仮面ライダー 黒陽伝説   作:黒太陽

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前兆

雄介「ほんっとーにすいません!」

 

手を合わせ必死に謝る雄介

 

光太郎「気にしなくて良いよ、あの状況じゃ誰でも勘違いするさ」

 

笑って応える光太郎

 

あの後、一条に誤解を解かれた雄介は戦いを止めずっと謝っていた、光太郎も苦笑するほどの謝りっぷりに一条も苦笑する

 

雄介「しっかし、凄いですね南さん!赤の金のクウガでも互角なんて!いや・・・なんかまだ余裕があった感じもするな」

 

光太郎「五代君にも驚かされたよ、あんなに変わったりするのは初めてだ、それに君もまだ奥の手があるように感じたけどどうなんだい?」

 

雄介「えぇまぁあるにはあるんですけど・・・あんまり使いたくは無いですね」

 

一条「すまない、話が盛り上がっている所すまないが私達は行く、今後の対策を練らないといけない」

 

二人の会話に一条が口を挟む

 

雄介「わかりました一条さん、なんかあったら連絡下さい、すぐ駆けつけます!」

 

一条「わかった、五代・・・また迷惑を掛けてしまうな・・・すまない・・・」

 

雄介「大丈夫です!俺、クウガですから!」

 

そう言って親指を立てる雄介、ふっと笑う一条

 

一条「南さん、貴方も戦われるんですか?」

 

雄介から視線を光太郎に移した一条が問う

 

光太郎「えぇ、そのつもりです」

 

一条「なら出来れば五代と一緒に居てください、こちらから五代に連絡が行くので側にいれば情報は早いと思います、それとあなたの事は報告しておこうと思います、しない方が良いと思いましたがグロンギと区別をつけるためあなたの身体特徴など伝えておきます、これで怪人に間違われるような誤解は減ると思います」

 

光太郎「わかりました、お気遣い感謝します、では五代君と行動します、色々と気になる事もあるので」

 

一条「協力感謝します・・・ではお願いします」

 

頭を下げた後、刑事と共に歩き出す一条達を見送り、残る二人も歩き出す

 

雄介「じゃあ俺達も行きましょう、良い店知ってるんでそこ行きましょう、迷惑掛けたんで奢りますよ」

 

光太郎「いや、そこまでしなくて良いよ五代君」

 

雄介「良いから行きましょう」

 

雄介の笑顔に光太郎の顔も綻んだ、二人はバイク股がり廃工場を後にした

 

 

 

 

山中に一つの影が動く、影は少し引きずる様に進む、進む影が微光を放つと影は大柄な男に変わる

 

ジザイ「クソッ!あの野郎・・・」

 

座り込みながら呟くジザイ、体の痛みに耐えながら思考を巡らす

 

ジザイ(絶対に殺す・・・だが今は回復と報告が先か・・・少し休んだらゴラドの所に向かうか)

 

訪れかけている夜が静かにジザイを闇へ同化させていった

 

 

封印の地より数キロ離れた町にある男が居た、男の体型は細く成人男性としては病弱かと思うほど痩せていた、男の名はベベビ、四人のグロンギの内の一人、男は夜の町に紛れ獲物を探していた

 

ベベビ(リントがウジャウジャいるな・・・フフ・・・これだけいれば当分退屈せずにすみそうだ)

 

街の喧騒を眺めながらベベビは口元を吊り上げる

 

ベベビ(情報収集はグルイとジザイに任せるか、グルイがいればなんとかなるだろう・・・その間は楽しむか・・・フフフ・・・)

 

ベベビは街を歩く女性に声を掛け路地裏に入っていった、しばらくした後、路地裏からべべビが満足そうに出てくる、しかしいくら待っても女性が戻ることはなかった

 

 

翌日、路地裏から女性の死体が発見された

 

 

 

 

雄介と光太郎は別れていた、戻って来たのが夜だったため明日会うと約束し光太郎は近くのホテルへ雄介は研究室へ帰っていた

 

雄介「ただいま!聞いてよ桜子さん!凄いんだって!」

 

帰るなり子供のようにはしゃぐ雄介に少し呆れたようにお帰りと言う桜子、雄介の話を遅くまで聞いた後二人は眠りについた

 

翌朝、起きた二人は光太郎の泊まるホテルへ向かう、光太郎と合流した二人は桜子を紹介し、ポレポレへと向かった

 

おやっさん「いらっしゃい!おぉ雄介と桜子ちゃんか!ん?そちらの男前さんは?」

 

おやっさんに光太郎を紹介し席に座る三人、食事をしながら昨日の出来事について話し合った

 

