神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

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6話

皆が同じチームの人同士で顔合わせが終わったころ、ついに戦闘訓練が始まった。最初のチームはヒーローチームは緑谷と麗日のAチーム、ヴィランチームは爆豪と飯田のDチームとなった。

参加しないほかのチームの皆はオールマイトと共にモニタールームに行き、戦闘の様子を観察することになった。

静時も皆と同じように、モニターに注目し、各チームの様子を観察した。

 

(やっぱ、爆豪はかなり苛立ってるな。)

 

爆豪は今まで無個性だと思っていた緑谷やいきなり個性を使いだしたことに自分が騙されていたと勘違いをしており、スクリーン越しからでもわかるくらい荒れており、端から飯田と連携する気がないことがないことが感じられた。

 

(危ういな、ほんと……緑谷の方は)

 

静時はそんな爆豪の様子に危機感を感じながら、今度は緑谷のチームの方に目を向けた。

緑谷はやはり苦手意識があるのか、かなり緊張した顔つきであったが、開始時間が迫ると覚悟を決めたかのような顔つきになった。

 

(どうやら心配ないようだが、果たしてどうなるか)

 

静時は心に一抹の不安を抱え、戦闘訓練の様子を見守った。

 

 

 

結果としては、ほぼと原作同じ展開になった。

爆豪は終始、飯田との連携(それどころかろくに通信さえしてない)などせず、暴走。緑谷を倒すことに執着し、必要以上に彼を追いかけてしまった。

その結果、緑谷の作戦が決まり、核の確保に成功となり、ヒーローチームの勝利となった。

しかし、この作戦により、緑谷の左腕は爆豪の爆撃をまともに受けたことで酷いやけど、右腕はワン・フォー・オールの強化によって変色し壊れた。麗日も自身の個性 無重力(ゼログラビティ)の許容量を超えてしまい、酷い酔いを起こし、まともに立てなくなるという勝った方がボロボロで負けた方が無傷という状況になった。

 

(やれやれ……結果として勝つことが出来たとしても無茶をする)

 

その後の第二回戦 ヒーローチームは半分赤色で半分水色の髪をした左の目元に火傷の痕がある少年 轟焦凍 と、どう考えても高校生のガタイじゃない口元を隠した少年 障子目蔵 のBチームで、対するヴィランチームは黄色い髪に腰の辺りから太いしっぽを出している少年 尾白猿夫 と、一見すると何もない所に手袋とブーツが勝手に動いてるようにしか見えず、口調から明るい性格なのがわかる少女 葉隠透 のIチームの試合となった。

 

 

試合は一瞬で決まった。

試合開始と同時に轟は障子を試合会場であるビルから出し、ビルを右腕で触ると自らの個性を使い一気にビル全体を凍らせた。

それにより尾白と葉隠は足が凍り身動きが取れなくなってしまい、轟の核の確保を止めることが出来ず、ヒーローチームの勝利となった。

 

 

そして第三回戦が始まろうとしていた。

ヒーローチームは、静時が入っているGチーム、ヴィランチームは八百万と頭に紫色のボールをたくさんくっついているような見た目の小柄な少年 峰田実 のCチームという形になった。

開始前、静時は同じチームの上鳴と耳郎で作戦を考えていた。

 

「まあ、こっちは三人だし余裕しょっ!」

「いや、相手は雄英に推薦で入ってきた八百万だ。どんな作戦を立てているか分からない」

「そうだね。用心していかないと。」

「一先ず俺が考えた作戦を話す。変更した方がいい点があったら教えてくれ。」

 

静時は自分が考えてきた作戦を二人に説明した。

 

「なるほどな!それなら行けそうじゃん!」

「うん!ウチもそう思う。だけどこの作戦あんたにかなり負担がかかるけど大丈夫?」

「ああ、問題ない。任せてくれ。」

 

