ジザイとの死闘から二日、残るグロンギの情報は得られず、光太郎と雄介は海に来ていた、ちょっとした息抜きにと雄介が提案し、二人は近場の海岸線へ捜索がてらやって来たのだ
雄介「ふー・・・・・・見つかりませんね」
光太郎「あぁ、だが必ず何処かにいるはずだ」
海を眺めながら話す二人の前に若者達が現れる、その若者達は砂浜で花火をし、持ってきた飲料缶を飲み干し、海に捨てる
光太郎「・・・・・・」
苦い顔の光太郎は黙って海に近づき、波で打ち上げられるゴミを拾う
若者「善人気取りかよ!チッ!行こうぜ!」
光太郎の行動にイラついた若者達は光太郎に暴言を吐き、消えていった
雄介「南さん・・・・・・俺も手伝います!」
二人でゴミを拾う中、光太郎がそっと口を開いた
光太郎「昔・・・・・・海を愛した怪人がいたんだ、怪人なのにとても優しい奴だった、これはあいつとの約束なんだ」
雄介「そんな怪人もいたんですね、会ってみたかったです、俺」
雄介の言葉を受けて悲しく海を見る光太郎
光太郎(クジラ怪人・・・・・・すまない)
海を愛した友人に心の中で深く詫びた
結局、その日は情報を得られず、二人は帰路に着いた、雄介は研究室へ、光太郎はホテルへ別れる
光太郎「ふぅ・・・・・・」
一息つき、テレビをつける
光太郎(後一体は何処にいるんだ・・・・・・)
ベッドに座り考える
光太郎(犠牲者が出る前に倒さないと)
光太郎は様々な事を考える、人間を殺す気は無いのか?実は既に死んでいるのか?クジラ怪人の様にわかりあえるのか?
そんな希望の様な考えが出るほど、残るグロンギの情報は出なかったのだ
光太郎「・・・・・・?」
光太郎の思考は、目に見えた何かに中断される、ゆっくりと立ち上がり窓に近寄る
光太郎「何だ?」
光太郎に見えた物、それは遠くに見える街が赤い光を放っている光景、遠すぎて光の原因はわからないが何かが起こっているのは確かだった
光を凝視する光太郎の耳に声が入る
テレビ「緊急ニュースです!○○県、○○市で突如大規模の火災が発生しました!原因は今の所、不明、付近の住民は・・・・・・」
光太郎「何だって!」
ニュースを聞いた光太郎は驚愕する、ニュースの言っていた場所は今、まさに光太郎が見ていた場所だったからだ、慌てて部屋を出る光太郎、バイクに乗り、走る
桜子「そんな所で寝たら風邪引くよ五代君!」
研究室のソファーに寝そべる雄介に桜子が呆れるように言う
雄介「大丈夫だよ!だって俺、クウガだもん!」
桜子「もぉ!関係ないよそんな事」
二人に穏やかな時間が流れていたが、その時間は桜子の持つ携帯電話に終わりを告げられる
桜子「一条さんだ!・・・・・・はいもしもし?・・・・・・五代君に変わってって、なんかすごく焦ってる感じだけど」
雄介「残りの一体が出たのかな?・・・・・・変わりました、五代です!・・・・・・えっ!?わかりました!すぐ行きます!」
桜子「どうしたの?ホントに出たの?」
電話を終えた雄介から携帯電話を受け取りながら聞く
雄介「○○市で大火災があったって、それがグロンギがやった可能性が高いからすぐ来てくれって!行ってくる!」
桜子の返事を待たずに飛び出す雄介、バイクに乗り、走る
時は少し遡り、○○市
