青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ   作:グラハムさんとピンクマ

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第19話「別の存在」(ルイス視点)

 

 

謎の施設・・・

 

 

 ルイス「くっ、ここは、、、」

 

目を覚ますとそこはどこかの牢獄であった。明かりは天井に蝋燭が1本吊るされているだけでとても暗い。

 

 ルイス「まさか牢屋に入る日が来るなんてね。く、、、っ」

 

あの時の戦闘のダメージがまだ残ってる。今は戦闘は避けたいわね。

 

 ルイス「どうするつもりなのよ。それより、気絶してどのくらい経ったの?」

 

周囲を見渡しても鉄製の壁と床のみで、ベッドなどの家具すらない。とにかく早く脱出の手立てを見つけなくては。

 

ガシャンッ!

 

そう思った矢先、隣の部屋から鉄格子が壊れるような音が鳴り響いた。そしてこちらに近づいて来る気配を感じる。逃げ場は無いがここで死ぬ訳にはいかない為、ルイスは剣のグリップに手をかざす。

 

スティラ「っ!大丈夫ですか!?」

 

隣ならこちらに向かって来たのはまさかのスティラであった。

 

 ルイス「スティラ!?どうしてここに?」

 

スティラ「話すことは山ほどあるので手短に話しますが、ウリエルさんを先に逃がした後、合流できずにやられてしまいました。すみません、、、」

 

 ルイス「いや、私の方こそ先にやられて悪かったわね」

 

スティラ「とにかく、一度ここから出ましょう」

 

するとスティラは魔法で鉄格子の鍵穴部分に何かをしてから扉を蹴り開ける。

 

 ルイス「そんな方法で開けられたの?」

 

スティラ「魔法で鍵部分を高温にしてから壊しただけです。行きましょう」

 

魔法の使えない私からすればかなり凄いことだけれど、突っ込まずにスティラと出口を探す。

 

 

数十分後・・・

 

 

おそらく今は地下牢にいるのだろうが、階段が見つからない。

 

 ルイス「ここまで見つからないとすると、隠されてるわね」

 

スティラ「無駄に念入りですね」

 

コツ、コツ、、、

 

スティラと顔をしかめていると、突然後ろから足音が聞こえてきた。

 

 ルイス「、、、後ろって別れ道とか無かったわよね」

 

スティラ「はい。となれば尋問すれば早いですね」

 

相手の姿を確認する前にスティラは剣を抜く。

 

 ルイス「さっきから何となく感じてたけど、すごく機嫌悪いわね?」

 

スティラ「今回は凄く妙な相手なんですよ」

 

 ルイス「妙な?、、、っ!」

 

スティラからの返答が来る前に、相手の姿が確認できた。

 

????「もう牢獄から脱したのか、逃げる事だけに関しては上ってことか?」

 

影から姿を現したのは、まさかのスティラだった。

 

 ルイス「スティラ、、、?!」

 

スティラ「く、、、っ」

 

スティラ?「今回は仲間もいるのか。まとめて倒す為問題ないが」

 

喋り終えるとすぐさま腰の剣を抜き、スティラとルイスに突撃する。

 

 ルイス「くっ!」

 

まずはルイスが前に出て敵の攻撃をグリップから展開した剣で受け止める。

 

ガキンッ!

 

 ルイス「うぐ、、、っ!?」

 

2人の剣が鍔迫り合った途端、ルイスが徐々に押されていく。

 

 ルイス「なんて力なの、、、っ!」

 

スティラ?「戦闘特化と聞いたがこの様か」

 

スティラ「はぁっ!」

 

スッ──

 

鍔迫り合いの隙を狙ってスティラは敵を目掛けて剣を振るが、いとも簡単にかわされてしまう。

 

スティラ?「遅いな」

 

カァンッ!ドスッ!

