竈門炭治郎が栗花落カナヲに告白するまでの話   作:西尾和博

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竈門炭治郎が栗花落カナヲに告白するまでの話 5話

 三日後。

 待ちに待ったカナヲと買い物に行く日がやってきた。

 早くカナヲに会いたいという気持ちが募っているからか、蝶屋敷へ向かう足取りがいつもよりも軽く感じる。心の中には少なからず『上手くやれるだろうか?』という不安があるけど、宇髄さんに言われたことは全部きっちりと準備できているし、きっと上手くいくはずだ。

 そんなことを思いながら歩き続けていると、蝶屋敷が見えてきた。

 約束してた時間まではまだ少し時間があるけれど、遅刻するよりは早く着いておいた方がいいだろうし、このまま蝶屋敷に入るとしよう。

 

「失礼しまーす」

 

 そう言いながら蝶屋敷の門をくぐる。

 すると、玄関先で靴を履いているカナヲの姿を見つけた。

 服装は洋風の白いシャツに黒いスカートといういつもの組み合わせだけれど、今日はうっすらと化粧をしているのか、いつもよりも大人びて見える。

 多分、今日のためにおめかししてくれたんだろうな。今更後悔しても遅いけれど、俺も派手な恰好とまではいかないにしても、もう少し見た目に気を遣った方がよかったかもしれない。

 そんなことを思っていると、靴を履き終えたカナヲが俺に気付き、こちらに歩み寄ってきた。

 

「おはよう、炭治郎」

 

「うん、おはよう、カナヲ。今日は化粧してるんだね」

 

「う、うん! アオイがしてくれて……。へ、変じゃない……?」

 

「うん、変じゃないよ。似合ってると思う」

 

 本心からそう言うと、カナヲは頬を赤らめた後、ほっと安心したように息を吐いた。

 もしかしたら、カナヲも俺と同じように不安を抱えていたのかもしれないな。カナヲも異性と遊びに行くのは初めてだろうから。

 

「……あ、そっか」

 

 一拍遅れて、今更ながらに大事なことに気付く。

 そうだ。自分のことで頭がいっぱいになっていたから忘れてたけど、カナヲも異性と遊びに行くのは初めてなんだ。しかも、俺には宇随さんっていう相談相手がいたけれど、カナヲには恋愛相談できるような相手もいなかっただろうから、俺以上に不安なはず。なら、ここは俺がしっかりするべきだ。

 

「あのさ、カナヲ。準備が整ってるなら出発しようと思うんだけど、忘れ物とかは大丈夫?」

 

「うん、ちゃんと確認したから大丈夫だよ」

 

「そっか。じゃあ、少し早いけど行こうか」

 

「うん。今日はよろしくね」

 

「うん。こちらこそよろしく」

 

 そんな会話を交わした後、俺達は蝶屋敷を出た。

 長閑な風景の中、二人並んで街に向かって歩いていく。たったそれだけのことなのに、カナヲと二人で出かけるという状況がそうさせるのか、体温は上がり、心臓がドクンドクンと強く脈打っていた。

 ど、どうしよう? ついさっき、俺がしっかりしないといけないって思ったばっかりなのに、さっきから無言の時間が続いてしまってる。しかも、いつもなら何も考えなくても話題が出てくるのに、今日は考えても考えても何も思い浮かばないし……。どこかに話の種が転がってればいいんだけど……。

 そう思いながらきょろきょろと周囲を見回していると、カナオがくすっと微笑んだ。

 

「炭治郎、緊張してる?」

 

「え? あ、う、うん。二人でどこかに出かけるのは初めてだからかな?」

 

「かもしれないね。任務でも柱稽古でも、炭治郎とは会えなかったから」

 

「あー、確かに。柱稽古ではほとんどの隊員と顔を合わせれたのに、なぜかカナヲとは会えなかったからなぁ」

 

「会えなかったのは、炭治郎が怪我で出遅れてたからだと思うよ。炭治郎が参加した時には、私は風柱様のところまで進んでたから」

 

