1人中庭の渡り廊下で落ちこむ可可先輩。それを見かけたかのん先輩が声を掛ける。
かのん「可可ちゃん!」
可可「っ、かのんデスか……」
かのん「書いた?進路調査…ん?」
かのん先輩の言葉に、表情がすぐれない可可先輩。
可可「……実は」
かのん「どうしたの?」
可可「ククの夢は、高校の3年間をスクールアイドルとしてやりきる事デス……」
かのん「うん。それは私も同じ…!」
可可「――だから、」
かのん「その先が見つけられない?」
可可先輩は無言のまま頷く。
可可「ククはとにかく、今を1番大事にしたい。今のために生きてるんデス……」
可可先輩は言葉を続ける。
可可「将来が大事なことは理解してマス。勉強も怠っていまセン……でも――」
かのん「……聞いてるよ。言える範囲で構わないから」
可可「親に将来のこと考えて無いなんて絶対に言えないんデス。きっとスゴくがっかりする………」
かのん「……ご両親と話はした?可可ちゃんにどうしてほしいと思ってるとか……」
可可「……家に戻って、お父さんの母校である北京の大学に進んだらどうか……と」
かのん「そっかぁ……嫌?」
可可「嫌と言うか……」
かのん「?」
可可「ククには、お姉ちゃんがいて……お姉ちゃんは、ククのスクールアイドル活動を誰よりも応援してくれてマス。そんなお姉ちゃんは、ククに好きな歌を続けるべきだ……やりたい事をやり続けるべきだ、とアドバイスをくれまシタ。ただ……」
かのん「それも嫌……?」
可可「正直分かりまセン……。本当に今はスクールアイドル活動以外考えられない……考えたくないって、思ってしまうんデス。でも――、いよいよ何も決めずに居るわけには行きまセン。ククたちはもう3年生です!」
可可先輩の言葉にかのん先輩は笑うと、
かのん「うん。そうだね!」
その様子を―――、
すみれ「………………」
すみれ先輩は隠れて聞いていた。
恋「?すみれさんどうしました?」
すみれ「ひぃっ!?」
そこへ恋先輩が通りかかり、変な声が出るすみれ先輩。
すみれ「な、なんでもないわ!!」
恋「?」
そしてその日の部活で、可可先輩はLiella!のみんなに「夏休みに上海に帰って家族と話してくる」と言い、3週間ほど休むと届けを出した。
そして、可可先輩が上海に戻ってから3日後――、
「よし、今日も練習だ……。可可先輩がいなくても、しっかりとやらないと……」
すると、
渚母「渚〜? あなた宛に国際郵便が届いてるわよ〜?」
は? 心当たりないぞ?
「分かった〜」
何かと思ってリビングに降りて封筒を開けると、そこには、
「飛行機のチケット? 羽田から……上海?」
すると、
ピンポーン
家のインターホンが鳴り、
「はーい……」
ドアを開けると、
メイ「ナギ!お前にもこれ届いてるか?」
四季「飛行機のチケット」
「お前らもか?……みんなにも聞いてみるか?」
そして、スマホのLINEを使って皆に聞いたら、3年生はもちろん、紗夜たちやライカも含めた2年生全員、そして冬毬やマルガレーテ、奏も含めた1年生全員。
早い話が二つのスクールアイドル部の全員に羽田から上海行きのチケットが届いていた。
メイ「どうする?」
「……3年生に任せよう。上海行きって事は、たぶん送り主は可可先輩だろうし……」
四季「賛成」
その旨をLINEで伝えると、すぐさま上海行きが決定し、出発の5日後までに荷造りを始める。
ご丁寧にホテルの予約まで取られており、完全にお客様ご招待扱いだった。
母さんにその事を伝えたら海外なんて羨ましい!!と、羨ましがられた。
(お前らはこの間3人だけで温泉行っただろうが……)
――そして5日後、Liella!と新スクールイドル部の合計15人は異国の地、中国の上海へと降り立った。
― つづく ―
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