桜子「う~ん・・・・・・」
研究室に戻っていた桜子は唸っていた
桜子「白竹教授に借りた資料でもダメか・・・・・・」
椅子にもたれ天井を見つめる
桜子(結局わかったのはアマダムとキングストーンが似ている事くらいか・・・・・・あ、一条さんにグロンギが四体いる事伝えてなかった)
携帯電話を取るためバッグに手を掛ける桜子は廊下から聞こえる物音に気づき、ドアに視線を向ける
雄介「ただいま桜子さん!どう?なんかわかった?」
桜子「うん、あんまり・・・・・・わかったのはアマダムとキングストーンについて少しだけ」
雄介「へぇ~どんな事?あ、南さんは一条さんと居るよ」
椅子に座りながら雄介は問う
桜子「ゴルゴムの資料によるとアマダムとキングストーンは元々は同じ物か、かなり近い性質を持つ事が書かれていたの、それは五代君も感じてると思うけど」
雄介「うん、そんな気はしてた、俺が早く目覚めたのもそのお陰でしょ?なんか力を感じたから南さんが何かしたんだと思うけど」
桜子「うん、南さんも自分では良くわかってないって・・・・・・それでこれは私の推測なんだけど、多分アマダムとキングストーンはゴルゴムの研究にもあるように元々は同じ物だと思うの、グロンギとは共鳴せずに五代君と共鳴するのはわからないけど・・・・・・」
雄介「うーん・・・・・・」
桜子「それでね、キングストーンは太陽と月の二つがあって合わせる事で本来の力を出すらしいの、単体でもすごい力を持つけどそれも本来の力の一端だって、だから南さんも良くわからないんだと思う」
雄介「そっか・・・・・・でも共鳴する訳はわかるよ!」
桜子「えっ?何かわかったの?」
雄介「南さんと俺、似てるから!」
雄介が笑顔でサムズアップを行う
桜子「もう、茶化さない・・・・・・」
呆れ顔の桜子は言葉を止め、何かに気づいたように考える
桜子「そうか・・・・・・多分、五代君の考えは間違ってないかも!おそらく・・・・・・精神的なものかも」
容姿では無く、精神の事を考えた桜子、精神の力で力を出すアマダム、それと同種と思われるの存在のキングストーンが共鳴したのは人間を守るという共通した精神の力が関与していると推測したのだ
桜子「でも結局はわからないか」
ふーと息を吐きコーヒーを飲む
雄介「まぁ・・・・・・でも良いじゃん!南さんは悪い人じゃないし、誰かの笑顔の為に頑張ってるすごい人だよ!・・・・・・それで十分じゃない?」
雄介の屈託の無い笑顔に桜子も微笑み頷く
桜子「そうだね、あ!そうだ五代君、グロンギの事なんだけどゴルゴムの資料に書いてあったの、グロンギは四体いて創世王が封印したって、創世王って言うのが何か良くわからないけど・・・・・・ゴルゴムのボスだとは思うけど」
雄介「じゃあやっぱりもう一体いたのか、桜子さんを襲った奴は倒したから後はサイの奴と多分ゴラドって奴か」
桜子「封印したって書いてあっただけだから詳しい事はわかんないけど・・・・・・」
雄介「わかった、一条さんと南さんにゴルゴムの事と一緒に伝えとくよ!ありがと桜子さん!じゃあ行ってくる!」
桜子「お願い、五代君・・・・・・無理しないでね」
雄介は桜子に親指を立て、微笑んだ後、研究室を出ていった
光太郎「すいません、こんな時に・・・・・・」
一条「いえ、構いませんよ、南さんにはお世話になりっぱなしですので、あの方達は親戚ですか?」
頭を下げる光太郎に一条は聞く、光太郎が改造人間である事を知らない一条は克美達の容姿から関係を想像した
光太郎「いえ・・・・・・家族です、長い間疎遠だったんですが・・・・・・」
一条「そうでしたか、疎遠だった家族と再会されたんですか、通りで南さんの雰囲気が変わった訳だ、こう言ってはなんですが、前の南さんは今と比べて生気の無い顔をしていました」
光太郎「やはりそんな風に見えてましたか、ですがもう大丈夫です!皆の為にやれる限り戦います!」
光太郎の力強い声と表情に一条も笑みを浮かべるが、すぐ表情は戻る
一条「ですが残りのグロンギの情報はまだありません、今は地道な捜索しか手が無い状態です」
光太郎「わかりました、では僕は五代君と合流して捜索してみます、何かわかったら連絡して下さい」
