仮面ライダー 黒陽伝説   作:黒太陽

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決意

「部隊の編成は出来たか?」

 

「はい、追跡によりC4号が潜んでいると思われる場所も特定しました、ですが本当によろしいのですか?」

 

ある会議室で二人の男が話す

 

「当たり前だ、あれだけの事をされて警察が黙っている訳にもいくまい」

 

「しかし、総監が海外へ視察に行ってらっしゃる時によろしいので?」

 

「ならば我々は怪物は4号ともう一人に任せて指をくわえていろと?良いか?市民の安全の為に警察があるのだ、その警察が相手が怪物と言えど傍観して良いわけがない!」

 

「・・・・・・その通りです、わかりました、部隊の装備には科警研に作らせた、神経断裂弾があります、以前の奴とは違うなら効果はあるかもしれません」

 

「よし、総監には私から言っておく、夜を待ち、攻撃を仕掛けろ、捜査員には伏せておけ、余計な混乱を起こす必要は無い」

 

「わかりました、ではその様に手配してきます」

 

「待て、それと今回の攻撃でもし死亡者が出た場合は死亡者の家族に十分な手当を出せ・・・・・・死にに行けと言っている様に聞こえるか・・・・・・?」

 

「いえ、そんな事は・・・・・・では私は手配してきます」

 

男は部屋を出る、残された男は祈る様に呟く

 

「すまない・・・・・・勝ってくれ・・・・・・」

 

 

 

 

 

椿「五代!来てたのか!」

 

雄介「はい!・・・・・・忙しそうですね」

 

雄介は最初に関東医大病院に来ていた、病院内は慌ただしく、怪我人が溢れ、医師や看護婦が走り回っている

 

椿「すまん!今手が放せない!今度にしてくれるか?」

 

その場で足踏みをし、忙しさを強調する椿

 

雄介「すいません、椿さん!会えて良かったです!」

 

椿「五代?」

 

椿の体が止まる、雄介の目を真っ直ぐ見つめ、悟る

 

椿「死ぬかも知れないのか?」

 

雄介「わかんないです、でも勝ちます!絶対!」

 

椿の真剣な問いに笑顔で返す雄介

 

椿「そうか、行ってこい!待ってるからな!」

 

椿も笑顔で返す

 

雄介「はい!忙しい所すいません!行ってきます!」

 

病院を出ていく雄介を見て、椿は頑張れと呟き、喧騒の中に走って行った

 

 

 

「光太郎さん!」

 

光太郎「克美さん!杏子ちゃん!」

 

光太郎は克美と杏子に会いに来ていた、会いたい友人は他にもいる、滝竜介、東堂勝、少年戦士達、だが行方を知る術を持たない光太郎は友人達に会うことを諦め、克美と杏子と会っていた

 

克美「テレビを見たわ、凄い有り様になってた、もしかして前にテレビで出た怪人の仕業?」

 

光太郎「そいつとは違う奴だけどそうだよ」

 

杏子「じゃあ光太郎さん、戦いに行くのね」

 

克美「こうやって私達に会いに来たって事は・・・・・・まさか光太郎さん!」

 

悟る克美、そんな克美の様子を受けて

 

杏子「死ぬかも知れないの?光太郎さん!」

 

杏子も悟る、二人の心配を受けて光太郎は笑う

 

光太郎「だーいじょうぶだって二人共!僕は絶対勝つよ!それに約束したじゃないか!帰って来るって!」

 

杏子「でも・・・・・・兄さんが死んでしまったのに、光太郎さんまで死んでしまったら・・・・・・」

 

光太郎の笑顔が無理をしている様に感じ、杏子は堪らず涙を浮かべる

 

克美「光太郎さん・・・・・・必ず、必ず帰って来て!」

 

克美は分かっている、本心は死ぬかも知れない場所に行かせたくない、だがどんなに二人で止めても光太郎は行くだろう、それが南光太郎と言う男だと、だからこそ克美は帰って来る事を約束させる、それが見守る事しか出来ない克美のただ一つの心配だった

 

光太郎「約束するよ!必ず、必ず帰って来る!だから杏子ちゃん、もう泣かないで・・・・・・」

 

そっと杏子の頭に手をのせ撫でる光太郎に杏子の涙は止むどころか大粒がいくつも頬へ流れて行く

 

杏子「絶対だよ?絶対帰って来てよ?」

 

