光太郎がゴルゴムの本拠地へと向かった時と前後し
空港に一人の男が帰ってきた
?「2年ぶりかぁ久しぶりだなぁ」
大きく伸びをする男はそう言って歩き始める
?「皆元気かな……ん?」
ふと見ると男の子が大粒の涙を流し泣いていた、迷子なのだろう、男はふっと笑顔を作り男の子に近づく
?「どーしたの?お父さんやお母さんとはぐれたの?」
子「お父さんお母さんいなくなっちゃったぁ」
声を荒げ泣く男の子それを見てなおも笑顔を絶やさず
?「大丈夫!お兄ちゃんが一緒に探してあげるよ!ほら行こう!」
男の子に手を差し伸べながら男は言う
子「お兄ちゃんは?」
手を取りながらの男の子の言葉足らずな言葉、きっと名前を知りたいのだろう
?「俺は五代雄介!2000個の技を持ってるんだ」
男は答える、五代雄介、未確認生命体4号と呼ばれ自身をクウガと名乗りかつて封印の解かれたグロンギと死闘を繰り広げた男、人々の笑顔の為に戦い、伝説を塗り替え勝利した男
子「お兄ちゃん!バイバーイ!」
無事両親を見つけれた男の子に手を振り雄介は歩きだす
雄介「まずは椿さんかな」
雄介は空港に保管されていた、愛車ビートチェイサーに乗り込む、高性能バイクゆえか、誰か整備していたのかエンジンはスムーズにかかり、雄介を乗せて駆けていった
椿「五代!!」
雄介「椿さん!!」
関東医大病院にて再会した二人、お互い抱き合い再会を喜び合う
椿秀一、関東医大病院の医師にして雄介の世界ただ一人の主治医、未確認生命体の事件の際被害者の解剖医としても活躍し事件解決に大きく貢献した、後のアンノウン事件でも陰ながら協力していた
椿「お前が冒険に出てから大変だったんだぞ?アンノウンなんて奴らが現れてまた騒動があったんだ、お前に似た奴や警察の活躍で解決は出来たがな」
椿はレントゲン写真を貼り付けながら雄介に語りかける、雄介は体に異常はないが再会も兼ねて検査して貰うつもりだった
五代雄介の体内にはアマダムと呼ばれる霊石が宿っている、アマダムの力により雄介はクウガとなる事ができる、だが雄介の神経と同化しており摘出は不可能となっていた
雄介「えっ?アンノウン?なんですかそれ?」
雄介は聞いた事の無い単語に首を傾げる
椿「やっぱり知らなかったか、冒険してたもんなお前、アンノウンてのはな……」
椿はアンノウン事件を知っている限り話した、未確認とは別の怪物であること、クウガと似た存在が居た事、知りうる限りの話をした、雄介は嬉しそうな顔をしたあと悲しい表情を作った、椿はわかっていた、この優しい男が自分のように戦う宿命を良しとしないと……さっきの笑顔は仲間が出来た嬉しさなのだろう、だがすぐにその境遇に悲しみを感じたのだろうと
椿「まぁなんだ、レントゲン見たがベルトも修復してるし大丈夫だ、ところで桜子さんには会ったのか?」
雄介の悲しい顔を見かねた椿が話題を振る
雄介「いえ、これから行くつもりでした」
雄介の返事を聞いた椿の表情が激変した
椿「バカ野郎!なんで最初に行かないんだ!俺なんかより先に桜子さんの方が先だろうが!!」
椿の怒声にたじろぐ雄介、直感で感じた、また振られたのだろうと……
雄介「いや、その……つ、椿さんは掛かり付けだから……その……」
椿「良いから早く行け、彼女お前が冒険に出てからずっと窓開けたまま待ってるんだぞ?俺なんか入る隙間なんて無いんだよ」
椿の諭すような言い方に雄介はニッコリと笑顔を作り立ち上がる
雄介「はい!椿さんありがとうございました!行ってきます!」
椿「五代!さっきはああ言っちまったが俺の所に最初に来てくれた事は嬉しい、いつでも見せにこい、桜子さんや一条によろしくな!」
雄介「はい!」
椿に見送られ雄介はバイクで駆けていった
城南大学・考古学研究室
沢渡桜子は自身のデスクから窓を眺めていた
桜子「いつ帰ってくんのよ……」
桜子はため息をつく
沢渡桜子、城南大学・考古学研究室所属の大学院生、雄介とは大学時代の友人である、グロンギ事件の際に古代文字の解読にあたり事件の解決に大きく貢献した、雄介の事はとても心配しており彼の無事をいつも願っている、アンノウン事件には関与していない、現在は院を卒業し助教授として研究室にいた
お気に入りのブラックコーヒーを一口飲んでパソコンへ向きなおす、見ていたのは眉唾物の結社の資料、太古より存在し人類の歴史を裏から操っていたとされている物だ
資料を読みふける桜子の背後に忍び寄る謎の影があった
桜子「五代君!なんで普通に入ってこれ…ない……の?」
