ゴラド「それがダグバを倒した力か!!」
クウガを見据え、ゴラドは呟く、クウガから感じる力に自身の感情の昂りを感じる、一度落胆した感情は目の前から感じる強大な力に再び火をつけた、戦士としての感情は人間を殺す時とは違う、子どもの様な表情を作る
BLACK「!?・・・・・・これは?」
体に力を感じたBLACKはクウガを見て尋ねる、BLACKとクウガのベルトが淡い光を放つ
クウガ「今だけの一時的な物です、俺と南さんだから出来ました!!」
BLACK「そうか・・・・・・よし!!」
構えを取るBLACK、それを見て頷いたクウガも構える
ゴラド「ここからは戦士の戦いだ、覚悟を決めろ!俺も死ぬ覚悟は出来ている!」
BLACK「覚悟は最初から出来ている!」
クウガ「ハアァッ!!」
クウガの叫びをきっかけに対峙する戦士達は、その覚悟を拳にのせ打ち合う
ゴラド「・・・・・・!!」
クウガと打ち合った拳が弾かれる
ゴラド(強い!)
弾かれた反動を利用し、裏拳を放つ
BLACK「トアッ!」
裏拳をBLACKの蹴りが迎え打つ
ゴラド(こいつも力が増した!)
BLACKの蹴りはゴラドの裏拳を相殺する事は出来なかったが威力を多少殺す事が出来た
クウガ「ハッ!」
ゴラド「グウ!?」
威力の下がった裏拳を避けたクウガの拳が胸を打ち、後退する
ゴラド「・・・・・・いいぞ!戦いはこう有るべきだ!」
体に更に力を込め、ゴラドは叫ぶ
ゴラド「二対一を卑怯とは言わん!代わりに死力を尽くせ!行くぞぉ!」
猛る咆哮と共に駆けるゴラド、戦いは熾烈を極める、鮮血を散らし、骨は軋み、肉体は痛みに悲鳴を上げる
己と同等の力を持つ相手に、それに近しい力を持つ相手、二体を相手にゴラドは退かず、寧ろ拮抗していた、それは大きな差、クウガが自我を無くしていた時に打ち込まれた楔、その楔が本来圧倒的に不利なゴラドに今の状況を作り出していた
ゴラド「ハァッ・・・・・・ハァッ・・・・・・!!」
クウガ「グッ!?・・・・・・ハァッ・・・・・・!!」
BLACK「グゥ!?・・・・・・ハッ・・・・・・!!」
膝をつき、互いを睨み合う、同等の様ではあるが違いがある、それはBLACK、自分を超える力を持つ相手に攻撃は通じない、ならばクウガの援護をする、それがBLACKの出した結論、だが攻撃を受けぬ訳ではない、すべて避けれる訳でもない、受ければ例え防御していても多大なダメージを負う、この場で一番傷ついていたのはBLACKだった
BLACK(このまま戦い続ければ・・・・・・)
自身の体のダメージを元に考える
BLACK(・・・・・・例え僕が死んでも、五代君が勝てば・・・・・・それでも良い!それでも僕は・・・・・・構わない!!)
BLACK「・・・・・・!!」
ゴラドに向かい走る、それに呼応し、クウガも、ゴラドも走る
ゴラド「ヌアアアァ!!」
BLACKへ向け拳を放つ
BLACK「ウゥグ!?・・・・・・ご・・・・・・」
受け止めたBLACKは叫ぶ
BLACK「・・・・・・五代君!!」
友の名を
ゴラド「グ、アカッ・・・・・・!?」
クウガの拳がゴラドを打った
ゴラド「ウ・・・・・・アアアアアアァ!!」
クウガ「!!グアッ!?」
一瞬の静寂の後、ゴラドはクウガを殴り飛ばし、BLACKに掴みかかる
ゴラド「ハァッ!!」
掴んだBLACKを上空へ蹴り上げる、そして足に黒いエネルギーを纏いながら跳躍し、BLACKに追い付く
ゴラド「死ね、ゴルゴムの戦士!」
黒く燃え上がるその足でBLACKを蹴り抜いた
クウガ「あっ!?」
体勢を立て直したクウガが見たのは蹴り抜かれたBLACK、凄まじい勢いで森の中へ落下して行く様をクウガは見ている事しか出来なかった
ゴラド「後はお前だけだ・・・・・・グッ!?」
降りてきたゴラドは口から血を吐きながらクウガに話す
クウガ「ハァッ!ハァッ!・・・・・・!!」
拳を握り
クウガ「アアアアアアアァ!!」
残る力を振り絞り、ゴラドに一人立ち向かって行った
光太郎「ウグァ!?・・・・・・カッ!?・・・・・・ゴホッ!!」
気絶していた光太郎は自分を襲う激痛に目を覚ます
光太郎(こ、ここは・・・・・・?)
