ヒーローたちのプロポーズ   作:ドキソルビシン

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鉄哲と拳藤の話です。
妄想が止まりませんでした。
それではどうぞ。


B組女子たちのプロポーズ事情
【鉄拳】愛の鉄拳制裁


「拳藤、俺はお前のことが大好きだぞ!」

「ブフッ、鉄哲、どうしたんだ急に?」

それは2年の2学期の後半、年末の少し前でインターンで忙しくなる前に小休止と言わんばかりの登校をした日だった。

授業が終わり、寮の談話室で飲んでいたブラックコーヒーを盛大に吹き出してしまい台拭きで片づけていると切奈が耳だけ談話室に置いていたようで階段を駆け下りてすぐさま鉄哲に詰め寄った。

「え、鉄哲は拳藤のこと好きだったの~?」

「おう!好きだぞ!」

「切奈、やめな。絶対物間か誰かがいたずらか罰ゲームかなんかしてるだけでしょ。」

「え~、でも一佳も満更じゃなさそうじゃん。顔、赤いよ?」

「ッ!!!!?そりゃ私だって好意を向けられたら照れもする!」

「もうすぐクリスマスだから誰か彼女とデートする奴はいないのかって話になってな!」

「それ誰が始めたの?」

気になったのか切奈が鉄哲に質問を投げた。

「泡瀬と物間だな!男子で集まって好きな女の話をしてたんだ!」

「なぁるほどぉ~」

「それで付き合いたい?女は誰だ?って話になってな。俺は一番の女である拳藤が好きって言ったんだ!」

「あんた絶対付き合うの意味わかってないでしょ。」

ちょっと呆れつつも原因が分かったので良しとしよう。

あの二人、あとでぶっ飛ばす。

 

「そしたらその想いを伝えて来い!行かなきゃ漢じゃねぇ!って言われてな!拳藤を探しに来た!」

「はぁ…。」

一応初めて告白?のようなことをされて少しは嬉しいと思っているために鉄哲のことを無下に扱うことはできない。

「ねぇ一佳、試しに付き合ってみなよ。面白いから。」

「あんたねぇ、面白いだけで付き合ってもいいことないでしょ。」

「ああ!俺分かるぞ!デートとか行って仲良くなって結婚するまでがカップルってやつなんだろ?んで、結婚したら夫婦だよな!」

「ブハッ!鉄哲ピュアな妄想してるね~!恋愛はもっと奥が深いよ~」

「鉄哲、切奈、もうややこしくしないでくれ…。鉄哲、その考えじゃあお前が今プロポーズしに来たみたいになってるぞ。」

切奈も私も鉄哲のことを若干呆れながら、笑って対応していた。

だから次の言葉は本当に予想外だったんだ。

 

「おう!そのつもりで来た!好きなやつってことはずっと一緒に居たいやつ、結婚したいやつってことだからな!生半可な気持ちで付き合ったりしないし、相手が死ぬまで面倒見るってのが漢ってもんだろ!拳藤は思いやりがあって、優しくて、頼りにもなる。それに笑顔がいいし、戦闘訓練ではかっこいい姿見せてくれたしな!今までの人生で一番いい女だと思っているし、できるなら俺のものにしたい!と思ってるぞ!」

 

「へ。」

「おぉう。」

切奈も私もある種度肝を抜かれた、と言っていいだろう。

まだ私17歳だし、そんな、結婚、のことなんて考えたこともないんですけど!?