子供の様に光太郎にすがり付き、光太郎の胸で涙を流す、杏子を撫でながら光太郎は克美に言う

 

光太郎「そろそろ行かなくちゃ、克美さん、杏子ちゃんをお願いします」

 

杏子を胸から離し、克美に杏子を預けた光太郎は二人に笑顔を向ける、何か言いたそうに口を動かすが言葉に出来ない

 

光太郎「・・・・・・じゃ、行ってきます!」

 

そう言った光太郎はすぐ背中を見せバイクに走っていく、バイクに乗った後も二人を見ずに走って行った、バイクで走る光太郎の背を二人は見つめ、静かに祈った

 

 

 

 

雄介「おやっさん!!」

 

ポレポレへ来た雄介は勢い良くドアを開ける

 

おやっさん「おぉ!雄介!どうした?」

 

雄介「いや、おやっさんにも会っとかないとって思って」

 

カウンターに座る雄介の言葉におやっさんの顔は曇る

 

おやっさん「・・・・・・戦いに行くのか?」

 

雄介「はい、0号と同じぐらい強い奴が出てきて、俺、クウガだから戦わないと」

 

おやっさん「クウガ・・・・・・か、そういえば、俺は最後まで気づかなかったなぁ、お前が4号だって事」

 

雄介「隠してたつもりは無かったんですけどね、おやっさん、俺がクウガだって知ってどうでした?」

 

おやっさん「そりゃあ驚いたさ、あの雄介が4号で未確認と戦ってた!?って・・・・・・同時に悲しかったよ、優しいお前が戦い続けてた事に・・・・・・」

 

二人に沈黙が流れる、思い出したようにコーヒーを作りながらおやっさんは話し出す

 

おやっさん「そうゆうの嫌いだったもんなお前、みんなに笑顔でいて欲しいって、色んな技覚えて・・・・・・似合って無いよ、お前に戦いは」

 

背を向けコーヒーを作るおやっさん、雄介にはその背が泣いている様にも感じ、顔を伏せる

 

雄介「確かに俺は戦いは好きじゃ無いです、でも、それ以上に誰かの涙は見たくないんです、みんなに笑顔でいて欲しいから、だから戦ったんです」

 

おやっさん「そうだよなぁ・・・・・・お前はそうゆう奴だもんなぁ・・・・・・ほら雄介!これ新作のコーヒーだ!名付けてアルティメットクウガブレンド!」

 

笑顔を作り雄介にコーヒーを差し出す

 

雄介「名前長く無いっすか?それにアルティメットって・・・・・・うまっ!これうまいっすよおやっさん!」

 

賛美の言葉に更に笑顔になるおやっさん、雄介も夢中で飲んでいる

 

おやっさん「行ってこい雄介」

 

多くは語らない、だがその一言には想いが込められていた、帰って来いと

 

雄介「はい!おやっさん!ご馳走様でした、売れますよこれ!名前はあれだけど・・・・・・奈々ちゃんにもよろしく言っといてください!行ってきます!」

 

カランカランとドアが音を立て、雄介は出ていった、コーヒーカップを片付けながらおやっさんは小さく呟く、頑張れよと

 

 

 

光太郎はホテルに帰っていた、光太郎がロビーに入ると自身を呼ぶ声が聞こえ、声の主を探す

 

光太郎「沢渡さん!」

 

桜子「一条さんから聞きました、今、お時間大丈夫ですか?」

 

二人は光太郎の部屋に入り、テーブルを挟み座る

 

光太郎「どうしたんですか?突然?」

 

桜子「一条さんから聞きました、0号と同じぐらい強いグロンギと戦うって!大丈夫なんですか?五代君いなくなっちゃったりしませんよね?」

 

矢継ぎ早に質問する桜子、そんな桜子の様子に光太郎は察する

 

光太郎「落ち着いて下さい沢渡さん、五代君が心配なのはわかります、でもあなたがそんな様子だと五代君は困りますよ」

 

何とか桜子をなだめる光太郎、落ち着きを取り戻す桜子

 

桜子「すいません・・・・・・でも私、心配で・・・・・・今度こそ五代君が死んじゃうんじゃないかって・・・・・・」

 

頭を下げ、手を強く握る桜子

 

光太郎「大丈夫です!五代君は必ず僕が守ります!だから桜子さんは変わらず接してあげてください、五代君も今の沢渡さんは見たくないと思いますし」

 

