青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ   作:グラハムさんとピンクマ

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第一章 新たな出来事
第1話「少し違う日常に」


 

『最近連絡がないが、何をしているんだ』

 

「も、申し訳ございません。責任者が死亡し、003と007が脱走してしまいました。連絡がなかった理由はそれです」

 

『む、責任者なら代わりはいくらでもいるが、人造生物2体を失ったのは痛手だ。それら以外の人造生物は出せないのか』

 

「細胞から生み出すことが奇跡に近いので、他の生物は全て腐食して死んでいます」

 

『くっ、、、』

 

「それと、、、その2体と共に1人の青年も逃走しました」

 

『?何故それを今報告する』

 

「その人物は、イノベイターです」

 

『、、、ならばその青年を確保せよ』

 

 

 

フォニア宮殿、闘技場…

 

 

青空が広がる中、白い服を着た青年と桃色の髪をもつ騎士は一対一の決闘を行うところだ。

 

一般兵A「やって下さい皇帝様!」

 

一般兵B「勝って下さい騎士長!」

 

観客席から馴れ馴れしい発言が飛び交うが、それは皇帝と騎士長自身が許可している。2人が闘技場の中心で向き合うと、青年が口を開く。

 

????「半年ぶりの決闘だな」

 

????「はい、今回は負けませんよ」

 

2人はコンマ数秒ずれることなく、同時に剣を前に構える。

 

 審判 「双方構えて、、、初めっ!」

 

グラハム「グラハムエーカー!」

 

スティラ「スティラセレーネー!」

 

「「参るっ!」」

 

この国の風習で、互いに名乗り出た後に決闘を開始する。因みに勝利条件は、相手が降参するか手持ちの剣がなくなった時の2択だ。

分かっていることとしては、スティラが降参する訳がないのと、ビームサーベルの使用は禁止ってことぐらいか。

 

カキンッ!…

 

始まってすぐにグラハムとスティラの剣は鍔迫り合いを起こす。

 

グラハム「踏み込みが強くなったな、、、っ!」

 

スティラ「お褒めの言葉、有り難く受け取ります、、、っ、ですが、これだけではありません!」

 

グラハム(っ、身体強化か)

 

スティラは魔法を発動すると、グラハムを後方へ押し出す。

 

スティラ「甘い!」

 

バシュッ…!

 

すると、距離を取ると同時にスティラは左手からフックショットのようなものを取り出し、射出した。

 

カシャンッ!

 

射出されたチェーンは、グラハムの夜空の剣に巻き付く。

 

グラハム「くっ、流石ユーフォニアの開発班、、、!」

 

ヒュルヒュルヒュルヒュル…!

 

巻き付いたチェーンは勢いよくスティラのフックショット本体へ収納されてゆく。

 

グラハム「武器が奪われる、、、っ!」

 

スティラ「あなたの剣はその剣のみ、これで決める!」

 

グラハム「、、、フッ」

 

グラハムは笑うと、左手を右肩に構えながらわざと剣と共にフックショットに引っ張られる。

 

スティラ「ここで剣を弾く!」

 

フックショットが収納しきる直前、スティラはグラハムの剣を弾く。

 

カキンッ!

 

そして、夜空の剣が宙を舞う。その一瞬の隙に、グラハムは右肩から左手を離し、ストレージから瞬時に白い剣を取り出す。

 

スティラ「なっ!」

 

グラハム「はぁっ!」

 

その白い剣を右から左へと振ると、スティラの剣にぶつかり、その剣を落とさせることができた。

 

スティラ「ふっ!」

 

グラハム「うっ」

 

シュルシュル…

 

剣を落とされたスティラはフックショットのワイヤーで無理矢理グラハムを引き離した。剣で防御している隙に夜空の剣を拾い、グラハムに突きだす。

 

グラハム「、、、はっ!」

 

負けじとスティラの剣に目掛けて剣を突きだすと、2人の剣は同時に後方へ飛んだ。

 

 審判 「、、、勝負あり、引き分け!」

 

「「ありがとうございました!」」

 

向き合って挨拶をすると、観客席から歓声が上がった。

 

 

フォニア宮殿、皇帝室…

 

 

