〜っ!!」(号泣)
マルガレーテ「何貰い泣きしてんのよ」グスッ……
メイ「マルガレーテもだろぉ……」
マルガレーテ「ふん!」ズビッ!
四季「No rain,No rainbow……」
「雨降って地固まる……だな!」
奏「うぅ……。グスッ、じゃあ、皆で曲を……作りませんか!」
マルガレーテ・冬毬・きな子・渚・四季・メイ・夏美「「「「「「「オッケー!!」」」」」」」
ふたりが泣き止んだあと、冬毬の部屋でアクアリウムに入れられたクラゲを見ていた俺たち。
メイ「名前、付いてるのか?」
冬毬「はい……」
夏美「初耳ですの」
「この子の名前は?」
俺が一匹のクラゲを指差す
冬毬「……姉者」
夏美「私……」
メイ「あっ、分かった!じゃあこっちで一匹逸れてるのが……」
冬毬「マルガレーテ……」
メイ「やっぱりか!!」
マルガレーテ「なんでよ……」
メイ「冬毬も面白い所あんだな!」
冬毬「面白い……ですか?変だといわれると思いました」
「?別に変じゃないだろ」
四季「うん。このくらい普通。ぬいぐるみに名前つける感覚と同じ」
冬毬「……そう言われると、恥ずかしいんですが……」
メイ「――今の私たちなら、いい曲が作れる気がする!この場にいる全員で作って良いよな?」
マルガレーテ「……ご自由に」
奏「じゃあ、作りましょうか!」
全員『おおーーっ!!』
そして、1年生と2年生での、作曲、振り付け・歌詞考案が始まった。
― つづく ―
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