訓練開始の合図がなったと同時に耳郎の耳たぶの先端についているプラグをビルの壁に差し、個性イヤホンジャックを使い八百万と峰田の位置を特定した。

どうやら二人は同じ部屋(恐らく核がある)におり、籠城の構えを取っているようだ。

静時と上鳴は八百万が仕掛けたであろうトラップをさばきながら二人がいる部屋の隣に移動した。

 

「さあ、行くぞ。上鳴、準備はいいか?」

「おう!いつでもいけるぜ!」

 

静時は「よし。」と言うと同時にエナジーアイテムホルダーから数枚のメダルを取り出し、自分の体に投げた。

 

『マッスル化!』

 

エナジーアイテムが起動したのと同時に部屋の壁を強化された腕力を使い破壊した。

 

ドカン!!!

「なっ!?」

「うおっ!何だあ!?」

 

突然壁が破壊されたことでヴィランチームの二人は一瞬呆気にとられた。

 

「上鳴!!」

「おっしゃあ!くらいやがれ!!」

 

その声と同時に上鳴は、チャージしていた電気を開放し、ヴィランチームに目掛け電撃を放った。

咄嗟に八百万はあらかじめ準備しておいたのであろう耐電使用の布を自分と峰田に被せ電撃を防いだ。

静時はその隙に核の確保をしようと走り出した。

 

「あなた方が正面から来ることは予測していました。峰田さん!」

「うおおおりゃあ!」

 

峰田は、自分の頭から紫色のボール個性もぎもぎによって生み出されたものを外しながらたくさんのボールを静時に向かって投げた。

 

「ちっ」

 

流石に数が多く、当たればどうなるか知っていたため静時は、核への接近を中断し、回避に専念することになってしまった。

 

「今ですわ!!」

「!?」

 

八百万はそう言うと静時に向けて、作成しておいた大砲を発射した。

静時はすぐに回避しようとしたが、静時の寸前で大砲の球が割れ、中から蜘蛛の巣のような捕獲ネットが飛び出してきた。

 

「くっ!」

 

静時は捕獲ネットをよけきれず身動きが取れなくなってしまった。

 

「これで静時さんは捕まえました。上鳴さんは……まあまともには動けないでしょう。残るは耳郎さんだけです。」

 

 

「いや、もう終わりだ。」

 

八百万と峰田は声のした方に驚きながら振り向くとそこには、

 

――――確保したはずの静時が核に手をついて立っていた。

 

「ヒーローチームWIN!!」

 

オールマイトがヒーローチームの勝利を告げた。

 

「そんな!?じゃあこちらの方は!」

 

八百万が先ほど確保した静時の方を見ると、光の粒子を出し、まるで元からいなかったかのように消滅した。

 

「いったいなにが……」

「まあ、いろいろとな。」

 

静時はそう言うと上鳴と合流した耳郎と共に無事に勝つことが出来たことを喜び合った。

 

その後もほかのチームの戦闘訓練が続き、問題なく終了した。

 

(ふう、何とかなったな)

 

静時は、安堵しながら今回の訓練のことを思い出していた。

戦闘訓練の際、静時たちのチームが取った行動はまず、最初の上鳴の電撃。あれは攻撃ではなく、半分は目くらまし、もう半分はある音をかき消すためだ。

その音とはエナジーアイテムの起動音だ。エナジーアイテムは使用する際効果にあった声がなり、そこからどんなことが起こるか予測がついてしまう。だから上鳴の電撃の音でその声をかき消した。

そこまでして静時が使ったエナジーアイテムは、 『透明化』 と 『分身』 だ。

静時は、八百万たちの相手を分身に任せ注意を引き付け、自分は透明化して核へ近づいたのだ。

もしも、透明化だけを使用し核に近いたら八百万は姿の見えない静時を警戒していただろう。

だからこそ分身をぶつけ自分たちが正面突破を使用としていると思わせたのだ。

 

(だが、こんな方法はいつまで通用しないだろうな……)

 

静時はもうすぐ起こるかもしれないあの事件を考え、気を引き締めた。

 

(いざとなったら……)

 

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