 

 ルイス「つぅっ!」

 

スティラ「うっ!」

 

ルイスをパリィすると同時に、カウンターによりスティラの腹に蹴りが入る。

 

スティラ?「お前も、治癒特化と言えどこんなレベルではな」

 

スティラ「くぅ、、、お前は一体なんなんだ?」

 

スティラが敵のスティラに聞くと、思わぬ返答が返ってきた。

 

スティラ?「私は、お前の抱いているような忠誠心を捨てた別世界のお前だ」

 

スティラ「別世界の私、、、」

 

スティラ?「やはり国を滅ぼして良かったと言える。その様子だと今も人に縛られて生きているようだ」

 

スティラ「何を、、、っ!」

 

 ルイス「くぅっ!」

 

敵のスティラが背後を向けている隙にルイスは地面を蹴って再度攻撃を仕掛ける。

 

スティラ?「無駄と言っているだろう」

 

ザシュッ!

 

 ルイス「くぅ、、、っ!」

 

敵の剣がルイスの腰から胸にかけてクリーンヒットした為、ルイスはダウンする。

 

 ルイス(くそ、、、一旦明日人の世界に戻ればいいのに、戻ることができない!)

 

スティラ?「もう1人の私はどうする?こんな状況じゃ足掻くのは無駄過ぎる」

 

スティラ「、、、」

 

 ルイス「す、スティラ、、、」

 

まさか私がここまでの屈辱を味わうとは。スティラと2人がかりでも手も足も出ないなんて。

 

スティラ「、、、降参する」

 

スティラは観念し、剣を鞘に納める。

 

スティラ?「賢明な判断だ」

 

スティラはルイスの元へ歩き、回復魔法をかける。

 

スティラ「すみません、この状況では打開できません」

 

 ルイス「謝らないで、圧倒的過ぎる」

 

????「何の騒ぎだ」

 

 ルイス「っ!」

 

すると敵のスティラの後ろからさらに男が歩いて来た。

 

スティラ?「何の用件だ」

 

????「お前が連れてくるのが遅いから様子を見に行くよう言われたんだよ。で、これは何だ」

 

スティラ?「牢から逃げ出した所を捕まえていただけだ」

 

????「ほぅ」

 

するとその男はスティラの前まで歩き、じっと睨む。

 

スティラ「、、、」

 

????「ふん、、、」

 

ガツッ!

 

スティラ「ぐっ!?」

 

 ルイス「スティラッ!」

 

何をするかと思えば、男はいきなりスティラの顔を殴った。

 

スティラ?「寄せ、無駄に傷付けるな」

 

????「お前だってこいつの後ろの奴を斬ったようじゃないか」

 

スティラ?「投降しないからやむを得ず、だ」

 

????「まぁいい、さっさと連れて来い」

 

そして男は先に姿を消す。

 

スティラ?「来い」

 

敵のスティラはスティラの二の腕を掴み、無理矢理立たせる。

 

スティラ「くっ、、、」

 

スティラとルイスはしぶしぶながらもついていく。

 

 ルイス『大丈夫?』

 

スティラ『はい、何とか。無様にやられてしまいましたが、諦めていません。まだチャンスはあるはず』

 

スティラ?『無駄だ』

 

スティラ「!」

 

ルイスはスティラとのみ脳内通信をしていたが、いきなり敵のスティラの声が割り込んで来た。

 

スティラ?「この先の戦争で連携を崩す訳には行かないからな。凡庸なお前らとは違い、通信に割り込めるよう施されている」

 

 ルイス「あんたは本気であの世界で戦争をする気なの?」

 

スティラ?「その為に生きてきたのだから当然だ」

 

これ以上の会話はせず、敵のスティラは歩き始める。

 

 ルイス「本当に手も足も出ないわね」

 

スティラ「屈辱です」

 

私とスティラも続いて歩きだす。

 

 ルイス(明日人、咲月、どうかエルを頼むわよ、、、)

 




ピンクマ「別の可能性という存在にハマってしまったいるグラハムさん」
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