神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

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8話

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、それともう一人の三人体制で行うことになった。」

 

先のマスコミの騒動があって数日がたった日、午後の授業が始まると相澤先生が授業の説明を始めた。

 

「授業の内容は、人名救助(レスキュー)訓練だ。実際の災害時、どうやって人を救えばいいのかを学ぶ授業だ。」

「今回、コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を制限するデザインのコスチュームもあるだろうからな。」

「訓練場まではバスでいく。各自準備をしたら集合場所に待機。以上」

 

(ついに来たか……)

 

説明を終えた相澤先生は教室から出て行った。

皆は、急いで更衣室に向かいコスチュームに着替えた。静時と緑谷(この前の戦闘訓練でボロボロになってしまった為グローブとマスクだけになった)は、雄英の体操着に着替えていた。

 

 

「みんなバスに乗る前にスムーズに乗れるよう二列で並んでおこう!」

 

着替えて集合場所に待機していると飯田がそう提案してきた。

飯田は委員長になったことで張り切っている様子だ。

しかし、バスは長椅子で対面するように座るため意味がなく、飯田は落ち込んでしまった。

そんな飯田を置いて、クラスメイト達は互いの親睦を深めようと雑談を始めた。

途中、あの爆豪ですらいじられており、それを見た緑谷は驚愕の表情を浮かべた。

静時は皆の話に耳を傾け、時折話に参加しながら様子を見た。

 

「私、思ったこと何でも言っちゃうの。」

「緑谷ちゃん。」

「は、はい!?蛙吹さん!」

「梅雨ちゃんって呼んで」

「あ。う、うん。」

 

急に話しかけられ緑谷は一瞬驚いたが何とか持ち直し、蛙吹の質問を待った。

 

「あなたの個性、オールマイトに似てるわね。」

「そ、そそそうかな!? で、でも僕のはそのあのえーっと…」

 

いきなり秘密の核心部分をつかれ緑谷は激しく動揺してしまった。

 

(いや、少しは落ち着けよ。しょうがないな)

「まあ、使ったら体が壊れちゃうけどな」

「だよなぁ。オールマイトは怪我しねぇしよ。似て非なるアレだぜ。」

 

上手い具合に切島が乗って来てくれたため、この話は有耶無耶になった。

 

 

 

そうこうしているとバスは目的地に到着した。

バスを降りると、とても大きな建物の前に今回の授業で同伴するスペースヒーロー13号が待っていた。

13号先生に案内され中に入ると、そこには広大な空間が広がっていた。

 

「すっげぇ……USJかよ。」

「水難事故、土砂災害、火災、暴風etc、あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。」

「その名も、『ウソの・災害や・事故ルーム』 略してU・S・J!」

(((ホントにUSJだった。)))

 

皆はあまりにもまんまの名前に呆気にとられた。

相澤先生は13号先生に待ち合わせるはずのオールマイトが来ていないことを尋ねると、13号先生はオールマイトが通勤の途中、マッスルフォームになれる制限時間ギリギリまで事件を解決していたため授業に参加できず、今は仮眠室で休んでいることを伝えた。

 

「不合理の極みだな。」

(まあ、念の為の警戒体制か……)

 

相澤先生は呆れながら、このまま授業を進めた。

始める前に13号先生は自分の個性が容易に人に害を与えることが出来ることを話し、今の超人化社会の危うさを説いた。そして、自分たちの個性が持つ可能性とそれを人に向ける危うさ、そして最後に自分たちの個性は人を傷つけるためでなく人を助ける力であることを生徒に向けていった。

その話がクラスメイト達の心に響いたのか口々に13号先生に声援を送った。

本当は静時だっていい話だと感心したしクラスメイト共に拍手なり、声援なりを送りたかった。

 

 

だが、静時にはそんな余裕はなかった。

 

 

13号先生の話が終わるのとほぼ同時に異変が起こった。

一番早く気付いたのは、ここに来てから常に気を張り、周囲を警戒していた静時だった。

 

「相澤先生!!あそこだ!」

「っ!?」

 

静時が声を上げながら指さした方向には、黒い靄のようなものが急速に広がっていた。

 

「全員一塊になって動くな」

「13号、生徒を守れ!」

 

相澤先生が素早く指示を出すなか、広がった黒い靄の中から次々と人が出てきた。

 

「なにこれ、ひょっとしてまた入試の時みたくもう始まってんぞパターン?」

「動くな! あれは……ヴィランだ。」

 

相澤先生がそう言ったことでクラスメイトたちは、突然のことで動揺を隠せないでいた。

 

(クソっ!やっぱり来やがったか!)

 

静時はこぶしを握りながら、最後に靄からでてきた全身に手のような装飾を付けた男と脳みそがむき出しの黒色のガタイが大きな存在を睨み付けていた。

 

 

「あれ…オールマイトいないじゃん…」

「13号にイレイザーヘッドですか、先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」

「どこだよ…せっかくこんな大衆引き連れてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴…いないなんて…」

「……子供を殺せばクルノカナ…」

 

1-Aにとって、初めての悪意が牙を向こうとしていた。

 

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