「え!? あの短期間で不死川さんのところまで行ってたの!?」

 

「うん。しのぶ姉さんに鍛えてもらっていたから、音柱様のところと霞柱様のところと恋柱様のところはすぐに合格できたの」

 

「へぇ~、そうなんだ。甘露寺さんのところでは、カナヲもあの変な服を着てたの?」

 

 興味本位でそう問いかけた瞬間、カナヲの表情がぴしっと凍り付いた。一応、にこにこと笑顔を浮かべているものの、先程まで漂わせていた友好的な匂いは消えている。というか、敵意の匂いがしていた。

 ……うん、これ以上この話題を続けるのはやめておいた方がよさそうだな。

 

「い、伊黒さんのところはどうだったの?」

 

 すぐさま話題を切り替えると、カナヲから敵意の匂いが消え、先程までの友好的な匂いが漂ってきた。

 

「蛇柱様のところは何日かかかったよ。障害物のせいで蛇柱様の動きが見えづらかったし、太刀筋も独特だったから」

 

「あー、伊黒さんの太刀筋、木刀とは思えないような曲がり方してたからなぁ。ちなみに、カナヲは伊黒さんに攻撃する時、仲間に当てたりはしなかった?」

 

「? 仲間に?」

 

 どういう意味? とでも言うように小首を傾げるカナヲ。

 

「あれ? 障害物に他の隊員が括られてたの、覚えてない?」

 

「障害物に、隊員……?」

 

 その光景が想像すらできないのか、怪訝そうに眉を顰めるカナヲ。

 あれ? この反応はもしや……。

 

「あのさ、カナヲ。カナヲが伊黒さんのところに行った時って、他には誰もいなかったの?」

 

「うん。多分、私が最初に辿り着いてたと思うよ」

 

「あ、なるほど……」

 

 それでか……。人がいなければ、そもそも括りつけようがないからなぁ。カナヲは良いタイミングで伊黒さんのところに行けたと思う。

 

「炭治郎の時はあの障害物に隊員が括りつけられてたの?」

 

「うん……。みんな、身動きできないようにロープで括りつけられた上、言葉を発せないように口元を包帯で封じられててさ。ただでさえあの状況で伊黒さんと戦うのは難しいのに、訓練中、ずっと『頼むから当てないでくれ!』っていう仲間達の心の声が聞こえてきて……。柱稽古の中で、精神的に一番きつかったのは伊黒さんのところだったと思う……」

 

「そ、そんなに大変だったんだ……」

 

「うん。でも、不死川さんのところよりは楽だったよ。不死川さん、反吐をぶちまけて失神するまで休憩させてくれなかったから」

 

「……え? そうなの?」

 

「うん。カナヲの時は違ったの?」

 

「うん。他に人がいなかったから二人でずっと手合わせしてたんだけど、休憩もちゃんと取ってくれたし、私の欠点とか悪い癖を見つける度に丁寧に指摘してくれたよ?」

 

「え!? 俺達には親の仇のごとく木刀を叩き込んできたのに!?」

 

「多分、カナエ姉さんにお世話になってたからだと思うよ。風柱様、しのぶ姉さんとは顔を合わす度に元気かどうか聞いてたし、私にも優しくしてくれてたから」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 不死川さんには申し訳ないけど、全然想像できないな。良い人だっていうことは理解してるけど、不死川さんはそういう一面をあまり表に出さない人だから……。いや、でも、少し前に禰豆子が『不死川さんが頭撫でてくれた』って喜んでた記憶があるし、鏑丸をカナヲに渡したりもしてたから、もしかしたら女の子には普通に優しいのかもしれない。

 

「ちなみに、カナヲが一番苦労したのは誰のところだったの?」

 

「岩柱様のところだよ。あそこまで力を使う訓練は、しのぶ姉さんからはされなかったから」

 