痛みを堪えながら回りを確認する、回りは瓦礫や岩が散乱している、ここは洞窟内のようだ、天井を見上げるとうっすらと明かりが見える、相当な深さを突き抜けたのだろう
光太郎「ウグッ!?」
既に変身は解け、その体は傷付き血塗れ、いかに改造人間と言えども生きているのが不思議な状態
光太郎「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
息も絶え絶えながらも辺りを注意深く確認する
光太郎(ここは・・・・・・ゴルゴムの神殿・・・・・・)
光太郎が落ちた場所、そこはゴルゴムの本拠地、落盤で入れなかったその場所にゴラドの一撃で地上から突き抜けて来ていた
光太郎「グッ・・・・・・!!」
立つことすら出来ない光太郎は地を這いながらある場所に進む
光太郎「の、信彦・・・・・・」
光太郎が向かった場所は、親友・信彦であり宿敵・シャドームーンの眠る場所、落盤により全貌は見えないが、錆び付いた顔と片腕、そして輝きを失ったキングストーンが見えていた
光太郎「すまない・・・・・・お前を殺してまで人間を守ろうとしたのに・・・・・・僕には・・・・・・出来なかった」
信彦の亡骸に涙を流し話す光太郎、しかし亡骸は何も反応せず、光太郎の独白に終わる
光太郎「向こうへ行ったら・・・・・・またお前とスポーツとかしたいな・・・・・・」
光太郎の命の灯火が消えかかる、信彦に寄り添う様に目を閉じた
薄れ行く意識の中、体に違和感を覚え、そっと目を覚ました
光太郎「これは・・・・・・」
目を覚ました光太郎の回りには光の粒子が現れており、光太郎に吸収されていく
光太郎(痛みが和らいだ・・・・・・傷も少しだが回復している・・・・・・一体これは?)
「ブラックサンよ」
謎の現象に思考を巡らせていた光太郎に謎の声がかかる
光太郎「その声は・・・・・・創世王!!」
声の主、それは今は亡きゴルゴムの守護神であり、支配者、五万年前にゴルゴムの首魁になった者
光太郎「お前は僕が倒した筈だ!何故生きている!」
創世王は自分にゴルゴムと共に倒された者、それが生きている事が光太郎は信じられない
創世王「余はお前に言った筈だ、人間の心に悪が有る限り、必ず甦る、と」
光太郎「そんな・・・・・・馬鹿な!」
尚も創世王が甦った事を信じない光太郎、気にせず創世王は話を進める
創世王「甦ったと言ったがまだまだ力は足りていない、お前を癒し、話しかける事ぐらいしか出来ぬ」
光太郎「何のために僕を回復した!」
創世王「奴を・・・・・・グロンギを倒してもらう為だ」
光太郎「なに!?」
創世王がグロンギを倒させる為に自分を回復させた事に驚きを見せる
光太郎「何故だ!」
創世王「・・・・・・余が復活出来ぬからだ」
光太郎「何!?どういう事だ!?」
創世王「先程言ったが、余が復活するには人間の悪が必要になる、だがお前が余を倒した後も人間を脅かす存在が現れた、そうグロンギやアンノウンだ、奴等のお陰で人間は悪より恐怖が強くなった、それ故に余は未だこの程度の事しか出来ぬのだ」
光太郎「そんな事はさせない!」
創世王「・・・・・・ならば今戦っておる霊石の戦士に全てを賭けるのか?もし奴が倒されれば間違いなく人間は皆殺しにされるであろう」
光太郎「くっ・・・・・・だが・・・・・・」
創世王「今からでも遅くはない、シャドームーンのキングストーンを抉り出し、融合させるのだ、そうすればお前は霊石を超える力を手に入れる事が出来る」
光太郎「・・・・・・そんな事は・・・・・・出来ない・・・・・・」
