― 紗夜 Side ―
――Liella!が練習を始めてから数時間後、トマカノーテの3人も練習に励んでいた。
今はもう時刻は夕方になり、休憩中。
かのん「〜っ!はぁ〜……日陰は涼しいね〜……」
冬毬「日中は、室内で練習できるところを探して方がいいかもしれませんね」
マルガレーテ「そうね……」
まあ、暑いよね……。
かのん「外国だし、少し早いけど今日はこのくらいにしておこう?」
冬毬「Agreeです」
すると――、
ブーッ、ブーッ!
かのん先輩のスマホが鳴った。
かのん「ん?あ~………」
紗夜「どうしました?」
かのん「ごめん。少し抜けるね」
マルガレーテ「どうしたの?」
紗夜「可可先輩たちですか?」
かのん「うん。向こうも早めに練習切り上げたって。また後で連絡するから!!」
そして、かのん先輩は行ってしまった。
冬毬「? マルガレーテ、今日は怒らないんですか?」
マルガレーテ「かのん、何回言っても聞かないんだもの。可可先輩の事が気になって仕方ないんでしょ」
へ〜……。
紗夜「マルガレーテ、かのん先輩の事をちゃんと理解してきてるんだね〜?」ニヤニヤ
冬毬「さすが同居人……」
あたしがマルガレーテに微笑ましいと笑みを向けると、
マルガレーテ「うっさい!冬毬はともかく紗夜はそのムカツク顔やめなさい!!」
― 紗夜 Side out ―
― 可可 Side ―
ククが、川沿いの遊歩道で佇んでいると、
可可「………………」
かのん「可可ちゃ〜ん!!」
かのんが走ってきまシタ……。
可可「かのん……」
かのん「1人?」
可可「先ほどみんなと解散して………」
かのん「可可ちゃん、センターやるんだってね!楽しみにしてる!!」
ソレは………、
可可「……………………」
ククの様子に、かのんも気づく。
かのん「可可ちゃん?……私でよかったら、話して?」
可可「かのん……ウゥ〜……」
ククは、涙を流してかのんにすがりついてしまいまシタ。
――場所を移し、とあるカフェ。
可可「結局、両親とはまだ何も話せていなくて………」
かのん「そっか。でも、可可ちゃんのお姉さん、凄く優しそうだった!ご両親もきっと素敵な人達なんだろうなぁ……」
可可「……フフ。かのんはいつも優しいデスね……。大好きデス!」
かのん「私もだよ」
お互いに大好きだと伝えあうククたち。
ククは飲み物を一口飲むと、かのんにも勧める。
可可「中国のお茶デス。クク好きなんです」
かのん「うん」
かのんも一口飲む。
かのん「っ!美味しい!!」
可可「フフ。かのんと上海で過ごせて、とっても嬉しいデス!」
そして――、ククは今の自分の思っていることを話す。
可可「――両親は日本に行くククを優しく見送ってくれまシタ……」
かのん「…………」
かのんは黙って聞いてくれまシタ。
可可「最初のときこそ、みんな心配していましたが、ククの努力を認めてくれて……、3年間、好きな事をやらせてもらえました。……大学に行けば、お母さんもお父さんも安心する。両親への恩返しにもなる。――だからククは、進学しようと思ってマス」
かのん「北京の大学に?」
可可「ハイ……」
かのん「いいの?」
可可「スクールアイドルと出会っていなければ、元々進んでいた道デスよ?」
かのん「お姉ちゃんは?悲しまない?」
可可「……反対すると思いマス。歌を続ければ良いのに……って」
可可「でも、ククは両親を安心させたい」
かのん「だから……進学…」
可可「日本に送り出してくれた親に、進路をもうちょっと待ってなんて……言えまセン」
かのん「でもライブには来てもらうんでしょ?可可ちゃんが頑張っている姿を見たら、ご両親の考えも……」
可可「それは甘い考えデス……」
ククの声のトーンが少し低くなる。
可可「親には本当に自由にやらせてもらいまシタ。ククの青春はここまで。もうすぐ終わるんデス……家族の皆には最高に輝くククを観てもらいマスよ!今年が最後デスから!」
かのん「………………」
ククの決意を聞いたかのんは、何も……言えませんでした。
― つづく ―
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