軽快な目覚ましが部屋中に響くと同時にわたしは飛び起きた。今日は待ちに待ったデュエル・アカデミアの試験日だからだ。わたしは階段をパタパタと駆け下り、朝ごはんを作り終えて、リビングでテレビを見ながら寛いでいた母さんに一声をかけてから洗面所に向かった。
「万花(ばんか)、今日は珍しく早いのねー。今日って何かあったかしら、試験はこの前終わったし……」
わたしは母さんがいつの間にか後ろに立っていたことに驚きつつも、顔を洗うために蛇口を捻る。水の量を調節しつつ、シャワーに切り替える。
「母さん、今日はデュエル・アカデミアの実技試験の日だって言ったでしょ。この前のは筆記試験。実質今日で決まるようなものだよ。それにわたしはいつもねぼすけじゃない」
水がちょうどよく温まったので、わたしは手で水をすくい、顔を洗う。
「あらー、そうだったの。初めて聞いたわー。でもママより起きるの遅いじゃない、ねぼすけさんよー」
「母さんが早すぎるの。わたしは普通。それと、わたし三回は今日が実技試験って言ったからね」
わたしは顔を洗い終わったので、タオルを探して手をふらふらと彷徨わせていると、それを見かねたのか後ろから母さんがタオルを渡してくれた。タオルで濡れた顔を拭いて
「っふぅ、ありがと」
と、わたしはそう短く礼を言い、キッチンへと向かった。母さんが作ってくれた朝ごはんを食べながら、テレビ視線を向ける。
今日も面白そうなことはやってないなー。
そんなことを思いながら15分くらいで朝食を食べ終え、食器を洗っていると、母さんと一緒に父さんがやってきた。恐らく母さんも来なかったのは父さんを起こしていたからだろう。
「おはよう、万花。今日も早いね」
「おはよう、父さん。父さんが遅いんだよ」
「ははは、たまの休みだからね。ゆっくりしたい気分だったんだ」
「父さん……それ毎週言ってるよ。ご飯冷めちゃったよ、早く起きないから」
どうして母さんはあんなに早起きなのに父さんはねぼすけさんなんだろう。一人娘のわたしの起きる時間が中間なのは当然だったのかもしれない……。
デュエル・アカデミアの試験は8月初旬に行われる。海外に時間進行を合わせているためである。つまり、一般高校とは違い、中学を卒業してから5ヶ月近く余裕があるのだ。万花の中学の友人たちは受験が遠く、休みが長くて羨ましいと言っていたが、そうでもない。休みが長いことは事実だが、出される問題はカードのこと、戦術のこと、詰めデュエルだったりと中学で勉強してきたことは全く役に立たないため、カードの勉強しなければならないのだ。さらに、デュエル・アカデミアは絶海の孤島にあり、単身そこに向かうのだ。男子ならともかくとして年頃の女子が行きたがるようなところではないからだ。それでもデュエルが好きだから、という理由でアカデミアを受験する女子が多いのも事実ではあるが……。
「よし、着替えも終わった、眼鏡もかけた、デッキも持った、デュエルディスクも当然オッケー。髪もみだれてない。完璧!」
万花はリビングに入り、水筒を準備し、カバンに詰める。少し家族と談笑しながら、時間を潰し、受験会場に遅れないように余裕を持って家を出るつもりだった。
「行ってきまーす!」
靴を履き、ドアノブに手をかけ、それを回し、一歩踏み出した。その顔は緊張の面持ちなどはなく、自信に満ち溢れ、ワクワクしているそんな表情だった。普通は緊張するような試験の日だが、万花は自身のデュエルの腕に自信がある。対戦相手は中学の友達たちだったが、その中では一番だった。ショップ大会などには出場して、何度も優勝を飾ったことがある。その経験が万花の顔を明るく照らしている。
「「行ってらっしゃい、頑張ってこい(きなさい)」」
一歩踏み出したあとに聞こえてきた両親の言葉を背に受け、いつもよりも少し軽い足取りで試験会場に向かった。
「あれ、なんでこんなに人多いんだろ……。確か受験人数は150人って聞いたんだけどな」
「君、早いな」
「え?早いですか…?もうこんなにいっぱいの人がいますよ。むしろ遅かったんじゃ……」