創世王「まだそんな事を言っているのか!このままでは人間は皆殺しにされるのだぞ!お前がゴルゴムを裏切り、人間に組みしたのは何の為だ!」
光太郎「それでも僕は!!・・・・・・信彦のキングストーンを奪う事は・・・・・・出来ない・・・・・・」
拳を握り締め、葛藤する光太郎、人間を守ると決めた事ではあったが、その為に親友を利用する事は光太郎の心が許さなかった、人類の未来と親友をかけた天秤は揺れた末に親友を選んだ
創世王「・・・・・・どうしてもシャドームーンのキングストーンは使わぬと言う気か?」
光太郎「そうだ・・・・・・信彦のキングストーンは奪わない」
創世王「・・・・・・愚かな・・・・・・」
瓦礫をどけ、外に出ようとする光太郎に創世王が呟いたと同時に光太郎の体は強い光に包まれる
光太郎「何をする気だ!」
創世王「余の残る力をお前にやろう、戦いが終われば消える程の力だが無いよりはマシだろう」
光太郎「何故そこまで・・・・・・」
創世王「言った筈だ、人間なくして余の復活は無いと、余が再び復活した時には、ブラックサン、その時は命は無いと思え・・・・・・」
光太郎「わかった、その時は受けて立つ!」
創世王の言葉の後に光が強く輝く、光が収まった後にはBLACKが立っていた
BLACK「信彦・・・・・・」
シャドームーンの亡骸を見てBLACKはシャドームーンの最後の言葉を思い出す
「お前は一生苦しむ事になるんだ、親友を、この信彦を抹殺したんだからな、永久に苦しんで生きていくが良い」
BLACK「もう大丈夫だ信彦・・・・・・行ってくる」
別れの言葉と共に天井の穴に跳躍したBLACKは直ぐ見えなくなる、そして生きる者の居なくなった神殿で、シャドームーンのキングストーンが仄かに光を放っていた
クウガ「ウッ!?・・・・・・ガッ・・・・・・ハァッ・・・・・・ハァッ!」
ゴラド「ゼェ・・・・・・ゼェ・・・・・・ふっ・・・・・・」
BLACKがゴルゴムの神殿に居た間も二人は戦っていた、体は傷付き、大量に流した血、二人に当初の力は既に無い、それでも互いの信念と誇りの為の戦いは終わらなかった
ゴラド「ほんの少しの差だが・・・・・・俺の勝ちだ」
クウガ「グッ・・・・・・フゥ!?・・・・・・!!」
立つ足がしっかりせずガクガクと震えるクウガは堪えきれず膝をつく、まだ戦える、心はそう言っているが体がついてこない
ゴラド「終わりだ、良い時間を過ごせた」
ふらつきながらもクウガに歩み寄るゴラド
「待てっ!」
声に動きを止め振り返るゴラド、クウガも声の方向に向く
ゴラド「生きていたのか」
クウガ「み、南さん!」
戻ってきたBLACK、クウガも喜びの声を上げる
ゴラド「しつこい奴だ」
BLACK「トォア!」
ゴラドに向かい跳躍し攻撃を仕掛けるBLACK
ゴラド「・・・・・・クッ!?」
攻撃を受けよろめく、BLACKに攻撃するが受け止められる
ゴラド「ヌアアアァ!!」
互いに一進一退の攻防が続く、実はBLACKは力が上がっている訳ではない、体を回復しただけで力は以前と変わらない、完全に癒えてない分力は劣る、なのに力が拮抗しているのはゴラドが受けたダメージがその力を大きく下げていたからだ
BLACK「グアッ!!」
ゴラドの攻撃が当り、大きく後退するBLACK、弱体化してなおBLACKに有利に戦うゴラド
BLACK「クソォ!」
クウガに大幅に削られ、完全とはいかずとも回復した力でさえ倒せぬゴラドにBLACKは悔やむ
BLACK(後・・・・・・後少しなんだ!信彦!俺に力を貸してくれ!)
