渚たちがプールで遊んでいる頃、きな子はかのん先輩の部屋で話していた。
かのん「きな子ちゃんたちもかぁ………」
きな子「見つけるどころか、なんの手がかりも無しっす」
かのん「そっかぁ………でも、なんの意味も無い写真なんか送ってこないよね……」
かのん先輩がベッドに身体を投げて寝転がる。すると、
ブーッ!ブーッ!
かのん・きな子「「!!」」
スマホが鳴り、慌てて誰からの通知かを見ると、可可先輩からだった。そこには、上海に来た時にはじめに行った川の写真が、
かのん「あれ、ここって……」
きな子「着いた時、最初に行った川のとこっす!!」
その後知らせに来たかのん先輩に言われて着替えてホテルのロビーに来た俺たち。他の皆も集合していた。
皆で川のところにもう一度行くと、もう既に夜のためライトラップされた上海の街並みがとても綺麗だった。
Liella!『わあ〜〜……!!』
かのん「お昼と全然違う!」
恋「綺麗です〜!」
千砂都「ライトアップされた、まる!」
奏「でも、この人混みだと人探しは大変ですね……」
陽菜「そうだね……パッと見渡した限りじゃあ、可可先輩は見当たらないし……」
かのん「っ! もしかして!」
かのん先輩が何かに気付く。
かのん「可可ちゃん、私たちに見てもらいたいところの写真を送ったきたのかな?」
ライカ「たしかに、どこもいい場所だったわ」
すみれ「でも、なんでこんな回りくどい事を?らしくないと思わない?」
「そうですよね……」
俺たちが考え込んでいると……
コッ、コッ、コッ
日傘をさした1人の女性が近づいてきた。
謎の女性「船に、乗りませんか?」
「え……?」
なんだこの人。っていうか……
かのん「日本語!?」
メイ「絶対騙そうとしてる。気をつけろ」
警戒する皆。女性はクスクス笑い、
謎の女性「まさか。私は、皆さんのことを知っているのです。怪しいなんてとんでもない……」
きな子「怪しい人が言う台詞っす!」
陽菜「失礼ですけど、あなた誰ですか?」
謎の女性「野暮な事聞かないでください」
怪しい……
謎の女性「ふふ。船の上で、全てが分かりますよ……」
かのん「あの、私たち、唐 可可ちゃんを探しているんです!」
謎の女性「はい。存じ上げております」
すみれ「可可の事も知ってるの!?」
紗夜「何者……?」
謎の女性「この先に、素晴らしい出来事がございます。さぁさぁ、めくるめくロマンの旅へ、15名様ご案内〜」
かのん「ええーー!?」
謎の女性は、かのん先輩の肩を組んで連れて行ってしまった。
四季「かのん先輩!」
「行くしか無いか……。もしもの時は……奏、紗夜、陽菜、ライカ、頼むぞ?」
奏・紗夜・陽菜・ライカ「「「「分かってます(る)」」」」
そして、謎の女性に案内されて乗船したのは川をみて回る小型のクルーズ船。
すると、
謎の女性「日宮渚さん、月城奏さん、真田紗夜さん、真田陽菜さん、宮本ライカさん、こちらに来ていただけますか?」
渚・奏・紗夜・陽菜・ライカ「「「「「!?」」」」」
なんで俺たちの名前を!?
「なんで俺たちの名前を……」
謎の女性「存じ上げていると申しましたでしょ?後のことを考えると、あなた方5名には先にどういう事か知らせておいたほうが良いかと思いまして。知らせずにいて痛い目に遭いたくはないので。ある人と会っていただけますか?そうすれば分かっていただけるかと……」
………………
紗夜「どうする?」
「分かりました。じゃあその人とやらと会わせてください」
謎の女性「ふふ。ありがとうございます」
そして、俺たち5人は別室に案内されて、―――5分後。
皆が居るデッキに戻って来た。
「悪い。心配かけた」
奏「まったく、心臓に悪いですよね……」
Liella!・冬毬・マルガレーテ「「『へ?』」」
俺達5人の安心した様子に呆気にとられる皆。
四季「渚?どうしたの?」
「ん。ちょっと言えないな。取り敢えず心配は要らないとだけ……」
四季「?」
すみれ「ちょっと、どういう事よ?」
ライカ「まあまあ、すみれも落ち着いて。悪いことにはならないから」
紗夜「ね?」
陽菜「ちょっと茶目っ気があるよね。誤解は産みそうだけど」
恋「茶目っ気?」
マルガレーテ「よくわからないけど、心配は要らないってことなのね?」
紗夜「うん。それは間違いないよ」
マルガレーテ「そう。じゃあ取り敢えずクルーズを楽しむことにするわ」
そう言ってマルガレーテは景色を見に戻っていった。
「俺たちもみよう。もうすぐ全部わかるから」
四季「……………分かった」
そして、しばらく皆クルーズ船で上海の夜景を楽しんでいると、かのん先輩と話しているすみれ先輩と千砂都先輩が、
