神の名を持つライダーはヒーロー志望 作:Katarina T
「雄英体育祭がもう時期に迫ってる。」
「「「体育祭!!!」」」
朝のホームルームに怪我が完治した相澤先生から唐突に発表された体育祭の存在にクラスメイト達は驚きの声を上げた。
「くそ学校ぽいの来たーーーー!」
「待て待て!この前襲撃があったばかりなんだぞ。」
「そうですよ。ヴィランに潜入されたばかりなのに、体育祭なんてやっていいんですか?」
「また襲撃なんてされたら……」
切島は学校ぽい行事にワクワクしながら声を上げたがそれを止めるように、つい先日の襲撃を思い出し、ほとんどの生徒が体育祭開催に疑問の声を上げた。
(まあ普通はそれが正しいよなぁ)
静時も実際はそう感じていたが、中止するわけにはいかない理由があった。
それは、体育祭の規模によるものだ。
雄英の体育祭は普通の高校とは規模が全く違う。その規模とは、オリンピックに代わり、日本の一大イベントと言われているほどだ。
その為この体育祭はヴィランごときで中止にするわけにはいかないのだ。
さらにこの体育祭には、日本全国から大勢の人が見に来る。その中には当然現役のプロヒーローたちや大手企業なんかも入ってくる。
そのような人たちの目に留まればこれからの進路に大きく役に立つことだろう。
つまり体育祭とは、生徒たちが自分をアピールする絶好のチャンスでもあるのだ。
以上のような理由から体育祭の開催は決定事項である。
しかし、雄英も先日のヴィラン襲撃の件もあるため全国にいるプロヒーローに警備を要請し、例年より5倍の警備体制にすることにし、雄英の警備は万全であることを証明しようとしていた。
相澤先生から体育祭のことが話終わると朝のホームルームは終了した。
「そうは言うけどやっぱ体育祭楽しみだよな!」
ホームルームが終わると、静時は切島と上鳴、あと鳥のような頭で少し妙な言葉遣いをするクールな少年 常闇踏影 と、プロレスラーのような体でタラコ唇の少年 砂藤力道 と集まり、先ほどの体育祭について話をした。
切島はやはり体育祭のことが楽しみなのかそのように話し出した。
他の三人も同意見なのか、切島の言葉に賛同し、各々気合の籠った表情を浮かべた。
そんな会話をしていると、
「みんなーー!私頑張るーー!!」
唐突にいつもと様子の違う麗日が右手を上げながら意気込みを述べてきた。
切島たちはあまりの気迫に戸惑いながらも右腕を上げ返事をした。
その後も、麗日は頑張るーー!とクラスメイトの皆に言って回っていた。
午前の授業が終わり昼食の時間になった。
(みんな精一杯体育祭に臨もうとしている。……自分の夢の為に)
(俺も負けてられないな!)