桜子「うーん・・・南さんの話を聞く限りじゃグロンギで間違いないと思う、それより五代君のベルトと南さんのベルトが光ったのが気になる・・・共鳴だと思うんだけど・・・南さん、そのキングストーンについて教えて貰えますか?」

 

桜子は難しい顔をして考える

 

光太郎「僕もキングストーンについてはよくわかっていないんです、不思議な力はあるのはわかるんですが・・・ゴルゴムは壊滅しましたし」

 

桜子「ゴルゴム・・・?あっ!ちょっとまって!」

 

光太郎の言葉を聞いて何か頭に引っ掛かった桜子は考える

 

桜子「思いだした、最近読んだんだ!ゴルゴムって暗黒結社の資料!ホントだったんだアレ・・・」

 

雄介「ゴルゴムって何?」

 

話についていけない雄介はしきりに首を傾げている

 

桜子「また今度話すね、とにかく今はわからない事だらけね・・・南さん、私の方でもゴルゴムについて調べてみます」

 

光太郎「すいません、お願いします」

 

桜子「じゃあ私は行くね、何かわかったら連絡するから、御馳走様でした!」

 

そう言って桜子は足早に出ていった、残される二人

 

雄介「相変わらずだなぁ桜子さん・・・」

 

笑いながら呟く雄介

 

雄介「南さん、聞いていいですか?」

 

桜子を見送った雄介は神妙な顔で光太郎に向きなおす

 

光太郎「なんだい?」

 

光太郎も真剣な話だと感じ雄介を真っ直ぐ見つめる

 

雄介「南さんは戦うの辛くないですか?」

 

雄介の質問に光太郎は瞬時に悟った

 

光太郎(そうか・・・彼も戦いに苦悩を持っているのか・・・)

 

光太郎「辛いさ・・・五代君と同じように・・・」

 

光太郎は話した、自分が改造された事、戦いの末に親友を殺してしまった事、仲間と異なる時間を生きる苦悩を

 

光太郎「何度も挫けそうになったさ・・・戦いが終われば僕には存在理由が無いんじゃないかってね、それでも戦い続けれたのは人間を守りたいから、人間が好きだから今もこうしてここに居られる、そのおかげで五代君みたいに人間を守る人に出会えた、嬉しいさ、僕独りじゃないってね」

 

光太郎の話に雄介はまるで苦虫を噛み潰したような表情で光太郎を見ていた

 

雄介(この人は俺なんかよりよっぽど苦しい目にあってたのか・・・この人に比べたら俺なんて幸せな方じゃないか・・・)

 

雄介「すいません・・・嫌な事を話させてしまって」

 

光太郎「いいさ、僕もいつかは消化しないといけない事だ、それより五代君、僕達も見回りにいかないか?じっと連絡を待つのは苦手なんだ」

 

雄介「わかりました!行きましょう南さん!」

 

話を終えた二人はおやっさんに挨拶し外に出る

 

光太郎「美味しかったよ、御馳走様、それに懐かしい感じがして嬉しかったよ」

 

光太郎は喫茶店キャピトラの事を思いだし笑みを向ける

 

雄介「でしょ!またいつでも食べに来てください!じゃあ南さん行きましょう!」

 

二台のバイクがポレポレを後にした

 

 

 

桜子「うーん・・・他にはないなぁ」

 

研究室に戻った桜子は資料を漁っていた、自分が読んでいたゴルゴムの資料は情報が少なく、参考に出来るものでは無かったので他の資料を探していた

 

桜子「あるのは都市伝説みたいなのしかないなぁ・・・」

 

溜息をついて椅子に座る桜子、手に持っていた資料を机に放る

 

桜子「どうしようか・・・」

 

桜子が途方にくれていると研究室のドアがノックされ一人の男性が入ってくる

 

桜子「ジャン!」

 

ジャン「桜子さん久し振り!」

 

ジャン・ミッシェル・ソレル、桜子と同じ大学院生で未確認事件の際ゴウラムの研究に力を貸した、現在は院を卒業し、知り合った考古学者の助手をしながら様々な遺跡などを巡っている

 

桜子「帰ってたんだ!どう?そっちは?」

 

ジャン「楽しいよ、ゴウラムみたいな凄い発見は無いけど新しい発見があって毎日とても楽しいね」

 

桜子「へぇ~面白そうだね!今度私も行ってみようかな」

 

ジャン「是非来てください!待ってますよ!あ!そうそう今日は桜子さんにお土産があるんですよ」

 

そう言ってジャンはバッグから封筒を取り出し桜子に渡す

 

桜子「なぁにこれ?」

 

桜子は受け取った封筒を見てジャンに聞く

 

