あのあと、夏美の家に上がらせてもらった俺たちは……。
可可「せ、狭いデス……」
夏美「そりゃあそうですの。14人にも家にあげてるんですのよ?」
千砂都「夏美ちゃん、こんな遠くから通ってたなんて……」
恋「でも、ならなぜ結ヶ丘に?」
夏美「それは……」
夏美が口籠ると、
冬毬「私が進めたんです。L Tuberを極めるなら、都会の学校に行ったほうが良いと……これ、飲み物です」
紗夜「そうだったんだ……あ、ありがと」
冬毬ちゃんがだしてくれた飲み物を受け取るみんな。
ライカ「で、家に呼んだ本題はなんなのよ?」
みんなが冬毬ちゃんに視線を向ける。
冬毬「実は、その話をするには姉者の過去を話さなければなりません」
夏美「冬毬!?」
夏美が止めようとするが、
冬毬「姉者、必要な事なのです」
すると、奏が夏美をおさえる。
冬毬ちゃんは奏に礼を言うと話し始めた。
夏美はかつて、夢ノートと呼ばれたノートいっぱいに叶えてみたい夢を綴り、何度も何度も挑戦してきた事。
しかしそのたびに失敗し思い知り、諦めてきた事。だが、1つダメならまた次、また次、と……叶えられるまでチャレンジし続けてきたこと。
だが、ついにそのそのノートに書かれていたことを全部試し、何もならなかったこと。
冬毬「あの時の姉者の絶望した顔は今でも思い出せます。夢なんて見るものじゃない。見るべきは現実、マニーは裏切らない……と」
メイ「夏美……お前」
すみれ「そんな事があったのね……これじゃあ、去年夏美と初めて会った時の私たちが嫌なやつみたいじゃない……」
夏美「あ、あれは夏美が悪かったんですの。だとしても、他の人を利用して金儲けしようだなんてダメだったんですの…」
すると、
「悪かった!」
渚は夏美に土下座した。
夏美「な、ナギくん!?」
「あの時おれ、あまりにも頭にきてお前に暴力振るうところだった……勧誘来た時には、もうそんな気持ちは消えてたけど、そういう問題じゃない」
すると、
夏美「い、いえ……それは今言った通り夏美が悪かったんですの。メンバーを大切にしてるナギくんなら、許せなくて当然ですの……」
夏美………。
冬毬「そんなこともあり、私はもう姉者の傷つく所は見たくないと思っていました。夢をみたら、また姉者は傷つくと……。だから去年スクールアイドルを始めたとき、私は姉者を勧誘したと言っていた日宮センパイを恨みました……」
陽菜「ん〜……これは、言い返せないかなぁ。そんな事があったと知ってたら……」
冬毬「ですが……」
冬毬は言葉の流れを切り、
冬毬「不安でしたが、去年姉者は必死に努力して、初めて目標を叶えました。あの夢を追う資格もない、才能がないと言っていた姉者が……。ラブライブ!決勝のステージ、動画で何度も見ました。……あの時の姉者の笑顔は、私の暗い気持ちを完全に上書きしました。そこで、日宮先輩に対する恨みも薄れ始めて、私は結ヶ丘に入り、姉者がこれからもスクールアイドルを続けても大丈夫なのかを見極めようと思ったんです」
「そうだったのか………」
冬毬「優勝を決めた時の、花開いた様な姉者のあの笑顔。あんな顔は今までに見たことがなかったですから」
四季「夏美ちゃん、かわいいところある」
すみれ「ほんとよね〜?」ツンツン
可可「素直じゃないンデスから〜」ツンツン
夏美「お二人共、やめてくださいですの……////」カァアァアアッ/////
夏美の顔が羞恥で赤くなってる。
マルガレーテ「で、じゃあ冬毬は今姉のためにスクールアイドルやってるわけ?」
冬毬「はい。もちろん、こちらのスクールアイドル部にいる以上、姉者とはライバルになる訳ですが……」
マルガレーテ「ふ〜ん……」
そして、夏美の家を出るとき、冬毬ちゃんがきな子たちにある物を手渡した。
冬毬「コレを皆さんで見てくだされば、姉者がどれだけ挑戦してきたか分かるかと」
きな子「なんすかコレ……?」
四季「夢……ノート」
夏美「っ! なんで!それ捨てたハズ!!」
冬毬「では皆さん、また明日」
夏美「ちょっ、冬毬〜!!」
夏美は、家の中に引きずり込まれた。
「帰るか……」
かのん「そうだね……」
マルガレーテ「はぁ、なんか疲れたわ……」
――夏美の家
夏美「冬毬はまったく!」
冬毬「姉者、皆さんにはしっかりと姉者の全てを知りその上で受け入れていただきたいのです。できなければ、私は全力で姉者をスクールアイドル部から辞めさせます」
夏美「冬毬……」
冬毬「私は、姉者の笑顔が大好きなのです。私が見たことのない最高の笑顔を、姉者にさせてくれたスクールアイドルというものを、私は知らなければならないですし」
夏美(シスコンにもほどがありますの………)
― つづく ―
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