四季の家で紗夜ちゃんたちやライカと皆で話して親睦を含めた次の日、俺は毎年春と秋に原宿で開催されているストバスの大会に出場するためにウェアを着て会場に来ていた。
選手のエントリーはすでに済ませており、今は開始前のウォームアップをしている。
四季「頑張ってねナギサ!!」
メイ「しっかりな!」
「おう!!」
ライカ「見せてもらうわよ?」
紗夜「渚くんがんばって!!」
陽菜「頑張れ〜」
そしてアナウンスが鳴り俺の番になる。
「行ってくる!!」
この大会も秋と同様にサドンデスルールを採用。攻守をお互いに1回ずつ行い、ポイント差がついた時点で決着となる。
渚と対戦相手がフィールドに立つ。まずは相手のオフェンスからスタートだ。
ボールを持った相手がドリブルでコチラの出方を窺う。相手が細かくフェイントを入れてくるが、渚は神経を張り巡らして警戒する。
相手「!!」
相手がドライブで抜きにかかる。渚はゴールと相手を結んだ線の中に立つような位置取りをしてディフェンスする。相手は急停止からジャンプシュートを撃ってくるが……、
「甘い!!」
ドガァアアッ!!
渚が跳躍してシュートをブロック。シュートは叩き落とされて外に出た。
観客「おお、ハエ叩き!!」
観客「あんまり身長差無いのにな?」
それを聞いていた紗夜は
紗夜「ハエ叩き?」
メイ「シュートを叩き落しただろ? ああやって完璧に叩き落とすとハエが叩き落とされたように見えるからそう言われてるんだよ」
紗夜「へぇ~」
陽菜「やっぱりジャンプ力凄いね渚くん」
ライカ「優勝経験があるって言うのは伊達じゃないみたいね」
そして今度は渚のオフェンス。渚はドリブルしながら相手の構えを見ると、左に抜くような姿勢を取り相手を釣った所で逆方向へのダックインフルドライブ。相手は完全に置き去りにされて渚はガラ空きのゴールに跳躍。スピンして背面ダンクを叩き込んだ。
会場は今のでヒートアップ。ヒノミヤコールが鳴り響く。
ライカ「す、スゴイ!!」
紗夜「ゴールも見ずに何であんな事できるの?」
四季「ナギサの努力の成果だよ」
メイ「ああ。小さい頃からナギは本当に頑張ってきたもんな……」
そして1回戦は渚の圧勝。続く2回戦も問題無く勝利して3回戦。
相手は渚よりも15cmはデカい。もう少しで2mになるかという大男だ。
やはりパワーでゴール下まで押し込んで決めてくるスラッシャータイプだったが、
渚「甘いぜ!!」
渚は相手のダンクを正面からブロックするのではなく、ボールの横から叩いて力の入りが物理的に甘い方へとブロック。ボールはコートの外に出た。
メイ「やった!!」
今度は渚のオフェンス。渚はスピードとテクニックを活かしてゴール下まで侵入したがゴールとの間に相手が身体で止めに入り完全に袋小路に追い込まれた。
渚(っ!! イチかバチかだ!!)ヒュッ
何と渚はゴールの裏からボールを放り、ボールは裏から放物線を描いて表のゴールへ、
ガンッ!!
(っ!?)
ボールはゴールリンクに直撃。グルグルとリングに沿って周る。そして、
ポスっ
リングの内側にボールは落ち得点。渚の準決勝進出が決まった。
司会「日宮選手、準決勝進出!!」
(危ね〜……入って良かったわ)
陽菜「す、凄い!!」
紗夜「カッコいい!!///」
ライカ「まさかここまでなんてね……」
四季「でも、今のシュートはナギサにとってもイチかバチかだったと思う」
メイ「だな。アイツのあんなシュート見たことないしな……」
紗夜「そうなんだ……」
そして準決勝、これは引き分けが続き、第4ゲームまで縺れ込む接戦となった。渚が後攻で相手のシュートを先に止めている。これを決めれば渚の勝ちだ。
渚はクロスオーバーからのレッグスルーで切り返し、相手を揺さぶるが相手も必死に喰らいつく。しかし、相手の一瞬の硬直を見逃さずに一気にフルドライブで抜きにかかる。
相手「っ!!」
相手は何とか追いついて後ろからブロックに跳ぶ。
(来てるな……なら!!)
