ライネル快進撃!!   作:ムラムリ

8 / 10
最初は6000文字で全部書き切るつもりだったんですよ。
ちゃんと書くと決めても、短編の予定で30000文字以内に収まるとは思ってたけど、それも突破しちゃって……。

また分けた方が良いなってなったので、もう1話だけ続きます。多分、もう1話。
後、前話にもアンケがおいたので、もしよろしければ。
ついでに評価、感想もあれば。


エピローグ 前

 デスマウンテンの麓は、もう既にライネル達にとっての鍛冶場に早変わりしていた。

 ただのライネルや青髪のライネルさえもが最上級の武器を作ろうと目を輝かしているのには、黄金達にとっては余り良い気分ではなかったが、どうせ使いこなせず自滅していくだけだろうと無視して。

 また、そこにはもう既に、最上級の武器を作る為に使う金属がたっぷりと精錬されていた。

「随分と精錬してるもんだな。ゴロン族を潰してから数十日くらいしか経ってねえぞ?」

 大剣が驚くように聞くと。

「ゴロン族が居なければ、採りたい放題ですからね。本当に有難い事です」

 嬉しげに答える白銀は、元から鍛治が好きな個だった。

 随分と熱中しているらしく、髪の毛も髭も至る所が焼け焦げていて、肉体もかなり痩せ細っていた。

「一回、何か食って来いよ」

「いや、まだまだ……」

「ガノンの封印を見たいだろう? 倒れたら元も子も無え」

「……分かりました」

 そう言って弓矢を手にして歩いていこうとするものの、小さな岩に躓きかけて。

「いや、やっぱ良い。

 おい! あいつに誰か飯獲って来い!

 ……白銀なのに、不安で仕方がねぇ」

 それに、棺の周りに並んでいる武具の数々は、そんなつまらない事で死ぬには惜しい才能をしていた。

「え? これ、ボクの弓の再現? うん、普通に使えそうだし。

 あれ? これ、もしかして矢? ここの金属を使って? いやー、そんな贅沢な事……これからはして良いのかあ」

 弓がその一本拝借して射ってみれば、このハイラルの所々にある、良く分からない古代の祠に深々と突き刺さった。

「……あの祠、俺が全力でぶっ叩いてもびくともしないはずなんだけどな」

 子供のように喜ぶ弓と鍛治の白銀を眺めながら、大剣が遠い目をして呟いていた。

 

*

 

 そもそも、何故封印までするのか。

 封印の巫女が覚醒していたら、アストルがあんな行列を引き連れてやって来るのを放置などしないだろう。覚醒していなかったら、ハイラル城の前に捨ておいたとしても面倒な事になるだけだろうというのが一つ。

 そして、倒したのに封印だけハイラル人に任せるのも癪だったのが一つ。

 それと最後に、単純に興味だった。

 

 ライネル達はその特殊な金属で、巨大な棺を作り上げた。耐久度も、大剣が得物で思い切り叩いてもびくともしない程であり、深さも申し分ない。

「それじゃあ、踏み潰すのにもいい加減飽きて来た事だし、鍛治の白も戻って来た事だし、俺達なりに封印してみようか」

 最後に念入りに踏み砕き、焼き尽くして小さくし、鎖で更に雁字搦めにしたガノンを、棺に入れる。

 そして、そのデスマウンテンの特殊な金属を遥かな高熱で溶かしたものを、その上に流していく。

「ギッ、ガグゲギグギギギガガガガ!!??」

 暴れるガノンを、上から同じ金属の棒で黄金と白銀も加わって押さえつけ。

 たっぷり満杯になり、溢れたところで、一本ずつ引き抜いていく。

 最後の棒も引き抜き、反応もないところで。

「冷却!」

 鎖を巻き付けられたその巨大な棺が、十匹以上のライネルの綱引きで水へと沈められた。

「五日間このままで出て来る気配がなければ、火口に投げ捨てに行こう」

 そう最後に片手剣が締め括ると、黄金達はどさりと腰を下ろした。

「……流石に疲れたな」

「うん」

 棺を作っている間、ずーっと黄金達は代わる代わる復活しようとしているガノンを踏み続けていたのだった。

 黄金のライネルは落雷を喰らおうが殆ど平然としていられるし、毒を喰らおうが腹も殆ど壊さない。それもあって黄金達は怨念に触れようが大丈夫だったが、白銀や白でも問題ないかまでは保証もなかった。