「あー、確かに悲鳴嶼さんのところもきつかったなぁ。岩を一町運ぶなんて、最初は絶対無理だと思ったし……。カナヲもあの岩を動かせたの?」

 

「ううん。挑戦してたんだけど、途中で岩柱様に止められたの。花の呼吸が柔軟性と瞬発力を使って威力を出すものである以上、必要以上の筋力を付けると逆効果になるから、って」

 

「へぇ~、そうなんだ! そういうこともあるんだね」

 

「最初の頃はそうしてたみたいだよ。人が増えてきたら、どうしても一人一人見ることはできなかったみたいだけどね」

 

 そう言って、懐かしむように柱稽古のことを語るカナヲ。

 その後も俺達は鬼殺隊の頃にいた話をずっとしていた。最初こそ話の種が出てこなかったけれど、話している内に緊張が解れたのか、考えるまでもなく次から次へと話が出てくる。

 カナヲと鬼殺隊にいた時の話をゆっくりしたことはなかったし、こういう話をできただけでも、カナヲと二人で出かけてよかったと思う。

 そんなことを思っていると、街が見えてきたところでカナヲが俺の袖を引いてきた。

 

「そういえば、今日はこれからどうするの?」

 

「ん? あ、そっか。まだ言ってなかったっけ。まずは、祝言に着ていく服を買いに行こうと思うんだ。俺はそういう服を持ってないから」

 

「そうなんだ。どういう服を買うつもりなの?」

 

「んー……。とりあえず、義勇さんより目立たなくて、禰豆子の結婚式の時にも着れるような服がいいかな」

 

「え!? 禰豆子ちゃん、結婚するの!?」

 

「いや、まだ決まってないよ。でも、そういう可能性はあるから備えておこうと思って」

 

「そっか。禰豆子ちゃん、結婚できるといいね」

 

「うん。俺も楽しみにしてる」

 

 そう言うと、カナヲはにこっと微笑んだ。

 そんな会話をしている内に街に到着。

 まだ昼前だから人通りが少ないかと思ったけれど、実際はそんなことはなく、既に多くの人が街を賑わせていた。お店の人の客引きの声や通行人の話し声、他にも車の音や路面電車の音などが入り乱れ、音の識別ができない状態になってしまっている。

 これは万が一カナヲとはぐれるようなことがあったら、合流できないかもしれないな……。

 そう思ったのはカナヲも同じだったのか、額に冷や汗を浮かべ、不安そうに俺の顔を見つめていた。

 カナヲは両目が見えづらいから、俺以上に不安が大きいんだろうな。こんな状態じゃ安心して楽しめないだろうし、何か絶対にはぐれないような方法があればいいんだけど……。他の人達はどうしてるんだろう?

 そう思いながら周囲を見回すと、親子連れの姿をいくつか見つけた。みんな、赤ん坊を抱きかかえていたり、背負ったり、絶対に離れないようにしている。

 あ、そうか。ああすればいいんだ。

 そう思いかけたところで、すぐに首を横に振る。

 いやいや、落ち着け。あれは赤ん坊だからできることだ。俺がカナヲをあんな風にしていたら、下手したら不審者扱いされかねないし、別の方法を探そう。

 そう思い直し、再び周囲に視線を向けると、恋人同士なのか、手を繋ぎながら歩いている男女の姿が目に入ってきた。お互いに指同士を絡ませ合っているため、たとえ二人の間を誰かが通ろうとしても、その手が離れることはなさそうに見える。

 あ、あれなら俺達にもできそうだな。

 

「あのさ、カナヲ。はぐれたら合流するのが難しそうだし、あの人達みたいに手を繋ぐのはどうかな?」

 

「……ふぇっ!? えっ!? て、手を、繋ぐの……?」

 

「うん。駄目かな?」

 

「だ、駄目ではないけど……」

 

 まさかそんなことを言われるとは思っていなかったのか、汗をだらだらと流しながら赤面するカナヲ。ただ、嫌がってる様子はなかったから、俺はカナヲの手を握り、カナヲの指と指の間に自分の指を絡ませた。

