青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ   作:グラハムさんとピンクマ

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第3話「迫りくる脅威・再来」

 

ザスカー支社、ログイン室…

 

 

明日人「、、、っ」

 

複数の任務を達成した明日人は、頭上の大型VR出力装置に少し驚きつつ、社長室へ向かう。

 

 

社長室…

 

 

コンコンコンッ…

 

明日人「失礼します」

 

 社長「どうぞ。繊月君か」

 

明日人「業務を4件済ませてきました」

 

本当はもっと多くこなしたかったが、チーターなど今まで相手にしたことがなかったので1時間かけてしまった奴もいる。

 

 社長「ありがとうございます。それと、本当に『特殊パッチワーク』を使用しなくていいのですか?」

 

『特殊パッチワーク』とは、体力無限や硬直無効などといったチートツールみたいなものだ。もちろん俺は…

 

明日人「はい。それに、こちらもチートを使えば一部から批判がきそうですし」

 

仮に批判が全くないにしても、チートを使うなんて真っ平御免だが。

 

 社長「そうですか。では最後にこれを」

 

そう言って社長は明日人に1つの封筒を差し出した。

おそらく給料だ。受け取るには受け取るが、まだ信用する訳にはいかないだろう。

 

明日人「ありがとうございます」

 

 社長「それではまた火曜日に宜しくお願いします」

 

明日人「分かりました。あ、最後に聞きたいことがあります」

 

 社長「何でしょう」

 

明日人「何故僕に任務を頼んだのですか?」

 

 社長「それは、VR出力装置の信号からして明日人君が‘イノベイター’じゃないかと思ったからです」

 

イノベイター、、、存在を知っているのは病院だけじゃないのか。企業では結構広まっているのか?

 

明日人「そう、ですか。ありがとうございます」

 

明日人は一礼し、会社を後にした。

 

 

帰り道…

 

 

時刻は既に17時半となっており、明日人は自転車を漕ぎながら考えていた。

 

明日人(確かにイノベイターという言葉は月一ペースで聞いていた気がする。その時は聞き間違いだと思っていたけど)

 

その事についてずっと考えていると、あっという間に家に着いた。

 

明日人(考えるのはまた今度にしよう)

 

自転車を停めると家に入る。

今日は1日気張っていたから疲れたな。

 

ガチャ…

 

明日人「ただいま」

 

返事はない。咲月と瑠璃は当然家にいるはずはなく、凛はまだユーフォニアでの仕事中なのだろう。

 

 

午後22時、GGOオールドサウスにて…

 

 

現実世界でいつもと同じ時間を過ごした後、グラハムはんネームドエネミークエストを受注し、1人でレベル上げをしていた。

 

グラハム「はっ!」

 

ザシュ…!

 

最後の一撃により、『オンリーワンス・スティング』を倒した。

 

グラハム「まだ足りない、もっとDEXを上げなきゃ実体剣の両手持ちができない。っ!」

 

次のネームドエネミーの場所へ向かおうとすると、離れた場所(後方)から気配を感じた。

 

グラハム(まさか、また何かに巻き込まれるか?)

 

少し考えたグラハムは、あえて飛行せずに、廃墟ビルの内部へ入っていった。

 

 

廃墟ビル入口…

 

 

廃墟ビルへ入ると、周りを見渡した。

 

グラハム(ここは、、、隠れられるデスクも無ければ椅子もない。仕方ない、正面玄関の横のちょっとした影に隠れて奇襲をかけるか)

 

そう判断し、正面玄関横の影に隠れる。

 

コツ…コツ…コツ…

 

足音が近づいてくる。

 

グラハム(今だな)

 

ビルへ侵入したのを足音で判断すると、サッと飛び出しプレイヤーの片手を掴み押し倒す。

 

????「ひゃっ!!」

 

グラハム「なっ!?」

 

相手を捉えて頭の中が真っ白になる。押し倒した相手はまさかの咲月、、、エディであった。

 

 ルイス「エディ待ちなさいよ!、、、何、あなた達会ってすぐにイチャつくの?」

 

グラハム「こ、これには理由が!」

 

弁解しながらエディの手を引っ張り起き上がらせる。

 

 

 

 ルイス「ってことは襲撃と勘違いした訳ね」

 

グラハム「う、うん、、、」

 

 ルイス「いくら敵でもあの体勢で押し倒すのはちょっとねぇ」

 

グラハム「うん、他の体勢が分からなかったせいです。反省します、、、」

 

押し倒したことを説明すると、ルイスからプチ説教をくらった。

ルイスは戦闘経験豊富だから取り押さえ方もわかってるんだろうな。今度教えてもらおう。

 

 エディ「る、ルイス、私気にしてないから。確かにあの格好は恥ずかしかったけど、、、」

 

そろそろ強引に話を変えさせてもらおう。

 

グラハム「ところで、何でGGOに?」

 

 ルイス「それはもう、その子の様子で分かるでしょ」

 

エディに視線を向けてみると、そっぽを向かれた。耳が赤いな。

 

グラハム「あぁ、、、」

 

 ルイス「まだ3日はあるけど、席を外してあげるから褒めてあげなさい」

 

そしてルイスは階段で2階へ向かった。

 

 エディ「うぅ、明日人〜っ」

 

ルイスの姿が見えなくなりグラハムが振り返ると、エディはすぐにグラハムに抱きついた。

 

グラハム「よしよし、いつもお疲れ様。残り3日も頑張って」

 

 エディ「うん!」

 

エディが笑うと、グラハムは頭を撫でた。

ずっとこうしてたい、、、。

 

グラハム「っ!」

 

何かに気づいたグラハムはエディを抱き寄せたまま、先程隠れていた入口の影に再び隠れた。

 

 エディ「ど、どうしたの?」

 

グラハム「誰か来る。しかも嫌な予感だ」

 

耳を澄ませると、段々こちらに近づいてくる音がよく分かる。

 

ドォンッ!