スティラとの決闘が終わり皇帝室へ戻ると、窓の外から夕日の光が入ってきていた。

 

スティラ「今日はお疲れ様でした」

 

グラハム「スティラもお疲れ様。あのフックショット捌き良かったよ」

 

スティラ「強引過ぎましたけどね、、、。あと、あれはチェーンシューターというものだそうです」

 

グラハム「なるほど、、、」

 

フックショットでもいいじゃん、、、と言っても、俺の世界とは認識が違うから仕方ないか。

 

 

現実、キッチン…

 

 

その後、明日人はログアウトした後にキッチンへ向かうと、すぐに夕食の準備をした。

 

明日人「、、、はぁ」

 

 凛 「明日人さん大丈夫ですか?まだ3日目ですよ」

 

ため息を少しつくと、背後からスティ、、、ではなく凛が声をかけてきた。

 

明日人「あ、何でため息をついたか分かったんだ」

 

 凛 「当然です。もう半年もこの場所で明日人さんと咲月さんの光景を見てきたので、咲月さんがいなくて士気が下がっていることくらいなら分かります」

 

因みに凛の言う通り、俺の(現実世界での)テンションが低い理由は、咲月がここ3日間家に帰ってきてないからだ。もちろん、喧嘩をした訳ではない。声優の仕事関係で1週間会えないそうなのだ。

 

明日人「落ち込んでいられないな、、、よし、凛の好きな野菜スープが出来たよ」

 

 凛 「♪」

 

上機嫌になった凛は皿を持ってキッチンから出た。

 

明日人(テンションの低さを周りに出さないようにしなきゃな)

 

 

明日人の部屋…

 

 

夕食を食べ終え、風呂にも入った後スマホのバイブ音が鳴る。電話だ。かけてきたのは咲月であり、名前を確認するとすぐに電話に出る。

 

明日人「もしもし」

 

 咲月『あ、もしもし明日人?ごめんね、急に電話をかけて』

 

明日人「いや大丈夫、俺も声を聞きたかった」

 

 咲月『や、やめてよ、周りに人がいない所で電話してるから大丈夫だけどニヤけちゃうでしょ、、、』

 

可愛い、、、あれ、バカップル感が、、、。

 

明日人「ところで、どうして電話を?」

 

 咲月『もう3日も明日人に会えないってのが寂しすぎて、声だけでも聞きたいと思ってかけ、、、っ、ごめん、スタッフさんが私を呼んでる。折角声を聞くタイミングができたのに行かなきゃ、、、』

 

明日人「分かった、体調崩さないでね」

 

 咲月『ありがと、大好き』

 

そう言うと咲月は電話を切った。

 

明日人「忙しそうだな、、、」

 

明日人はLIMEで咲月に『おやすみ』と送った後にベッドに寝転んだ。

 

明日人「帰ってきたらいっぱい褒めてあげよう」

 

ピロンッ…

 

その時、明日人のスマホからメールの通知音が鳴った。

 

明日人「?、これは、、、」




ピンクマ「改めてこんにちは、前作に引き続きあとがき役を任されたピンクマです!待たせ過ぎはいけない?と思ったりしたので早速投稿しました!これからⅡを宜しくお願いします!」

〘繊月 明日人/グラハムエーカー〙
オンライン殺人鬼と戦い、病院内(地下)にての悪巧みを暴いていく中、希少な存在のイノベイターへと覚醒してしまった青年。能力があり、『先の光景を見ること』ができるようだが、発動条件はあまり分かっていない。

〘繊月 咲月/エディエーカー〙
幼少期に旧両親に見捨てられてしまったところ、明日人に出会い一緒に暮らすことになった少女。明日人とは義兄弟という形であったが、現在は付き合っている。

〘スティラ セレーネー/凛〙
ユーフォニア王国の騎士長。敵軍との戦闘中にグラハムが途中で介入し、次第に好かれていった。病院の地下で人造人間として生み出された後に脱出し、現在は繊月宅に加わり、王国に戻ったり明日人達と食事をしたりしている。

〘ルイス/瑠璃〙
病院の地下で明日人を捕獲しようとした女性。明日人の説得により改心し、現実は明日人宅で世話になっている。仮想世界での名前はルイスだが本名は、、、。
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