市内を一人の男が歩いていた、その男は体格も良く、堂々としていた、男は物珍しそうに周囲を見ながら歩く
男の名はゴラド、四体のグロンギ、最後の一体、ゴラドは力の回復を終え、封印の地を出た後、街に出た、自分が居た時とはまるで違うその光景、グルイの力で何となくわかっていたが実際に見るのでは大きく違っていたその光景にゴラドは街を徘徊し、見識を深める、そして徘徊の末、夜の市内にたどり着いていた
ゴラド(あの脆弱なリントがここまで進化するとはな)
夜の街を見回すゴラド、ふっ、と笑う
ゴラド(リントは戦う種族では無い・・・・・・元々はこういった事に秀でた種族だったか、我等とは異なる文化を持つリント、こうして見ると中々面白い)
徘徊を続けるゴラドはふと目に入った光景に足を止め、それを注視する
ゴラド(リント同士の争いか・・・・・・)
ゴラドの視界に入ったのは、人間同士の喧嘩、だがそれは喧嘩とは言えず、数人が一人をいたぶるリンチだった
ゴラド(リントも争いをする様になったのか、俺の居た頃は争いを好まぬ種族だったが・・・・・・リントも変わったな)
回りの人間が見てみぬ振りをする中、その光景を注視していたゴラドに声が掛かる
若者「何見てんだコラァ!」
いたぶっていた内の一人がゴラドの視線に気づき、怒声を浴びせる、怒声に呼応した数人にゴラドは回りを囲まれる
若者「お前も善人気取りかコラ!ぶっ殺すぞ!」
若者の怒気の混じる声がゴラドを脅す、だがゴラドは不敵な笑みを浮かべ若者達に話す
ゴラド「この俺を・・・・・・殺す?リントごときが?・・・・・・フハハハ!リントも上手い冗談が言えるのだな!・・・・・・笑わせて貰った、帰って良いぞ?」
若者「・・・・・・!!なめてんじゃねぇぞコラァ!!」
若者は怒りを露にゴラドを殴る、脅した相手が笑うだけでも許せないのに、あまつさえ帰れと言われた事に完全に頭に血がのぼった若者の拳はゴラドに直撃する、しかしその瞬間
若者の体が宙に浮く、拳ひとつ分程の空間をあけ、若者の体は宙に浮いた
ゴラド「まさか・・・・・・本当に俺を殺す気だったとは・・・・・・リントごときが!」
ゴラドの腕から血が滴る、ゴラドの腕は若者の体を貫き、掲げていた
男「え?・・・・・・あ・・・え?」
目の前の出来事を理解出来ない若者達、マジックを見ている様に貫かれた友人を見ている
「ウギャアアァァァァ!」
回りに居た若者達が突然燃え上がり、悲鳴を挙げる
ゴラド「・・・・・・もう少しリントの世を見てからと思ったが、気が変わった・・・・・・いや、変えられた・・・・・・皆殺しだ」
貫いた若者を捨てたゴラドは手を人間達に向ける、次々に人が燃え上がり、飛び火して行く
「フッ・・・・・・ハハ・・・ハァーッハッハッハ!」
炎の中、悲鳴を掻き消し、ゴラドの笑い声がこだまする
光太郎「うっ!?酷い・・・・・・」
駆けつけた光太郎は市内の状況を見て絶望する、建物は壊れ、車は炎上し、道路は火の海を作っている、火の海をゆらゆらと何かが揺らめき、倒れる、肉の焼けた臭いが鼻をつき、黒焦げになった人間らしき物がそこら中に転がっている
光太郎(事故か?だがこれだけの被害を一瞬で・・・・・・グロンギの仕業か!)
