神の名を持つライダーはヒーロー志望   作:Katarina T

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9話

ヴィランが突如として雄英に潜入してきた。目的は、オールマイトの殺害。

確かな悪意と敵意を持ちながらヴィランたちは、静時たちがいる方へ向かってきた。

 

相澤先生改め、『イレイザー・ヘッド』は上鳴に個性を使って学校に連絡をとれないか試すよう言った後、生徒たちを13号に任せ、自分はいつも首に下げているゴーグルを装着し、一人ヴィランたちの相手を努めた。

ヴィランたちの方に向かう際、緑谷に「イレイザー・ヘッドは個性を消しての捕縛が得意であり、一対一ならまだしもあんな大人数が相手じゃいくら個性を消せても危険すぎます!」と言われたが、

 

「ヒーローは一芸だけじゃ務まらん」

 

イレイザー・ヘッドはそう言うとヴィランとの戦闘を開始した。

 

戦闘は完全にイレイザー・ヘッドのペースだった。

イレイザー・ヘッドは、個性を消すタイミングや相手を正確に選び、相手のペースを崩していった。

本来集団での戦闘の際、いかに味方と連携をしなければならないかが重要となってくる。ヴィランたちもそれが分かっているのかある程度連携をとれるようにしてきていた。

しかし、イレイザー・ヘッドが個性を消すことで、個性がいきなり使えなくなったことに動揺し連携を乱されてしまい、その隙を付かれ捕縛用の布を巧みに使うイレイザー・ヘッドにより行動不能にされられていた。

その上ゴーグルで目を隠していることによって、いつ誰が個性を消されるか分からないこともヴィランたちの連携の乱れに拍車をかけていた。

 

イレイザー・ヘッドがそうやってヴィランたちの相手をしている隙に13号は生徒たちを連れてUSJからの脱出を試みるが、

 

「おっと、お待ちください。」

 

最初に現れた黒い靄のような存在 黒霧 が立ちはだかった。

 

「初めまして、我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして……」

 

ヴィランらしくない至極丁寧な口調がこの場においてよりいっそうの不気味さを感じさせた。

そんな中黒霧は、先ほどのように黒い靄を広げだした。

すると、爆豪と切島はあろうことか黒霧目掛けて個性を発動しながら向かっていってしまった。

 

「待て!!爆豪!切島!」

 

静時は、咄嗟に二人を止めようとするが時すでに遅く黒い靄が13号と生徒たちを包んでしまった。

 

 

 

静時が目を開けるとそこは高い岩山の上だった。

どうやら、生徒たちを分散させることが目的のようであった。

静時は、辺りを見回すと同じく飛ばされてしまったのであろう、上鳴と耳郎、八百万の三人を発見した。

 

「ん、ここは?」

「どうやら分断されてしまったようですわね。」

「マジかよ。じゃあ早くみんなと合流しないと」

 

三人の中で八百万がいち早く状況を理解し、ほかの二人に説明した。

 

「それはそうだが…っ!?三人とも戦闘準備を!」

 

静時は三人にそういうとエナジーアイテムホルダーを取り出した。

周りには、十数人ほどのヴィランがことらに向かって来ていた。

 

「なっ!?」

「これはいったい!?」

「生徒たちを分散させて各個嬲り殺しするつもりだろう。」

「完全に囲まれていますわね。」

 

ヴィランたちが下衆の表情を浮かべながらこちらに襲い掛かろうとしたその瞬間、

 

『マッスル化!』  『高速化!』  『鋼鉄化!』

 

「ふっ!」

「ぐほぉっ」

 

静時はエナジーアイテムを発動させ、ヴィランの一人を殴り飛ばし気絶させた。

 

「なっ!?このクソガキ!」

 

すぐそばにいたヴィランが静時を攻撃しようと襲い掛かってきたが、静時はエナジーアイテムによって強化された身体能力を駆使し簡単にその攻撃をさばくと、逆にカウンターで拳を相手の体に叩き込み気絶させる。

 

(ふむ、やはりこいつらは思ったより強くないな。)

 

そう、こいつらはヴィランと言っても所詮チンピラに毛が生えた程度の実力しかなく、何なら入試に出てきた仮想敵のほうが強いまである。

そんな奴らに、これまでヒーローになるため体を鍛えていた静時が負けるはずがない。

静時は次々とヴィランたちを再起不能にしていく。

八百万、上鳴、耳郎の三人もそんな静時の姿を見て冷静になったのか、各々の個性を生かしてヴィランを撃退していった。

 

隠れて奇襲しようとしていたヴィランを含め、全てのヴィランを撃退し、捕縛することに静時たちは成功した。

 

「三人とも怪我はないか?」

「ええ、大丈夫ですわ。」

「こっちもないぜ!」

「ウチも大丈夫!にしても壇、アンタめっちゃ強いね!」

「ほんとにな!助かったよ」

「はい!私も助かりました。ありがとうございます。壇さん」

「いや、助かったのは俺も同じだ。それより三人とも無事でよかった。」

 

静時は三人が無事なことに一先ず安堵し、広場の方に目を向けた。

 

「っ!マズイ!!」

 

静時が視線を向けた先には……

脳みそがむき出しの巨体を持った怪物 脳無 に頭を地面にたたき伏せられ血だらけになったイレイザー・ヘッドと

手のような装飾を体中に着けている細身の男 死柄木弔 が蛙吹に五本の指を向けて今にも触ろうとしている姿があった。

 

静時はすぐさま五枚ものエナジーアイテムを自分に投げた。

 

『高速化!』  『高速化!』  『高速化!』

 

『ジャンプ強化!』  『マッスル化!』

 

エナジーアイテムが起動するのと同時に彼らに向かって静時は飛んだ。

加速されたスピードを最大限に生かし、彼らのそばに到着すると蛙吹に触れようとしている死柄木に向かって拳をふるった。

 

「はああああああああ!」

「ぐっ!」

「死柄木弔!?」

 

死柄木は咄嗟に手をクロスして防いだものの、勢いを殺せず吹っ飛ばされた。

 

続いて静時は、そのままの勢いまま突然の出来事に呆気に取られているのか動かないでいる脳無の顔面に蹴りを叩き込んだ。

それによって脳無が怯んだ隙にイレイザー・ヘッドを救助し、水辺にいた蛙吹と緑谷、峰田と共にヴィランたちから距離をとった。

 

「ああいったぁ…何だ…お前…」

 

少しは効いたのか右腕をかばうようにして立った死柄木は、突然現れた静時を怒りの籠った目で睨んだ。

 

(さて、ここからどうするか……)

 

静時は若干の冷や汗を搔きながら、奴らと戦う術を考えた。

 

 







ちょっとネタバレという名の次回予告



次回『Judgmentを下す者』
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