桜子は当たり前の様に言った自分の言葉に違和感を覚えて振り返った
雄介「相っ変わらず鋭いね!桜子さん」
目の前に居たのは冒険に出た友人、無事を祈り続けた友人、会いたかった友人……桜子は気付くと泣いていた
雄介「ちょちょ!?桜子さん?」
慌てる雄介、彼も泣かれるとは思っていなかった
桜子「連絡もしないで……もぅ……」
涙を流しながら笑顔作る、そして……
桜子「おかえり」
雄介「うん、ただいま」
その日は夜遅くまで語り合った、冒険の事、友人達の事
次の日、オフだった桜子を連れてポレポレへと向かいおやじさんに挨拶をした後妹のみのりの働く保育園へ向かった後、雄介のバイクで長野県警へと向かった
二人乗りをして走っている最中、反対車線から来たバイクとすれ違う
ドクン
体内にあるアマダムが反応し雄介はバイクを停めた
桜子「どうしたの?」
桜子は怪訝な顔で雄介を見る
雄介「いや……何でもないよ」
すれ違ったバイクを見ながら雄介は答える、そして再び走り始めた
すれ違ったバイクは避難所に停まり振り返る
光太郎「今のは……」
長野県警・刑事科
事務員「一条さん!面会ですよ!」
刑事科を高い声が響いた
一条「面会?」
デスクワークをしていた男が立ち上がる
一条薫
長野県警の刑事、未確認生命体の事件捜査にあたった男、その時五代雄介と出会う、彼と協力しながら未確認生命体を殲滅する事に成功した、事件を追う毎に彼との間に友情が芽生えるが彼が戦う事を苦悩する優しい男でもある
事務員「えぇ、身分確認をしようとしたら会えばわかると伝えろと言われまして」
事務員の話を聞いて一条は椿を連想した
一条(また振られたのか……)
一条「わかった、おそらく私の友人だ行ってこよう、君ありがとう」
一条は刑事科を出て一階のホールへ向かった
ホールについた一条は椿の姿を探すが見当たらない、イタズラか?と思っていると
桜子「一条さん!」
一条「沢渡さん!」
桜子が一条の名を呼び、一条は桜子を確認すると駆け寄って行った
一条「お久し振りです、まさか沢渡さんだったとは……てっきり椿の奴かと」
桜子「お久し振りです一条さん、いえ、私は普通にしろって言ったんですが……」
挨拶を交わした桜子の顔が少し歪む
一条「?」
一条が桜子を見て首を傾げていると背後から何者かに抱きつかれた
一条「うぉ!?」
一条は突然の出来事に驚いた、しかし驚いたのは一瞬ですぐに拘束を解き下手人を押さえつけた、体に染み付いた逮捕術がとっさに反応したのだ
雄介「痛い痛い!一条さんギブ!」
一条「五代!」
痛がる下手人を見ると知った顔、それもある意味恩人とも言える友人だった
一条「五代!いつ帰ってきたんだ!」
拘束をほどき喜びの声で話す一条
雄介「いてて……昨日です一条さん、元気そうですね痛いほどわかりました」
雄介が痛めた箇所を押さえながら話す
一条「お前がイタズラなんてするからだ」
桜子「もぉだから言ったのに」
三人は笑った
雄介「俺しばらく居るつもりですけど一条さん時間あります?ポレポレでみんな集めてパーティーやりませんか?」
一条「パーティーか、たまにはいいかもしれんな、有休も溜まってるしな」
雄介「やった!」
雄介が喜んでいると、警官が一条のもとに駆け寄ってきた
警官「一条さん……」
警官が一条に耳打ちをする、一条の顔が真剣な表情に変わる
一条「わかった直ぐ向かう」
警官が去った後一条は申し訳なさそうに雄介達を見た
一条「すまない、用事が出来てしまった、パーティーの件は私抜きでやってくれ」
雄介「事件ですか?」
雄介も真剣な顔で話す
一条「いやまだ事件と決まったわけじゃない、連絡の取れない家族を心配した通報だ……誘拐の可能性もある、すまないが私は行く、五代!時間が出来たら話そう、元気そうで良かった、沢渡さんもまた……」
そう言うと一条は駆けて行った
桜子「残念だね、一条さん」
雄介「しょうがないよ一条さんだもん、パーティーはやっぱり一条さんも居て欲しいから落ち着いてからにしようよ」
桜子「そうだね」
県警を出ながら話す二人、雄介は何か嫌な予感を感じ空を見た
太陽も青空も見れぬほど暗雲で覆われていた
雄介編は光太郎編に比べ長くなってしまいました、クウガは人間ドラマも濃いので必然的に雄介との関わりが深くなるのでこうなりました、桜子さんとの絡みは絶対に必要と思うほど私の中で大事な関わりと思っています。
光太郎・雄介編が終わったのでいよいよ物語が動き始めます。