「いや、そんなことはないさ。なぜならここに先に入っていた人達は元々デュエル・アカデミアの生徒の人だろう。中等部から上がった人や先輩方もいるはずだ」
「あー、なるほど。そういうことだったんですか。なら良かったです」
「そうだ、自己紹介がまだだったね、俺は三沢大地。よろしく」
「わたしは千維(ちい)万花です。よろしく三沢くん」
どうやら彼は筆記試験で1番だったらしい。実技試験の受験番号は筆記試験の結果で決まるらしい。わたしは11番だったからまあまあってことかな。
―実技試験を開始します。受験番号が100番台の受験生はデュエルスペースにて待機してください。―
ついに実技試験のコールが始まった。どんなデュエルをするのか楽しみだなぁ。最近、ペガサス会長が考案した新たな二種類の召喚方法を使う人はいるのかな。100番台の人ってあまりデュエルが上手くないのかな。切り込み隊長を使った切り込みロックを知らない人もいるし……。うーん少し退屈かも。
そう思い、万花は携帯を取り出し、ニュースを見る。トップには人身事故の影響で電車が遅れている、という旨だった。
あっぶなー、わたしも遅刻する可能性あったんだ。これに巻き込まれた人はかわいそうだなー。
―それでは10番台の受験生はデュエルスペースにて待機してください。―
よし、呼ばれた。
スゥっと息を吸い、ゆっくりフゥっと吐く。これを繰り返し、デュエルスペースに降りていった。
「ん、千維さんか。そうか、君は10番台だったか、頑張れよ」
「ありがと、三沢くん。わたしのデュエル楽しみにしてて」
「ああ、楽しみにしているよ」
降りていく途中で三沢くんが声をかけてくれた。さっき知りあったばかりなのに応援してくれた。これは恥ずかしい姿見せられないな。
万花の相手ははっきり言って気持ち悪がられるような人だった。顔面蒼白で、唇に紫色の口紅を塗っていた。単純に体調が悪く、顔面蒼白になりつつもわざわざ試験に来ているのだとしたら教師の鑑と言えるのだが……。
「私(わたくし)は実技担当最高責任者のクロノス・デ・メディチでスーノ。あなたの相手を努めまスーノ。私が相手だからといーって、決して固くなる必要はないノーネ。全力でかかってくるノーネ」
「受験番号11番千維万花です。よろしくお願いします!」
「よい挨拶でスーノ。では試験を開始するーニョ」
「「デュエル!!」
相手が実技担当最高責任者ってことはわたし期待されてるのかな。でも、他の人の時も担当してたし、たまたまかな。でもラッキー。
「先行は譲るノーネ。(ふむ、筆記試験で気になる解答をしていた子を私が相手にしていまスーガ、他の子たちは期待はずれでしたーノ。他の教員達ーハ、筆記試験を満点で通った三沢くんばかり見ていまスーガ、私が一番気になったのはこの子のテストの結果、そしてアンケート……。その答えを今みせてもらいまスーノ)」
「(最近はルールが変わって先攻ドローができなくなったんだよね。)いきます!わたしのターン!」
万花 手札5 フィールドなし LP/4000
「わたしは手札から魔法カード増援を発動。デッキから終末の騎士を手札に加えるよ。じゃなかった、加えます。そして終末の騎士を召喚」
増援/通常魔法
デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。
終末の騎士/効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1400/守1200
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる。
「終末の騎士を召喚したことにより効果発動!デッキからトリック・デーモンを墓地に送るよ……じゃない、送ります」
砂漠で粉塵を吸い込まないためにマントで口と鼻を覆い、目をゴーグルで覆った騎士甲冑を纏ったモンスターが現れると剣を振りかざした。フィールド上に現れ、
終末の騎士を召喚したことで周りがざわつく。
デッキから墓地に?何を考えているんだ。それよりも増援を使うならもっといい戦士族がいるだろ、だとかそんなような声が聞こえてきたけど気にしない。わたしはわたしのデュエルをする!