静時は昼食も取らず一人相澤先生の下に向かっていた。
それは、体育館の利用許可をとるためだった。
静時は、前回クロノスを初めて実戦で使った際、確かに体はボロボロになり倒れてしまったがそれと同時に確かな手ごたえを感じることが出来た。
―――――まるで自分の体がクロノスに適応してきてるような感覚を
(実際不安はあるがこの感覚を忘れないうちに少しでも多くクロノスを使っておきたい)
静時は一抹の不安を感じながらも、いち早くクロノスの力をものにしたいと考え、放課後体育館で個性の特訓をさせてほしいと頼みに行った。
相澤先生は、先の事件でクロノスに変身したらどうなるのかを知っているので難色を示したが静時の覚悟を聞いて、自分かほかの教師の同伴の下で行うことと絶対に無理をしないことを条件に体育館の使用を了承してくれた。
その後放課後になると、1-Aの教室の前に大勢の人だかりが出来ていた。
その多くは、ヴィランの襲撃に耐え抜いたことに興味を持った人たちで体育祭の前に敵情視察をしに来たのだ。
そんな人たちに向かって爆豪はいつもの暴言をかまし、A組のヘイトが高くなったり、半目の少しくらい雰囲気の紫色髪の少年 心操人使 がA組に宣戦布告してきたりとあったが、何とかその場は収まり、静時は同伴することを了承してくれたセメントス先生と共に体育館に来ていた。
「それじゃあ始めるよ!」
「はい!お願いします!」
セメントス先生が個性を使い大きなコンクリートの塊を複数作った。
静時は、『バグルドライバーⅡ』と『仮面ライダークロニクルガシャット』を取り出すと、『バグルドライバーⅡ』を腰にセットし、『仮面ライダークロニクルガシャット』を起動させた。
『仮面ライダークロニクル!』
「変身!」
―――――それから数時間が経った。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
静時は、気絶こそしてないが数回に亘るクロノスの連続変身によって立っているのがやっとの状態になった。
(変身していられる時間は約10分くらいか……まあまあ伸びたけど、まだクロノスの状態でエナジーアイテムは使えない……ポーズなんて論外だ)
実際クロノスの状態でエナジーアイテムを使ったらほぼ確実に体が負荷に耐え切れず強制変身解除になってしまうし、ポーズは使えることは使えるがほぼ一瞬しか止めていられず、強制リスタートになってしまう。
(くっ…やっぱりまだまだコントロールが出来てないっ!)
そう、クロノスの負担の原因の一つは、静時がクロノスの力のコントロールがうまくできていないことである。だから静時は何度もクロノスになり、コントロールをマスターしようとしているのだ。
「今日はこのくらいでやめておこう。」
セメントス先生は静時の様子からこれ以上は危険と判断し、特訓を終えようとした。
静時もこれ以上は危ないと判断しセメントス先生の言葉に従った。
次の日は相澤先生が同伴してくれた。
何故かその横にマッスルフォームのオールマイトと緑谷が一緒にいた。
「やあ❕壇少年❕実は君が個性の特訓をしているって聞いてね❕それなら緑谷少年も一緒にと思って連れて来たんだ❕」
「僕も個性の制御が出来るようにならなくちゃいけないからよろしくね!檀君!」
「と、言うわけだ突然で悪いが緑谷も一緒に行うことになった。」
「俺は大丈夫ですよ。緑谷、こちらこそよろしく。」
静時と緑谷が特訓を開始しようとしている傍でオールマイトと相澤先生は二人話をしていた。
「(相澤君、何故いきなり壇少年と緑谷少年で特訓をさせるんだい?)」
「(壇の個性なら緑谷と同一の戦闘スタイルで戦うことも可能なため緑谷の個性制御のヒントになるかもしれない。仮に緑谷が怪我をしても壇の個性は怪我の回復も行うことが出き、直ぐに治療が出来る)」
「(壇の方も一人より相手がいる方がより早くコントロールが出来る。)」
「(とまあ、大体こんな理由ですよ)」
「(なるほど、流石相澤君)」
静時は今日は自力を鍛えるための訓練を行うことにした。
「そういや緑谷、お前個性の制御がまだできないんだよな。」
「うん、USJの時一度だけ成功したんだけど……」
「なるほど、とりあえず相手は用意するからそいつと戦ってみな」
「え?相手ってどういう…」
静時はエナジーアイテムホルダーから桃色のメダルを取り出し自分に投げた。
『分身!』
その声と同時に静時が三人に増えた。
「え!?ふ、増えた!どうなってるの!?」
「まあ、落ち着け。緑谷、お前にはこの分身の俺が相手になる。分身だから遠慮なく攻撃していい。」
「え、でも大丈夫なの?」
「問題ないから安心しろ。俺は俺で分身と組み手をやるから」
静時はそう言うと少し離れた位置で組み手を始めた。
緑谷も個性の制御が出来るように特訓を開始した。
そうして数日が経ち体育祭が始まった。