渚はゴールの方を向く様に真横に向けて跳び、ゴール脇からシュートを放る。完全に相手のブロックを躱し、シュートはガラ空きのゴールネットを揺らした。
司会「日宮選手、決勝進出!!」
「おっしゃあ!!」
メイ「良いぞナギーー!!」
四季「ナギサ、ナイスシュート!!」
紗夜「四季ちゃんごめん、渚くんを奪いたくなっちゃった。ダメ?」
四季「ダメ!!」
陽菜「紗夜!? 顔真っ赤だよ!?」
紗夜「だ、大丈夫だから!!」
ライカ(凄いわね渚は……)
そしてもう1つの準決勝も決着が付き、いよいよ決勝戦。対戦相手は初めて見る人だ。
司会「それでは決勝戦、日宮渚選手vs
渚・奏「「お願いします!!」」
司会「それでは、月城選手のオフェンスから開始です!」
そして試合開始のブザーが鳴り、月城がボールを構える。
(っ!? コイツ……強い!!)
構えを見ただけで分かった。コイツは物凄く強いと。気を引き締めて掛からないとやられるのはコッチだ。
渚が一気に警戒体勢に入る。しかしそれは月城も感じ取っていた。
奏(さすが日宮さんだ……一瞬で見抜かれたか。なら!!)
月城は一気にフルドライブで抜きに掛かる。しかし、その練度と速度が桁違いだ。
「甘い!!」
何とか渚は食らいつきディフェンスを掛ける。堪えられたことに月城は驚いた。
奏(俺の最高速ドライブに着いてきた!? なら!!)バッ!!
月城は急停止からのジャンプシュート。しかしその繋ぎと流れが恐ろしいくらいにスムーズかつ滑らかだった。渚は一瞬、相手がシュートを撃ったことに気付けなかった。
(しまっ!?)
シュートはそのままゴールのど真ん中を射抜き、月城が先制した。
「くっそ、なら次はこっちの番だ!!」
渚はボールを持つと、すぐにシュート体勢に。ゴールに全く近づかずにシュートを放ったことに観客も月城も虚を突かれ、シュートはそのままゴールのど真ん中を射抜いた。
奏(っ!! さすが……!!)
その様子を見ていたメイたちは……
四季「あの月城っていう人何者なの?」
メイ「えっと……あっ、情報があった。新潟の……ってはぁ!?今年度新高校一年生!?」
紗夜「うそ!? この間まで中学生だったの!?」
陽菜「うそでしょ? ……あっ、渚くんが止めた!!」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
渚が月城のシュートを止め渚のオフェンス。渚は先程の開幕シュートの構えを取る。
奏(!? 撃つのか? いや、もしフェイクじゃなかったら……跳べ!!)
月城は迷わず跳躍する。しかし渚の動作はフェイク。跳躍した間にフルドライブで抜き去る。
奏(っ、くそっ!!)
月城は急いで渚を追い掛けるが、追いつくことはできずに
「終わりだあっ!!」
ドガァアアッ!!
渚のダンクが叩き込まれ、勝敗は決した。
司会「決まったぁ!! 優勝は日宮渚選手だあっ!!」
「ふ〜〜っ……」
奏「負けたか……」
「おつかれ、何者だお前?」
奏「俺は……「ナギサ、お疲れ様!」っ!!」
「四季、何とか勝てたよ……」
四季「うん。お疲れ様……」
紗夜「月城くんだっけ? 君もすごい強かったよね。この間まで中学生だったんでしょ?」
「ハァ!?」
奏「そうですよ? 日宮先輩!」
ってことは今年度に新高校一年生なのかって、ん?
「先輩?」
奏「はい! 月城奏、新潟県立西万代中学卒業! 今年度から結ヶ丘高校1年生です。それで、去年の日宮先輩に憧れて、スクールアイドル部"Liella!"にマネージャーとして入部希望です!!」
「え?」
渚・四季・メイ「「「ええぇええぇえええっ!!!?」」」
いよいよ、新たな出会いが……。
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