 槍は無言のまま岩に凭れて眠り始めており、大剣も弓もすぐにうつらうつらとし始め。

「……そうだな。この頃で一番疲れたな」

 ゲルド族を攻めた時よりも、アストルの軍勢と戦った時よりも。

 ガノンを潰してからはずっと起きっぱなしだったし。

 片手剣も、程なくして寝た。

 

*

 

 翌日。

 数時間の睡眠で体力を取り戻した片手剣は、弓と変わり者の息子の白を連れて、ハイラルの北東へと向かっていた。

 アッカレ砦の隣を通る時は大砲を向けられたが、弓が一発、古代兵器の目に矢を命中させて破壊すれば、後は何もして来る事はなかった。

 別に争いに来た訳でもない。目的はその先、奥アッカレ。

 慌てふためくハイリア人達を眺めながら歩いていく。

「どうもな。お前が居るだけで、厄介事も避けられる」

「ボクの弓とあの矢を使いこなせるライネルが他にも増えたら、あの砦に一歩も入らずに制圧出来ると思うんだけどなあ。

 白も頑張ってあの弓、使ってみない?」

「……まだ剣も極めるには程遠いので」

 やんわりと断られると、露骨に悲しい顔をしていた。

 

 昼過ぎに奥アッカレに辿り着いた。

 海の上にぽつんとある、迷路の古代遺跡。そして、その隣には向こう側の大陸に繋がる岩礁があった。

 白が言った。

「僕の父は、ここを伝って向こうの大陸に行ったんですね」

 ライネルの肉体では地続きに渡るには厳しいが、泳ぎも習得していたあの変わり者は、時に海に身を浸しながらも進んでいった。

「そうだ。俺が唯一見送った。小さくなって、見えなくなるまでな。

 秘密にしておいてくれって言われたんだけどな……あれから十年以上は経っているし、それに…………」

「それに?」

「うん……そうだな……」

 やっと生え揃った髭を触りながら。

 何度か言い淀んでから、絞り出すように言った。

「俺、もし、今の状態で退魔の騎士とやらと戦ったら、普通に負けるなって思うんだよ。

 ゲルドの長と戦った時、俺は、技術では上回る事は出来なかった。

 俺は、ライネルとしての弱点を克服出来ていない。

 俺は、突出した技術を持つ、小回りの効く個には、一歩劣る。

 それを実感させられてからな、じんわり、じんわりとそんな感覚が俺の中に出て来たんだ。

 ゲルドの長に対しては持ってる武器も弱かったし、爆撃も通じたから勝てたんだけどな。

 それが退魔の剣になったら? 爆撃も通じなかったら?

 俺は負けるなあ、ってな。

 そりゃあ勿論、手段を選ばなければ勝つ方法は幾らでもあるけれどな。

 複数で襲ったり、ずーっと付かず離れずの位置で体力勝負に持ち込んだり、きっと今でも力に目覚めていない封印の巫女を集中的に狙ったりだとか。

 だが、そんな事は黄金のライネルである俺達はしたくない。

 やるなら正々堂々と、一対一で退魔の騎士を屠りたいんだよ」

「それで? 何でそれが伝える事になるのさ」

「俺がこれ以上強くなるなら、その変わり者に会いにいくのが一番手っ取り早いなって。

 お前は知らないかもしれないが、俺はあの変わり者が、歴代のライネルの中でも最も強いと思ってる。

 今も白だとしても、黄金の俺達よりもずっと強い。そう信じている。

 だからな……要するに……ガノンの封印が終わったら、俺もここを通ってあっちの大陸に行こうと思ってる」

 暫くの沈黙の後。

「……何で父が、貴方にだけ見送らせたのか、分かった気がします」

「ん?」

「親しくしている仲で、その内着いて来る可能性が一番高いのが、貴方だったんじゃないでしょうか」

「……言えるかもな」

 