BLACKが祈ったその時、不思議な事が起こった、キングストーンが何かと共鳴し、空に光の粒子が集まっていく、粒子が集束し、物体が出現する、それはBLACKの目の前で突き刺さる
BLACK「サタン・・・・・・サーベル・・・・・・」
出現した物、それはサタンサーベル、キングストーンと共に創世王の証とされる魔剣、世紀王シャドームーンの武器として使用され、ゴルゴムの壊滅と共に空に消えた武器
BLACK「信彦・・・・・・!!」
サタンサーベルを手に持ち構える
BLACK「オオオォ!!」
咆哮と共に投げられるサタンサーベル
ゴラド「!?・・・・・・ゴハッ!!」
サタンサーベルはゴラドのベルトに直撃し、亀裂を作り切っ先を食い込ませていた
ゴラド「グッ・・・ゴフッ!?お・・・のれ・・・・・・」
力の源であるベルトに亀裂を作られ苦痛に悶える
BLACK「五代君!行けるか?」
クウガ「後、一発くらいなら!」
BLACK「よし!これで終わりにするぞ!行くぞ!」
構えを取り、右足に全てのエネルギーを集めるBLACK
クウガ「ハアアアアア!!」
同じく構えを取り、両足にエネルギーを集めるクウガ
「トォウ!」「ハッ!」
同時に跳躍する
ゴラド「ヌアアアアアアアアアア!!」
右腕に残る全てのエネルギーを集めるゴラド
「ライダァァァァァ!キィィィィィック!!」
「ハアアアアァァァァァ!!」
ぶつかり合う最後の攻撃、互いに一歩も退かず、激しいエネルギーのぶつかりに大地が震動する
「オリャアアアアァァァ!!」
凄まじい轟音が鳴り響き、辺りに衝撃が飛ぶ
大量の砂鉾が舞い、その勝敗を覆い隠していた
砂鉾が晴れていき、徐々に三人の様子を映し出す
BLACK「・・・・・・」
クウガ「・・・・・・」
ゴラド「・・・・・・見事だ・・・・・・俺の・・・・・・負けだ」
映し出されたのはサタンサーベルをベルトに貫通させたゴラド、その体に戦う力は無く、静かに二人の戦士を見ている
ゴラド「これから先もリントは様々な脅威に晒されるだろう・・・・・・お前達が・・・・・・守れよ」
BLACK「わかった」
クウガ「約束する」
ゴラド「良い戦いだった・・・・・・お前達に敗れるなら俺も本望だ・・・・・・さらばだ」
ゴラドのベルトが音を立て崩壊していく、同時に肉体にも亀裂が入り、肉体が裂けて行く、一瞬、満足な顔をしたゴラドはその瞬間巨大な火柱を上げ、天を衝いた
空を覆っていた暗雲はゴラドの火柱によって巨大な穴を開け、広がって行く、そして太陽の光が辺りを強く照らした
雄介「終わりましたね!」
光太郎「ああ!全て終わった・・・・・・」
話ながら光太郎は視線を雄介から移し、歩き出す、その先はゴラドの死んだ場所に刺さるサタンサーベル
光太郎「ありがとう・・・・・・信彦!」
サタンサーベルを手に取り、感謝の言葉と共に祈る
光太郎「さらばだ!信彦!」
サタンサーベルを空に投げる、いつかの時と同じ様に宙で粒子となり空にサタンサーベルは消える
雄介「帰りましょう!南さん!」
よろめきながらも笑顔の雄介は光太郎にサムズアップを行う
光太郎「ああ・・・・・・・・・・・・ゴフッ!!」
突然血を吐く光太郎、雄介に微笑み、ゆっくりと倒れた
雄介「南さん!?しっかりしてください!南さん!南さーーーん!!」
光太郎の視界は徐々に闇に染まって行き、やがて何も見えなくなった・・・・・・
終わりです。