風の惑星   作:とも2199

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本作は、超人ロックの二次創作小説です。


風の惑星9 炎の戦い

 サンドラは、海賊船のセンサーがESP反応を検知した地点へと海賊船を飛び出した。

 彼女は、頭を下にして、直立した体勢で大気圏に突入した。地上へと自由落下しながら、地上の様子を探った。

 いた……!

「そっちか!」

 彼女は、D弾の作り出した巨大なキノコ雲の中に飛び込むと、彼の気配を感じる場所へと、速度をあげて一気に飛んだ。

 地上に降り立った彼女は、数千度の高温の中、ぽつんと傷一つない建物を見つめた。そこは、燃えることなくそこに存在している。

 彼女は、強力なESP反応を感じ取っていた。

「そこか……」

 彼女は、舌なめずりをして、ロックがそこから現れるのを待っていた。

 

 その時、ロックは感じ取っていた。

 あの時の……!

 惑星エピリアの軌道上で襲われたエスパーが近くにいる。それを感じた彼は、ロペス家の全員を、安全な所へ避難させなければ、と考えた。しかし、テレポートで逃げても、あのエスパーは必ず追って来るだろう。ならば、ここで対決するしかない。しかし、外の高熱と、強烈な放射線から一家を守る為に、このバリアを解除する訳にはいかない。

 そんなことを考えていたロックの思考に、アンの思考が割り込んできた。

 

 ……あの時の女が来たんだね?

 アン……!? ……そうだ。皆が危険だ。

 でも、このバリアを張っていると、ロックさんは全力で戦えない……そうだよね?

 君が……?

 うん。やってみる。私がバリアを張ってみる……!

 

 アンは、怯えるロペス一家を尻目にジョシュアに言った。

「お願い! 皆を、絶対にここから出さないように協力して! ロックさんは、外にいるあの女の相手をしなきゃいけないから!」

 ジョシュアは、慌てて窓の外を見た。高熱で炎を上げる木々の中に、確かに人影があった。それは、ゆっくりと家に近づいている。宇宙船の中で襲われたあの女に間違いなかった。

「わ、わかった!」

 ジョシュアは、家のドアの前に走った。

 誰もそこから出さないように。

 彼にロペスが叫んだ。

「おい! いったい、どうなっているんだ!」

 ジョシュアは、真剣な表情で言った。

「父さん、母さん、兄さん! お願いだから、少し我慢して! ここでじっとしていないと、皆死んでしまう!」

 アンは家の中央で、必死にイメージした。ロックのイメージを感じ取っていた彼女は、懸命にそれを真似ようとした。彼女が強く念じたことで、彼女の髪が逆立った。

 ロックは、非常に強いESPを感じ取って、アンの様子を確認した。彼女は、必死の形相でロックに目で頷いた。彼は、彼女がバリアを張るのに成功したことを理解して、自身のバリアの展開を止めた。

「さあ、行って! ロックさん、あいつを、ジョシュアたちに近づけさせないで!」

 ロックは、急激に能力を開花させたアンに驚きつつも、視線を窓の外にいる人物に集中させた。

「アン、ありがとう! ジョシュアも、皆を頼んだよ!」

「任せて!」

「頑張って、ロックさん!」

 ロックは、最後に笑顔を向けて、瞬間移動した。

 

 サンドラは、前方の建物の中に、ロック以外の強力なESP反応をもう一つ感じていた。彼女が不思議に思っていると、もう一つの反応が、彼女の背後に現れるのを感じていた。

「やっと、会えたね、超人ロック!」

 サンドラは、振り向きざまに、手のひらに作り出した光球を投げ付けた。しかし、それが命中する寸前に、ロックの姿が消えた。

 次の瞬間、サンドラの真後ろの宙空にロックは現れ、両腕を、彼女の後頭部へと振り下ろした。しかし、その瞬間、今度はサンドラが消え、ロックの背後に現れた。彼女はロックと同じ様に両腕を振り下ろして、ロックの後頭部を殴打した。

 ロックは、勢いよく地面に転がった。うつ伏せに倒れた彼の背後に、サンドラは超能力で作り出したエネルギー弾を連射した。

 その攻撃をまともに受けたロックはうめいた。

「くっ……!」

「なんだよ、その程度かい!? 超人が聞いてあきれるよ!」

 ロックは、先程までのD弾の方向転換から、バリアの展開まで、力を使いすぎていた。

「じゃあ、これで終わりだね!」

 サンドラは、渾身の力を込めて、強力なエネルギー弾を放った。ロックの倒れていた地面は、大きな爆発を起こした。その場から少し離れて後ずさったサンドラは、がっかりした様子でその爆発を眺めていた。

「全然、大した事ないじゃん。つまんないの」

 その一部始終を、ロペス家の人々は家の中から見つめていた。

「何なんだよ、あの女!?」

「あ、あれは、エスパーじゃないか!」

「まさか……ロックさんが……!」

 アンは、急速にロックの存在が失われるのを感じていた。

「うそ? そんな……。ロックさんが……」

 サンドラは、もう一つの強力なESPを放つ建物の中に興味を持った。

「もう一人、いるじゃない。強そうなのがさ」

 サンドラは、ロックがいた場所が放つ高温を避けて、ゆっくりと建物に歩いて近寄って行った。

 その時、ロックがいた場所から、消し炭のような黒い影がふらりと立ち上がっていた。

「何!?」

 衣服が燃え上がったまま、ロックは鬼気迫る表情で、サンドラを睨んでいた。

「ば、化け物か!?」

 そして、両腕を上げると、頭上に大きな光の剣を作り出した。

「何だそれ!? この間の奴より、ずっと強そうで、かっこいい技だな!」

 サンドラは、後方に飛び上がって離れると、ロックの真似をして、同じ様に光の剣を作り始めた。

 ロックは、それに気づいて興味深く、それを見つめた。

 その直後、互いが放った光の剣がぶつかり合い、二人の間で大爆発が起きた。

 ロックは、すぐさま空へと飛んだ。

「あっ、逃げるのか!?」

 あっという間に高高度まで上昇した彼を追って、サンドラも空へと飛び上がった。

 

続く…




本作は、私のブログ、pixiv、ハーメルンで同一作品を投稿、またはその予定があります。
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