一条「わかりました、五代の事を頼みます、この前の様に無茶をしかねない奴なので・・・・・・」
光太郎「わかってます、僕にとっても彼は後輩の様な者ですから、任せてください」
一条「お願いします・・・・・・では・・・・・・」
頭を下げた一条はパトカーに戻り走っていった、光太郎も一条と雄介の絆を感じ、微笑んだ後、走り出した
封印の地
ゴラド(もう少しか・・・・・・)
手に持つ小石を燃やしながらゴラドは自身の回復具合を計る
ゴラド(あの時油断せねば今こうしている事もなかった、お陰で王の石の在りかは知れず、世界はリントが支配する様になった・・・・・・)
ゴラド(ダグバも死んだ・・・・・・残るのは我等のみか)
封印の地に座るゴラドは虚空を見据え思いを巡らす
ゴラド(ダグバ・・・・・・我が宿敵・・・・・・決着はもう叶わぬ事か)
想いを馳せるゴラドに不意に声が掛かる
ジザイ「ハァ・・・・・・グゥ!?・・・・・・ゴラド、これはいつまで続く!?」
物陰からジザイが苦しみを露に出てくる
ゴラド「・・・・・・いつまでか決めるのはお前自身だ、耐えろとしか言えん・・・・・・何なら止めてやるが、お前が望んだ事だろう?」
ジザイ「あぁ・・・・・・わかってる!すまん、俺らしくもない事を言った!あの野郎を殺す為にこれぐらい耐えてやる!」
痛みを堪え、再び消えるジザイを見てゴラドは少し笑みを浮かべる
ゴラド(ふ・・・・・・あれぐらい正直だと好感が持てる、ジザイは化けるだろう、問題は十分に強かったジザイにああも言わしめるゴルゴムの生き残りか・・・・・・)
笑みを浮かべたゴラドは再び瞑想を始める
日本は平和だった、光太郎と雄介、一条等警察の必死の捜索にも関わらず、グロンギは発見出来なかった
二日、三日と時間が経つがグロンギは一向に現れなかった
雄介「どうしたんでしょう?逃げたんですかね?」
無線に雄介が話す、側には光太郎もいる
一条「それは無いだろう、だが不気味だ、一切奴等の情報が出なくなった、考古学者の所にも来ていない、他県でも同じだ、幸いなのは死傷者も出てない事だけだ」
雄介「なんか、嵐前の静けさ・・・・・・って感じですね」
一条「私もそう思う、奴等は二年前のグロンギの様にゲームをしないと言っていたんだろ?だとすれば奴等が動き出す時は大量の死者が出る可能性もある、油断出来ない、今は捜査員を増員して県内にくまなく配置している、神経断裂弾も榎田さんが製造してくれた、もし奴等が現れても対処は出来る筈だ」
雄介「うーん・・・・・・とにかく今は探すしかないわけですね、よし!一条さんまた何かあったら連絡ください、南さんとまた聞き込みとかやってます」
わかったと言って無線は切られる
雄介「だそうです、南さん今度はあっちの街に行きませんか?」
光太郎「わかった、行こう!」
二人はバイクを走らせる、街について聞き込みを行うがやはり有力な情報は得られなかった
光太郎「五代君、ほら!」
手に持つ缶ジュースを雄介に渡す
雄介「ありがとうございます、しっかしホント何もわかりませんね・・・・・・」
缶ジュースを飲みながら雄介は話す
光太郎「あぁ、さっき五代君が言ってた様に嵐前の静けさの様だ、大変な事にならなければ良いが・・・・・・」
雄介「所で南さん、変わりましたよね、力が溢れてる感じですよ!」
光太郎「どうしたんだ突然」
突然の雄介の言葉に思わず笑みが出る光太郎
雄介「いや、ここの所忙しかったから聞けなかったんですけど、あの戦いの後何かあったんですか?」
光太郎「ああ、僕にも大切な人がいた事を思い出したんだ」
雄介「そっか・・・・・・良かったです!南さんが元気になって!」
笑顔での光太郎に同じく笑顔で返す雄介、雄介は多くは語られなかったが不思議と理解していた
光太郎「よし、そろそろ行こう」
休憩を終えた二人はバイクに向かう、バイクを目前にした時にビートチェイサーの無線が鳴り響く、同時に光太郎の持つ無線も音を発する
無線「全車に連絡、新種の未確認と思われる怪物が○○町に出現しました、現在現場の警察官が応戦中、付近の捜査員は直ちに現場へ急行してください」
光太郎「○○町?あの廃工場の近くだ!」
雄介「南さん!行きましょう!」
