Liella!に桜小路さんが入部したゲリラライブから1週間が経ち、俺が早朝ランニングをしていると………、
(ハッハッハッ……)
俺が信号で止まっていると、走っている桜小路さんを見かけた。
(ん? 桜小路さん……?ああ…スクールアイドル部の自主練か……)
桜小路さんが息も絶え絶えといった感じで走っていた。
(大変そうだな……)
そっと桜小路さんを見送り、家に戻ったあとシャワーを浴びてから朝食を食べて、いつもの3人で学校に向かった。
――そしてその日の学校が終わり放課後、突然四季が……、
四季「……私、少し用事があるから2人で帰って」
メイ「別に待ってるぞ……?」
四季「いや、いい………」チラッ
ん? 今一瞬桜小路さんを見た……? ああ、なるほど……スクールアイドル部の様子を聞きに行くんだな。
「じゃあ先帰るな? 気をつけろよ?「ちょっ、おいナギ!?」良いから!!」
俺はメイを無理やり連行して一緒に下校した。
四季「ナギサは気付くか………さてと、じゃあ」
ー 四季 side ー
きな子「はぁ、……なんとか速く先輩たちに追いつかないと……「ねえ?」っ! は、はぃいっ!? あっ、若菜さん……」
背後から話しかけると、ビックリして飛び上がる桜小路さん。
四季「とりあえず座って……」
私は近くのベンチに腰をおろし、桜小路さんにも座るように促す。桜小路さんも座ったので、本題に入る。
四季「で? どう?スクールアイドル部。怖い先輩とかいない?」
きな子「そんなことはねぇッス!! 先輩は皆さん優しいッスよ!? きな子が運動できないだけで……若菜さんひょっとして興味あるんスか?」
四季「ある……メイが」
きな子「米女さんが!?」
四季「だからお願いがある………」
ー 四季 side out ー
――翌日・教室
翌日の学校、昼休みに俺は自席でスマホを弄っていた。メイは仏頂面で机に肘をついてため息をついていたが……
メイ「……………」
きな子(でも、米女さんちょっと怖いんスよね……。日宮くんと若菜さんと話してる時の顔は、怖くないんすけど……)
きな子が昨日四季と話していたのは……、
四季『私が合図したら……メイをスクールアイドル部に誘ってほしい……』
四季「………………」チラッ
きな子(ホントにやるんすか………?)
四季「メイ、あの子が話があるって………」
メイ「ああ………?」
きな子「ひっ!?(こ、これもスクールアイドル部のため!!)」
俺も気付いてスマホを弄る手を止めて桜小路さんの方を見る。桜小路さんは、緊張から壊れたおもちゃみたいにぎこちない動きで歩いてきてメイの前に立つ。そして、メイに右手を差し出し……、
きな子「あ、アナタも……、スクールアイドルやってみませんか!!」
メイをスクールアイドルに誘った桜小路さん。それを聞いたクラスメイトが騒然となる。
「米女さんが!?」とか、「スクールアイドル好きだったんだ!!」とか皆ビックリしている………。
メイ「っ!!?」
「へぇ? どうすんだ?」ニヤニヤ
俺は少し笑いながらメイを見る。
メイはこめかみをピクピクさせて桜小路さんの差し出された手を取り、
メイ「ちょ………ちょっと来い!!」
桜小路「ええ!? 助けて〜っ!?」
桜小路さんはメイに腕を掴まれて引き摺られていった。
ー メイ side ー
桜小路さんはメイに校舎裏に連れ込まれた。
きな子「い、命だけはお許しを〜〜っ!!お金は無いんす!!仕送りで暮らしてて!!」
メイ「奪らねーよ何も………」
きな子「へ?」
メイは「ハァ、アタシを何だと思ってんだ……」と、ぼやいて後頭をかき………
メイ「四季に言われたのか? あたしを誘えって……」
きな子「あっ、その……ハイ」
正直に言う桜小路さん。
