神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

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16話

最初に動いたのは轟だ。

開始の合図と同時に個性を使いスタートゲート付近を凍らせた。

それにより狭いゲートを抜けることに苦戦していた生徒の足元が凍り身動きが取れなくなってしまった。

 

(だが来るとわかっているなら対処はしやすい)

 

静時はあらかじめ『ジャンプ強化』と『高速化』のエナジーアイテムを起動しており轟の妨害を難なく搔い潜ると、轟よりも早く前に出た。

静時以外の特に轟の個性を把握していたA組の生徒も皆各々のやり方で妨害を防いでいた。

 

静時が高速で進んでいくと、最初の障害物が顔を見せた。

 

『さぁいきなり障害物だ!!』

『まずは手始め…』

 

『第一関門、ロボ・インフェルノ!!』

 

静時の前に入試の際現れた巨大仮想敵が複数現れた。

 

「倒す必要がないならやりやすい!」

 

静時は速度を落とさず、エナジーアイテムを一枚自分に投げた。

 

『マッスル化!』

 

強化された筋力とジャンプ力を使い仮想敵が反応できないスピードで仮想敵の間を飛び跳ねて躱していく。

 

(距離が少し長いからエナジーアイテムの使用数を控えないと)

 

『1-A 壇!仮想敵を見事にかわし翻弄!!スピードを全く落とさず一抜けだーー!!』

 

すぐ後ろから凄まじい冷気と轟音がなったが、静時は気にせずに迫りくる冷気を避け、次の障害物へ急いだ。

 

 

『第二の関門、ザ・フォール!!』

 

前に走る静時の目の前に巨大な崖が現れた。その崖の底は見えず暗闇が続いていた。

崖の間には小さな足場のような小島がいくつかあった。

 

(島と島との距離があのくらいなら)

 

『ジャンプ強化!』    『ジャンプ強化!』

 

静時は二枚のエナジーアイテムを使い強化されたジャンプ力を発揮し崖の間にある島間を飛びながら進んでいく。

 

『オイ!オイ!1-A壇!ここでも全くスピードを落とさず独走!!さながら人間バッタだ!!』

 

『あいつの個性は汎用性が高い。だから大抵の状況に対処できるんだろう。そしてそれはその場の状況によって適切な対処を実行できる壇の判断力が高いということだな。』

 

 

 

静時はスタートしてから全くスピードを落とすことなく三つ目の障害物につくことが出来た。

 

(ここまで順調に進むことが出来た。…だけど次は……)

 

『おおっと!!いよいよトップが第三関門に到着だ!』

『第三関門は…地雷原だ!!』

 

この障害物は威力こそないが、ノックバック&煙&音はある地雷が地面に大量に埋めてあり、それを上手く避けつつ進まなければならないというものだ。

つまり今までのように身体能力を上げるだけで突破することが出来ないステージなのだ。

 

(時間はかかるけど慎重に躱していくしかないか)

 

静時が上手く地雷を避けながら進んでいくと、

 

「待てや!こらーーーーー!」

「ようやく追いついたぞ」

 

後方にいた轟と爆豪が追い付いてきた。

 

「ちっ!流石にのんびりしすぎたか」

 

二人は静時に追いつくと爆豪は爆破で轟は氷で静時を攻撃してきた。

静時は、『マッスル化』と『鋼鉄化』を使い二人の攻撃をさばきながら前に進んでいった。

 

『ここで先頭を走っていた壇に爆豪と轟が追い付き乱戦状態に!!勝負の行方が分からなくなってきたぞ!!』

 

三人は互いに相手の妨害をしつつゴールを目指し走り続けた。

すると突然大きな爆破音がなったと思うと凄いスピードで静時たちの頭上を通過する物体があった。

それは最初の障害物のロボの残骸をまるでそりのように体の下に敷いている緑谷だった。

 

『なななんと!!ここで緑谷が三人を抜いてトップに躍り出た!!』

 

「なっ!」

「くっ!」

「ちっ!」

 

突然起こった出来事に静時を含めた三人は硬直したが、直ぐに気を持ち直し爆豪は両手の爆破の推進力で空を飛びながら、轟は氷を地面に貼り地雷を受けない道を作りながら、静時は『高速化』を使い自身の速度を上げながら、緑谷を追い越そうとした。

すると緑谷は敷いていたロボの残骸を空中で回転して地面にたたきつけた。

 

Boooooo!!!

 

再度地面の地雷が爆発し、静時たち三人が吹っ飛ばされた。

緑谷はその隙に全力でゴールに走った。

 

(やられた!)

 

静時たちも慌てて体制を立て直し緑谷の後を追うようにゴールに急いだ。

 

 

 

結果として緑谷が1位になり、静時は2位という形になった。

 

「はぁ…はぁ…やれやれ本当にしてやられたな」

 

静時は、先ほどの競技のことを振り返っていた。

実際静時は緑谷が今回のような行動をすることを知っていたはずだったが、爆豪と轟の妨害が激しかったため頭の中から緑谷のことが抜けてしまっていたのだ。

そもそも静時がこの世界に転生してきてかなりの時間が経っているため話の大筋や登場人物などはともかく今回の緑谷の行動のような細かなことを忘れやすくなってしまっているのだ。

 

(しっかりしないとな。これまではヒロアカの物語のとおりに進んでいるけどこれからもそうだとは限らない……ていうか俺がいる時点で原作と違っているか)

(どんな小さなことでも原作との乖離は見逃さないようにしなければならない)

(今回は体育祭だからいいもののこれが敵のことだったら……)

(いやよそう。今そんなこと考えてもしょうがない、今は次の競技に集中しよう)

 

静時は自分の中の不安に蓋をして次の競技の発表を待った。

 

 

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