ジャン「前に電話した時、桜子さん暗黒結社の資料見てるって言ってたでしょ?僕が先生と見つけて探索した場所がどうやらその暗黒結社の基地だったみたいでそこで見つけた資料なんだ、コピーだけどね」

 

桜子「えっ?」

 

桜子の時が止まった、探していた資料がこのタイミングでこんな簡単に手に入った事に驚いたからだ

 

ジャン「もしかしてもう興味無かった?」

 

桜子の様子にジャンが不安そうに聞いた

 

桜子「えっ!?ううん!そんな事無いよ、むしろすぐにでも欲しかったぐらい、ジャンありがと読ませてもらうね」

 

封筒を開け資料を取り出す桜子、資料はとても分厚く100枚はゆうに超えている事は数えずともわかった

 

ジャン「よかった、じゃあ僕は行くよ、先生と次の遺跡に行く約束があるから」

 

桜子「わかった、ジャンありがと!気をつけてね」

 

ジャンを見送った桜子は早速資料に目を通す、資料にはゴルゴムの活動記録や怪人についての事が記載されている

 

桜子「あった・・・」

 

桜子が望む項目を見つけ出した

 

「キングストーン」

ゴルゴムの至宝、次期創世王候補である世紀王の証にして力の源、その石は未知の部分が多くゴルゴムの科学力を持ってしても全貌を知ることは出来ていない、石の起こす奇跡に関しても条件・過程がわかっていない、使い手の意思が関係しているのではとされているがあくまで推測であり根拠は無い、太陽・月の二種類が存在するが基本的な性質は変わらない、キングストーン単体でも優れた力を持つがそれもキングストーン本来の力の一端であり、二つのキングストーンが揃う時、真の力が発揮されるとされる、キングストーンの全貌を知るのは我等が主である創世王様のみであろう

 

桜子「ゴルゴムもわかっていないみたいね・・・」

 

桜子は資料を次々と捲る

 

桜子「あっ!これね・・・」

 

「研究カテゴリー・グロンギ」と書かれる資料を見つけ目を通した、専門用語があり理解が困難な部分もあったがわかる範囲でノートに書き込んでいく

 

桜子「こんな所か」

 

書き出したノートを見て呟く、ノートに書かれていたのは、グロンギは霊石を力の源とする一族、精神の力に霊石が左右される事、キングストーンと共鳴したため同種・近似種の可能性を示唆する事、そしてはぐれグロンギと称された四体のグロンギがゴルゴムに攻め入り封印された事が書かれていた

 

桜子(まだ何かわかるかも)

 

ノートを確認した桜子は再び資料に目を通し始めた

 

 

 

 

ある街の一角、行き交う人混みの中に一際目立つ女性が居た、装飾品が多く付けられ露出の大きい服装を着た女性、一般的に美人とされるその女性は腕を組み壁にもたれ考え事をしていた

 

グルイ(情報が集まらない、それどころかゴルゴムすら知らないのがほとんどだ・・・)

 

力を使い何人かの記憶を読んだグルイだったがそのどれもが自分の望む情報を持っておらず辟易していた

 

グルイ(どうするか・・・)

 

思案していた彼女に突然声が掛かる

 

男「お姉さん暇してる?良かったら俺等と遊ばない?」

 

二人組みの男が話しかけてきた

 

グルイ「・・・・・」

 

無言で立ち去るグルイ

 

男「ちょちょ!?待ってよ・・・うわっ!」

 

立ち去るグルイの腕を掴んだ男だが巨木を引っ張るかの如くビクともせずグルイに引き摺られる形で地面を擦る

 

グルイ(チッ・・・非力なリントの振りをするのも難しいな)

 

男「お、お姉さん力強いね、ハハ・・」

 

立ち上がりながら話す男を見てグルイは無駄と知りつつも尋ねてみた

 

グルイ「この辺り・・・いや少し遠くても良いんですが昔の記録とか見れる場所知りませんか?」

 

突然の女性からの言葉に男達は少し慌てる

 

男「昔の記録・・・図書館?とか?いや、あんな所には無いか・・・」

 

男2「あっ!あそこにはあるんじゃね?俺等の大学のあれ・・なんてったっけ?」

 

男「あぁ!考古学研究室か!確かにあそこならあるかもな」

 

グルイ「その大学はなんて名前ですか?」

 

男「城南ですよ、城南大学!」

 

グルイ「そう・・・どうもありがとう」

 

礼を言うとグルイは踵を返し立ち止まる事無く歩いていった、呆気に取られた男達は互いに溜息を吐き顔を見合わせていた

 

コツコツとヒールを鳴らしながら歩くグルイは呟く

 

グルイ「城南大学・・・」

 

人混みの中に一体の魔物が消えていった




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