 

すると、足音と同じ方向から対物ライフルのような音が聞こえてくる。

 

ガラガラッ…

 

2階を狙ったのだろうか。上から天井が崩れるような音がする。

、、、ん?2階?

 

 エディ「ルイス、大丈夫かな、、、?」

 

エディが小声で心配している。

 

グラハム「不味いな。もし相手がシステムチーターならすぐにルイスの様子を見なくちゃならない」

 

 エディ「システムチーター?」

 

グラハム「倒された人は去年の俺と同じようになる、と考えればいいよ」

 

 エディ「いいよって、、、それじゃあ、今の内に、、、」

 

姿を視認されてない内にこっそり脱出しようと考えたか。擬似太陽炉が消されてなければ容易いが。

 

グラハム「いや、このビルは運悪く出入り口がここしかないから裏口がない。光学迷彩を使う手もあるけど弱体化のアプデで効果時間が短くなったから逃げてる途中で切れたらひとたまりもないかも」

 

 エディ「はぁ、仮に今ここでログアウトしても、再度ログインしたらトラップとか仕掛けられてるかもしれないね」

 

グラハム「こうなれば俺が行くしかない。咲月はそっと瑠璃の様子を見てきてほしい」

 

時間がない為グラハムが飛び出そうとすると、エディがグラハムの手を掴み、引き止めた。

 

 エディ「また、離れちゃう?」

 

グラハム「、、、」

 

去年、約束したもんな。

 

グラハム「大丈夫、どこにも行かない。それに、去年『咲月を連れて行く』と約束したから、そのためにも後方支援をしてほしいかな」

 

まぁ、窓枠からなら安全かつ身を守りながら支援してくれる。それにまた俺が入院するかなんて分からないじゃないか。

 

 エディ「分かった。気をつけて」

 

エディは健闘を祈ると、ルイスの様子を確認しに屈みながら2階へ向かう。

 

グラハム「よし、不正者狩りの始まりだ」

 

グラハムはビルの入口から飛行能力で颯爽と飛び出す。

相手は3人、厄介だな。

 

不正者A「なっ、は、早い!」

 

そう言って相手はアサルトライフルを乱射した。そのプレイヤーはヘッドショットを的確に狙うオートAIMと飛行の害悪な組み合わせであることが分かる。

 

グラハム「久しぶりに使おう、ホルスタービット展開!」

 

宣言するとグラハムのストレージから12基のホルスタービットが射出され、頭を守りながら急接近する。

 

不正者B「後ろからなら!」

 

グラハム「甘いな」

 

シュッ…ザシュッ!

 

グラハムは急旋回し、後ろから撃とうと企んだチーターめがけて夜空の剣で一刀両断した。

 

不正者B「がっ、、はっ、、」

 

グラハム「誰かが飛び込んで来るように、敢えて背後をガラ空きにしておいたのさ」

 

不正者B「このぉ!」

 

一刀両断したはずが、体半分で銃撃を仕掛けだした。体力無限チートだろうか。

 

グラハム「死なないってのは便利だが、体を切断させられるゲームには無意味の機能だぞ」

 

バシュッ!

 

銃弾をホルスタービットで防御し、その後さらに相手の首を切断した。

 

グラハム「まずは1人」

 

不正者A「ちっ」

 

飛行チーターはオートAIMの力でグラハムに撃つも、ホルスタービットの手厚いガードで命中することがない。

 

グラハム「今のうちに3人分通報しておくか」

 

ホルスタービットに守られながら、相手のプレイヤー名を確認していく。だが、その3人は匿名だった為無駄な動きになってしまった。

報告機能をもうちょっと強化してくれ運営。

 

不正者C「もういい、俺がやる」

 

ホルスタービットで防いでいると、不正者の1人が対物ライフルを取り出した。しかもその銃口は2つ空いている。

 

ドォォォンッ!!

 

その銃声はヘカートⅡの2倍の轟音を鳴らし、ホルスタービットを4枚破壊した。

 

グラハム「なっ!」

 

ホルスタービットの破片が少しグラハムに刺さってしまう。

 

グラハム「オリジナルの対物ライフルに対物狙撃散弾を装填してるのか。弾も自分で作るなんてな」

 

不正者A「もう一発頼む!」

 

不正者C「口出しするな」

 

ドォォォンッ!!

 

静かに苛立ったような声を出し、もう一度対物ライフルを放つ。

 

グラハム「、、、今だ!」

 

 




ピンクマ「Ⅱではグラハムは入院するのでしょうか?(笑)」
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