 帰りもアッカレ砦の人族達が警戒しながらこちらを見て来たが、弓が得物を取り出す素振りをするだけで、面白いように顔が引っ込んだ。

 ただ。

「大橋に爆弾が仕掛けてあるね。砦の方の橋にも」

「舐めた罰だ。砦の方の橋の爆弾、起爆させちまえ」

 派手に崩れた連絡橋。

 それから弓が戯れに次々と古代兵器や大砲を破壊していけば、大橋の方の爆弾は急いで取り除かれて行った。

「俺も最後に一発やるか」

 この距離、俺の腕前じゃ当たるか微妙だが。

 弓に矢を三本乗せて、狙いは砦の端にある、三本の旗。

「外したら格好悪いぞ〜」

「うるさい」

 パァンッ!!

 ちゃんと三本ごと引き千切れてくれた。

「ほらな」

「ほっとした顔してるよ」

「うるせえ」

 

*

 

 そして、ガノンを棺に納めてから五日後。

 棺を火口へと落とす登山が始まった。

 棺は、この五日間で何の音沙汰もなかった。

 これだけで完全に封印出来たと言うのならお笑いにも程があるが、火口にぶち込んでおけば、永劫に棺の中で灼熱に晒され続けて再生すら許さないでおける。

 ライネルが十体掛かりでも引きずるのが精一杯な棺を、黄金も加わりながら火口へと運んでいく。

 雪山でも火山でも平然としていられる程に頑丈な肉体を持つライネルではあるが、こんな重いものを引きずりながらの登山には流石にきつくなってくる者も多く。

 飲める水もここでは湯になってしまっていて、ただのライネルや青髪は一度下山していく事もある。

 代わり代わりに、そうして壊滅したゴロンシティまで辿り着き、更に火口まで運んでいく。

「……ちょっと、大きくしすぎた、かな……」

 その頃になると、黄金達も流石に疲労の色を隠せておらず。白や白銀も顔つきが死んでいる者も居て。

「……明日にするか」

 その提案に、ライネル達の顔が一気に輝いた。




まあ、話が伸びた理由の一番は、設定が書いている内に掘り下がって行ったからですね。
・何故、黄金のライネルは英傑達に唐突に襲いかかったのか?
・黄金のライネル達の性格はどのようなものか?
みたいな事が書いている内に段々突き詰められて行って、それを整理したりちゃんと書き上げてたら爆発しましたって事で。

元々の構想は、四英傑為す術もなく死亡! ライネル達が集結! リンクに一斉に襲い掛かる! BADEND!
って感じだったのに(Evolveってゲームのモンスター勝利EDみたいなイメージ)、
・ライネルはガノンの影響を受けてないから正々堂々とした戦いを好む。特に武人に対しては一対一を望む。
・ライネルはガノンと戦いたいけど、封印まで出来る訳じゃないからゼルダまでを殺したりまではしない。
・ライネルはガノンを潰したけど、最後だけ封印の巫女に任せるのも癪だから自分達で封印までやる事にした。
・片手剣のライネルはウルボザと戦って苦戦した事により、自分がリンクにはまだ及ばない事を理解した。
と、どんどん連鎖反応が起きて行った。
まあ、それだけライネルってクリーチャーを愛しているって事で。
はい。

奥アッカレの先ってどんな感じになってるっけ、って現地調査した後に黄金のライネルと戯れてたんだけど、やっぱりエッチで格好良いので、次回作では交流出来るようにしてほしいと強く願いましたとさ。
出来なかったら何か書く。

明日、資格試験。

特別な金属で固められ、火口に落とされたガノンが復活に要する時間

  • ~10day
  • 11day~30day
  • 31day~180day
  • 181day~1year
  • 1year~5year
  • 5year~10year
  • 10year~100year
  • 100year~1000year
  • 1000year~10000year
  • 10000year~
  • 無理 完全に消滅する
  • 無理 ぜったいあんぜんカプセル
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