トリック・デーモン/効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 0
このカードがカードの効果によって墓地へ送られた場合、
または戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、
デッキから「トリック・デーモン」以外の
「デーモン」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。
「トリック・デーモン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
「墓地に送ったトリック・デーモンの効果を発動!このカードが墓地に送られた時デッキからデーモンと名のついたカードを加えることができる」
会場の観客席の青い制服を着て、偉そうにふんぞり返っている男子生徒がさも意外そうな顔をして万花を見る。
「あいつ、まさか女のくせして【デーモン】か!?」
その隣にいた男子の二人がその言葉で万花のデュエルを見始めた。
「わたしはデッキからデーモンの宣告を手札に加え……ます。そしてカードを一枚伏せてターンエンド!」
青い制服に身を包んだ背が高く、俗に言うイケメンの男子生徒が金髪の綺麗な顔立ちをした女生徒に話しかける。
「デーモンの宣告を手札に加えたということはデーモンではないな。わかるか明日香?」
「いいえ、検討もつかないわ。デーモンの宣告はいわば賭けのようなもの。【デーモン】かと思ったけど違うのかしら」
「俺も最初はそう思った。しかし、あのデッキは恐らく……」
「(ふむ、デーモンの宣告を加えましたか。だとすればあの子のデッキは恐らくあのデッキ。ターンをかければ厄介でスーノ)私のターン、ドローニョ。私は手札から魔法カード増援を発動。デッキから闇魔界の戦士ダークソードを手札に加えまスーノ。そして手札から融合を発動。手札の闇魔界の戦士ダークソードと漆黒の闘龍を融合しまスーノ」
クロノス 手札5→6 LP/4000
クロノスのフィールド渦を巻いた空間が現れ二つのサーベルらしきものを持った仮面をつけた戦士と体躯は小さいが、黒く染まっている禍々しい龍が現れ、渦に吸い込まれて消えたかと思うと、小さな体躯を持った漆黒の龍が大きくなり、さきほどの戦士を乗せたモンスターが現れた。
闇魔界の戦士ダークソード/通常モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1800/守1500
ドラゴンを操ると言われている闇魔界の戦士。
邪悪なパワーで斬りかかる攻撃はすさまじい。
漆黒の闘龍/ユニオンモンスター
ユニオンモンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻 900/守 600
1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに装備カード扱いとして
自分の「闇魔界の戦士 ダークソード」に装備、
または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で装備カードになっている時のみ、
装備モンスターの攻撃力・守備力は400ポイントアップする。
守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を越えていれば、
その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。
装備モンスターが戦闘によって破壊される場合は、
代わりにこのカードを破壊する。)
融合/通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
「そして私はエクストラデッキより闇魔界の竜騎士ダークソードを融合召喚するノーネ。そして手札から戦士ダイ・グレファーを通常召喚するーニョ」
闇魔界の竜騎士ダークソード/融合・効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1500
「闇魔界の戦士 ダークソード」+「漆黒の闘龍」
このカードが相手に戦闘ダメージを与える度に、
相手の墓地から3枚までモンスターカードを選択し、
ゲームから除外する事ができる。
戦士ダイ・グレファー/通常モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600
ドラゴン族を操る才能を秘めた戦士。過去は謎に包まれている。
「戦士ダイ・グレファーで終末の騎士を攻撃するノーネ。更に闇魔界の竜騎士ダークソードでダイレクトアタックなノーネ。ディファレント・ディメンジョン・スラッシュ!」
「この瞬間、罠カード発動お家おとりつぶし!対象は闇魔界の竜騎士ダークソード!」
お家おとりつぶし/通常罠
通常罠
手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。
さらに相手の手札を確認し、破壊したカードと同名カードを全て墓地へ送る。
古びた屋敷に突撃した戦士を乗せた龍はそのまま潰されようとしたその瞬間、漆黒の龍は先程の空間に取り込まれて何かが新たに飛び出した。
「速攻魔法融合解除なノーネ。これにより闇魔界の戦士ダークソードと漆黒の闘龍がフィールドに戻るノーネ。さらにお家おとりつぶしの手札ピーピング効果は不発にナーリ、続けて二体のモンスターでダイレクトアタックできるノーネ」
「うわあああああッ!!」
躱された……ッ!さすが実技担当最高責任者、カードの使い方が上手いなぁ。
「こんなにライフを削られるなんて思っていませんでした」
「フッフーん、当然なノーネ。私はカードを二枚セットし、闇魔界の戦士ダークソードに漆黒の闘龍を装備し、ターンエンドなノーネ」
クロノス 手札0 フィールド リバースカード2 漆黒の闘龍(ユニオン) 戦士ダイ・グレファー 闇魔界の戦士ダークソード LP/4000
万花 手札3 フィールドなし LP/1500
ライフが1500しかないのは痛いな。でも手札も悪くないし、いけるはず!