メイ「はぁ、今後は無視しろ………。後、皆といるときにスクールアイドルの話を私にしてくるな……アタシはスクールアイドルなんか興味ねーんだ」
きな子「はい……」
すると、
「良いのか? せっかくのチャンスなのに……」
メイ「っ!! ナギ………、聞いてたのか」
きな子「日宮くん?」
桜小路さんはキョトンとし、メイはバッが悪そうな顔をする。
「何が"スクールアイドル興味無い"だ? お前スクールアイドル大好きじゃねぇか……」
きな子「え?」
アタシはナギを睨つけた。初めてかもしれない……ナギをこんな睨んだの……。
メイ「余計な事を言うな……」ゴゴゴゴゴ
「お前が後悔しないなら言わないさ……」
メイ「分かったような事をっ!!」
ナギの返しに怒りを見せる私。
「………憧れが憧れのまま終わっちまっても良いのか?」
アタシは唇を嚙みしめ、
メイ「次体育だぞ……」
私は、逃げるようにその場を去った。
メイ(分かってるんだよそんなことはっ!! けど、アタシができるハズ無いだろ………っ)
ー メイside out ー
体育の授業中………今日は学校の外周を3周の持久走だったため、俺はトップでゴール。まぁそりゃそうだよね。1年に男子俺しかいなくて残り全員女子なんだから……。
(つーか……この間理事長に呼び出されたけど、「気づいてるとは思いますが…」って言われて何かと思ったら、ホントに結ヶ丘に男子は2学年合わせても俺一人しかいないなんて)
つまり俺はこの学校で唯一の男子生徒。理事長から「変なことはしないように」と注意を貰った。
そんなことする気無いんだけど!? それをこの間メイと四季に話したら、「アタシたちは渚がそんなことするわけないって知ってるけど、よく知らない上にその学校環境考えたら懸念してもしょうがないだろ」と言われた。
正論すぎてぐうの音も出ねぇ……チクショウ。
そんなことを考えていると続いてメイがゴール。そして皆がゴールしてきて、最後は桜小路さんだった。
きな子「ハァハァ………」
メイ「大丈夫か? バテてんじゃねぇか………いきなり朝練とか無理するから……」
きな子「す、すみません………」
桜小路を気遣うメイ。何気に面倒見が良いんだよな。そしたら皆がスクールアイドル部の練習が厳しいのかという話になる。桜小路さんは必死に否定していたが………。
メイ「放課後………、屋上行ってみるか」
帰りのHRが終わり放課後、メイは一人で屋上へ向かった。
ー 屋上 ー
きな子(ッ!! ハァ ハァ…)
メイ(桜小路…しょうがねぇな………)
アタシは、扉のところから桜小路を手招きする。
きな子「!?」
メイ(こっち来い……)
半ば強引に桜小路を連れ出し中庭に向かい、置いてあるベンチに座った……。
メイ「座れ……「へ?」座れって言ってんだよ………」
きな子「は、ハイっす!!(や、やっぱり怖い……)」
すると、
四季「気にしちゃダメ。コレがメイの普通……」
きな子・メイ「「うわっ!?」」
四季…何でここに……
メイ「何でお前がここに………?」
四季「構わず話して? スクールアイドルの話でしょ?」
メイ「なっ!? アタシは……「違うの?」……ったく、桜小路はさ、スクールアイドル…やりたいから入ったんだろ?優勝目指してるとか、練習が厳しいとか、………知ってて入ったんだろ?」
きな子「……はい」
メイ「なら……他人の言葉なんか気にせずに突き進んでくれよ!!……アタシの分まで………「え?」そ、それだけだ。じゃあな」
きな子「米女さん………」
(…………全く、素直じゃねぇんだから)
その会話を校舎の陰で聞いていた、唯一の男子生徒のつぶやきが夕暮れの喧騒に消えていった。
ー 続く ー
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