桜子「そう・・・・・・ですね、ごめんなさい、五代君の心配ばっかりして南さんの事、何も考えてなかったですね、南さんも必ず帰って来てくださいね」

 

光太郎「わかりました、約束します!さぁ、沢渡さんは戻った方が良い、五代君がもうすぐ来ると思いますよ」

 

桜子「はい、ありがとうございます南さん・・・・・・五代君の事、よろしくお願いします」

 

頭を深く下げて部屋を出る桜子を見て光太郎は、ふっと笑う

 

光太郎(負けられないな・・・・・・)

 

 

 

 

榎田「あら!五代君じゃない!どうしたの?」

 

雄介「榎田さん!ゴウラムありがとうございました!俺、0号と同じぐらい強い奴と戦うんで先にお礼に来ました!」

 

科学警察研究所に来た雄介は榎田を見つけ、礼を言う

 

榎田「私も聞いた、0号と同じぐらい強い奴が出たって、でも五代君なら大丈夫でしょ!それに今回は強い味方が居るんでしょ?尚更大丈夫でしょ!」

 

榎田は笑顔で五代に話す、彼女も0号の恐ろしさは知っている、だがここで弱気な言葉を吐いて不安を煽るのは良くないとわかっている榎田は軽口を叩いて雄介を鼓舞する

 

雄介「そうなんですよ!今回はすっごい強い味方がいるから大丈夫です!あ!そうそう、ジャンは何処にいるかわかります?」

 

榎田「ジャンはどこかの遺跡に行ってるわよ、確かドグマだかマグマだかの痕跡を調べるって言ってた、ジャンにはあたしから言っとくね、それよりあんたは桜子ちゃんの所に行かなきゃ!まだ行ってないんでしょ?」

 

雄介「なんでわかったんですか!?まだ桜子さんの所に行ってない事」

 

榎田「乙女の勘かな、さぁ行った行った!桜子ちゃんによろしくね!」

 

雄介の背中を叩く榎田、少し痛そうに榎田に笑顔を向ける

 

雄介「はい!行ってきます!榎田さんありがとうございました!」

 

走る雄介の背を見てうんうんと首を振る榎田は笑顔で所長室に戻っていった

 

 

 

 

封印の地

 

ゴラド(・・・・・・招かれざる客か)

 

周囲に気配を感じ顔を上げる、スッと立ち上がり声を荒げる

 

ゴラド「リントごときが俺に挑みに来た事は誉めてやろう!何処からでもかかってこい!」

 

ゴラドの声が辺りに響いた瞬間、銃声と共に大量の特殊部隊がゴラドを囲む

 

ゴラド「中々の武器だ、ゴの下位程度までには効くだろうな」

 

ゴラドを襲う銃弾はゴラドの皮膚に触れる事なく燃え尽きる、銃弾の薬品が燃え上がり青白い炎を放つ

 

ゴラド「・・・・・・」

 

「ぐわあああぁ!!」

 

ゴラドが手をかざすと回りの特殊部隊は次々と燃えていく、炎に焼かれ、倒れる

 

「バカな!耐火服だぞ!?」

 

他の隊員が焼死したのを見て驚く隊員

 

ゴラド「ふっ・・・・・・炎を出している訳ではない、そんな物では防げん」

 

「うわああああ!ああああああ!!」

 

悲鳴と炎が辺りを地獄絵図に変える、不敵に笑うゴラドは残る特殊部隊を燃やして行く

 

「あれを出せ!早くしろ!」

 

ゴラド「・・・・・・?」

 

闇の中から出てきたその物にゴラドは注視する、炎によって朧気に映し出されたその姿はクウガにもBLACKにも似た青い体を持つ物だった

 

ゴラド「リントはこんな物まで作れるのか」

 

ゴラドの前に現れた物、それはG3マイルド、アンノウンとの戦いの為に開発されたG3の量産試作型、アンノウンとの戦いの後、G3シリーズは解体されたが、解体を免れた三機のG3マイルドは警察の特殊部隊に接収され有事の際の切り札になっていた、今までの戦いに出なかったのは神出鬼没なグロンギの行動に間に合わなかったからである

 

ゴラド「・・・・・・どれ」

 

手をかざし一機を燃やす、炎を気にせず手に持つ銃器を構える、ゴラドが力を込めると一機は小刻みに震えだし炎を纏いながらその場に倒れた

 

ゴラド「マシなのは外側だけか」

 