その時再び無線が鳴る
一条「聞いたか五代!南さん!」
雄介「はい!聞きました!今から向かいます!」
二人はバイクに跨がりグロンギが出現した町へ駆けた
町では警官隊が怪物と交戦していた
警官「撃て!撃て撃てー!」
警官隊が怪物に向け拳銃を発砲する、しかし怪物には効かず警官隊は一人、また一人と倒されてゆく
ジザイ「鬱陶しいんだよリントどもがぁ!」
警官を放り投げながら叫ぶジザイ、そこに二台のパトカーが現れる
一条「サイの奴か!」
パトカーから飛び出した一条と共にもう一台から杉田が飛び出す
杉田「まだ五代君達は来てないみたいだな、一条!俺達でやるぞ!」
拳銃を構えた二人は頷き合い、ジザイに狙いを定め、引き金を引いた
ジザイ「!?」
ジザイは衝撃を身に受け動きを止める
一条「弾いた!?」
銃弾はジザイを穿つ事なく、その身に弾かれ空へ消えた、一条等が撃ったのは支給された神経断裂弾、生産コストが高いため刑事にしか支給されていないその弾丸は通常の弾丸では効果が無いグロンギに対抗するため貫通力を強化している、その弾丸さえもジザイは弾いたのだ
ジザイ「お前は・・・・・・また会ったな!ゴルゴムの戦士はどこだ!」
一条を視認したジザイは一条に詰め寄る
一条「くっ!?」
尚も銃弾を放つがジザイには通じず、距離だけが詰まる
、ジザイが一条を捕まえようと手を伸ばす、手を避け距離を取った一条を援護の銃撃がジザイを撃つ
ジザイ「チィ・・・・・・鬱陶しい!」
銃撃を受け苛つくジザイ、自分に効きはしないがこうも好き勝手に攻撃されると腹も立つ、ジザイは一条に一気に詰め寄り、一条の身を締め上げた
一条「ぐぅ・・・・・・」
杉田「一条!」
杉田の声と共に銃撃は止む、一条を捕らえるジザイの回りを囲む事しか出来ない
ジザイ「ゴルゴムの戦士はどこだ!言わねば殺す!」
締め上げる力を少し緩め一条に脅迫する
一条「くっ・・・・・・・・・・・・」
苦悶の表情を見せる一条だがその口は固く閉ざされる
ジザイ「なかなか骨のあるリントだ、良いだろう!望み通り殺してやる!」
「一条さん!」
そこへ雄介と光太郎が駆けつける
光太郎「その人を離せ!」
ジザイ「・・・・・・来たか、待っていたぞ!俺と勝負しろ!ゴルゴムの戦士!」
光太郎「何!?」
光太郎は突然の決闘の申し込みに驚く、側に居た雄介も同様だ、グロンギがこの様な行動をするとは想像もしていなかったのだ
ジザイ「受けろ!受けねばこのリントを殺す!」
捕まえる一条に力を込める、一条の表情が苦痛でさらに歪む
光太郎「わかった!受けてやる!だからその人を離せ!」
ジザイ「・・・・・・良いだろう、だが約束を違えばお前を殺すのは最後になるぞ」
一条を光太郎に向け投げるジザイ、受け止めた光太郎、一条の解放を確認した警官隊が拳銃を構える
光太郎「止めろ!奴の相手は僕がします!」
一条「ゴホッ・・・・・・銃を下ろせ!ここは彼に任せろ!」
光太郎の制止に戸惑っていた警官隊は一条の言葉に拳銃を下ろす
光太郎「ありがとうございます」
一条「良いんです、どうせ奴には銃弾は効かないので・・・・・・それより場所を変えれますか?町中では被害が出てしまいます」
光太郎「わかりました・・・・・・ここでは満足に戦えない!場所を変えるぞ!前に戦った廃工場だ!」
ジザイ「良いだろう・・・・・・先に待っている」
ジザイは言い放つと警官隊を抜け走り去っていった
光太郎「大丈夫ですか一条さん?」
一条「ええ・・・・・・それよりも役に立てなくて申し訳ない」
光太郎「気にしないでください、それじゃ行ってきます」
雄介「俺も行きます!」
光太郎「ああ、だが手は出さないでくれ、それが奴との約束だ」
雄介「わかってます、南さんの戦い、しっかり見ときます!」
頷き合った二人はバイクに乗り廃工場へ走る
ジザイ「・・・・・・・・・・・・」
光太郎「・・・・・・・・・・・・」
廃工場にて対峙する、お互い言葉は無く睨み合う
光太郎「変・・・身!!」
構えと共に変身する光太郎
ジザイ「待っていたぞこの時を!!勝負だ!ゴルゴムの戦士!いや!仮面ライダーBLACK!」
決闘の幕が上がる
今回は戦闘無しです、期待してた方がいたらすいません。