青年と少女のマルチプル・オンラインⅡ 作:グラハムさんとピンクマ
街外れの岩場…
グラハムは高所から飛んでくる矢をGNフィールドで防ぎつつ前へ出る。
????「例の技だ」
????「対処します」
俺が太陽炉の力で戦うことも知っている。予想通りこいつらは組織の部隊か。
先に司令官を倒したいが全員同じ仮面をしている為、誰が上か分からない。
グラハム「威嚇程度にと、、、」
グラハムは中距離でRE-45を放つ。RE-45はフルオートピストルなので距離が離れすぎている為、弾がバラける。
グラハム「向こうも銃で来ればいいものを、、、」
一定距離近づくとグラハムはRE-45を投げ捨て、夜空の剣での攻撃に集中する。
グラハム「まずは1人やれる!」
一定の距離がある今、チャンスだと考え敵1人に目掛けてソニックリープを発動する。
ザシュッ!
敵1人の体に剣身が深々と入る。
????「今だ!」
斬られている男は全く痛がる様子もなく他4人に指示する。
????「ここならっ」
グラハムの背後から長さ3mほどの鉄の剣が迫る。
本当に誰が喋ってるか分からなくなるな。発声のシステムがいじられてるかのように聞こえてるから混乱する。これも狙ってやったのだろうか。まぁそれは置いておき、剣にしてはゴツいな。
グラハム「させないッ!」
瞬時に察知したグラハムはGNフィールドを展開する。
ジリジリ…
グラハム「なっ!?」
敵の大きな剣が展開したGNフィールドにじわじわ侵入していく。
ビリッ!
グラハム「うっ!」
グラハムはすぐさま右側へステップ回避し、ダメージを最小に抑える。
グラハム(あのゴツい剣、対GN粒子装備か。それと、GNフィールド内にめり込んできた時、電撃も飛ばしてきたから厄介だな)
????「捕縛Cだ」
????「「はい」」
1人倒され、残りの敵4人はT字にフォーメーションを組みグラハムに接近する。
やっぱり俺の捕獲。なら出し惜しみなく抵抗するか、、、。
グラハム「本当は今後の為に隠して置きたかったんだが、お前らが俺の対策をしてるなら本気で行くしかないよな」
そう言ってグラハムは左手でストレージから新たに剣を装備する。スティラとの模擬戦で使用した白い夜空の剣だ。
グラハム「ナイトメア・レイン!」
半年前、GGOでレインに教わった技で左側の敵1人を狙う。
ザシュザシュザシュッ!
????「うっ」
呆気ない声を出し敵を倒すと、すぐに後方へ下がる。
グラハム「時間をかける訳にはいかない、一気に終わらせる!」
この戦闘中、あらかじめチャージしていたGN粒子を解放する。
グラハム「トランザムッ!」
グラハムのセリフで赤く輝き、双剣も青白く輝き出す。
グラハム「終わりだ!トランザム・レインッ!」
????「、、、失敗した」
トランザムの速度とソードスキルのコンボにより、残りの敵3人を一気に倒すことに成功した。
グラハム「目標を撃破っと。ありがとう、レイン」
この場にいないレインに礼を言い、周囲に危険がないことを確認すると2本の剣をストレージに収納する。
グラハム「そろそろ本格的に危険が迫ってくるな」
人間から少しかけ離れたイノベイターになってしまったが、未来が少し見えるという能力は地味にありがたい。
俺の知ってるアニメとは詳細、理論は違うが。
グラハム「おっと、そういえばログアウトの場所を探してたんだった」
それから数分後、ようやくグラハムの身に適した茂みを発見し、その中に潜んでログアウトした。
現実世界、明日人の部屋…
明日人「ログアウトしたものの、昼か」
正確な時刻は12時5分。咲月と瑠璃の休憩時間はまだ先だろう。
明日人「、、、瑠璃にLIMEだけでもしておくか。内容は」
〘瑠璃、急な質問だけど、君の妹っている?〙
明日人「、、、うん、もうこれでいいか」
他に良い文が思いつかなかった明日人はそのまま瑠璃へ送信する。するとすぐに既読が付いた。どうやら丁度昼休憩中だったらしい。
瑠璃〘どうしてそのことを?〙
明日人〘最近、ちょっとした事情でいつもとは違う仮想世界へ行ってるんだ。そして女の子を助けたら、姉さんを探してるみたいで、その人の特徴を聞いてみると瑠璃と共通してるような気がしたんだ〙
『第3マルチプル・オンライン』の説明は長くなるから省こう。瑠璃からの返事は。
瑠璃〘その姉の名前は?〙
あっ、しまった聞きそびれた。