 

「じゃあ、行こうか」

 

「~~~っ!?」

 

 口をパクパクさせながら声にならない声を挙げるカナヲ。

 顔は耳まで真っ赤になっていて、手には汗が滲んでいるのが分かった。

 あぁ、可愛いなぁ。

 そう思いながらいっそう強くカナヲの手を握ると、繋いだ手からカナヲの柔らかい感触が伝わってきた。こんな風に恋人さながらに手を繋ぐのは初めてだからか、嬉しさのあまり、顔が発火しそうなくらい熱くなってくる。

 互いに何も言葉を発さぬまま、俺達はしばらく歩き続けた。蝶屋敷を出た後の無言の時間は気まずくて仕方なかったのに、今は逆に居心地が良いとさえ思える。それこそ、ずっとこの時間が続けばいいのに、と思うほどに。

 そんな時間を堪能している内に呉服店に到着。

 店の中には大量の服が展示されているだけで、人はほとんどいないため、手を繋ぎ続ける必要はなかったけれど、俺達は互いに離れようとはしなかった。

 そのことを嬉しく思いながら二人で服を物色していると、店の奥の方から店主さんであろう年配の女性が出てきた。

 

「何かお探しですか?」

 

「あ、はい。実は、祝言に着ていく服を探しておりまして……」

 

「祝言! そうですか。おめでとうございます。祝言用の服でしたら、あちらにありますよ」

 

 そう言って、指をさした方向に歩いていく店主さん。

 二人で店主さんの後ろを追っていくと、華やかな服がいっぱい展示されている場所に到着した。どれもこれも色鮮やかで、服の知識をほとんど持ち合わせていない俺でも、これらが高級なものであることが一目で分かる。

 その中でも一際目を引いたのが、白色が基調の、色鮮やかな華が描かれている着物だった。

 今回は義勇さん達が主役だから、こんな華やかな服を着てもらうわけにはいかないけれど、これはカナヲが着たら似合うだろうなぁ。

 そんなことを思いながらその着物を見つめていると、カナヲが俺の顔を覗き込んできた。

 

「その着物、気になるの?」

 

「うん。カナヲが着たら似合いそうだなぁ、って思って」

 

「え!? に、似合うかな?」

 

「似合うと思うよ。カナヲは美人だから」

 

「び、美人!? 私が!?」

 

「うん。言われたことない?」

 

 そう問いかけると、カナヲは勢いよく何度も左右に首を振った。どうやら本当にこんなことを言われたのは初めてだったらしい。

 綺麗な顔してるから、いろんな人から言われててもおかしくないと思うんだけどなぁ。…まぁ、今までは状況が状況だったし、ある意味当然なのかもしれないな。

 そんな会話をしていると、店主さんが問いかけてきた。

 

「そういうことでしたら、こちらにされますか?」

 

「え? あ、いえ、すみません。凄く綺麗な衣装だとは思うんですけど、主役じゃない人がこれを着るのはまずいような気がするので……」

 

「主役じゃない?」

 

「はい。俺達は参列するだけなので」

 

「あ、そうだったんですね! 失礼しました。仲睦まじく手を繋いでいたので、てっきりお二人の祝言かと……」

 

「え!? い、いや、俺達はまだそんな関係じゃ――」

 

 そこまで口にしたところで、言葉を止める。

 まだ。

 なら、いつになったら俺達の関係性は変わるんだろう? 明日? 来週? 来月? 来年? 一つ言えることは、待っていても寿命が迫ってくるだけで、状況は何一つ好転しないということだ。手にしたい未来があるのなら、自分の手で掴み取るしかない。

 そう思った瞬間、以前と同じように俺の理性の声が聞こえてきた。

 

『先が短いんだから、他の人と幸せになってもらった方がいいんじゃないかな?』

 

 そんなことない。俺が他の誰よりもカナヲを幸せにしてみせる。

 

『死んだ後、寂しい思いをさせちゃうんじゃないかな?』

 