千砂都「この船、どこに行くんだろう……」
すみれ「渚たちはああ言ってたけど、あの人……可可の事を知ってる感じだった……」
かのん「うん」
すると、スマホを弄っていた女性が話し始めた。
謎の女性「皆さん?今日私がプロデュースしたミステリーツアーは、楽しんでいただけましたか?」
かのん「ミステリー?………!」
まさか!と、かのん先輩はスマホを取り出してLiella!グループLINEを開く。
かのん「今日、この写真を送ってきたのはあなたですか?」
謎の女性「はい。さようでございます」
千砂都「どうやって、可可ちゃんとして私たちに「」メッセージを?」
すみれ「あなた、本当に何者……?」
謎の女性「可可ちゃんをなぜ知っているのか……ですか?」
すみれ「それもだし、なぜあなたが私たちにメッセージを送ることができたのか……」
謎の女性は怪しい笑みを浮かべる。
すみれ「まさか……可可を誘拐したの?」
かのん「っ!誘拐!?」
恋「騙された……?」
メイ「ナギ!どう言う事だ!」
「だからちょっと、見てろって……」
四季「ナギサ、本当にどういう事?」
「怖いよ!?」
女性に詰め寄るかのん先輩。
かのん「っ!どういうことですか!?」
謎の女性「おやおや、かのんさんまでそんな怖い顔を」
かのん「っ、私の名前……!」
謎の女性「存じ上げていると何度も申しましたでしょ?」
すみれ「何者……っ!?」
かのん「可可ちゃんは、どこにいるんですか!?」
女性は笑うと、身体を退けて奥のデッキが見えるようにする。
すると音楽が流れ、奥のデッキが照らされる。
――そこには、
Liella!『っ!!』
かのん「可可ちゃん!?」
すると、中国語でうたを歌い始める可可先輩。歌詞は分からないが、間違いなくあの歌声とパフォーマンスは可可先輩だと皆すぐに分かった。
――そして、曲が終わると、
可可「驚かせてすみまセン」
かのん「可可ちゃん!無事でよかった!」
可可「ククは元気デスよ。心配かけました。まったく、お姉ちゃんは……」
謎の女性「ククの友達をもてなしたかったのよ。でも、普通じゃあつまらないでしょ?」
可可「普通でいいのに……」
『お姉ちゃん』。可可先輩の言葉に、皆「え?」と間の抜けた表情をする。
可可「ククのお姉ちゃんは凄く優しいのデスが、いたずら好きなところがありマス」
すみれ「お………」
Liella!・マルガレーテ・冬毬「「「お姉ちゃん!?」」」
「な? 心配しなくて良いって言ったろ?」
四季「っ!ナギサが隠してたのって……」
奏「ええ。さっきお姉さんに別室で可可先輩と会わされて、全部聞いたんです。ドッキリ仕掛けたいから協力してくれって」
紗夜「一時はどうしようかと思ったけど、成功でしたね」
恋「もう、洒落にならないですよ!!」
陽菜「すみません……」
すみれ「じゃあ、可可から聞いてたから私たちのことを知ってた……」
可可姉「はい。5人に先にネタバラシしたのはククからのアドバイスをもらいまして。誘拐したなんて話になったら間違いなく川の藻屑にされると。さすがにそれは嫌なので」
メイ「ナギと奏が落ち着いてた理由が分かったよ……」
四季「ナギサ……?」
「ん?」
四季「後でお仕置きね?」
「は、はい……」
目が笑ってねぇ……!
可可姉「自己紹介が遅れました。私、ククの姉、
メイ「もしかして、あの飛行機のチケットは可可先輩のお姉さんが?」
可可「ハイ……。ククが気づいたときには皆もう既に上海に到着してしまっていました………。せっかくだから、上海を見て、いろんな場所を知ってもらおうと…とお姉ちゃんが……」
萌萌「ふふ。……実は、みなさんにお願いがあるんです」
かのん「お願い……?」
夏美(? アレは………?)
ここで、夏美があるものに気付く。
夏美「! 皆さん、見てくださいですの!」
デッキから川沿いを見ると、日本の国立競技場と同じ位大きなステージが用意されていた。よく見ると、《SHANGHAI SCHOOL IDOL FES》と書かれていた。
かのん「あれは………」
恋「なんて大きさ……」
萌萌「ここ、上海で行われるスクールアイドルフェスの会場が、こちらです」
すみれ「ギャラクシー……」
すると、可可先輩のお姉さんは真顔になり、
萌萌「開催は明後日。皆さんには、フェスに参加していただきたいのです」
Liella!・マルガレーテ・冬毬「「『え!?』」」
千砂都「私たちが……?」
萌萌「お願い!ククちゃんを……助けて!!」
かのん「助けるって……どういう事!?」
― つづく ―
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