神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

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2話

突然だがこの世界には『個性』と呼ばれるものがある。

ざっくり言うとワン〇ースやジョ〇〇なんかで出て来る能力のようなものだ。それは総人口の約8割の人々が持っているものであり、火を出したり体を大きくしたりと人によって違ってくる。ヴィランのほとんどは個性を悪用し、ヒーローは自分の個性を発揮して取り締まる。その為、個性の有無は大事になってくるし、オールマイトでさえ最初は無個性の緑谷にヒーローを諦めるよう促したほどだ。

 

そんな個性が俺にもあったことにとりあえず安堵した。

 

「流石に無個性でヒーロー目指せるだけの戦闘知識も度量もないからな」

「しかしこれは…」

 

俺の両手には『バグルドライバーⅡ』と『仮面ライダ―クロニクルガシャット』が握られていた。

 

「なぜ仮面ライダークロノスなんだ…」

 

 

 

仮面ライダークロノスとは仮面ライダーエグゼイドでラスボスとして立ちはだかった存在であり、そのスペックはかなり高く幾度となく主人公たちを苦しめてきたチートライダーの一人だ。前世ではその能力や必殺技の演出、何より変身者である壇 政宗のキャラクター性もあってかなり好きなライダーであった。

 

とまあ、本来なら悪役側だけど個人的に好きなライダーだし、何より今後のことを考え、できる限り強い個性のほうがいいと思っていたこともあって、とりあえず納得することにした。

 

「しかしクロノスか…こりゃあ鍛えておいたほうがいいな」

 

そう、仮面ライダークロノスのスペックや能力はかなり秀でているが、変身者の技量が戦闘力として反映されるため、変身者である自分自身を鍛えることはかなり重要になってくる。

 

「やる事は多そうだな。とりあえずできることの確認からかな」

 

 

 

 

時は戻り入試当日、筆記試験を受けた後、広い講義室のような部屋に受験者は集められた。

スクリーンの前にプロヒーローであり、雄英の先生であるプレゼントマイクが立ち、やけに高いテンションとでかい声でこれから行われる実技試験について説明され、そのままの足で試験会場に集められた。

周りを見渡すと、同じようにこの雄英入学を目指している受験生たちが大勢いるが、どうやら緑谷たちとは別のブロックになったようだ。

原作のあのシーンを見れないことに少しがっかりするが、直ぐに気持ちを入れ替えこれから行われる試験に集中する。なにせ実験をしたとはいえ、本格的に個性を使って戦闘を行うのはこれが初めてである。静時は薄い黒が基調の板エナジーアイテムホルダーを手に開始の合図を待った。

 

 

『はい‼それじゃあ実技試験スタート‼』

 

 

プレゼントマイクが試験開始の合図を上げた瞬間、静時は地面を蹴って一気に飛び出した。

それと同時にエナジーアイテムホルダーから黄色いメダルを取り出し自分に投げた。

 

『高速化!』

 

どこからかそんな声が聞こえた瞬間、静時のスピードが驚異的に上昇した。

 

「うぉっ!はや!?」

「やばっ!出遅れた!」

「くそっ!」

 

唐突の開始宣言にあっけにとられていた他の受験者たちも遅れを取り戻そうと急いで走り出した。

そんな中、無事にスタートダッシュを決めることが出来た静時は、スピードが上昇しているまま目の前の緑色の装甲の仮想敵に接近する。

 

『標的発見!ブッ殺ロス!!』

 

「何とも物騒だな」

 

そう呟きながら今度は赤と灰色のメダルを取り出し、赤色は自分の体、灰色は右腕にそれぞれ投げた。

 

『マッスル化!』   『鋼鉄化!』

 

再び声が鳴ると、今度は静時の上半身が一瞬マッチョのように盛り上がり、右腕は鋼鉄のような見た目になった。

 

「おりゃあっ!!」

 

静時はスピードを一切緩めず、変化した右腕を仮想敵に叩きこんだ。すると仮想敵は火花を散らし粉砕した。

 

「やっぱり生身の状態でもエナジーアイテムを使うことが出来るんだな」

 

先ほどから静時が使っているものはエナジーアイテムといい「仮面ライダーエグゼイド」に登場するアイテムで、取得することでステータス強化や回復など様々な効果を得ることが出来る。その効果は強力で、たった1枚でレベルがケタ1つ違う相手にも肉薄できるようになるほどだ。

 

「うっし!とりあえずこの調子で倒していきますか」

 

静時はエナジーアイテムの効果を確かめながら時折危なそうな受験者の手助けをしながら仮想敵を探し倒していく。

静時が順調にポイントを稼いでいると、突然大きな爆音と共に地響きがなった。勢いよく音がなった方へ振り向くと、ビルすら上回るほどの巨体を持ったロボが受験者たちを見下ろしていた。

 

 

「「「「うわああああああああああああ!?」」」」

 

 

「でかっ!?あれが0ポイントの敵か!」

 

 

受験者たちは突然現れた巨大な敵にパニックを起こし逃げ出した。静時は逃げる受験者たちを尻目に一人考える。

 

(ポイントはもう十分稼いでいるし、無理に戦う必要はない……)

(…だがクロノス抜きでの全力を図るいい機会だ。何より……この程度の奴から逃げるようでは、これからの敵に太刀打ちできない!)

 

静時はそう心に決め、エナジーアイテムショルダーからメダルを取り出し自分に投げる。

 

『鋼鉄化!』  『ジャンプ強化!』  

 

『マッスル化!』 『マッスル化!』  『マッスル化!』

 

五枚ものエナジーアイテムを使用し、静時の体の奥から信じられないエネルギーがみなぎってきた。

 

「よし!いくぞ!!」

 

静時は強化されたジャンプ力を使い、巨大敵に向かって飛んだ。そして、右腕で拳を握り力の限り敵に叩き込んだ。

 

「はああああああ!!」

 

ドッガァァァン!!!

 

 

静時の一撃を受け、巨大な仮想敵は轟音を立てて倒れスクラップになった。それと同時に

 

『終了~!!』

 

試験の終わりを告げる合図がなった。

 

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