青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ   作:グラハムさんとピンクマ

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第20話「現れる影」

 

森の中・・・

 

 

 愛衣 「ここよ」

 

連れて来られたのは、森を少し歩いた所にあるコンクリートでできた建物であった。 窓はなく1階のみであるように見える。

 

グラハム「意外と小さいな」

 

 愛衣 「本命は地下だからね」

 

グラハム「なるほど」

 

当然向こうの奴らにとって、大事な設備等を地上にさらけ出す訳無いか。

 

 栞菜 「それで、本当にいいの?一緒に入ってもらって」

 

建物に入る前に栞菜が忠告する。

さっきまで争ってた仲だけど、やっぱり根は優しいんだな。

 

グラハム「あぁ。君達の両親の為に、そして俺達の仲間の為に、目的が一致しているしね」

 

 栞菜 「、、、本当に優しいわね」

 

グラハム「そんな事はないよ、俺も容赦しない時はある。んで、俺は当然入るけど、咲月とウリエルは待機、、、って聞いてもどうするかは決まってるよね」

 

 エディ「勿論明日人の傍にいるよ。サポートは任せて」

 

ウリエル「私も行きます!お姉様を助け、お二方のご両親の為にも」

 

 愛衣 「2人もありがとうね」

 

入る前に忠告した後、愛衣は建物のロックを外す。

 

グラハム「、、、」

 

 エディ「明日人?」

 

 愛衣 「よし、行きましょう」

 

グラハム「了解」

 

愛衣が先導し、グラハム達はその後に続く。そして栞菜が一番後ろになることで少しでも投降したように見せる。

 

 

地下10階・・・

 

 

建物に入った後、その先にあったエレベーターに乗り地下10階まで向かった。

 

グラハム「これはまた深いな」

 

 栞菜「入って来た被験体を逃がしたくないんでしょうね」

 

エレベーターを出てしばらく歩くと、白衣のような、魔術師のような装備の人が奥から来た。

 

 魔術師「お待ちしていました」

 

 愛衣 「連れて来たわよ。約束通りね」

 

 魔術師「繊月 明日人1人で良かったのですが、、、では引き続き、彼らを奥の研究室まで連れて行って下さい」

 

 愛衣 「分かったわ」

 

愛衣は会話を終えると再びグラハム達を連れて歩き出す。

魔術師と適当に言ったけど、あれも病院側の人間なんだろうな。

 

 愛衣 「この先が研究室よ」

 

研究室の前に着くと愛衣はスムーズに解錠する。そして研究室の扉が開く。中に入ると、そこは真っ白な空間が広がっていた。

これは研究室と言うより実験場みたいに思えるな。

 

 愛衣 「何、この空間、、、」

 

 栞菜「前はこうじゃなかったはず」

 

グラハム「っ!下がれッ!」

 

シュッ!

 

グラハムの叫んだのと同時に2人は瞬時に左右へ飛んだ。代わりに2人がいた場所に誰かがもの凄い速度で突っ込んだようであった。

 

グラハム「かなり速い、、、何者だ」

 

グラハムは夜空の剣を抜きながら聞き、エディもそれに続きヘカートⅡを構える。

 

グラハム「え、、、」

 

相手が顔を上げると、それはグラハムやエディ、ウリエルがよく知る顔であった。

 

ウリエル「お、お姉様、、、?」

 

ルイス?「久しい顔ね、ウリエル。最後に見たのはいつぶりかしら」

 

ルイスはそう答えるとウリエル達に剣を向ける。

 

ウリエル「きゅ、急に止めてよお姉様!」

 

グラハム「待ってウリエル、あれは君と俺達の知っている姉さんじゃない」

 

ウリエル「えっ」

 

片手剣や防具が全く異なるのは勿論、髪もルイスと違って暗い色になっており、目も紫に鈍く光っているように見える。

 

ウリエル「言われれば、魔力が格段に強いです、、、」

 

魔力、、、前にも悪魔だとか色々言ってたな。瑠璃に一体どんな事情が。

 

 愛衣 「えぇいッ!」

 

少し気を反らした内に愛衣が背後から残像を出しながら攻撃を仕掛ける。

 

ラファエル「そんな目眩ましで」

 

カァンッ!