「わたしのターン!ドロー!天を裂き、大地を抉り、天地を穿つ厄災が永劫に反転世界を映し出す!!永続魔法!天変地異を発動!このカードの効果によりお互いのプレイヤーはデッキを裏返した状態でデュエルする!」
万花が発動した天変地異の効果を聞いて観客がまたざわつき始める。
「天変地異?なんでそんな使えないカードを使っているんだ」
「意味ないカードを使いたがるやつはどこにでもいるもんさ」
「なるほどな、初めは【デーモン】かと思ったが、天変地異を主軸にした【天変地異】か。面白いが、そんな弱小デッキを好んで使うとは奴もたかが知れてるな。期待するのはやはり1番台のみだな」
「ふむ、やはり【天変地異】だったか」
「そうみたいね。亮、確かあのデッキはそんなに強くはなかったはずよね?どうしてあんなマイナーなカードを使うのかしら」
「そしてわたしは手札から永続魔法デーモンの宣告を発動!そしてデーモンの宣告の効果発動!500ライフポイント支払いデッキトップを宣言する!デッキトップが宣言したカードだった場合、手札に加える!わたしが宣言するのは深海のディーヴァ!天変地異の効果で宣言カードは外れない。深海のディーヴァを手札に加えるよ」
天変地異/永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、
お互いのプレイヤーはデッキを裏返しにしてデュエルを進行する。
デーモンの宣告/永続魔法
1ターンに1度だけ、500ライフポイントを払い
カード名を宣言する事ができる。
その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、
宣言したカードだった場合手札に加える。
違った場合はめくったカードを墓地へ送る。
「(ふむ、ここまでは予想通りでスーノ。しかし、今彼女が手札に加えたモンスターの効果を私は知らナーイ。恐らく新しくI2社が新たに作った二種類のモンスターカードに関係するカード。なぜなら彼女は筆記試験では融合、儀式モンスターよりもその新たなカード、シンクロ、エクシーズに関する問題はパーフェクト。ほかにそういう子達もいましたーガ、勘で偶然当たったようでスーノ)さあ、どこからでもかかってくるがいいノーネ!」
突然クロノスが声を上げたことに驚きつつも、万花はモンスターを召喚した。
「わたしは深海のディーヴァを通常召喚するよ。深海のディーヴァの効果により、デッキからレベル3以下の海竜族を特殊召喚できる。わたしが特殊召喚するのはリチュア・ディバイナー!そしてリチュア・ディバイナーの効果発動!デッキトップを宣言し、それが宣言したカードだった場合、手札に加える!」
「(なるほど、ノーコストのデーモンの宣告ですか。手札が減らないとはまさにこのこと。やりまスーネ)」
「わたしはサイクロンを宣言、宣言カードは外れない。そしてサイクロンを発動!先生の右側のカードを破壊するよ!」
破壊したカードは聖なるバリアミラーフォース……。危なかったー、防ぐ手立てなかったし……。
「マンマミーア!私の聖なるバリアミラーフォースが……。(もう一枚のカードは融合、ブラフとして伏せて置きましたがそれでもミラーフォースを当てる運の強さ、一流のデュエリストの原石なノーネ)」
「そして、わたしはレベル3リチュア・ディバイナーにレベル2深海のディーヴァをチューニング!」
観客は先ほどとは違い、嘲るのではなく、チューニングという聞きなれない単語に疑問を抱いたのだ。ほとんどの観客はチューニングがわからず頭の上に疑問を浮かべたままだが、中には当然わかるものもいるようだった。
「チューニングだとぉ!?それは最近出来た新しい種類のモンスターを召喚するための条件だぞ……。なぜあんなやつが……。俺ですらまだ持っていないというのに……」
万花がトリック・デーモンを使った時に【デーモン】と予想した男が納得できないといった様子で万花を睨みつける。それを先程から嘲笑しかしていなかった取り巻きが諌める。
今度は見目麗しい男女のペア……男は亮と呼ばれ女は明日香と呼ばれていた二人組は納得したような表情をしていた。
「なるほど、合点がいったわ。だからあの子は火力にかけるあのデッキを使っているのね」
「【天変地異】と【シンクロ】を混ぜたデッキか。俺も戦ってみたいものだ」
「私もよ。シンクロ使いは学園にいなかったから、余計に戦いたいわ」
二人はまだ見ぬシンクロという召喚方法にそれぞれ思いを馳せながら、万花のデュエルを観戦するのだった。
「心の深淵に燃え上がる我が憎しみの炎よ、黒き怒濤となりてこの世界を蹂躙せよ!
