神の名を持つライダーはヒーロー志望 作:Katarina T
体育祭当日、雄英には体育祭を観戦しようと大勢の人が押し寄せていた。
大勢の人々から起こる熱気や興奮がこの体育祭をどれだけ楽しみにしていたのかが伝わってくる。
そんな人々は先の事件もあって、今年は一年生のステージの注目が集まっていた。
そんな注目の中心にいる1-A組の皆は、控え室で体育祭の開始を待っていた。
皆、緊張していながらやる気十分といった表情を浮かべていた。
そんな中、轟が緑谷に声をかけて来た。
「緑谷」
「轟君……何?」
「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う。」
「へ!?う、うん……」
そのような轟の言葉に緑谷は戸惑いながらも肯定した。
轟はそんな緑谷の様子に気にも留めず話を続けた。
「おまえオールマイトに目ぇかけられてるよな。」
「別にそこ詮索するつもりはねえが……」
「おまえには勝つぞ」
轟は、覚悟の籠った目をしながら宣言した。
そして轟は今度は静時の方を見て、声をかけた。
「そして壇、お前にもな。」
静時は轟の目を見ながら話を聞いた。
「正直言ってお前のことはよく分からない。」
「だが、USJでお前の戦いを見て、すげぇって思った。」
「だからこそ俺はお前に勝つ。」
「おお!?クラス№2がクラス最強に宣戦布告!!?」
「急にケンカ腰でどうした!?体育祭直前にやめろって!」
流石の雰囲気に切島が止めに入るが轟は聞く耳を持たず止める切島の手を払いのけた。
そんな中宣戦布告された緑谷は俯きながら話し始めた。
「轟君が何を思って僕に勝つって言ってんのか……わかんないけど……」
「そりゃ君の方が上だよ……実力なんて大半の人にはかなわないと思う……客観的に見ても……」
緑谷から出る言葉はネガティブなことばかりで、切島はフォローしようとした。
しかし、
「でも…!!」
続く緑谷の言葉には、強い力が思いが込められていた。
「皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ!」
「僕だって遅れを取るわけにはいかないんだ…!」
(最高のヒーローに)
(もっと強くなりたい……)
自分のなりたいものを、自分の決意を、胸に緑谷は顔を上げ真っ直ぐ轟と静時を見つめ、こう言った。
「僕も本気で獲りに行く!」
今までで、一番意志の籠った目をしながら…
(ふっ!こいつら…!)
静時は二人の意志に応えるように二人向けて話し出した。
「俺とて、負けるつもりはない。」
「お前たちと戦い、俺が勝ってみせる!」
そしていよいよ開始の時間になった。
『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!!』
『どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?』
『敵の襲撃を受けたのにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』
『ヒーロー科1年!!』
『A組だろおお!!?』
プレゼントマイクの紹介と同時にクラスメイト達と共に会場に入場した。
観客席からは、激しい声援が沸き起こった。
クラスメイト達のほとんどはあまりの人の多さや会場の盛り上がりに緊張したりそわそわと落ち着きなく周りを見回していたりした。
(すっげぇ人の数だな…)
静時もその人の多さに驚いていたが、前もって知っていたこともありそこまで緊張はしなかった。
A組に続き、同じヒーロー科のB組、普通科のC・D・E組、サポート科のF・G・H組、経営科のI・J・K組も入場した。
その後、ヒーロー科の入試1位通過の静時が選手宣誓を行い、第一種の発表が行われた。
今年の一年の主審であるミッドナイトが進行しながらスクリーンに種目名が投影された。
その種目は『障害物競走』
種目が発表されるとミッドナイトは詳しい内容の説明を始めた。
「計11クラスでの総当たりレースよ!」
「コースはこのスタジアムの外周約4km!」
ここまでは普通の競走と同じだが、
「我が校は、自由が売り文句!」
「ウフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
そう、この障害物競走は自分の個性で他の選手を妨害してもいいのだ。
それは直接的な攻撃はもちろん、罠などを用意することもOKだ。
そのような妨害をかいくぐりながら雄英が用意した障害物を突破しなければならない。
そして通過できるのは上位42名のみ…
(油断してると足元救われかねないな…)
静時はエナジーアイテムホルダーを出しながら、真剣なそれでもどこかワクワクしたような表情を浮かべ開始の合図を待った。
スタートゲートに設置してある三つのランプが光だし、消えはじめた。
(いよいよだ!)
全てのランプが消えると同時に、
『スター――――――ト!!!』
開始の合図が高らかになり響いた。
さあいよいよ雄英体育祭開催だ!!