ゴラドのこの能力は超自然発火能力、原子に干渉しプラズマ発火を起こす能力、原子に干渉するため、何処からでも発火させる事が出来る、例え耐火服だろうが特殊装甲であろうが内から燃やす事の出来るゴラドにはどんな高性能も無意味だった

 

ゴラド「少し遊ぶか」

 

残る二機に歩み寄るゴラド、二機は銃器を構え発砲するがゴラドの前で燃え尽きる、二機の内の一機の前に立ち、拳を打ち込んだ

 

ゴラド「ほぉ・・・・・・予想以上だな」

 

拳を打ち込んだ一機を見て呟く、打ち込まれた一機は健在であり、まだ戦えた、だが殴られた箇所が大きくへこみ、亀裂が入っている

 

ゴラド「・・・・・・」

 

ゴラドの肉体が変化し、異形となる、その姿に臆する事なく殴りかかる無傷のG3マイルド、だがその拳は空を切り動かなくなった

 

ゴラド「・・・・・・」

 

G3マイルドの装甲を中の体ごと貫き、引き抜いたゴラドは残る一機を見る、近づけずジリジリと後退する一機に歩み寄るゴラド、頭を掴まれ、地面に叩きつけられる、そして背の部分を踏み抜かれ、くの字に体が逆に反る

 

ゴラド「暇潰しにはなったな・・・・・・」

 

残る特殊部隊を視認したゴラドはゆっくりと歩いて行った

 

 

 

 

雄介「桜子さーん!ただいま!」

 

桜子「おかえり五代君!」

 

ソファーに座る雄介に桜子は一瞬顔が曇るがすぐに笑顔に戻す

 

桜子「ねぇ五代君、明日だね」

 

雄介「うん、任せといてよ!絶対勝つから!」

 

桜子「わかってる、五代君なら絶対勝てるよ!」

 

雄介「桜子さん・・・・・・約束するよ、絶対勝って帰って来るって」

 

突然の雄介の真剣な表情に桜子の心が揺れる

 

桜子「・・・・・・ホントは!五代君に戦って欲しくなんて無い!何で・・・・・・何で五代君なのよ・・・・・・」

 

抑えていた感情がせきをきって溢れだす、その瞳には涙が溢れる

 

雄介「俺だって戦いたくないよ、でもクウガになっちゃったから・・・・・・ごめん」

 

桜子「わかってる!わかってるけど・・・・・・五代君が居なくなる気がして!それで・・・・・・それで・・・・・・」

 

雄介「ごめん・・・・・・」

 

そっと抱き寄せ、胸を貸す雄介、その顔は苦い

 

雄介「桜子さん・・・待っててよ、絶対帰って来るから」

 

桜子「うん・・・・・・」

 

雄介「じゃあ・・・・・・行ってきます!」

 

桜子「行ってらっしゃい」

 

桜子に見送られ、雄介は研究室を出る、バイクに乗り走り出して数分後、一条からの無線が入った

 

 

 

 

 

雄介「すいません、遅くなりました」

 

一条に呼ばれ合流した雄介、既に光太郎も居る

 

光太郎「何かあったんですか?」

 

一条「ああ、ついさっき、警察の特殊部隊がC群4号、残るグロンギに攻撃を仕掛けたらしい」

 

雄介「えっ!?それでどうなったんですか!?」

 

一条「・・・・・・一名を残し全滅した、その一名も瀕死の重症を負っている」

 

雄介「そんな・・・・・・」

 

光太郎「何故攻撃を仕掛けたんですか?銃器では奴には勝てないのは分かってる筈です」

 

一条「すいません、我々捜査員には知らされていなかったんです、知っていれば反対したんですが・・・・・・」

 

光太郎「・・・・・・もうこれ以上の被害を出すわけにはいかない!」

 

雄介「一条さん!俺、絶対倒します!だからこっちの事、頼みます!」

 

一条「わかった、任せてくれ、それとゴルゴムの本拠地の近くの街にホテルを取ってある、使ってくれ、すまない、こんな事しか出来ない」

 

雄介「いえ、その気持ちだけで嬉しいです」

 

光太郎「すいません、使わせて貰います」

 

一条「五代、南さん、心苦しい願いですが、お願いします」

 

 

 

そして二人は走った、ホテルに着いた後、二人は眠りにつく

 

勝利を誓いながら




ドラマパートです、おやっさんの所が私的に良く出来た感があります。
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