遥か古
薄暗い洞窟の中、蠢く影が一つあった。
影の周囲には怪しげな薬、不気味な道具があった、実験室なのだろう……そして中央の台座には異様な物体が横たわっていた。
?「興味深い」
白いフードを被っているその者は物体を眺めつつ呟いた。
横たわる物体は全身を異形な姿で覆っておりその姿はまさに化物……いや人の形をしているから怪人か……
?「我らの技術とは違う方法で進化をしてきたのか……まさか我らの怪人と同等とは……「グロンギ」か、我らから干渉はせぬが牙をむけてくると厄介だな」
?「だがやつらは妙だが人間しか殺さない、しかも大量虐殺ではなく数がまちまちだ、ルールがあるかのような殺し方……意図はわからんが少なくとも我らには害は無かろう」
フードの者が怪人を見て呟く、その時どこからか声が聴こえた
??「ダロムよ……」
声は名を呼んだ、白いフードの者が驚き答える
ダロム「そ、創世王様!?」
ダロムと呼ばれる者は予期せぬ事に驚きながら主の名を口にする、同時に遠くで爆発音が聞こえ実験室を揺らした
ダロム「な、何事だ!?」
創世王「ダロムよ、今グロンギ族の攻撃を受けておる、怪人では敵わぬ強さよ」
ダロム「なんですと!しかしグロンギが攻撃をしてくるなど……」
ダロムは驚きの声をあげ不思議に思っていた、グロンギはルールで人を殺すだけの存在だ、我らを狙うなどあり得ないと。
創世王「攻撃に来ているグロンギはそこに居るのとは別の存在のようだ、はぐれグロンギとでも言うべきか、奴らの狙いはキングストーンだ」
ダロム「なんですと!なぜ奴らがキングストーンの事を!?」
創世王「わからぬが、余のキングストーンが何かと共鳴している、おそらくキングストーンに近い物を持つ者がいるのだろう、今はバラオム、ビシュム、ビルゲニアが相手をしている、ダロムよお前も向かうのだ」
ダロム「はっ!」
創世王の言葉に質問をしたい衝動にかられたが今はそれどころではないと感じ返事をする。
フードを翻すとその体は透けていきダロムは実験室から消えた。
洞窟より少し離れた場所で激しい攻防が繰り広げられていた、ダロムと同じフードを被った二人と甲冑を纏い剣と盾を持った者達と戦っていたのは人間の姿をした四人の男女だった。
バラオム「むぅん!」
バラオムの手から怪光線が出る、難なくかわした男は殴ろうとするが避けられる、ビシュムも同じ状態が続いていた。
ビルゲニア「はぁぁ!」
ビルゲニアの剣閃が敵を切り裂く
?1「#$€%」
切られた男が何かを言っているが理解出来ない言葉にビルゲニアは苛つきながらさらに攻撃を加えていく
今戦っている敵は男二人と女一人、もう一人いる男は座って見ているだけだが時折口元が妖しくつり上がっている
バサッ
そこへダロムが駆けつける
ビシュム「何をしていたのです!」
遅れてやってきたダロムに一喝するビシュム
ダロム「すまん……こいつらか……確かに普通のグロンギとは空気が違う、貴様ら!何故キングストーンの事を知っている!答えろ!」
ダロムの言葉に一瞬戦いが止まる
ビルゲニア「無駄ですな」
ダロム「何だと?」
ビルゲニアの言葉にダロムが言葉を返す、その直後座っていた男から言葉が飛んできた
?2「#%€$$€%#&€%$#$」
聞いた事の無い言語、それを聞いてダロムはしまったと感じた、グロンギの言葉は異質で理解出来ていない事はわかっていたからだ
ビルゲニア「お聞きの通り、我らには奴らの言葉が理解出来ないようです」
ビルゲニアの言葉に若干苛立ちを覚えながらもダロムは叫んだ
ダロム「もうよい!奴らは我らゴルゴムの敵、創世王様の敵だ!殺せ!」
ダロムの怒声が響く、再び攻防が始まろうとしたときビシュムの相手の女が喋りだした。
?女「ナ…ラ……ホン…キ……ダセ……」
片言で分かりにくかったがたしかに我らの言語で話している
ビルゲニア「ほぅ我らの言語を一応は話せるのか、よかろう切り刻んでやろう」
ビルゲニアの感心した言葉をよそにダロム達はお互いに顔を見合せ頷く
ダロム「我らが力の源、天地海の石よ我らに力を!」
バラオム「おぉぉ!!」
ビシュム「はぁぁ!!」
ダロムの詠唱と共にバラオム、ビシュムの咆哮が上がる、石から放たれた光に包まれた三人、光が収まるとそこには異形の姿となったゴルゴム三神官の姿があった