明日人は急いで仮想世界内にいる凛にメッセージを飛ばす。するとすぐに返事がきた。
〘ラファエル ベージョ グルニエ〙
明日人「ラファエル、か」
そしてすぐに瑠璃に送る。
瑠璃〘、、、確かに私の本名。このことは明日帰ったら話す〙
ここで瑠璃とのやり取りは終了した。
明日人「なんだか、あまり話したくなさそうだったな」
スマホの画面を閉じ、明日人は後方のベッドへ体を預ける。
明日人「でもこの反応、本当にウリエルのお姉さんってことだし、、、何をしてあげればいいかな」
この事を考えている内に昼過ぎになった。
明日人「、、、明日その話を瑠璃とするんだし、今1人で悩んでても仕方が無いか」
翌日の夕方…
咲月「ただいま〜ッ!」
明日人「おぅ、お帰り」
午後16時、1週間振りに咲月と凛が声優業から帰って来た。寂しかったのだろう、咲月は靴を脱ぐと早速明日人に抱き付く。
咲月「へへへ♪明〜日人〜♪」
明日人「よしよし。咲月と瑠璃、1週間お疲れ様」
瑠璃「ありがとう」
咲月「ありがと!じゃあ、手を洗ってくるね」
明日人「うん」
咲月は明日人から離れ、洗面へ向かった。
瑠璃「、、、明日人」
今靴を脱いだ瑠璃が声をかけてくる。
明日人「はいはい?」
瑠璃「昨日のやり取りの続きなんだけど、その、どこから話せばいいのかしら、、、」
明日人「ん、そうだね、、、じゃあ一旦、俺と瑠璃の向こうでの出来事を話すよ」
瑠璃「分かった」
そして、話をする前に瑠璃も洗面へ向かう。
ダイニング…
明日人達は椅子に座り、「第3マルチプル・オンライン」のことを話した。
瑠璃「そう、、、エル、私を探してくれてたのね、、、」
どうやら瑠璃はウリエルのことを「エル」と呼ぶらしい。
明日人「うん。瑠璃を誰よりも想って、今も帰りを待ってるよ」
瑠璃「あの子は小さな頃からホントに、、、。明日人、私、今すぐにあの子に会いたい」
明日人「分かった。この12桁のシード値を使えば帰れるから」
咲月「ねぇ明日人」
そこで少しだけ口を閉じていた咲月が明日人に声をかけた。
明日人「何?」
咲月「私もこの世界に行きたい」
明日人「で、でも、、、あっ」
そうだ、何回も言ってるじゃないか。あの時咲月を1人にしないと誓ったんだ。過保護過ぎるのも良くない、か。
明日人「うん、もちろん。絶対に守る」
咲月「、、、うん♪」
咲月はホッとしたような笑顔を見せた。
瑠璃「隙きあらばイチャイチャしようとするわね、、、」
明日人「あっ、じゃ、じゃあ早速ウリエルの所へ───」
ブーッ、ブーッ…
自室ヘ行くために立ち上がると、明日人のスマホに電話がかかってきた。
相手は、、、ザスカー支社の社長だ。
明日人「ごめん、先にログインしてて。もしもし?」
社長『夜遅くに申し訳ございません。繊月君、今すぐにでも君の協力が必要なんです。どうか自宅からログインして頂けないでしょうか』
社長の声は何処か焦っているように思える。
明日人「何かあった、、、いや、聞くよりも先にログインします。場所は?」
社長『ありがとうございます。GGOのオールドサウスのドーム周辺です』
明日人「分かりました、失礼します」
明日人は電話を切り、すぐさま咲月達に伝える。
明日人「皆ごめん、急ぎの用ができちゃったから先にウリエルの所へ行ってあげて」
凛 「何かあったのですか?」
明日人「今から話すと長くなるから、簡単に言うと、ザスカーからの支援要請」
咲月「えっ、余計に気になる、、、って言ってる場合じゃないね。私も行く!」
凛 「支援要請と聞けば、手数は多い方がいいでしょう」
明日人「ありがたいけど、、、瑠璃、もしかしたら長引くかもしれない、先に1人でウリエルのもとへ行く?」
瑠璃「いや、1人じゃ会う勇気がない、、、かもだから、先に明日人の用事を手伝うわ」
明日人「ん、分かった。じゃあ皆、よろしく」
1年空いたら、姉妹と言えど会いづらく思うのかな?
まぁいい、瑠璃とウリエルの為にさっさと終わらせよう。
ピンクマ「遅くなってごめんね!(毎回言うようになりそう)」
白夜の剣・・・名前の通り白夜を思わせる色合いの剣。
参考にしたものは「SAOAL」。
パラッツォ・・・ウリエルの名前の一部。意味はイタリア語で宮
殿。
ベージョ・・・ルイスの本当の名前の一部。意味はスペイン語で
清楚。
ピンクマ「仮想世界の設定で名前に込められた解釈が違うってことで、名前の意味については深く考えない方がいいかもね!」