 寂しい思いなんかさせない。父さんがそうしてくれたように、子供をいっぱい残せばいい。

 

『一人で子育てをするのは大変なんじゃないかな?』

 

 一人じゃない。みんながいる。みんなになら託せる。だから、もう大丈夫。

 

 そう思ったところで、理性の声が聞こえなくなった。

 気がかりがなくなったことで覚悟が決まる。

 

「あのさ、カナヲ。大事な話がしたいから、ちょっとだけ外で話せるかな?」

 

「え? うん。大丈夫だよ」

 

「ありがとう」

 

 そうお礼を告げ、カナヲの手を引いて店の外に出る。

 周囲には人がいっぱいいるけれど、誰も俺達のことを気にしている様子はないし、ここで話しても問題ないだろう。

 俺は大きく深呼吸した後、カナヲに問いかけた。

 

「あのさ、カナヲ。この前の定期健診の時に、俺に結婚する意志があるかどうか聞いたの、覚えてる?」

 

「……うん、覚えてるよ。炭治郎は寿命のことがあるから結婚する気はないんだよね……?」

 

「うん、この前まではそう思ってた。先が短い俺と結婚するよりも、他の人と結婚した方が幸せになれるはずだから、って。でも、この前、宇髄さんと話したことで考えが変わってさ。早く死ぬ分、大変な思いをさせちゃうこともあると思うけど、生きている間だけでも、自分の手で精一杯好きな人のことを幸せにしようって思ったんだ」

 

「そ、そうなんだ……?」

 

 どうして俺がこんな話をしてるのか理解できていないのか、不思議そうに相槌を打つカナヲ。

 その様子を見た瞬間、過去の記憶が脳裏を過った。

 

『これは余計なお世話かもしれませんが、カナヲはあまり察しが良い子ではないので、伝えたいことがあるならはっきりと伝えた方がいいですよ』

 

 三日前にアオイさんから言われた言葉。

 ああ、そうだ。アオイさんがちゃんと教えてくれてたじゃないか。こんな風に遠回しに伝えても駄目だって。大事なことなんだから、男らしくはっきり伝えるとしよう。

 

「カナヲ。俺はカナヲのことが好きだよ。絶対に幸せにするから、カナヲさえよければ、俺と結婚して欲しい」

 

 アオイさんが教えてくれた通り、単刀直入に自分の気持ちを伝える。

 すると、カナヲはしばし硬直した後、崩れ落ちるようにぺたっとへたり込み、ぽろぽろと大粒の涙を流し始めた。

 

「か、カナヲ!? ごめん、嫌だった!?」

 

「ううん、違うの……。炭治郎からそんなこと言ってもらえるなんて思ってなかったから嬉しくて……。いいの? 私なんかで……」

 

「うん、カナヲがいいんだ。カナヲ以外には考えられない。カナヲは俺でもいいの?」

 

 カナヲと同じ目線になるまで腰を落とし、カナヲの目をまっすぐ見つめる。

 カナヲはどう返事しようか迷っているのか、しばらく目線を右往左往させていたが、十秒程待ったところで俺の背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめてきた。

 

「か、カナヲ……?」

 

「ご、ごめんね? 私、口下手だからどう返事したらいいか分からなくて……。だ、大丈夫? ちゃんと伝わってる?」

 

「うん。ちゃんと伝わってるよ」

 

 不安そうな表情を浮かべるカナヲのことをぎゅっと抱きしめると、カナヲも抱きしめ返してくれた。幸せ過ぎて、自然と涙が溢れてくる。

 

「炭治郎。私ね、凄く幸せだよ」

 

「うん、俺も幸せだよ」

 

 はっきりとそう口にする。

 この幸せがいつまで続くか分からないけれど。

 だからこそ、一分一秒でも長く幸せでいられるように精一杯生きようと思う。

 こうして俺はカナヲに告白し、カナヲと結婚することになった。

 




読んでいただきありがとうございました。
これで完結です。
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