光太郎は怒りを噛み締め、生存者を探すために炎の中を走って行った
ゴラド「・・・・・・」
「ギャアアアアアァ」
無言で人間を焼き殺しながら歩く、進む先で悲鳴が上がり、悲鳴が止むと、また歩く、ゴラドは目に写る人間を全て燃やしていった
男「た、助けて・・・・・・い、痛いんだ・・・・・・」
足元で息のある人間がゴラドに助けを求める
ゴラド「・・・・・・」
無言のゴラドは足を高く上げ、男の頭上に持ってくる、足に力を込め踏み抜く
光太郎「やめろぉ!!」
突然掛かった声にゴラドは足を止め、光太郎に視線を移す、だがすぐに視線を戻し、光太郎の目の前で男の頭を踏み潰した
光太郎「あ"っ"!?・・・・・・キサマァ!!」
目の前で人が殺された事に激怒する光太郎
ゴラド「何か文句があるのかリント?」
口元を妖しくつり上げながらゴラドは光太郎に問う
光太郎「お前の目的は何だ!何故人間を殺す!」
ゴラド「・・・・・・人種差別は知っているな?それと似たような物だ、忌避か殺意かの違い、我等と違うから殺す、それだけだ」
光太郎「そんな理由で!お前はどれだけ残酷な事をしようとしているのか分かっているのか!!」
ゴラド「分かる分からないの話では無い、死ぬか生きるかだ、お前等が死にたく無いのなら抗えば良い・・・・・・出来るならな」
そう言い放ったゴラドは手を光太郎に掲げる
光太郎「うわっ!?」
光太郎が一瞬で燃え上がり、苦しむ
ゴラド「ふん・・・・・・所詮はリントか」
体を翻し歩き始めるゴラド、その瞬間、背後から声が聞こえ振り返る
光太郎「変身!!」
炎に焼かれる光太郎は変身する、変身が完了した際に出るキングストーンの過剰エネルギーが蒸気となり出ていく、その蒸気が炎を消し去る
BLACK「仮面ライダー!BLACK!」
ゴラド「・・・・・・お前がジザイを倒したゴルゴムの戦士か」
変身したBLACKを見たゴラド、その姿を凝視しようとしたその時、バイクのエンジン音が聞こえ、バイクが飛び出してくる
クウガ「南さん!大丈夫ですか!」
BLACK「五代君!ああ!奴が最後のグロンギだ!気をつけろ!」
バイクを降り、BLACKの横に並ぶクウガ
ゴラド「ほぅ・・・・・・ならお前がリントの戦士か、なるほど我等と同じ力を持つのか・・・・・・まさかダグバを倒したのはお前か?」
クウガ「ダグバ?0号か!そうだ!俺が倒した!」
クウガの言葉にゴラドは顔を歪める
ゴラド「こんな奴にダグバが?究極の闇を終える前にこんな奴にダグバは倒されたのか!」
クウガ「ぐわっ!?」
クウガの肉体が燃え上がる、肉体の焼ける苦痛を堪え、クウガは全身に力を込める
クウガ「ハァァ!!」
クウガの肉体が一瞬にして黒く変化しアークルも金になる、変化と同時に炎は小さくなっていき消える
ゴラド「・・・・・・どうやらダグバが倒されたのも嘘ではないらしいな、更なる力を感じる」
BLACK「大丈夫か五代君!その姿は・・・・・・」
クウガ「前に言ってた奥の手です、もうひとつあるんですがそれは出来れば使いたく無いんですが」
BLACKが変化したクウガに駆け寄った瞬間、キングストーンとアマダムが光を放ち共鳴する
ゴラド「!!その石は!」
共鳴を目撃したゴラドは驚きを見せBLACKに告げる
ゴラド「フハハハ!まさかこんな所に王の石があるとはな!良い日だ・・・・・・その石を貰うぞゴルゴムの戦士!」
BLACK「何!?キングストーンを!?何のために!」
ゴラド「リントを根絶やしにするためだ、王の石があれば俺の力はリントを瞬時に根絶やしに出来る様になる」
BLACK「そんな事はさせん!!」
ゴラド「・・・・・・良いだろう、今は気分が良い、お前達に合わせてやろう」
クウガ「何!?」
