青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ   作:グラハムさんとピンクマ

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第18話「戦う理由」

 

 

???1「ふっ!」

 

グラハム「やぁッ!」

 

 エディ「えぇいッ!」

 

あれから数分、グラハムとエディはひたすら2人の猛攻を凌いでいた。1人の残像攻撃を凌ぎ、後から意識外からの不意打ちをパリィするの繰り返し。

こんな事してる場合じゃないのに。スティラ、ルイス、ウリエルは今どうしてるんだ。

 

ガキンッ!

 

するとまた重い斬撃が遅いかかり、グラハムは膝をつく。

 

???1「いい加減諦めたら?勝ち目が無いって分かるでしょ?」

 

グラハム「あぁ、無いかもな、、、」

 

 エディ「くっ、はぁっ、はぁっ、、、痛っ、、、」

 

グラハムの体力は残り三割でエディは八割。エディの体力に余裕があるのは、グラハムが「咲月にペインアブソーバーの苦しみを与えたくない」との思いでずっとフォローしていたからだ。癪だが銀髪の女の言う通り、体力を消耗し続けるばかりで勝ち目はない。だが、、、。

 

グラハム「だからって諦める訳にはいかないだろ?」

 

???1「そう。ならこれで終わりね」

 

最後の一撃と言わんばかりに女は剣を振り下ろす。

 

カキンッ!

 

しかし、その剣はグラハムに命中することはなかった。グラハムが寸前で左手の白夜の剣で防御したのだ。

 

???1「くっ!?急に、、、っ!」

 

グラハム「うぉぉぉッ!」

 

カァンッ!

 

グラハムは左手の白夜の剣で攻撃を防いだ後、右手の夜空の剣で女の剣を後方へ弾き飛ばした。

今なら全てが見える。

 

???2(金色の目、、、これが活性化してる状態、、、)

 

グラハム「左だろッ!」

 

下から上へ振り上げた夜空の剣でそのまま、左から近づいて来る黒髪の女に向かって力一杯振り下げる。

 

???2「そんなッ!?」

 

ザシュッ!

 

???2(これが、あいつが繊月 明日人を執着に狙っている理由、、、!?)

 

能力が聞いてないと動揺したのだろう、防御が完全に遅れ右肩から左腰にかけて斬り捨てられる。

まだ死んでいない。だが少しは怯んだままだろうから次だ。

 

グラハム「咲月ッ!あいつにマシンガンでごり押せッ!」

 

 エディ「う、うんッ!」

 

休む暇なくターゲットを改めて銀髪の女に定め、エディは言われた通りドラケLハブーブでとにかく撃ち続け、グラハムはそれに合わせて『ジ・イクリプス』で攻め込む。これだけの攻撃なら残像をだしての撹乱攻撃も使えないだろう。

 

???1「防ぎ切れないッ!」

 

ドサッ、、、

 

『ジ・イクリプス』の13連撃目から相手に攻撃が入っていき、瀕死まで追い込んだところで相手は膝から崩れ落ちた。

 

グラハム「、、、」

 

グラハムは銀髪の女の前で立ち止まり、夜空の剣を彼女の前に向ける。

 

???1「まさか、こんな事って、、、っ」

 

すると銀髪の女は涙を流し始め、死を悟ったような雰囲気を醸し出す。

 

グラハム「、、、殺さないから言ってくれよ」

 

???1「え、、、?」

 

 エディ「明日人?」

 

この2人も訳ありだと分かったグラハムは双剣をストレージに戻す。その見つめる目はアバターの青に戻っていた。

 

グラハム「君達もあの男と何か事情があって俺を襲ったんだろ?今回ばかりは俺から先に攻撃を仕掛けたけど」

 

早く話を聞かせてもらって3人を探さないと。今頃皆どうなってるんだ?

 

???1「話すと長くなる。私達の本拠地に向かいながらでいい、、、?」

 

ウリエル「ぐ、グラハムさん?」

 

グラハム「!」

 

その時、タイミングよくウリエルが後ろから姿を現した。

 

 エディ「ウリエルちゃん!?無事だったんだね!」

 

ウリエル「は、はい。ですがスティラさんが、、、」

 

グラハム「、、、そうか」

 

???1「多分そのことも知ってる。またこの場所に増援が送られる前に動くわ」

 

まだ来るのか。この言い方なら2人は意図的に敵を呼んでる訳ではないんだろうな。

銀髪の女は黒髪の女を回復し、移動の準備を整える。その間にグラハムはウリエルにこの戦闘の事情を説明した。

 

 

道中・・・

 

 

準備が整い、5人は草原を歩きだす。そして歩きながら先程戦った2人と話をする。

 

???1「申し遅れたけど、私は梶原 愛衣」

 

???2「私は北 栞菜」

 

グラハム「、、、あ、本名?キャラネームで良かったのに」

 

普通のゲームなら相手の頭上に小さく名前が表記されている為わざわざ聞かなくてもいいが、マルチプル・オンラインではUIが全くないから聞くしかない。

 

 愛衣 「さっきあんなことがあった訳だし、そもそも私達あんまりゲームしないから名前なんて考えないし」

 

グラハム「あまりゲームしないであの腕、、、っと、それでどうして奴らに協力してたの?」

 

 愛衣 「、、、家族の為」

 

グラハム「家族の?」

 

愛衣は目線を前に向け直し話す。栞菜もこちらに視線を向けてはすぐに向き直す。

 

 

 

数日前、いつも通りに下校してた私達はいきなりイノベイターの研究者に捕まり、何処かの地下に連れていかれた。抵抗しようにもできず、その後数時間の記憶は無いのだけれど、その時にイノベイターの能力を活性化させる為に体を好き勝手調整された。遺伝子がどうだの脳波がこうだの色々と。

それから技術者らはイノベイターの条件はその親にも条件があるんじゃないかという話をし始めたから、必死に止めるように言うと「なら繊月 明日人を捕まえるんだ。そうすればお前達の親族には手を出さない」と繊月の写真を出してきた。

 

 

 

グラハム「それで今に至ると、、、」

 

 愛衣 「家族の為に、正直今でもあなたを捕らえたいと思ってる。このまま家族に会えないまま被験体として生きていくのは嫌、、、っ!」

 

 栞菜 「、、、」

 

 エディ「、、、」

 

ウリエル「、、、?」

 

ウリエルにはこの話がどういうことか分からないだろうな。今は悪いけどそれより、どうしたものか。そうなると俺達の家族だって危険が迫っていることになる。でもこの感じ、、、2人の話が本当なら。

 

グラハム「、、、連れていけ」

 

 エディ「明日人!?」

 

 愛衣 「えっ」

 

3人はまさかの返答に立ち止まる。

 

 栞菜 「で、でも、行けば無事じゃ済まないわよ」

 

グラハム「あぁ、素直に被験者になる訳じゃない」

 

 エディ「と言うと?」

 

そこでグラハムは軽く笑ってみせる。

 

グラハム「今回はこっちから先制攻撃を仕掛けよう」

 

 




ピンクマ「まさか1、2話で倒すとは」
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