頭の中はパニクっていた。

思考停止状態だ。

でも言い訳というものはスラスラと出てくるものだ。

 

「いくら何でも急すぎ。デートにも行ったことないのに付き合うわけない。付き合うにしても結婚とかそういう重い話は無しだ。というか私は鉄哲と知り合ってまだ2年も経ってない。そんなにお前のことを知ってるわけじゃない。しかも私たちはまだ学生でヒーローになるための勉強をしに学校に通っているんだ。少なくとも免許取るまではまともな交際はするつもりないし鉄哲には申し訳ないけどそういうわけで今回の件は無しってことで、この話終わり。以上。」

焦りに焦って言葉が早口になっている。

少なからず動揺しているのが切奈にばれている。

あとでこいつも懲らしめようかな。

そうしてコーヒーを持って自室へ戻ろうとしたら

「……よくわかんねぇが、つまり卒業したら付き合ってもいいってことか?」

と言われ、切奈がヒートアップした。

「鉄哲ぅ~!漢だねぇ~!ね、一佳、つまり今はダメでも将来的には構わないってことでしょ?とりあえず、恋人未満ってことで付き合ってみなよ。鉄哲いい奴だし、なにしろここまで言われて何も無しってのも鉄哲がかわいそうだし、一佳がひどい女になっちまう。」

「う゛っ」

確かに罪悪感は多少なりとも感じる発言をした自覚はある。

だが、私は好意を向けられていると思われたことのなかった相手にプロポーズまがいの告白をされているのだ。

動揺しない方がおかしいというものだろう。

それでも切奈の言い分はわかる。

ここまで好きだとは思ってもなかったしドストレートに好意を伝えられている分、素直な感情であることはわかりきっている。

故に私が折れる?ことにした。

「わかった。確かにここまで言われて何も無しってのも女が廃るよね。いいよ、鉄哲。付き合うだけ付き合ってみるか。」

「おお!おおおお!俺はとても嬉しいぞ!がっはっは!よろしくな!拳藤!」

「一佳って呼びな?その方が一佳も喜ぶぞ?」

「ちょっ、切奈!?」

「ん?そうか。じゃあ今日から一佳って呼ぶことにするな!」

「へぁっ!?」

「うわ~一佳って意外と初心?顔、真っ赤だよ?茹でダコだよ?」

「うっさい!ニヤニヤすんな!」

「それじゃあ要件はそんだけだ!またな!一佳!」

「う、うん!じゃあまた明日ね!徹鐵!」

「あ、今名前の方で呼んだでしょ。」

「切奈。殴るよ。」

「はいはい。面白いもの見れたし、もうここで終わりにしますかね~。私の名前もでてないかなぁ~。」

「......はぁ。」

久しぶりに級友の語らいをしたと思ったらとんでもないことになった。

それよりあの二人、ぶっ飛ばしに行こう。

 

―――――――――――――――――――――――

 

それから幾何の月日が流れ、プロヒーローになった私と徹鐵は思った以上に順調に交際を続けていた。

なぜなら徹鐵のいうことは基本的に素直で裏表がないため、真っ向から話すときは話すし、感情を伝える時も素直に伝えてくれるからだ。

そして、毎年のように彼はプロポーズをしてきた。

さすがにヒーローなりたての頃は貯金が云々、今は忙しい云々で切り抜けてきたが23歳になり、後輩も入ってきて、プロヒーローとして少々安定してきたところで

「今年こそは結婚するぞ!一佳!ずっと俺のそばに居てくれ!愛してる!」

と言われた。

プロヒーローになって5年目。

八百万ももうそろそろ結婚すると連絡もらったし、私もいいんじゃなかろうか。

徹鐵の熱烈なアプローチに私の心はいとも容易く絆されてしまったが故に、この言葉に対して断る文句は出てこない。

もちろん答えは決まっている。

「私も愛してるよ。徹鐵。結婚するか。」

「おお!おおおお!おおおおおおおおお!愛してる、ぞーー!!!!!!」

プロポーズの場所は二人の初デートで登った山の頂上。

周りには誰もいない。

二人だけの世界で二人して愛を叫んだ。

 




ちなみに物間くんと泡瀬くんはぼこぼこにされて簀巻きにされた上で寮の玄関口に放置されていたらしい。
若干八つ当たりと照れ隠しが含まれていたのは馬に蹴られたと思って甘んじていただきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次は黒色と小森でも書こうと思います。

この小説で出てない人で書いてほしい人の話

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