神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

5 / 17




5話

個性把握テストが終わった後、静時たちは改めて教室でガイダンスなどを聞いた。時間が過ぎ、先生の説明も終わり帰宅する時間になったころ静時は、

 

「よぉ、さっきのテストお疲れさん。」

「ええ!!僕ですか!?」

 

緑谷に話しかけていた。

緑谷はいきなり声をかけてきた静時に驚いたように返事をした。

 

「いきなり声をかけたのは悪かったけど、ちょっと驚きすぎじゃないか?」

「あははは…」

「まあ、それはいいや。俺、壇 静時。これからクラスメイトだし、よろしくな」

「あ、僕は緑谷出久。こちらこそよろしく檀君。」

 

自己紹介をしたことやクラスメイトだとわかったことで緑谷も落ち着いたような雰囲気になった。

 

「それにしても、さっきのは凄かったよ。」

「ええっと、さっきって?」

「ああ、個性把握テストのハンドボール投げのことだよ。」

「そんな!僕なんか全然だよ。」

「そんなことねぇよ。」

 

緑谷は謙遜しているが、静時は本心から緑谷のことをすげぇ奴と感じていた。

 

(あんな土壇場であそこまでの機転を利かせることが出来るなんてな)

 

静時が感心しているのはそこだった。

いまだ何ができるのか把握できていないうえに使えば体が壊れてしまう。いい結果を出さなきゃいけない、かと言って行動不能になるわけにもいかない。そんな中での行動はかなりのプレッシャーを感じていたはずだ。

しかし、緑谷はそのプレッシャーに負けず、投げる際、自分の指一本に個性を発動させ最小限の被害にすることで行動不能を回避するという方法を思いつき、ぶっつけ本番で見事成功させた。

 

(実際、俺だったらどうなっていたことだか…あぁ、本当に)

「凄かったよ。」

「う、うん。ありがとう。」

 

静時は自分の本心を隠すことなく言葉にし、緑谷もそんな静時の気持ちが伝わったのか若干照れながら礼を返した。

 

 

その後も、緑谷と声をかけてきた明るく裏表のなさそうなショートヘアの少女 麗日お茶子 と共に話をつづけた。

緑谷と麗日は、先のテストで見せた静時の個性のことやテストの記録について褒めてくれた。途中緑谷が自分の世界にトリップしてブツブツと何か呟いていたが楽しく会話できたことに静時も満足して帰路についた。

 

 

 

(これで少しは自信が付いてくれるといいんだが…)

 

静時が今回緑谷と話をしたことは、勿論素直に緑谷と友人になりたいと考えていたこととは別に、緑谷に自信を付けて欲しいと考えたからである。

今の緑谷は無個性時代のこともあって若干自分のことを卑下する傾向がある。

だから静時は、緑谷に自信を付けさせ、さらに成長してほしいと考えていた。

 

(まあ、どうなるかはこれからだな。それにオールマイトに認められるんだし、自信も自ずと付いてくるか)

 

静時は自分の中でそう結論付け、家に帰っていった。

 

 

 

次の日、雄英一日目の授業が始まった。

午前の授業は数学などの基本的な義務教育だ。(先生は個性が爆発しているが)先日のテストと比べ実に普通の授業だった。

午前の授業が終わったら大食堂で昼ご飯を食べる。ここで出される料理は一流の上に値段も安価だ。

 

そして午後のヒーロー基礎学の時間になった。

 

「わーたーしーがー❕❕」

「普通にドアから来た❕❕」

 

大きな声と共にドアから現れたのはアメコミのヒーロースーツを着た№1ヒーロー オールマイト だった。

 

「オールマイトだ!」

「すげぇや!ほんとに先生やってるんだな!」

 

超有名な№1ヒーローの登場にクラス中が色めき立った。

皆、合格発表の際オールマイトが先生をやることは知っていたはずであるが、やはり実際に目にすると皆一様に興奮を隠せないようであった。

 

「ヒーロー基礎学❕それは、ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う科目だ❕」

 

オールマイトはそんなクラスメイトたちの視線を一身上に受けながら話を続けた。

 

「早速だが今日はこれ❕ 戦闘訓練❕❕」

 

「戦闘!」

「訓練…」

 

オールマイトが「BATTLE」と書かれているプレートを掲げながらそう告げると、約一名は、楽しみなことを隠しもせずやる気の籠った声をもう一名は緊張した表情で若干固まった声を上げた。

 

「それじゃあ各自❕❕コスチュームに着替えたらグラウンドβに集合するように❕❕  あっ❕遅刻は無しで頼むぞ❕❕」

 

オールマイトは皆に各自が申請していたコスチュームが入った収納ケースを渡すと一足先にグラウンドβに向かった。

クラスの皆は収納ケースを手に取ると更衣室に急ぎ、自分のコスチュームに着替えグラウンドβに向かった。

コスチュームに着替えた皆は、自分が考えてきたヒーロースーツに身を包むことでヒーローとしての意識やなりたかったものになれれるかもしれないという期待や興奮を感じていることが表情から感じれていた。

そんな中、

 

「あれ?壇はコスチューム申請しなかったのか?」

「ああ、まあ動きやすけりゃいいかなって」

 

静時は普通の動きやすい運動服を着ていた。

 

(俺の場合コスチュームの意味があるのかわからないからな)

 

静時はそう考えながらグラウンドβに向かった。

 

 

グラウンドにつくとオールマイトが待っていた。

 

「おっ来たな。さあ、始めようか❕❕ 有精卵共❕❕」

 

オールマイトはグラウンドに集まったクラスメイトを見渡しながらこれから行う戦闘訓練についての説明が始まった。

 

「今回の戦闘訓練は屋内での対人戦だ。君たちはこれから敵組とヒーロー組に分かれてもらい、2対2の対人戦を行ってもらう❕❕」

 

そうオールマイトが告げた瞬間、クラスメイト達から質問の嵐が起こった。(約一名全く関係ないことを言ってたような気がするが…)

 

「う~ん。ショウトクタイシ~」

 

流石に聞き取れなかったのか、オールマイトは両手を上げお手上げのポーズを取った。

その後、懐からカンペを取り出し、思いっきりバレバレなカンニングを行いながら説明を続けた。

 

 

説明が終わり、くじによってチームが決まることになった。

静時が引いたくじにはGと書かれていた。

 

「お!同じチームじゃん!よろしく!」

「ん?」

 

声のした方に顔を向けると右腕を上げる上鳴と耳郎がいた。このクラスが21人いる関係上どこかしらが3人チームになるようだが、どうやら彼らと同じチームのようだと考えた静時は彼らの声にこたえた。

 

「そのようだな。よろしく頼む」

「ああ、壇!頼りにしてるぜ!」

「せっかく同じチームになったんだし、お互い頑張っていこ!」

 

その後、3人で自分たちが使える個性の説明と軽い作戦会議を行った。

 

―――訓練の開始が近づいていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。