シンクロ召喚!現れろ、マジカル・アンドロイド!」
マジカル・アンドロイド/シンクロ・効果モンスター
星5/光属性/サイキック族/攻2400/守1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分のエンドフェイズ時、自分フィールド上の
サイキック族モンスター1体につき、自分は600ライフポイント回復する。
二体のモンスターが空中に飛び、リチュア・ディバイナーの体が透けカードに表記されている星になると深海のディーヴァが消えて、創り出したどこか機械的な円の中に入っていく。そして輝きが視界を奪うとそこに現れたのは冷徹に相手を見下しているモンスターだった。
「いくよ!わたしはマジカル・アンドロイドで闇魔界の戦士ダークソードをアタック!サイキック・バースト!」
マジカル・アンドロイドの杖のようなものから稲妻を帯びた火球が創り出され、それをダークソードに投げつける。
「ぐぬぅ、しかし私のフィールドの漆黒の闘龍の効果により、ダークソードは破壊されませン」
「でも、漆黒の闘龍は破壊される。そして、これで融合はできない!」
ダークソードを覆っていた黒き鎧が外れ消えていく。
「ンな!?(伏せカードが融合とばれたのでスーカ!?そんなはずは……ハッ!天変地異でわたしのデッキトップを確認したということなノーネ。……やはり、次のドローカードは融合。目が良すぎるノーネ。だからこそあのデッキなのかもしれませンーガ)」
「わたしはカードを一枚伏せてターンエンド。そしてターンエンド時にマジカル・アンドロイドの効果発動。サイキック・キュアー」
万花 手札1 フィールド マジカル・アンドロイド 伏せ1 天変地異 デーモンの宣告 LP/1600
クロノス 手札0 フィールド 闇魔界の戦士ダークソード 戦士ダイ・グレファー 伏せ1 LP/3600
「私のターンドローニョ、ダークソードとグレファーを守備表示に変更してターンを終了するノーネ」
「わたしのターン、ドロー!わたしは手札から浮上を発動!墓地のリチュア・ディバイナーを復活させる!」
浮上/通常魔法
自分の墓地のレベル3以下の
魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する。
「リチュア・ディバイナーの効果発動!宣言するカードは禁止令!宣言カードは外れない。禁止令を発動するよ。宣言するカードは融合!これでこのカードを破壊しない限り融合は使えない!更に500ライフ払い、デーモンの宣告を発動、宣言するカードは龍脈に棲む者、宣言カードは外れない。そして龍脈に棲む者を召喚!」
禁止令/永続魔法
カード名を1つ宣言して発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
宣言されたカードをプレイする事はできない。
このカードの効果が適用される前からフィールド上に存在するカードには
このカードの効果は適用されない。
龍脈に棲む者/効果モンスター
星3/地属性/ドラゴン族/攻1500/守 700
このカードの攻撃力は、
自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で存在する
永続魔法カードの数×300ポイントアップする。
「マジカル・アンドロイドと龍脈に棲む者でモンスターを破壊!そしてリチュア・ディバイナーでダイレクトアタック!」
万花 手札1 フィールド マジカル・アンドロイド 伏せ1 天変地異 デーモンの宣告 禁止令 LP/1700
クロノス 手札1 フィールド 伏せ1 LP/2400
「(私の次のドローカードはブラックホール、これで初期化を狙うしかないノーネ)私のターン、ドローニョ」
「この瞬間罠カード発動!マインド・クラッシュ!宣言カードはブラックホール、宣言カードは外さない」
「ペ…………」
「ペ?」
「ペ、ペペロンチーノォォォォォ……」
「なんで、なんで、ペペロンチーノなの!?ふ、ふふ、あはっ、あははははは!」
「た、ターンエンドなノーネ!さあシニョーラのターンなノーネ!!」
「はぁ、はぁ……わたしのターン……ふ、ふふ。ド、ドロー。マジカル・アンドロイドでダイレクトアタック!サイキック・バースト!」
「良いデュエルだったノーネ」
「はい!ありがとうございました」
「それかーら、途中から敬語じゃなかったケード、自然体でデュエルした方が、良いデュエルになるノーネ。覚えておくといいノーネ」
「はい!」
クロノスとのデュエルを終え、元の席に戻ろうとした時に万花は声をかけられた。
「千維さん、見事なデュエルだった。もうシンクロモンスターを使いこなしているとは、恐れ入ったよ。それに天変地異のコンボも見事だった。次は俺のデュエルを見ていてくれ」
「ありがと、三沢くん。楽しみにしてるね」
実技試験はこのあと遅刻者が現れ、クロノスが自分のデッキで戦ったが、負けてしまいそれで幕を閉じた。万花は三沢のデュエルよりもその遅刻者のデュエルの方がワクワクした。
アンケート用紙 筆記試験受験番号835千維万花
シンクロモンスターや、エクシーズモンスターをもっと使いこなしたいです!!
カードテキストが多すぎる…。フィールド整理が面倒だ…。
一度使用したカードは次回からカードテキストを省きますので、見やすくなってくると思います。
まあ相手の使用するカードテキストは毎回表示しますけど…(笑)
批評、お待ちしています。