 

 愛衣 「うっくぅ、、、っ!」 

 

愛衣を捉える剣は明らかに致命傷を与える攻撃であったが、脅威の反射神経によるものかギリギリ剣で受け止めた。

 

ラファエル「今のを受けるとはね」

 

 愛衣 「真後ろからの動きもすぐ見極められるなんてっ」

 

ラファエル「それと、さっきから私の中に干渉しようとしているのはあなたね」

 

 栞菜 「何故効かないの、、、?」

 

どうやら愛衣が攻撃すると同時に栞菜も敵の精神を妨害して乱そうとしていたらしい。

 

ラファエル「あなた達が妙な動きをしたと聞いて対策をしてもらったの。他の連中とは違うと思う事ね」

 

これまで

 

 エディ「どうしよう、、、」

 

グラハム「隙がないな」

 

いつものように咲月に後ろから撃ってもらいながら攻めても、間違いなく咲月から狙われるだろうな。

 

 愛衣 「うぐっ!」

 

戦い方に悩んでいる内に、愛衣が膝をつく。

 

 愛衣 「私以上の速さね、、、剣と蹴りが同時に来たわよ、、、っ」

 

グラハム「とにかく、いつも通り後ろから支援よろしくね」

 

 エディ「分かった。気を付けて」

 

言葉を軽く交わし、グラハムは双剣を装備し突っ込む。

 

ラファエル「剣が二刀になった所で私に勝てる訳が無いわ」

 

グラハムはラファエル目掛けて剣を振り下ろすも、容易に受け止められる。

 

グラハム「例えそうであっても、大人しく投降する訳にはいかないだろ」

 

ラファエル「ふん、貴方らしい意見ね。この世界の私の記憶通りだわ」

 

グラハム「記憶だって、、、?」

 

ラファエル「あぁ、安心して。頭の中を覗いて調べたぢけだから」

 

ドスッ!

 

グラハム「うぐっ!」

 

予備動作もなくグラハムの腹に蹴りが入り、数メートル飛ばされる。

 

グラハム「まだ───っ!」

 

ラファエル「遅すぎる、、、!」

 

ガツッ!

 

グラハム「ぐっ!」

 

ラファエルは立ち上がる隙も逃さずグラハムの顎を蹴る。

 

 愛衣 「これならっ!」

 

 栞菜 「どう!?」

 

愛衣の残像と栞菜のマインドコントロールの融合の影響だろうか。栞菜の能力により愛衣の残像がよりはっきり確認でき、本当に分身したかのような攻撃を仕掛ける。しかし。

 

ラファエル「同じ技を何度も」

 

ラファエルには何の影響もないのか、愛衣の分身を完全に無視し、迷わず本人に向かって剣を振り下ろす。

 

ザシュッ!

 

 愛衣 「うぐっ!、、、全部見え見えだって言うのっ?」

 

グラハム「はぁッ!」

 

ラファエル「気配を殺し切れてないわ、、、!」

 

ブンッ!カァンッ!

 

絶え間なく仕掛けようとしたグラハムの斬撃が大振りでパリィされ、右手に持っていた夜空の剣を弾き飛ばされる。

 

グラハム「くっそ!」

 

ダダダダダダッ!!

 

ラファエル「あなたはまだまだ未熟ね」

 

ザッ!ザシュッ!

 

ドラケLハブーブに持ち替えたエディの銃撃すら容易くサイドステップで躱し、ドラケLハブーブごとエディを斬る。

 

 エディ「うぅっ!」

 

ラファエル「これで1人」

 

グラハム「咲月、、、ッ!」

 

ラファエルのとどめの一撃がエディに入る前に、グラハムはすぐさまエディを抱えてその場から遠ざかる。

 

グラハム「大丈夫!?」

 

 エディ「うん、まだ体力は半分あるっ」

 

エディが無事でグラハムは一息つく。

にしてもあの力、ルイス以上だな。活路が見出せないがどうしたものか。

 




ピンクマ「急に新キャラ増えてきた」
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