ゴラド「お前達に本気で戦う機会をくれてやる、ゴルゴムの本拠地の近くに我等が封印された場所がある、そこで雌雄を決するとしよう、逃げても良いぞ?その時は王の石無くともリントを皆殺しにするだけだ」
BLACK「勝手な事を言うな!」
ゴラド「ではこのまま戦うか?俺はそれでも構わんが、リントは大勢死ぬだろうな」
BLACK「クッ・・・」
ゴラド「では待っている、待つのは嫌いではないが限度がある、二日待ってやろう、決心が着いたら来い、それとゴルゴムの戦士、我等の封印が解けたのはおそらくお前の石のお陰だ、礼を言う・・・・・・」
ゴラドは手を掲げ、回りの炎をより一層大きくし、見えなくなった、炎がおさまった後にゴラドの姿は無く、BLACKとクウガの二人だけが残された・・・・・・
一条「○○市は全域に壊滅的な被害を受けた・・・・・・復興の目処しばらく立たない程だ」
翌日、合流した一条から被害状況を知らされる
雄介「一条さん・・・・・・犠牲者の数は?」
一条「・・・・・・現在確認されるだけで一万三千人だ、これから更に増えるだろう・・・・・・」
雄介「クソッ!一条さん!俺!悔しいです!救えなかった!」
拳を握り、悔しさを口に出す雄介
一条「お前が悪い訳じゃない、お前も南さんも懸命にやってくれてた、誰も君達を責めはしない」
光太郎「五代君がそう思うのはわかる、僕も同じだ、でも今はこれ以上被害を出さない様にする事が先決だ」
雄介「はい、わかってます、あいつを倒さないと!」
一条「だが奴は0号と同じ力を持っていたんだろう?五代、まさかまた凄まじき戦士に!?」
雄介「出来れば使いたく無いんですけどね、それにあの時は大丈夫だったけど今回は大丈夫って保証が無いんです、それだけ凄まじき戦士は恐い力なんです」
一条「ではどうするんだ?」
雄介「黒の金で頑張ってみます!0号の時は全く敵いませんでしたけど、今回は南さんがいます!大丈夫です!きっと!」
心配そうな顔で雄介を見た後光太郎を見る一条、雄介の言う黒の金とはアメイジングマイティフォーム、その力は赤のマイティを強化したライジングマイティを更に強化した形態である、アマダムが全ての力を出した状態に一番近い状態、だがその形態もアマダムが全ての力を出した状態には遠く及ばない、一条の心配は雄介がこのままでは勝てないのではないかと言う不安だった
光太郎「任せてください一条さん!五代君となら必ずやれます!」
一条「わかりました、では私は復興に協力してきます・・・・・・五代の事、お願いします!」
力強い光太郎の言葉に安心する一条は光太郎に頭を下げ、走って行った
雄介「明日・・・・・・ですね」
光太郎「ああ、五代君、今日中に会いたい人に会っとくと良い・・・・・・会えなくなるかもしれない」
光太郎の言葉には死が含まれていた、歴戦の光太郎にそう思わせる程、ゴラドは強く、不気味だったのだ、それは雄介も感じているため二人の空気は重かった
雄介「・・・・・・わかりました!明日合流しましょう!行ってきます!」
スッと立ち上がりバイクに乗り走り去る雄介
光太郎「僕も行くか・・・・・・」
光太郎もバイクに乗り、走って行った
二人の戦士は生死を賭けた戦いを前に、走る
ついにゴラドが動きました、ゴラドの台詞は考えるのが難しい、小物臭くなければ良いんですが・・・・・・
BLACKとクウガの強さの設定は、BLACK>アメイジングとしています、スペック通りならBLACKが勝ってる(アメイジングはパンチ力が不明)のでその通りに、ただクジラ怪人の命のエキスで甦った際に力も上がっているのをどうするかでした、設定だと数倍だとか、スペックに合わせるとクウガ余裕で越えちゃうしって事で、命のエキス使用状態でスペック通りとしました。