ダロムは三葉虫、バラオムはサーベルタイガー、ビシュムは翼竜の大怪人となる
その姿を見たグロンギ達は不気味な笑顔を作り体に力を込める
肉体が変貌していく、細胞が変化し新たな肉体を形成する、変異が完了した姿はダロム達と同じく異形だが質の違うものである事は明らかだった、座るグロンギの男は変わらず笑みを浮かべ様子を眺めているだけだが全く動じないその姿にダロムは少し不安を覚えたが
ダロム「奴らの目的を吐かすには一人で充分だ他は殺せ!」
そんな感情を振り捨て命ずる、殺せと、見た所奴らは四人しかいないほかに仲間はいないのだろう、あの喋れる女から目的を吐かす為に生かす、無論痛め付けはするが、他は用無し、だから殺す
ビシュム「くらえ!」
女?「がぁ!」
互いに本気になり戦いはより激しさを増す、互角の戦いのようだがビルゲニアだけは違い相手が本気になったにも関わらず優位を保っていた
ビルゲニア「ふん、本気を出してもこの程度か!この世紀王ビルゲニアの敵ではなかったな!」
ビルゲニアの剣閃が敵を切り裂く、グロンギの反撃も盾で防ぎ再び切り裂く、攻撃を全く受けないわけではないが戦況はビルゲニアが優勢だった
ダロム「貴様は変身せんのか?」
ダロムは近づきながら座るグロンギに問う、ダロムを見ながら男は何かを言いたそうに口を開いたが考えたような仕草をしたあと再び笑顔を作りダロムを見る
不気味な奴め、と考えながら残り数メートルまで近づく、近づいて締め殺してやるとさらに歩を進めた時異様な力を感じたじろいでしまった
ダロム(こいつ、なんという禍々しい力を放っている!)
ダロム「かぁ!」
近づくのは危険と判断したダロムは超能力を放つ
バシュ
ダロム「何!?」
超能力は男の前で弾けて消えてしまう、男は妖しい笑みを浮かべダロムを見る、効かないと言っているように・・・
男??「#€$%€$#&%€&€$##%€」
男は何かを喋り立ち上がる、その様子を見てバラオムと対峙していた怪人が慌てたように叫ぶ
怪人???「€$%€&%$&€&%#」
男??「€$#%$%$%」
男が話終えると男の回りから衝撃波が飛んだ、それは正確にダロム達だけを捉え吹き飛ばした
ビルゲニア「ば、ばかな!」
ビルゲニアが驚愕の声を出す、三神官も驚きの表情で男を見る
男が手をかざし力を込める、するとダロム達の体が一瞬で燃えだした
バラオム「うおおぉ!」
男??「ハハハハハハハハハ」
のたうち回るダロム達を見て男は笑う、そして止めを刺そうと再び手をかざしたその時
?「待てグロンギの戦士よ」
どこからともなく声が聴こえる、そしてダロム達を黒い光が覆い炎を消した
ダロム「そ、創世王様!」
創世王「ダロムよお前達では勝てん余に任せよ」
ダロム「不甲斐なき我らをお許しください」
創世王「構わぬ、共のものならばお前達でも任せられるがこやつだけは別格だ、その力余に匹敵するやもしれん」
ダロム「な、なんと!まさかグロンギごときが!?」
男??「€$#%&$%&€#$%$€%&€$#€%&&$#$€」
ダロムと創世王の会話を遮り男が何かを話す
創世王「ふっ、世紀王でも無いものにキングストーンはやれぬ」
創世王が男の言葉をわかったような言葉を出したその直後、男の周囲を黒い影が襲い飲み込んだ、驚き駆け寄った他のグロンギ達も影に吸い込まれた
創世王「こやつらは危険だ、封印する」
ダロム「殺さないのですか?」
創世王「こやつを殺すのは余の力の大半を使わねばならぬ、それをすれば寿命が大幅に減る、こやつは油断していてた、だから封印する事ができたのだ、この封印は余かキングストーンを持つ世紀王しか解けぬ、余が死ぬまでは安全だろう」
ダロム「では大事無いようこの場所は誰も近づけぬようにいたします」
創世王「うむ、任せたぞ」
これがゴルゴムとグロンギの間に出来た事件、その後ビルゲニアの乱がありビルゲニアも封印されたあと人間の戦士にグロンギが封印された事を知る、グロンギを研究する必要がなくなった為ゴルゴムは記録だけを残し研究は打ち切られた
そして三万年後、誕生した世紀王に暗黒結社ゴルゴムは滅ぼされる事になる